【ストレッチーズ主催ライブ『お返し体育』特別インタビュー：後編】一緒にM-1優勝したいくらいの先輩芸人 ～ナイチンゲールダンス・ななまがり・わらふぢなるお・ヤーレンズ編～

2023年5月23日（火）、ストレッチーズ主催のライブ『お返し体育』が開催される。これは、ストレッチーズが「いつもライブに呼んでいただいている先輩や後輩に『お返し』をするため」のライブ。

ゲストは、ケビンス・コマンダンテ・シシガシラ・ナイチンゲールダンス・ななまがり・ヤーレンズ・わらふぢなるお・金の国（4月12日現在／他調整中）。ライブシーンを中心に活躍する人気芸人が集う、事務所混合の豪華ライブとなる。

★チケットは4月15日（土）10時から販売開始予定：https://ticket.rakuten.co.jp/stage/comedy/rtprwst/

インタビュー後編では、ナイチンゲールダンス・ななまがり・わらふぢなるお・ヤーレンズに関するエピソードを聞いた。

インタビュー前編はコチラから（ケビンス・コマンダンテ・シシガシラ編）

ナイチンゲールダンスはお笑い能力が高い

———ナイチンゲールダンスさんは、大学時代からの付き合いですか？

福島：　ハタチ前から知ってるかもしれないですね。

高木：　今回、（3月27日取材時点で）唯一の後輩ですね。ナイチンは、昔K-PROでユニットライブを一緒にやったりしてました。とにかく、ヤスが「ライブ主催者なのか？」ってくらい主催ライブを打つんですよ（笑）。そこによく呼んでくれていたのもあって、今回はお返しさせていただこうという感じですね。

———後輩ではありますが、尊敬できるポイントはありますか？

高木：　中野は、お笑いプレイヤーとしての五角形がでかすぎますね。なんでも器用にできるイメージがあります。とにかく、なにを振ってもどういう状況でも、面白いことができる。でも、だからこそユーティリティプレイヤー（チームスポーツにおいて複数のポジションをこなす選手のこと）みたくなって悩んだりもしてるので、大変なんだなとも思いますね。家が近くてよく飲みに行くんで、いろいろ聞くんですよ。

福島：　ふたりともセンスがあるなと思います。ただ、すごくポップで親しみやすい感じもある。センスある人って寄り付きにくい雰囲気があるんですけど、そういう感じではないんですよね。ふたりともお笑い能力が高いと思います。変わってますけど、強いふたりですね。

高木：　ヤスは九州男児ですけど、お酒が弱いんですよ。海賊みたいな飲み方しそうだけど、お酒が飲めないという可愛いところがあります。たばこも吸わないし。家にもすぐ帰る（笑）。

昔は挨拶すらできなかったななまがり

———ななまがりさんは、森下さんと福島さんがすごく仲良いというイメージがあります。

福島：　昨年の『M-1』以降、みんなから「スピード婚するんじゃない？」って言われるくらい濃厚に可愛がっていただいてます（笑）。でも実は、ななまがりさんとはかなり前に出会ってるんですよ。僕らが芸歴1年目くらいのとき、高木がルームシェアしていたマンションの別の部屋に初瀬さんが住んでいて。ネタ合わせ場所が一緒になったことがあったんですけど、先輩過ぎて僕らなんかがご挨拶しちゃダメだって思って、そのときは挨拶もできませんでした。僕らは一方的に知ってるけど、僕らのことは知られてないだろうと……。で、濃厚になったのは昨年の『M-1』準決勝からですね。めちゃめちゃ優しいし、面白いです。

———なにがきっかけで仲良くなったんですか？

福島：　準決勝の結果発表前、（ヤーレンズ）出井さん・森下さんとご飯に行ったのが初めてちゃんと喋ったタイミングですね。発表後に飲みに行ったら、偶然森下さんが別のメンバーと飲んでて。合流させていただいて、1日に2回奢っていただきました（笑）。その飲みで僕が盛ったエピソードを話したら、後日金属バットの小林さんと「福島の話って嘘だよな」って話で盛り上がったらしく、そこから「嘘つきの後輩ええな」ってなったらしいです。なんで嘘つきが良いと思ったのか……。僕が嘘つきだから、仲良くさせてもらってます（笑）。

