チャレンジを重ねながら、より完成度を上げていく【ゾフィー×ザ・マミィ 『ZOMMY+ vol.2』終演後インタビュー(前編)】

『キングオブコント』に向けて新ネタをおろすべく2019年6月に初開催された、ゾフィー×ザ・マミィのツーマンライブ『ZOMMY』。2020年も7月に開催が予定されていましたが、新型コロナウイルスの影響で残念ながら中止となりました。それに替わり、ゲストを入れた新シリーズとして始動したのが『ZOMMY+』。10月から3か月連続で新ネタをおろすという、ストイックなライブです。11月28日(土)に開催された『ZOMMY+vol.2』は、昼・夜公演ともに会場は満席(稼働率60%)。さらに配信も行われ、たくさんのファンがライブを堪能しました。

オープニングでは、ザ・マミィの酒井尚さんが「ZOMMYポーズ」を披露。さらに、ゾフィー・サイトウナオキさんは「チェだぜ!」に続く新ギャグを紹介するなど序盤から大盛り上がり(昼公演)。ゾフィーとザ・マミィによる新ネタを3本ずつ、更にゲスト(昼:うるとらブギーズ、夜:ラブレターズ)のネタも観ることができ、“コント好き”にとってたまらない時間となりました。

今回は『ZOMMY+ vol.2』夜公演の終演後にインタビューを実施。インタビューは前・後編の2部作。前編では第二回目を終えた感想からライブコントとテレビコントの違いまで、ディープに語っていただきました。

「より面白くなりたい」という気持ちを胸に

― すごく面白かったです。『ZOMMY+ vol.2』を終えた感想はいかがですか?

上田航平(以下、上田): まず、サイトウさんから。

サイトウナオキ(以下、サイトウ): よかったです。

一同: (笑)。

サイトウ: 前回よりお客さんがいっぱい入ったので、やっぱり多い方が楽しくできるなぁと思いましたね。前回は客席50%でしたが、今回は60%まで入っていただけたので。

上田: 『ZOMMY+』は単独ライブよりも色々チャレンジができる感じがするので、今日もまた自分の中で発見がありましたね。

― どんな発見がありましたか?

上田: 今テレビでコントをやらせていただく機会がすごい増えていて楽しいんですけれども……本来の自分と言いますか、人を小馬鹿にしたような皮肉めいたブラックなネタが自分の好みであることを痛感しましたね。そういうのが本来の自分らしさだなって。

林田洋平(以下、林田): 僕は先月の『ZOMMY+』で久しぶりに新ネタをおろせて、今月はそれを踏まえたのもあって、ちょっとずつ進んでるのかなっていう気持ちはしましたね。さすがに停滞してたらヤバいですけど、何とかちょっとずつ前回よりはよくなったかなっていう気持ちは多少あります。

酒井尚(以下、酒井): 僕は今、ちょっと筋肉痛みたいな感じになってます。

― そうですよね、終わったばかりですもんね。

酒井: コントってこんなに体力使うんだなっていうことと、だいぶ身体がなまってたんだなっていうことを痛感させられましたね。人を笑わせるっていうのは生半可な気合いじゃできないことなんだなっていうことを痛感して、今ひしひしと……痛感してます。

上田: 痛感してるんだ(笑)。

― お互いに新ネタを観ていかがでしたか?

サイトウ: お互い新ネタを練習してたので、ぶっちゃけそんなに観れてないですね。まだ公演の映像も観れてないので、今はまだ「ウケてたなぁ!」っていう感覚ぐらいです。

上田: 僕はまぁまぁ観てたよ。

サイトウ: 余裕あったんだ!

