【大会史上一番の大接戦!】ナルゲキの次世代エースを決めるバトルライブ『第4回ナルゲキ最強決定戦』ライブレポート

2022年9月19日(日)、東京・西新宿ナルゲキにて『第4回ナルゲキ最強決定戦』 が開催された。“ナルゲキ最強”の座をかけて火花を散らしたのは、ストレッチーズ(第1回・第2回王者)・ママタルト(第3回王者)・さすらいラビー・ひつじねいり・サツマカワRPG・パンプキンポテトフライ・スタンダップコーギー・まんじゅう大帝国。Gパンパンダ・さんだる・モンローズ・フランスピアノ・青色1号・竹内ズ・ジャンク・ぎょねこの全16組。

2日間にわたり開催された『ナルゲキヒットパレード』のトリを飾る本公演は、タイトルの通り「ナルゲキ最強」が決まる超重要ライブ。

本ライブでは、優勝者に超豪華特典が贈られる。それは、ナルゲキに優勝記念パネルを置くこと、そして事前に各芸人からヒアリングしている《もし優勝したらK-PROにして欲しいこと》を叶えること。

ナルゲキの入り口には、第1・2回王者・ストレッチーズ、第3回王者・ママタルトのパネルが設置されている

『第4回ナルゲキ最強決定戦』出演者が《叶えたいこと》は、以下の通り。

当日の西新宿ナルゲキは超満員。あいにくの雨模様だったものの、多くの観客が ”ナルゲキ最強” の決定を見届けることとなった。

ライブが始まると、ひつじねいり・青色1 号・竹内ズ・ストレッチーズ、そして前回王者のママタルトが出演するVTRが流れ出し、会場のテンションは早くも最高潮。

VTRが終わると、本ライブのMCを務めるニュークレープ・デビが登場。

安心・安全・安定のニュークレープ・デビ

今回のライブの趣旨や投票システムについて案内を行ったのち香盤表を読み上げ、熱き戦いが幕を開けた。

序盤から熱すぎる前半戦

トップバッターに登場したのは、『北海道旭川公演開催』の願望を掲げるジャンク。

ジャンク(左:小森瑠斗、右:山下瑞生)

小森の斜め上なボケに対し、山下のたとえツッコミが秀逸。「バトルライブでこのネタを!?トップで!?」……と思わずにはいられない、ジャンクらしい尖った滑り出しであった。


続いては、『大道具として大きな扉を製作』という願望を掲げるトリオ・ぎょねこ。

ぎょねこ(左:勝男、中央:青木大地、右:オジマアロー)

青木とオジマアローが演じる“ちょっとイタい2人”のやりとりに対し、傍観者である勝男の一言が秀逸。前半から後半にかけて、期待を裏切らない展開に思わず笑いがこぼれてしまう。


3組目は、『ナルゲキフリーペーパーを刊行』を目指すGパンパンダ。

Gパンパンダ(左:星野 光樹、右:一平)

一平の激高に対し、それを弄ぶ星野。二人のテンションの差が徐々に縮まっていく過程がたまらない。この二人にしか表現できない空間に骨抜きになってしまった。


4組目は、『沖縄公演開催』を狙うコント師・青色1号。

青色1号(左:仮屋想、中央:榎本淳、右:上村典弘)

飄々と残酷な結果を告げる上村に、何も知らない仮屋。そして両端の2人に翻弄される榎本。トリオならではの温度感に会場は笑いに包まれた。


5組目は『楽屋にマッサージチェアを置く』ことを目指す、まんじゅう大帝国。

まんじゅう大帝国(左: 竹内 一希、右:田中 永真)

敵対していたはずの二人が時を超え、場所を変え、関係性が縮まっていく。爆笑しながらもほっこりしてしまう、二人ならではの世界観が表現されていた。


6組目は、『コンビの物に追加でピンのパネル設置』を目指すスタンダップコーギー。

スタンダップコーギー(左:奥村うどん、 右:三森大輔)

つかみから、うどんの奇天烈さが際立つ。どこまでが台本?アドリブ?と首をかしげたくなる瞬間に、結局今回も本題に入れずタイムアップ。「あと少し!あと少し!」と欲張りたくなる時間だった。


7組目は、『ナルゲキ用の衣装を準備』を掲げるさすらいラビー。

さすらいラビー(左:宇野慎太郎、右:中田和伸)

漫才に定評のある2人だが、今回はなんとコントで勝負。個性的な男女の、むずむずするような青春が表現されていた。


前半のトリを務めるのは、『カップ麺の自販機設置』を狙うさんだる。

さんだる(左:堀内将人、右:宗洸志)

狂気的な美女を演じる堀内とは対照的に、あまりにも不憫な男性、宗。明らかに正論を言っているのに、劣勢に立たされる不憫さがたまらなく癖になる。

こうして熱戦の前半が終了。

再びデビが再登場し、後半の香盤表を読み上げる。ますます熱くなっていく後半パートも目が離せない。

火花を散らす後半戦

後半のトップバッターは『ナルゲキの芸人雑誌刊行』の望みを掲げるモンローズ。

モンローズ(左:宮本 勇気、左:マエノ リュウタ)