高木：　福島って、楽屋であんまり喋らないんですよ。でも、森下さんみたいに一本釣りするようなスタイルで先輩から可愛がられるイメージがありますね。いつの間に仲良くなったの？っていうスピード感もあるし、どうやって！？っていう不気味さもあります（笑）。

———確かに、SNSを見ていると森下さんとの写真が頻繁に上がっていますもんね。仲良くなるスピード感がすごいし、なにがあったんだろうと思ってました。

福島：　最初は僕も、「森下さんって世界観ありそうだし、なんで僕なんかといてくれるのかな？」って思ってたんですよ。でも意外と男子なところがあって、1番盛り上がるのが、ミスコンにエントリーしてる女の子の写真を見て「どの子が一番タイプ？」って当てっこしてるとき。

高木：　中学生じゃねえか。

福島：　「福島はこの子だな？」って言われて「正解です！」と答えると、すごい笑顔になってくれます。

高木：　なんでいまだにそんなことやってんだよ（笑）。

わらふぢなるおはツボ

———わらふぢなるおさんとは、どんな関係性ですか？

高木：　もちろんネタが大好きですし、ライブもけっこう一緒になるので仲良くさせてもらってます。飲んだことはないけど、なんかライブに呼んでくださるんですよ。呼んでいただいた「お返し」でもあるし、わらふぢさんに関しては好きがゆえに「もっと仲良くなりたい」って気持ちもあります。わらふぢさんは漫才もコントも、なにやっても面白いっすからね。

福島：　一緒になる機会は多かったんですけど、ガッツリ絡んだのは『笑ラウドネスGP』（2021年）っていうABEMAの大会ですね。お互い決勝に残ったんですけど、待ち時間が長くて、タバコを吸いながらけっこうお話したんですよ。でも、まだまだもっと仲良くなりたい。

高木：　ふたりともパワー強すぎて、平場でもめっちゃ笑っちゃうんですよね。この前、ゾフィーさんも一緒の平場があって、そこで慶應大学の話題になったんです。上田さんも慶應なんで「慶應あるある」みたいなことを喋ってたら、ふぢわらさんがなるおさんに「早稲田はどうだったの？」と聞いて「いや俺早稲田じゃねえよ」って。こんなシンプルなやりとりなのに、めちゃくちゃ笑っちゃって。本人たちのパワーが強すぎて、めっちゃ面白いんすよね。言葉を選ばずに言うと、ツボです。

———今のやりとりも容易に脳内再生できました。これもパワーが強いゆえですね。

高木：　そうっすよね。「わらふぢなるおさんが好き」って気持ちも含めて、お呼びしました。

ライブシーン最後の大物・ヤーレンズ

———ヤーレンズさんは、今回出演するほかの芸人さん全員と仲が良さそうですね。

高木：　そうですね。ヤーレンズさんは元々、大阪吉本に所属しながらいろんな地下ライブに出ていて。東京に来てからは、どんな小さいライブでもどんな地下ライブでも出て、吉本のライブにも呼ばれるし、自転車で飛び出して飛び込んで……月に50本ライブに出てるみたいな感じなんで、マジでヤーレンズさんは日本で1番芸人を知ってるコンビなんじゃないかな。ってご本人が言ってたんですけど、確かにそうだと思います（笑）。若手芸人博士みたいな人たちなので、どのライブに出ても誰とでも面識があるというか。ヤーレンズさんはさすがにお世話になりすぎて、「お返し」というテーマのライブに呼ばないわけにはいかないですね。