上田: 余裕あったわけじゃないけど、練習の合間とかに。やっぱり、僕らも含めてもっと頑張っていかなきゃって思いましたね。毎回思うんですけど、特にライブが減ってコントをやる機会が少なくなってるのもあるので、ちょっと本調子に戻ってない感じはしました。これは本当に、お互い本音で言うって決めてるからこそ伝えるんですけど、ザ・マミィはもっと面白いからまだまだやれるし、僕らもそうだと率直に思いましたね。特にゲストさんのしっかりしたネタを観てると、僕らもまだ荒削りだと感じたので……もっと完成度を上げたい。色々チャレンジしたり攻めてという面ではプラスだけど、まだもっとできるかなっていう気持ちも半分。

― 切磋琢磨しながらどんどんレベルアップしていく感じですね。

上田: そうですね、本当に殴り合いなので。

サイトウ: いや、殴り合いではない(笑)。

上田: このライブ自体は、中途半端にはやらないという気持ちでいきたいんでね。

林田: 確かに、もっとよくしていきたいっていう気持ちですね。

上田: 半分は面白かったです、楽しかったですっていうのももちろんあるけど、このライブに関して言ったらやっぱり、ねぇ。より面白くなりたいって気持ちでやってるから。「あんまり納得いってない」って言うのが良いと思うけどねぇ(笑)。

林田: 確かに。でも、いつどんなライブをやってもこういう感じにはなりますね。

上田: そうだね、大満足っていう感じにはならない。

林田: よかったです!って感じにはならない。

上田: もっとやんなきゃなってね。

コント体力をゼロから鍛え直していく

― 最近までコロナ禍でライブができない状況や不自由な制限も多かったと思うんですけど、実感したことや考えたことはありますか?

上田: 割と自分が叫ぶコントが多いから、そういうのは引退しなきゃいけないのかなって思いました。飛沫が飛ぶので(笑)。あとは単純に、「ライブに出てないのがこんなにヤバいんだ」って気づきましたね。言っても、僕自身はライブ芸人っていう感じがするんですよね。だからそれが出れないとなると、結構なまってきますね。自転車だったら2〜3ヶ月乗らなくても乗れると思うんですけど、ライブに関して言ったら2〜3ヶ月経つと「あれ、どうやるんだっけ?」ってなるよね、感覚的に。

林田: あれ何なんですかね。

上田: うーん……だからもう、筋トレとかに近いのかなって感じがしますね。やっぱり3ヶ月運動しなかったら脂肪ついちゃうっていう。

林田: だから来月あたり、すっごくいい結果出るんじゃないですか。もうちょい踏ん張れば開けてくる感じがしますね。

上田: うん、感覚的には半年ずっと寝てた感じで、やっと最近身体を仕上げ始めたような。新しいネタを作ったりとか、ライブも少し出てましたけど……単独ライブができなくなった頃あたりからちょっと体力が落ちてる感じはしましたね。「コント体力」が落ちてるっていう。だから今は「説明書をもう1回作んなきゃ!」みたいな、ゼロから始める感覚ですね。今回は『ザ・リハビリライブ』です(笑)。

サイトウ: いや、来てくれるお客さんが来なくなっちゃうよ、そんなこと言ったら!

上田: いやっ、これはもう俺は正直に言う!!だってそういうライブだから、『ZOMMY+』は。

林田: 「(本当は)もっと面白いよ」っていう。

上田: そうそう。今ももちろん面白いものとしてやってるけど、まだ全然本調子じゃない。

林田: もっと頑張ります。

ライブコントとテレビコントの根本的な違い

― 今年は『お助け!コントット』や『東京BABY BOYS 9』などもスタートしましたが、テレビコントと今回みたいなライブコントの違いを考えることはありましたか?

上田: 本当に全然違うなって思ってます。僕ら、ライブコントは「設定」を大事にしてるんです。それは「こういうシチュエーションで、こういう風になったらどうだ」みたいなもの。テレビはそういう設定というより、「分かりやすさ」が特に大事。ライブを目的に会場まで来てくれるお客さんは設定を楽しんでくれるけど、家でテレビ観てる人は「何やってるんだ?」と思ったらチャンネル替えちゃうから、設定がしっかりしてても意外と響きにくいですね。すぐに分かるようなビジュアル的な面白さがないと伝わりづらい。たとえばゾンビメイクをしたりとか、変なおじさんだったりとか、頭ハゲてたりした方が分かりやすいですよね。でも、そういうのばっかりやっちゃうと誰でもできるってなるから、僕らが面白いと思う設定のエッセンスは残すっていうかね。根本的に何かが違う気はしてるので、その塩梅はつねに模索してます。

― テレビの場合は、視覚的な爆発力を出した方がより伝わるっていうのはありますよね。

上田: そうですよねぇ。だからやっぱり観ますしね、全身ぬるぬるローションとか。別にコントじゃなくてもビジュアルとして面白い。

― 林田さんはいかがですか?

