「漫才至上主義」について【シシガシラ 浜中 英昌「せきららです」第21回】

シシガシラ・浜中英昌さんによる連載『せきららです』。毎月異なるテーマで、浜中さんの心中を“せきらら”に語ります。

★シシガシラ浜中さんによる連載「脇田 in WONDERLAND」（2024年3月～2025年2月）はコチラから

ありがとう

漫才至上主義とは…
シシガシラ、ダイヤモンド、黒帯、チェリー大作戦の東京2組大阪2組からなるユニットライブである。

2022年6月から始まったこのライブ、発端はシシガシラを担当してくれているマネージャーの田辺さんだった。

「東阪2組ずつぐらいでユニットライブやりませんか？」

当時東阪のユニットライブがなかったので、「そんなこと出来るんですか？出来るなら是非やりたいです！」と言った記憶がある。

この時シシガシラは4年連続M-1準々決勝で敗退していて、どんなメンバーがいいか話し合う時にまだ準決勝に行けてないメンバーがいいんじゃないかということになった。

東京だと僕らより一年早く再結成したダイヤモンドがいいんじゃないかと。
そしたら大阪は、、全く会ったことがないがM-1の動画を見て面白かった黒帯とチェリーがいいんじゃないかとなってスムーズに決まった。

どんな形で動いていくのかというと、隔月で東京と大阪でライブをやるというもの。

なにも結果を出せていない我々4組からしたらこんなにも嬉しいことはないし、なかなか異例な事だと思う。
きっと田辺さんを筆頭に色んな大人が動いてくれて劇場の社員さん達も快くやらせてくれたと思ったら皆さんに感謝しかない。
ありがとうございます。

みんなで切磋琢磨しながら準々決勝を突破しようという目標を掲げて始まったが、すぐにとんでもないことが起きる。

初対面の日。

水を飲みに行こうと楽屋にあるウォーターサーバーのところまで歩いて行くと、なんと脇田さんが黒帯に羽交締めされていた。

脇田さんの後ろから腕を取る大西、空いたお腹にポコポコ攻撃をする寺内。

なんだこいつらは！
そう思っていたら黒帯が俺の近くに歩み寄ってきた。

「おはようございます！」
「おう！おはよう！よろしくな！」
「宜しくお願いします！」

なんだ、ちゃんとしてる奴らじゃんと思った次の瞬間だった。

「思ってたよりちっちゃいっすね。チビっすね」

ちゃんとした挨拶が最初になかったらぶん殴ってるところだった。
ただ、お陰ですぐ仲良くなれた。

チェリーも格闘技好きの男臭い宗安と、ものすごく低姿勢で実は人懐っこいねんど、すぐ仲良くなれた。

このメンツは楽しそうだ！！みんなで頑張っていこう！そう思った矢先だった。

ダイヤモンド2022M-1決勝進出。
漫才至上主義が始まって半年ぐらい。

やりすぎ、やりすぎ。

準々決勝突破という目標を一瞬で超えていきやがった。
でもおかげで自分達も頑張ればいけるかもという希望を持たせてくれたし、その気持ちがより強くなった。

翌年の2023年。シシガシラ準々決勝突破。
漫才至上主義のグループラインには「おめでとうございます」とみんなが言ってくれた。
そして敗者復活戦で勝って決勝行った時にももちろんみんなLINEをくれた。

そして2024年。シシガシラ準々決勝突破。しかし準決勝でも敗者復活戦でも負けてしまった。
この辺で衝撃的な事を聞く。

「ダイヤモンド解散します」

芸人の解散というのは本当に難しい。
もちろん解散して欲しくないし、小野には解散するなと何度も言った。でも、最終的に決めるのは本人達だから、とにかく後悔が無いようにだけはしてほしいと思う。

さて、こうなってくると漫才至上主義はどうなるのか…

ここからは正直に言う。
俺はもう漫才至上主義は辞めていいと思った。ダイヤモンドが解散というのは一区切りついたのかなと思っていた。
ただ、脇田さんはここでスパッと辞めるのは気持ち悪い。黒帯も2025がM-1ラストイヤーだし、最後1年やるべきと言っていた。

これに関してはぐうの音も出ない。脇田さんの言う通りだと思った。
辞めてもいいと言った自分が恥ずかしかった。

そして2025は全国ツアーをさせてもらった。
シシガシラ、黒帯、チェリー大作戦、そして毎回違う豪華ゲスト2組にきてもらった。
来ていただいたみなさん、ありがとうございました。

そしてそして、2025M-1、黒帯準々決勝突破！
本当に嬉しい。自分達がそこに一緒にいないことへの悔しさは無茶苦茶あるが、とにかく良かった。決勝にはいってほしい。
絶対に頑張ってほしい。

M-1がどれぐらい続くかわからないけど、2026はシシガシラとチェリーがまだ残っている。

必ずチェリーと決勝まで行って戦う。
そうなれば漫才至上主義全員M-1ファイナリストというとんでもないユニットが完成する。

そうなれるように日々頑張っていこうと改めて思った。

ありがとう漫才至上主義。
ありがとう色々動いてくれた社員さん、スタッフさん。
ありがとうゲストの皆さん。
ありがとう観に来てくれたお客様。
ありがとうダイヤモンド、黒帯、チェリー大作戦。

筆者プロフィール

シシガシラ・浜中英昌

吉本興業 所属

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