まっすぐすぎる宮本に、どこか斜に構えたマエノのギャップがモンローズらしさ全開。マエノが投げかける質問に対し、あまりにも素直な宮本の返答が観客の笑いを誘った。


続いて登場したのは、『河邑ミク等身大パネル設置』に並々ならぬ気合を見せるひつじねいり。

ひつじねいり(左:細田祥平、右:松村祥維)

序盤から細田の独特な理論が展開される中、松村の聴き心地のよい関西弁が観客の笑いとともに響く。


11組目は、『出囃子を全ライブで流す』ことを掲げるフランスピアノ。

フランスピアノ(左:山本 陽平、右:なかがわ りょう)

会場の空気感すら道具にしてしまう新発想のネタに、拍手笑いが鳴りやまない。ライブでしか観られない、特別感のあるネタであった。


12組目は、『すべての消滅』を目論むサツマカワRPG。

サツマカワRPG

もはや恒例ともいえるお客さんを巻き込んだ展開から最後のオチまで、“サツマカワRPGらしさ” 全開の気味悪さに惹きつけられた。


13組目は、『打ち上げ用のお酒を楽屋に置く』と要望を掲げたパンプキンポテトフライ。

パンプキンポテトフライ(左:谷 拓哉、右:山名 大貴)

山名のとある一言で、ネタの展開は一変。「なんでソロライブでありネタやって、ここで新ネタやんねん!」と、谷の喝が入る。なんと、ナルゲキ最強を賭けたバトルライブで新ネタを披露していたことが明かされた。


14組目は『竹内ズフェス開催』の実現を目指す竹内ズ。

竹内ズ(左:竹内 大規、右:がまの助)

照明や音響を存分に利用し、観客は竹内ズの世界観に引き込まれる。「それで?次はどうなるの?」……最後まで読めない展開に、釘付けとなること間違いなしだ。


15組目は、『ハモネプライブ開催』を目指すストレッチーズ。

ストレッチーズ(左:福島敏貴、右:高木貫太)

二人の心地よい喋りに、舞台の幅を存分に活かした動きのある漫才。ネタの終盤にハプニングが起きたが、それすらも笑いに変えてしまう機転で会場の笑いを誘った。


トリを務めるのは前回王者、ママタルト。前回の『楽屋にアイスを置く』という願いに続き、『ナルゲキにマンガの本棚を設置』に向けて2連覇を目指す。

ママタルト(左:檜原 洋平、右:大鶴 肥満)

“肥満”の名前に恥じない将来の夢に対し心地よい檜原のツッコミが会場に響く、ママタルトらしい大満足の時間。檜原の「もうええわ」で締るかと思いきや、まさかの……

冒頭から最後の最後まで、脂肪たっぷりの幸せママタルト空間だった。

これで全組のネタが終了。

16組が一瞬に感じる程、濃密で充実した時間だった。ニュークレープ・デビが改めて登壇、投票方法に関して説明を行い投票タイムがスタート。

運命の結果発表

投票タイム終了後は、前回王者のママタルトが登場。

前回の優勝で実現した楽屋アイスが今日で終了してしまうことを聞き、肥満が慌ててハーゲンダッツを回収する場面も。

慌ててハーゲンダッツを箱に詰める大鶴肥満

エンディングには、出演者全員が舞台へ。

山名が着用していたTシャツを肥満が着用し、本人は肥満の体内に取り込まれていった。

大鶴肥満に取り込まれる山名

そんな中、MCのデビがサツマカワの願いに言及。『すべての消滅』をどう叶えるかの話題だったはずが、なぜかギャグを披露する展開へ。

サツマカワに振られ、さんだる・宗、ぎょねこ・オジマアロー、青色1号・仮屋が即興でギャグを披露し、なんとも言えない空気が会場を包み込んだ。

『すべての消滅』への野望を語るサツマカワRPG

即興でギャグに対応するさんだる・宗

そして、ついに優勝者発表へ。

上位3組に残ったのは、ストレッチーズ、さすらいラビー、まんじゅう大帝国。

祈る3組

ついに優勝者の発表……のはずが、ドラムロールが止まった後、なぜかサツマカワRPGに「宗は?宗は誰だと思う?」と意見を求められ困惑する宗。彼の個人的優勝者も必見だ。

まさかの指名に戸惑う宗

あれやこれやありつつ、ついに優勝者が発表。

大会史上の大接戦を制したのは……

まんじゅう大帝国!!!!!!

優勝者発表後、喜びを全身で表現するまんじゅう大帝国

感想を問われた田中は「嬉しいけど、すげー驚かれてるのちょっとむかつく」と複雑な心境を発言。まんじゅう大帝国の優勝記念パネルは、衣装のジャケットをかけやすいポージングで製作されるようだ。

ジャケットをかけやすいポージングイメージ

大団円で終了……と思いきや、「最後に告知だけいいですか!」と挟むママタルト・檜原。まさかの告知(?)内容もぜひ確認してほしい。

告知(?)を行うママタルト・檜原

優勝したまんじゅう大帝国もさることながら、全組が全身全霊の勝負ネタを披露。

ここでしか観られないネタも多数のため、配信期間が終了するまでに、次世代を担う若手芸人たちの熱き戦いを見届けてほしい。

文:渡辺陽 撮影・編集:堀越 愛