2024.05.28
子どもに寄り添える柔軟でカッコいいおじさんになりたいワン!憧れはアル・パチーノ『セント・オブ・ウーマン/夢の香り』【シアターフニャオ 〜ダンビラムーチョ原田の日常〜 vol.24】
実は映画通の芸人、ダンビラムーチョ・原田フニャオさん。『シアターフニャオ』(月1回更新)は、フニャオさんが日常で起きたエピソードとともに映画を紹介するコラムです。
先日、『おはスタ』に出演したダンビラムーチョ。小学生がホームランを狙うコーナーということで、コンビのネタを生かした格好でマウンドに立つことに……
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「死なねェよ」
小学校四年生のときだ。
家族で夕飯を食べながら、アニメの『ONE PIECE』をボーッと見ていた。
ルフィは、圧倒的な武力を持つドン・クリークと戦っている。ドン・クリークの様々な武器でボロボロのルフィが、裸一貫でドン・クリークに向かっていく。
サンジが言った。「バカ落ち着け!!!真正面から飛び込めばあいつの思うツボだろ!!死ぬぞ!!!」と。
すると急に、僕の隣に座っていたお母さんがボソっとつぶやいた。
「死なねェよ」
え?お母さん?
そして1秒後、テレビの中でルフィが「死なねェよ」と言った。
驚いた顔で、姉ちゃんとお母さんの方を見ると「なんかリビングにワンピースの漫画置いてあったから読んでみたけど、面白いね」。
この、なんでもないようなことをすごく覚えている。
漫画はもっぱら『ビッグコミック』しか読んでなかったお母さんが、『週刊少年ジャンプ』という子ども達の文化に寄り添ってくれたような気がして、嬉しかったんだ。
猫ピッチャーと犬審判
今月で35才になった。
いや、「35才」より「35歳」と表したくなるアラフォーの入り口35歳だ。
「子どもの流行りとか、子どもが考えてることなんて全くついていけないな〜」なんて情けないおじさんにはなりたくない。子どもに寄り添う柔軟なおじさんになりたい。
さっそくだが、子どもに寄り添い系番組に出させて頂いた。昔からワクワクをお届けしている『おはスタ』だ。
少年野球チームの小学生がホームランを打てたら、ドリームオーダーという野球カードをプレゼントするという、チャレンジ企画のVTRに出させて頂いた。
僕らダンビラムーチョは、その小学生と対決するピッチャーと、ホームランを判定する審判。
ただ普通に参加するわけではない。スタッフさんから打ち合わせのときに提案があった。
「ダンビラさんのコントで猫キャッチャーっていうネタあるじゃないですか?あのキャラでやって頂きたいんです」
「全然良いですよー」と大原が答えると、
「ただ大原さんにピッチャーをやって頂きたいので猫キャッチャーではなくて、猫ピッチャーでも大丈夫ですか?」。
世界初の提案だ。もちろんキャッチャーミットを普通のグローブに変えるだけなので大丈夫だ。
「あと、原田さんも大原さんが猫なので、犬審判としてやってもらって良いですか?」
犬審判、、?やったことはないが、子どもは動物が大好き。子どもに寄り添うためにも「全力でやらせて頂きます」と答えた。
そして当日、小学校のグラウンドに野球チームの小学生、コーチ陣、そして保護者の方々が続々と集まる。そんな中、控室で大原は慣れた手つきで顔に白塗りをし、猫になっていく。オレはiPhoneで「犬 メイク ハロウィン」と調べ、なんとかメイクで犬になる。
そしてグラウンドに出て、憧れの「おーはー!」というセリフからいよいよロケが始まった
猫ピッチャーがマウンドに立ち、ホームランチャレンジ企画が始まる。僕はファールゾーンから「ワンダフルな判定をするワン!僕はワンパイアだワン!」と前の日に考えた犬審判ワードをふんだんに使っていた。
緊張しながらバッターボックスに立つ小学生。
思いっきりいけよー!!と鼓舞するコーチ。
手を組み祈る保護者の方々。
そして、、、
1球もストライクが入らない猫ピッチャー。
投げれば投げるほど、プレッシャーがかかり暴投の連発。
困った顔の小学生、そしてスタッフ陣。その顔を見て、またストライクが入らなくなる。とんでもない空気になっていた。
とてつもなくテンパっている猫ピッチャー。こんなに猫がテンパってるのは、キングオブコントの予選で猫キャッチャーの猫耳が取れたとき以来だ。
そして仕方なく、犬審判とピッチャー交代。「ピッチャー、猫ピッチャーに代わりまして犬審判」。
そして、交代した犬審判は10球中4球くらいのペースでストライクを入れ、無事小学生もホームランを打ってくれなんとか盛り上がって終わった。
数日後オンエアを見ると、「おーはー!」も自己紹介も、すべて編集でかっ飛ばされ、審判の格好をした犬が「犬ピッチャー」として小学生と対決し、それを見て猫キャッチャーがただただ喜んでいる映像が一瞬だけ映った。ワイプで『おはスタ』のMCをやっている木村昴さんが「誰だ犬ピッチャーって!なんだ今の!そして猫キャッチャーってなんだ!」と遠くの方で言っていた。
これも全ては、かたいおじさんではなく、柔軟で子どもに寄り添うカッコいいおじさんになるためだワン!
Funyao`s recommendation
さぁ今日は紹介するのは、こんな激渋おじさんになりたい憧れのアル・パチーノ作品『セント・オブ・ウーマン/夢の香り』。
アル・パチーノ演じる盲目の退役軍人フランクと、名門校の高校生チャーリーの人生が交差するヒューマンドラマ。
これは、『こがけん先生の映画クリニック』という配信番組で紹介して頂いた映画だ。僕が「1回でも人を嫌いになってしまったら永遠に嫌いになってしまう」という悩みを相談したら、この映画を処方された。
いや人の番組で取り上げた作品、ワラパーで紹介するなよ!という声があるかもしれないが、本当にその通りだ。ただあまりにもこの作品が良かったので是非とも見て頂きたい。フランクがとんでもないカタブツおじさんに最初は思うが、どんどんと魅力を感じてとても好きになる。魅力というのは滲み出るもの。これを見たら、皆さんの周りにいるカタブツおじさんも、もしかしたらいつか魅力が滲み出てくるかもと、広い心で接することが出来るかもしれません。
『セント・オブ・ウーマン/夢の香り』
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文:原田フニャオ(ダンビラムーチョ)
編集:堀越 愛、サムネイルデザイン:つるみ32
PROFILE
原田フニャオ(ダンビラムーチョ)
・出身地:長野県諏訪市
・趣味:映画、代々木八幡猫探し、酔っ払う
・特技:けん玉
★Twitter:@danviraHARADA
★Instagram:yoshihiro0519
★公式プロフィール:https://profile.yoshimoto.co.jp/talent/detail?id=4459
★公式YouTube:ダンビラムーチョ
INFORMATION
●公式YouTube『ダンビラムーチョ』にて、野球部あるある動画を投稿!
●『やまなし調ベラーズ ててて!TV』(毎週金曜19時/YBS山梨放送)レギュラー出演中!