林田: ほとんど言ってくれたんですけど(笑)。

上田: まぁね、二人でよく喋るから。

林田: ただちょっと一個ややこしいのが、ライブの方はコロナでそもそも止まってるっていう時期にテレビコントの方も経験させてもらえたんです。なので、ライブコントって言ったときに、一瞬「どんなんだったっけ?」みたいなのは未だにありますね。かと言って、テレビコントできてるかって言ったら研究中なので分からないですけど。もしかしたら、漫才とコントっていうぐらい別物かもしれないですね。

― 林田さんはネタを作るときに「酒井さんがどうしたら面白く映るか」を特に考えられてるそうですが、テレビコントとライブコントでそこの考え方は違ったりしますか?

林田: そこに関してはテレビでもライブでも同じ感じですね、変な喋り方やキャラクターがある人なので、意外とそんなに変わらないかもしれないです。……そういう意味では、(ライブコントを)見失ってる意味が分からなくなりますね(笑)。もしかしたら、近いものもあるのかも。

酒井: テレビだと結構キャラクターだけでも楽しんでいただけるんですけど、本来ネタっていうのは設定が効いてきたりするので、ライブではそこが見られるのかなっていうのは実感してますね。その……深みだったりとか。画面だけで映るものだけじゃなくて、その奥をもっと見られてるっていうのは痛感してます。

上田: やっぱり痛感してるんだ(笑)。

サイトウ: 僕はずっと緊張してます、本当に。どうしたらこんなに緊張するのが治るんだろうっていうぐらい緊張してるので場数なのかなって思ってます。どんどんやってかなきゃなって……痛感してます。

酒井: 痛感は僕のですよ。

サイトウ: みんなのだよ(笑)。

― 「今後これを特に強化しよう!」と考えてることはありますか?

サイトウ: もちろん、「チェだぜ!」の普及活動ですね。

酒井: ネタの中に入れてね。

サイトウ: ネタの中には絶対入れてくれない。

上田: もっと、やることは色々あると思う…。

一同: (笑)。

上田: 「チェだぜ!」ばっかりやってますからねぇ。

<ゾフィー|プロフィール>
2014年4月結成。グレープカンパニー所属。

上田 航平(うえだ こうへい)
1984年12月17日生まれ。O型。170cm/60kg。神奈川県出身。趣味は読書、サウナ。特技は子供に勉強を教える、本・海外ドラマの知識、執筆活動。

サイトウ ナオキ
1980年3月26日生まれ。O型。175cm/70kg。青森県出身。趣味は一人酒、居酒屋巡り、吉田類の酒場放浪記鑑賞、ゾンビ映画、賃貸探し。特技は昔のパチンコ屋のマイクパフォーマンス。

★公式サイト:https://grapecom.jp/talent_writer/zoffy/
★公式YouTubeはコチラ


<ザ・マミィ|プロフィール>
2018年9月結成。プロダクション人力舎所属。

林田 洋平(はやしだ ようへい)
1992年9月10日生まれ。長崎県長崎市出身。趣味はラジオ鑑賞(深夜ラジオ)・ラジオ投稿、カメラ(一眼レフでの撮影)。特技はカリンバ(素敵な音色を出す楽器です)、ヘディング(サッカー)。

酒井 尚(さかい たかし)
1991年6月1日生まれ。東京都目黒区出身。趣味は口琴(素敵な音色を出す楽器です)、パチンコ、イリュージョン。特技は卓球(中学 3 年生時、都大会進出)、ポイ(大道芸)。

★公式サイト:http://www.p-jinriki.com/talent/themommy/
★公式YouTubeはコチラ

インタビュー:カラカマ、撮影:秦 法爾、編集:堀越 愛


最新情報はこちらからご確認ください。
http://eurolive.jp/conte/

PERFORMERS

WLUCK CREATORS