愛と恋の違いって、なんだと思う?《春とヒコーキ「VIP ROOM HARUHIKO」第30回》

『VIP ROOM HARUHIKO』は、春とヒコーキがバーのVIP ROOM で本音を語るような、そんな場所。

‟語りつくされた、でも正解はなく、各々で考え方が異なる”普遍的なテーマについて、ぐんぴぃと土岡がそれぞれの視点で綴ります。

今月のテーマは、「愛と恋の違いって、なんだと思う?」。


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theme. 愛と恋の違いって、なんだと思う?

ver.ぐんぴぃ

知るか!!知らん!!!聞くな!!!愛も恋も知らん!!知りません!!違いもわからん!!考えたくもない!!なぜか!!考えたって何にも楽しくないからだ!!!砂漠の砂を数える方がまだ楽しい!!!ああ!!!!砂時計を見てたいな!!!砂を!!!色がついたやつ!!!そういや砂色の砂時計って見たことねえな!!!砂ふぜいが付加価値をつけようとしやがって!!!!果たして本当に3分ぴったりなのかね!!指折り数えながら見たいよ!!!あと釣りがしたい!!!最近は釣りがしたい!!!!ルアーフィッシングなんてシャバいやつじゃなくて、名無しの小エビをゲンコツでぎゅっと絞って作った団子みたいなんでやる釣り!!これもインスタで見ること多いからシャバいんかね!!??手がエビ臭くなって再起不能になるんだからシャバくないと踏んでるんだけど!!??おじさん仕草って認識で合ってるよね!!??いやミミズに針つける餌は勇気がいるんだよ!!!!!命が露骨すぎるからだ!!!!!!

一旦落ち着くか。いや落ち着かないね。プスプスと燻るよ。

なぁ。全員恋愛に興味があると思うなよ。浅いだけだから。恋愛ってのは全員経験するとされているから、話題にしやすいだけだから。グルメとか下ネタと一緒だから。全員食べるし全員おしっこやうんちもする。日テレがグルメばかりやるのは誰にでも刺さるためにやってるだけで。下ネタは全世界でウケる。それだけ。本当に心が通じ合えば恋愛の話なんてしなくたっていいはずだ。

恋愛はしない人もいるから、厳密に言えばおしっこやうんちとは違うかも。そうだな、歯磨きなんかと一緒だ。おすすめの歯磨き粉の違いを聞かされてる気分なんだわ、恋バナってさ。歯を磨かない人間からしたらどうだっていいの、愛だの恋だの。フロスなんかどれだけ歯科医に薦められたってやらねえよ。ホワイトニングは白人さんの洗脳。小学生の時にやったフッ素を歯につけるやつ、大人になってもやってくれよ!!!あれ好きだったんだよ!!!

愛だの恋だの、ほんとピンとこない。ラブソングしか歌わない歌手は覚えられないし、ハルキムラカミの恋愛小説も腑に落ちない。きっと俺、ダウ90000の真髄も分かってないんだと思うわ。恋やら痴情のもつれのコント、多分人より笑えてない。もちろん面白いからめっちゃ笑うけど俺よりみんなの方が楽しんでるんだろうなって思うよ。それだけが悔しい。恋愛をテーマにしてないネタの方が好きだよ。「30000」のFMのネタが1番震えたよ。俺はダウ90000に入れないデブだよ。

悔しくなってきた。恋愛至上主義者が嫌いなんだ。奴ら、生を受けるのが廃刀令の後でよかったな。じゃなかったら袈裟斬りだ袈裟斬り。袈裟斬りって言葉が好きなんだ。大袈裟だから。

一応エッセイなので、書くとすると。

「恋」の一年後に知るのが「愛」だと、ちゃんぴおんずのネタで見ました。

「恋」を一年放置すれば「愛」になる。違いは時間の差。僕の持ってる公式はそれだけ。ご容赦いただけないでしょうか。


ver.土岡

恋と愛の違いを論じる場合、たいていは恋が未熟なもの、愛が悟ったものとして対比される。愛が恋の上位互換だとするならば、恋の特徴から欠点を挙げ、その欠点を補ったものを愛と設定するのが有効だと考えられる。

仮説① 関係を変えたいのが恋。そのままを受け入れるのが愛。

「関係を変えたいのが恋」。相手のことをもっと知りたい、付き合いたいなどの願望を持った状態。距離が縮まることに喜びを感じる時期。

「漫画にハマるまでの流れ」に置き換えると、興味を持った漫画のことを調べて、買って読んでみる段階。

これに欠点を見出すなら、恋は変化がなければ満足できない点。

では、愛は何かと言うと、「そのままを受け入れるのが愛」。変化を求めず、共有した時間が増えていくのを喜びとする状態。距離の変化はもう起こらないし、距離だけでなく相手にも変化を求めない。

ハマった漫画を完結まで読んでしばらく経ち、やっぱり面白いなぁと思い出したり、「ここ破綻してないか?」と思う部分も含め受け止めている状態。

仮説② 相手と向かい合うのが恋。相手と同じ方向を見るのが愛。

「相手と向かい合うのが恋」。相手が何で喜び何を嫌がる人なのかを知ろうとする。また、相手と自分の間で起こる化学反応を観察している状態。

近年のマリオカートに置き換えると、レース前に車のパーツを選ぶ場面である。自分が使うキャラクターとパーツの組み合わせで、スピードや操作性が変わるので、パーツを吟味する。そして、自分の希望と折り合いをつける。

これの欠点を挙げるなら、相手と向かい合っている限りは、相手と同じ景色を見ていない点。

この場合、「相手と同じ方向を見るのが愛」となる。自分と相手を「自分たち」という主語でくくり、視線を外界に向けた状態。

マリオカートでは、実際にレースを走っている段階。見る対象は車ではなく、目の前に伸びるコースだ。その車と共にゴールを目指すのが目的である。

ここまでの考え方は、続編の作られ方に似ている。恋の特徴も十分「素晴らしい」で終わっていいところを欠点と捉えるのが、名作に続編が作られるときのやり方だ。映画『ダークナイト』やテレビアニメ『魔法少女まどか☆マギカ』は、主人公の決断によって綺麗に話を閉じるのだが、その結論の欠点をあぶり出し、続編のストーリーが巻き起こる。

となると、

仮説③ 愛は恋の続編である。

恋が成就(ヒット)した場合、その続編を作ることになる。そこでは、恋で目標としていたことや達成したことが、今度は克服すべき問題になる。一度完成したものを続けるには、あれは未完成だったとケチをつけなければいけない。「恋は衝動とセンスで走り抜くもの、愛は恋を自己批判するもの」と考えてよいだろう。


文:春とヒコーキ
編集:堀越 愛、サムネイル:つるみ32

PROFILE

タイタン 所属

左:ぐんぴぃ
右:土岡 哲朗

★公式プロフィール:https://www.titan-net.co.jp/talent/haruhiko/
★公式YouTube:春とヒコーキバキ童チャンネル【ぐんぴぃ】