ヤーレンズ・出井隼之介さんが物事の良し悪しを綴る連載『可否伝』。出井さんセレクトの「今月のコーヒー」情報とともに、心が揺れた“良し悪し”を語ります。

11月の可否
内村さんの好きな食べ物はチャーハン。どうも、ヤーレンズ出井です。
ここ数ヶ月、政治の動きが面白過ぎた。「面白さはいいからしっかりやってくれ!」という話なのだが、それにしても見応えがあった。
もうここ最近は、大谷翔平と永田町とななまがりさんの『言手』を見ていればそれでいい、という感じだった。
これまで、敬愛していた先輩が政治方面の活動に引き込まれていったことがしばしばあったが、そうなってしまうのも少し分かる面白が政治にはある。
さて、『芸人の政治的発言』に関する考えは可否伝9杯目に書いたのだが、そこからあまり変わってはいない。要は、もちろん発言するのはいいけれど、面白くできたら最高だよね、という意見だ。
僕はどこかの脳科学者じゃないので、「日本の芸人はもっと政治や社会を風刺すべきだ!」とは思わない。各々やりたいお笑いをやればいいと思っているし、税金もしっかり納めている。(アハ!)
ただ、社会に対して何かを“言わない”のは構わないが、“言えない”のは違うと思っている。
ここで言う“言えない”とは、外圧によって言うことができない、あるいは言いづらいムードが醸成されていて言いづらいという意味ではない(もちろんそれも問題だが)。そうではなく、“そもそも社会に対してなんの眼差しも持たないから、何も言えない”場合を指している。これは良くない。
我々は、芸人同士の関係性や賞レース、ポジション争いなど、自分たちの『お笑い村』の村仕事にばかり躍起になってしまう。村仕事に集中していれば飯を食えるというのは素晴らしいことで、先人たちには感謝しかない。
しかしながら、この村もまた社会の一部だ。「芸人は常識から外れた奴の集まり」みたいな古い詭弁で、社会における役割を放棄することは許されない。
我々は常に社会全体を意識しておかないと、この村の常識は、すぐに社会の非常識になりかねない。我々村民はやや排他的で、他の村との交流をあまり持ちたがらないからだ。
これは昔から一貫して言っていることなのだが、市井の営みがいちばん尊い。エンタメなんてそれを彩るためのものに過ぎず、ブルシットとまで思いたくないが、決してエッセンシャルではないワーク。社会が健全に回っていてこそ成り立つ仕事だ。
無くてもいいけど、無いと少し寂しい。その“少し”のために言わば、我々は社会に「生かされている」わけで、その社会のことを考えない、ひいては貢献しようと思わないのは違う。
我々はみな、足りないながらも常にアンテナを張って、この社会全体を自分なりに見つめた上で、自分ができる事を模索しなければならない。
各々が考えた上で、その手段が「政治的発言」なら大いにすればいいし、そうでないなら違うことをすればいいし、なるべく広く周りのことを見まわそう。
…なんて事を、この村でもっといいポジションになったら大きく提言していきたい。まずは村での仕事でもっと結果を出すぞ!
~11月の可否~
可→この広い社会の中で、自覚ある活動をすること
否→何も分からず、何も言えないこと
今月のコーヒー【OBSCURA COFFEE ROASTERS Fukuromachi】
『OBSCURA COFFEE ROASTERS Fukuromachi』(広島)


各地に店舗がある有名ロースターの広島の店舗に。

コーヒーは言わずもがな、かっこいいグッズも豊富だった。

PROFILE

ヤーレンズ・出井隼之介
ケイダッシュステージ所属
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文:ヤーレンズ・出井隼之介
編集:堀越 愛
写真&サムネイル:ヘンミモリ



