漫才の先輩が「セカンドライフ」を教えてくれて、みんなでミューチーク《人間横丁のまるでお昼休みかのような【特別編】人力舎の先輩SPECIAL② ~ゲスト:リニア~》

人間横丁が「話を聞きたい」ゲストを迎えインタビューする連載『人間横丁のまるでお昼休みかのような』、今回は特別編!プロダクション人力舎の先輩をゲストに迎え、豪華3本立てでお送りいたします。第2弾のゲストは、リニア

リニアは、プロダクション人力舎に所属する漫才師。2023年にM-1ラストイヤーを終え、今年は16年目以上の大会『THE SECOND』に出場。実力者ぞろいの出場者のなかでベスト16まで勝ち残り、爪痕を残しました。今回は、そんなリニアに「セカンドライフ」(SECONDに挑むこと)についてインタビュー。M-1とSECONDには、どんな違いがあるのでしょうか?

リニアと人間横丁が出演する人力舎事務所ライブ『夏ネーター』詳細はコチラから

オープニング

人間横丁・内田紅多(以下、内田): 内田です!……人間横丁です!ちょっと今日はですね、山田君がドラゴンを探しに行くということでお休みです。

リニア・酒井啓太(以下、酒井): いや、ダメだよ。お仕事だから。ドラゴン探しに行ってるんだったら、怒らないと。

内田: 仕事があったにもかかわらず、気候が良いということで「どうしても今日が良い」と……

山田はドラゴンを探しに行ったので、インタビューは欠席

酒井: 蒸し暑いほうが良いんだ(笑)。

内田: すいません、本当に。

酒井: いえ、とんでもない。

内田: これは、『人間横丁のまるでお昼休みかのような』という、皆さんにインタビューをする記事です!

酒井: 「内田です!」とか言って、記事っぽくなかったよ(笑)。

内田: このインタビューはですね、記事だけどオープニングがあるんです(笑)。今回は人力舎の先輩スペシャルということで、ラバーガールさん・リニアさん・キャプテンバイソンさんにお話を聞かせていただきます!うれしいです!!

酒井: こちらこそですよ。

内田: リニアさん、こないだ一緒に青森に行きましたね。

酒井: 楽しかったね。

内田: ずっと一緒にいてね。新幹線に4人で座って。

リニア・しょうへい(以下、しょうへい): ボックス席でね。

リニア(左:しょうへい、右:酒井啓太)

酒井: 大人がやることじゃないけどさ、座席をひっくり返してね。

内田: すごい楽しかった。なんか、高校のときのこととかいろいろ思い出しました。

酒井: 後輩だから気を遣ってくれたのもあるかもしれんけど、移動の3時間ずっとしゃべってたな。

内田: 楽しくて3時間があっという間でした!

酒井: お抹茶だけ新幹線の席がひとりだったんだよね。通路挟んで空席・お抹茶だったんだけど、そこにお客さんが来ちゃったらヤバイから「来るまでに戻さないと」って言ってて。そしたら、意外と早くその席の人が来ちゃったんだよね。

内田: 駅員さんが来て「次の駅でお客さん乗ってきますから、席戻しといてくださいね」って(笑)。そのとき、お抹茶さんは寂しそうにゆっくり席を戻してました(笑)。

席を戻し、ひとり仲間はずれになってしまったお抹茶

酒井: みんなで話していたところから、お抹茶が離脱したわけじゃん。でも離脱後もお抹茶はこっちの話を聞いてるから、あんまり盛り上がっちゃうとかわいそうだったね。こっちが盛り上がると「寂しがっちゃうかな」と思ったけど、やっぱ話しちゃってね~。お抹茶の顔、見えた?

内田: 私の席からは見えませんでした。

酒井: ちらっと見てみたら、みんなが笑うタイミングでちょっとだけ笑ってたよ。

内田: あ、気持ちだけは一緒にいてくれたんだ(笑)。ほんとにずっと楽しかったです。

しょうへい: あっという間だったな。

内田: たっぷり話せて、今すごい距離が近く感じます。

酒井: たしかに。あんなにたくさんしゃべったこと、今までなかったね。人間横丁に関してひとつ衝撃的な思い出があるんだけどさ、2022年に、俺らがM-1一回戦で落ちちゃったんだよね。再エントリーして勝ち進めたんだけど、落ちてから再エントリーするまでの間に、人間横丁と一緒に中MCしたことがあるの。そんとき、俺らはコンビ歴14年くらいで落ちて人間横丁は2年目くらいで受かってて。こっちとしては気まずいというかさ、気を遣わせちゃうかなとか恥ずかしいとか、いろいろ思ってたのよ。そしたらMCがはじまって、山田君が開口一番「負けんのやめてくださいよ~、気まずいですよ~」とか言って(笑)。

中MCの山田を回想

内田: たくましい、あの人(笑)。

酒井: でも、すごいありがたかった。

内田: 良かったです(笑)。ああいうのって、ふわふわ探り合うのって嫌じゃないですか。言えるなら言っちゃっても良いのかもって感じで。

酒井: 絶対そのほうが良いよ。気を遣ってもらうのもありがたいけど、腫れ物を触るようにしてほしくはないってのはあるよね。

内田: そんなふうに思ってもらえててよかったです。

酒井: ほんと話しやすいよ。

しょうへい: 再エントリーで一回戦受かったとき、本当に喜んでくれたよね。

内田: 覚えてます!めっちゃうれしくて。うわ~~!!って。

一回戦通過を喜び合った人間横丁とリニア

しょうへい: そうそう。

酒井: できれば準決勝とかでそれやりたかったけど(笑)。俺らはもうM-1卒業しちゃった。

内田: まさしく!今日はその話なんです。今日リニアさんに聞きたいことはですね、「セカンドライフ」について!