———お世話になってるというのは、ネタ見せ会のことですか？

高木：　それもありますし、ツーマンでライブやったりもしてるんですよ。コロナの自粛期間でなんにもできなかったとき、声をかけてもらってZoom配信を2組でやった時期もあります。去年の『M-1』は、準決勝終わったあと出井さんと飲んで慰め合ったりもしました。敗者復活戦の後も出井さんといたんで、精神的にもかなり支えてもらってる部分がありますね。本当に、いろんな意味でお世話になってます。

福島：　『M-1』で落ちると、毎回「大丈夫か」「荒れるなよ」ってメッセージをくれるんですよ。去年、実は３回戦の手応えが良くなくて、結果も出てないのにすごい落ち込んじゃったんです。その時期に出井さんと（モグライダー）芝さんと飲む機会があって「家帰りたくないです」って言ったら「付き合ってやるよ」って新宿から３時間くらい一緒に歩いてくれて。『M-1』の時期は特に支えてくれてますね。自分たちもいっぱいなはずなのに、すごい心配してくださって。やっぱり「M-1優勝したい」って志は一緒なんで、今年は決勝初進出を一緒にやりたいし、優勝も一緒にしたいぐらいの気持ちです。先輩なので僕らが言うのはおこがましいんですけど、二人三脚というか、優しく包んでくれる存在というか。

高木：　僕も真空ジェシカが初めて決勝行ったとき「嬉しい」より「悔しい」のほうが先に出ちゃって、すごい落ち込んで。そのとき、僕も出井さんと5時間くらい一緒に歩きました。出井さんって、落ち込んでる後輩を見ると一緒に歩いてくれるんですよ（笑）。たぶん、これまで合計100キロくらい歩いてるんじゃないですかね。……すみません、楢原さんにひと言も触れなくて。

福島：　モグライダーさんが決勝に行ったとき、僕も悔しかったけど楢原さんが本当に悔しそうだったんですよね。その姿を見て、僕以上に悔しがっている人がいることで「ひとりぼっちじゃない」と思えて元気が出たというか……。

高木：　オチみたいにしちゃいましたけど、もちろん楢原さんのエピソードもいっぱいあります（笑）！

福島：　ヤーレンズさんは、架け橋みたいな存在でもありますね。たぶん「ヤーレンズが可愛がってるストレッチーズ」だから先輩方も良くしてくれてるのかなと。この前黒帯さんとご一緒する機会があって、最初は怖かったんですけど「ヤーレンズさんにお世話になってます」って言ったら、秒で……

高木：　「おー、ヤーレンズさんとこの～！」みたいになりました（笑）。

福島：　「それは悪くしちゃいけないね」みたいな（笑）。ライブシーンみんなのお兄さんなので。ヤーレンズさんのおかげで、いろんな先輩芸人さんと仲良くさせてもらってます。

高木：　ヤーレンズさんは、自分たちで「ライブシーン最後の大物」って言ってましたね。

もしかしたら、さらに超豪華ゲスト

———ちなみに「お世話になった方を呼ぶ」という名目のライブですが、ウエストランドさんにもお声がけしてるんですか？

高木：　……。

福島：　漫才をやる方を多めに呼んでるのもあって「M-1を一緒に頑張っていきたい」みたいな気持ちもあって……。

高木：　……いやー、さすがに忙しすぎて出れねぇだろ。オファーしてみても良いのかな。でも、もし出てくれてもギャラは同じですけど（笑）。

福島：　割と、本当に忘れてましたね。

高木：　忘れちゃうんですよ、ウエストランドさんのこと。

福島：　ウエストランドさんの存在を忘れてるわけではなくて、ライブに呼ぶっていう側面で考えたときに忘れちゃうんです。

高木：　だって王者だし、もう別格じゃないですか（笑）。でも確かに、1番ライブに呼んでくださってるのはウエストランドさんなんですよね。「出てください」って言うだけ言ってみるのもありなのかな……。もしかしたら、ウエストランドさんが急遽出てくれるかも……しれません（笑）。

★前編：『お返し体育』特別インタビュー：前編】「お世話になりました」という感謝を込めたライブです　～ケビンス・コマンダンテ・シシガシラ編～

取材・文：堀越 愛