カズレーザーがニシダを甘やかす60分トークライブ「カズさん、うちの事務所入りません?」【『ラランドニシダ友好条約』現地レポート】

この度、第一回ニシダ友好条約においてカズレーザーさんと条約の締結に至りましたことをここにご報告いたします。

難航すると予想されていましたが、案外あっさりと署名をいただけて驚いております。カズレーザーさんとの話し合いの中で「ニシダはクイズ王になれる」や「エージェント契約になれ」など今後の指針を示していただきました。

今後ともカズレーザーさんとの友好関係を育みニシカズ友好1周年のお祝いをしたいと考えております。(文=ニシダ)

5月28日(土)、配信限定で「ニシダ友好条約」という名のトークライブが開催された。物々しいフライヤーに書かれた条約文。内容は「ゲストはニシダの今後の芸能人生をサポートする」という旨のものだ。第一回のゲストは、様々なバラエティでマルチに活躍するメイプル超合金のカズレーザー。果たしてニシダはカズレーザーと条約を締結することができたのか? 現地の写真を交えて振り返る。

カズレーザーを彷彿とさせる真っ赤なフライヤー

​​さて、ニシダ友好条約とは

配信が開始し、ニシダが趣旨を説明する。

「芸能界に友達が少なくて、味方になってくれる人がいないんですよ。味方になってくれそうな人をライブに呼んで、条約文に署名をいただいて、破れぬ誓いを契ろうというか…」ニシダが言うと、カズレーザーはすぐにサインをしようとし、ニシダに制止される。

「帰って飲みに行ったほうがいいだろ!」とカズレーザー節満載でライブが幕を開けた。

ちなみに最後の条約(四条目)は空欄となっており、ライブの中で締結したい条項を探していく。

「早い早い早い!!」

第一回のゲストがカズレーザーなのには深い理由があるという。

ニシダが大学生の頃出演したライブで、唯一褒めてくれたプロのゲスト芸人がカズレーザーだったそうだ。一方でカズレーザーは「俺は、ほとんどの芸人に面白いって言うんです、お前だけだよって顔で。こうやって実を結んでくれるから!」と計算高さを魅せる。

ニシダ友好条約締結式にあたっては、このようなトークテーマが用意された。

締結式のアジェンダ

ニシダを1ヶ月でクイズ王にできる

ニシダの「(カズレーザーさんは)何を目指しているんですか?」という質問を皮切りに、将来への目標の無さや不安を感じない性格が、2人の共通点として浮かび上がる。

過去のメディアで自身はお笑い芸人ではないと発言してきたカズレーザー。彼に言わせれば「ネタをやっているのが芸人」だから、自分は芸人じゃないという。

「カズレーザーさんになりたいけどなれなかったんですよ」とニシダ。クズキャラとして世に出たニシダは、当初奇人変人キャラかつ賢い存在としてメディアに露出したカズレーザーをベンチマークにしていたそうだ。一方で、ニシダはQさまでの炎上を経験し、その道を諦めた。

しかし、カズレーザーは言う。

「ニシダの方がクイズやった方がいいのにな、とは思う。得意そう」「(ニシダは)時間にルーズだろ? それって自分のやりたいことを優先しちゃうじゃん。やりたいことがクイズに集中しちゃえば、絶対に有利」

ロジカルながらも軽やかに固定観念を飛躍していく、カズレーザーの真骨頂だ。

「1ヶ月あったら(ニシダを)クイズ王にできると思うよ。その代わり23時間半カズレーザーによこして」

ニシダはクイズ王を目指すべきか

この後「クイズ番組出たい?」という不穏な問いかけから、カズレーザーのクイズ番組論が展開されることになる。

続いて話はクズキャラについて。クズキャラの特徴について分析し「先細りになりがちだよね、クズキャラって」と、カズレーザー。「クズじゃなくてダメになった方がいい」と方向性を指し示す。

「自分がニシダだったらどうしますか?」と問いかけるニシダに対し、「ニシダはエージェント契約にしたほうが面白いと思う」とウルトラC級の回答。

「言うこと聞かない方がいい」「背中の広告も勝手に仕事とってきた方が面白い」「広告背負ってると思っちゃダメだよ。人質を背負ってると思わないと」など、金言が連発された。

「文章を発表するのってさあ」

『アメトーーク!』の読書芸人で共演した2人。

「読書芸人なんてさ、呼ばれても困るじゃない」と、うそぶくカズレーザーが、またもや彼の分析を積み上げていく。

「本を紹介して誰にも感謝されなかったんですよ」

「読書芸人を経て、小説書いたんですよ」とニシダ。(カクヨム「アクアリウム」:https://kakuyomu.jp/works/16816927861663080428

すかさずカズレーザーは賞賛を浴びせる。「小説発表するって金玉見られるより恥ずかしくない!?」

「カズレーザーさんが書いた文章を読みたいんですよ」と聞くニシダに、カズレーザーは「ないない」と即答。カズレーザーの考え方を知りたい人が多いことにも触れ、話はカズレーザーのYouTubeやネットニュースに広がっていく。「(ネットニュースは)実利もなければ害もないから、自由に書いてほしい」と斜め上の思想が飛び出した。

