2024.07.24

『やまなしお笑いグランプリ』で感じたくらげのコンビバランスと、夏と言ったら『サマーウォーズ』【シアターフニャオ〜ダンビラムーチョ原田の日常〜 vol.26】

実は映画通の芸人、ダンビラムーチョ・原田フニャオさん。『シアターフニャオ』（月1回更新）は、フニャオさんが日常で起きたエピソードとともに映画を紹介するコラムです。

今回は、今月頭に行われた賞レース『やまなしお笑いグランプリ2024』にまつわるお話。芸人仲間たちと最高の時間を過ごした原田さんでしたが、その日の終わりに事件（？）が起こります。

世界はつながっている

大阪で、後輩・侍スライス主催のライブに出させてもらった。

侍スライスは中卒のヤンキーコンビで、心の底からアホなので好きだ。東京で元々やっていたが漫才の修行をするために大阪に行った。「逆上京芸人」という新たなルートを切り開き大阪で活動している。
久しぶりだったので、ライブ終わりダンビラムーチョ＆侍スライスの四人で、立ち飲み屋の外で飲んでいた。すると、、

「スミマセン、チョトイイデスカ？」

と外国の方が声をかけてきた。道でも迷ったのかな？と思っていると、その男の人は

「ダンビラムーチョ、サンデスヨネ？サウジアラビアデM-1ミマシタ」

と声をかけてくれた。M-1はすごい。話を聞くと、日本が好きで大阪に旅行に来てたみたいだ。嬉しかったので写真を1枚撮ってもらい、「オウエンシテマス」とその男の人は大阪の街に去っていった。

この世界はつながっている、誰がどこで何を見ているかわからない。このワラパーも世界中の誰かが見てくれてるかもしれない。
国境のないワラパー。
プライスレス。

すぎーーーーー！！！！！

先日、『やまなしお笑いグランプリ2024』が開催された。山梨放送開局70周年イベントの、3時間生放送の中でおこなわれる賞レースだ。

山梨ネタで戦うメンバーは、デニス・いぬ・滝音・くらげ・オダウエダの5組。賞レースのチャンピオン、ファイナリストだらけのアツくて渋いメンバーだ。

山梨放送初の3時間生放送ということもあり、スタッフさん演者さんの気合いが入り、緊張感と熱気が渦巻いていた。

甲府駅の野外ステージで行われた『やまなしお笑いグランプリ』に僕らはMCで参加し、トップバッターの滝音から始まりお客さんもあたたかく、全組大爆笑のステージだった。優勝したのは、松下さんの奥さんが南甲府出身ということに、お得意の外国人ボケを見事融合させたネタを披露した、デニスさん。圧巻のステージだった。

3時間生放送は、笑いあり涙ありで、終わってみたらあっという間だった。

『やまなしお笑いグランプリ』に出てたメンバーは、山梨放送が用意してくれた大型バスに乗り、みんなで東京に帰ることになった。スタッフさんが用意してくれた大量のお土産やお酒、山梨名物一升瓶のワインも一緒に。渋滞で東京まで3時間かかったが、もっと渋滞してほしいくらいバスのなかはずっと楽しかった。『やまなしお笑いグランプリ』の話題であーでもないこーでもないと盛り上がり続けた。

こんなにも最高な1日があるのか。

このときは、まだそう思っていた、、

東京に着き、バスから降りるときだ。山梨放送のスタッフさんひとりが付き添いでバスに乗ってくれてたのだが、お酒や食べ物がダンボール二箱分ほど余っていて、スタッフさんひとりじゃ持ちきれない。そのため、各々手分けして持ち帰ることになった。

すぎにも声をかけた。

「すぎも、余ってるからビールとか持ってってくれない？」
「すみません、僕ビール飲まないんですよね」
「いや、そしたら誰か家に来たときとか用で持ち帰ってよ」
「いや〜でも僕ビール飲まないんですよね」
「そういうことじゃなくて、、、すまん、スタッフさんが持ち帰るの大変だから、とりあえず、すぎも協力してー」
「いやー、、ビール飲まないんですよね〜」

なんなんこいつ！！！
どういう意味！？！？

「いや、、すぎそういうことじゃなくて、、、じゃあわかった。信玄餅も結構あるから持ち帰って」
「いやー信玄餅１つもらってるんで、、」
「んーーー、、すぎーーー！！！！」

思わず、3時間生放送でも出さなかったくらいの大声を出してしまっていた。

「そしたらペットボトルの水もあるから、水は良い？」
「いや水も持ってるんで、、、しつこいなぁ」

すぎー！！！！！

そんな中、すぎの相方の渡辺が
「え？これ持ってって良いんですか？」
とダンボールまるまる抱えて、最高の笑顔で全部家に持って帰っていった。
コンビでなんでこんなにも違うんだ。だからこそのバランスなのか。ありがとう渡辺。

次の日、すぎに一言
「いやー信玄餅美味しかったです〜もっと食べたかったです〜」
と言われた。

すぎー！！！！！