(カズレーザーの50点塾:https://www.youtube.com/channel/UCeVfNbOctl0EXPZNXt4aRzw

ここでニシダから「(カズレーザーさんは)何がしたいんですか?」と核心をつく質問。「バカみたいな番組好きなのよ。そういう番組にいっぱい出たい。今は真逆のところにいる」「楽な仕事だけ選んだらこうなっちゃうね、ダメだね」と呆れたように笑うカズレーザーが印象的だった。

賞レースとメディア選び

「この中で一番さ、テレビでしんどいのはこれよ。(M-1グランプリを指差して)これだけはちゃんとやんないと出れないから」とカズレーザー。2015年の決勝に出場した当時の狙いを「計算通りだったんじゃないかな」「限りなく優勝に近い7位」と冷静に振り返った。

ラランドの賞レースについての話になると、さらば青春の光を引き合いに出し、個人事務所とネタの関係性について語った。

カズレーザーの「ネタでメディアに出ていくためには、それに繋がる仕事を選ばないといけない。クイズや読書は行き止まり」という仕事論には、ハッとさせられた。

語り口は軽妙だが論理は透徹しているカズレーザー

「やりたい放題です」

カズレーザーの「俺すぐパートナー作っちゃう」と明け透けなトークから恋愛事情のテーマは幕を開けた。

ニシダも同棲しているが、カズレーザーは浮気の話が気になったようだ。

「クズキャラという手前、こういう話をしなきゃいけないんだというのは彼女に説明してます」「だからやりたい放題です」とニシダが話すとスタジオは爆笑の渦に。

「家賃を払ったことがない」「結婚なんて国に認められる必要がない」「マッチングアプリもやっている」というニシダに、カズレーザーは「家族に金を払うなんて変な話。彼女が好きだから金払いたくないんだよな」「なんか紙持ってきたら、紙の関係にしたいんですか!?…下げてください」「マッチングアプリの仕事をしている以上、使わない訳にはいかない…辛れぇよな〜!」と、鮮やかに独特の論理でニシダを擁護していく。

あまりにもニシダを甘やかすカズレーザーに「レモンジャムに来ませんか?」というスカウトが直接なされた。

エージェント契約できます?

「ライン交換しません?」

話題は再びニシダの友好関係に。

ここでもカズレーザーの戦略が炸裂する。

「先輩と仲良くなったら、先輩からメールとかLINEを送らせないといけない。来たらめちゃ喜ぶのよ。(飲み会も)1回目だけ自分から誘い続ける。嬉しいですをアピールして、あいつと飲んだらむっちゃ楽しかったの記憶を植え付ける。なんかのタイミングでもう一回(誘いが)来るから! その時もむっちゃ喜ぶのよ」

2回目は自分から誘ってはいけない、立場が誘う側になるから、という論理は説得力に満ち満ちていた。

「LINE交換しません?」というニシダの誘いに、カズレーザーは「いいよ」と即答。ちなみにカズレーザーがLINEを交換した相手は今年2人目で、1人目は週刊誌の記者だという。

即決のカズレーザー

「嫌なヤツですよね?」

「カズさんは、何が一番基本的な軸なのか、一回もわかったことがない」と問いかけるニシダに対し、一瞬の間のあとカズレーザーが回答する。

「楽しいか、楽しくないか以外の基準を作ってはないと思う」「(無理して努力してということは)全然ない。だからダメなんだよ」と、意外にもシビアな自己評価が垣間見えた。

「でも、(カズレーザーを)ダメって思っている人と会うことないから気にならないね」という一言から話はアンチ論にシフト。アンチの特性を客観的に観察する癖のあるカズレーザーに、ニシダは「嫌な目線なんだよなぁ。カズさんは話すたびに優しいなって思うし、軸よくわかんねぇなって思うけど、目線めっちゃ嫌なヤツなんですよ」と所感をぶちまけた。

ニシダはカズレーザーのつかみどころを探していた

「すごい言われる。納言の小泉ちゃん(薄幸)すごい仲いいのよ。『カズさんって良いヤツじゃないんですよね!』って」

「本当の善人しか入れない境界があったら、バチバチ!!ってなると思う」

「ここ入れねぇんだ!!って」

「友達になってくれませんか?」というニシダに「いいよ!」と即答。

どこまでもつかみどころのない、存在感がそこにあった。

カズレーザーが提案する最後の条文

ライブも終盤。いよいよ条約の締結だ。

「イーブンの関係でいたいんだよね」というカズレーザーは、第3条までのニシダに有利な条項を確認し、次の条文を提案。

カズレーザーとサーヤが険悪な関係になった場合○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○○とする。

条文は可決され、署名により友好条約が締結された。

条約締結の瞬間

2人の友好関係は保障されることとなった。

条約の締結に伴ってライブは終了。

テーマに沿ったトークの中で、ウィットに富んだ独自の論理を振り撒くカズレーザーに魅了される約1時間だった。

レモンジャムによるとニシダ友好条約は今後も続けていきたい、とのこと。トークライブを通じたニシダの交友関係に注目だ。

終演後LINEを交換

文:たになか 編集:福田 駿