酒井: セカンドライフ?

内田: 今年から『THE SECOND』に出てるじゃないですか。昨年までM-1に出て今年からSECONDということで、すごく興味がありまして。M-1とSECONDの違いを聞きたいと思います!

Q1. M-1とSECOND、楽しさにどんな違いがありますか?

内田: M-1とSECONDの楽しさって、どんな違いがありますか?

酒井: めっちゃ違いあるね。まず……

酒井: すっごいボロボロ落としてるね。

しょうへい: ひっふひいてるはら(ティッシュ敷いてるから)。

『人間横丁のまるでお昼休みかのような』は、お菓子のバリボリ・カサカサOK

酒井: 俺らM-1だと準々決勝までしか行ったことないから、スタッフさんとがっつりかかわり合うことがなかったの。でもSECONDは32→16まで進むと、めちゃくちゃスタッフさんとかかわる。あと芸人との絡みが多くて、ヒリヒリ感はM-1より少ない。芸歴も重ねてるし、「みんな仲間だよ」って感じ。

内田: そうですよね。みんな15年M-1で頑張ってきたし、同じように苦労してますもんね。

酒井: そうそう。みんななにかしらで1回折れてる人たちの集まりだからさ、とにかく優しいのよ。この間も、SECONDのツアー(THE SECOND ライブツアー)に参加して、ザ・パンチさんと初めてお話したの。吉本の先輩だし初めてだし、緊張するじゃん?

内田: 大先輩ですもんね、そうですよね。

酒井: 「はじめまして」って挨拶したら、「知ってるよ~」ってもう仲間みたいな感じなの。

『THE SECOND ライブツアー』でザ・パンチの優しさに触れた

内田: すごい!イメージ通りに優しい。

酒井: ほんと優しいんだよ、あの人たち。SECONDは全体的にそういう空気がずっとあったな。1対1だからヒリヒリしそうじゃん?

内田: そうですね。大変そうだと思います。

酒井: 戦うときは大変だけど、全員“お笑いシップ”に則ってるというか……なんでもありで「ぶっ殺すぞ!」みたいな感じじゃなく、「楽しくやりましょうね」という優しさやあったかさがあると思う。

内田: M-1は若い人も多いし、いろんな人がいますよね。

酒井: 嫌なヤツじゃなくても、ギラギラはしちゃうだろうしね。「人生変えるぞ」ってね。

内田: SECONDって、「相手がこういうネタで来るからこっちはこういうネタにしよう」とかあるんですか?

酒井: あるし、あって良いと思う。俺らは三日月マンハッタンっていう本当に仲の良い芸人と戦ったんだけど、調整で出るライブで会いまくるから、相手がなにやるかわかってたんだよね。

SECONDは、親交の深い相手とタイマンで戦う可能性もある

内田: なんかドキドキしますね。

酒井: 対戦相手が決まってから戦うまで1か月くらいあるから、ライブがかぶりまくるの。

しょうへい: 主催者さんも呼んでくれるしね。

酒井: ライブシーン的にも、SECONDで戦うヤツらで中MCさせたりすると盛り上がるからね。

内田「じゃあ、相手がどんなネタでどれだけウケてるかもわかるんですね」

酒井: わかるね。俺たちは2組とも途中でわけわかんなくなって、相手に本番やるネタをバレたくないから、ライブで全然やんなくなって(笑)。だからお客さんは「このネタをSECONDでやるのか?」と不安になっていたかもしれない(笑)。でも相手のことを知ってるからこそ盛り上げられるし、X上でやり合ったりもできる。

内田: 関係性があるからできることもあるんですね!

酒井: だから、M-1よりもまわりとの関係性が濃厚だよね。期間も長いし、タイマンだし。

内田: 人生のぶつかり合いですね。

酒井: ほんとそうなんだよ。16年以上やってるとさ、全員自動的にドラマがあるんだよ(笑)。だから人生の勝負って感じ。

内田: システム漫才だとSECONDは難し……

しょうへい: フヴヮッ!

一同: ……

しょうへい: ……ごめんなさい、しゃっくりしちゃった。

内田: 同意かと思っちゃった(笑)。しゃっくりだった(笑)。

しょうへいの独特なしゃっくりに、笑う一同

酒井: ……でも、ほんとむずいよね。やっぱさ、‟人生を出したもん勝ち”みたいなところがあるじゃん。漫才に体重のっけたもん勝ちとういうか。

内田: たしかに。だから、そういうのができないシステム的なネタだと難しいのかなって。

酒井: うんうん。でも、これもどんどん変わると思う。初年度のSECONDは、マシンガンズさんがドハネしたじゃん。あれこそ人生ぶつけたわけじゃん。

内田: 「もうネタない」とか言ったり(笑)。

酒井: で、今年のSECOND。やっぱお客さん審査だから、お客さんのなかでもトレンドとか考えてることがあると思うんだよ。で、体感だけど、去年マシンガンズさんのあの感じが跳ねたからって今年もあの感じで行こうとすると、もう違くなってる。

内田: なるほど。

酒井: 今年は去年よりもネタがちゃんとしているほうが、票が入りやすかった気がしてて。来年はもっとネタ重視になるんじゃないかな?とかも思ったりする。

SECONDは毎年トレンドが変わる可能性がある?

内田: 年によって変わっていくんですね。たいへんですね。

酒井: だから結局のところ、自分らが面白いと思うことをやるしかない。

内田: 本当にそうですよね。

酒井: 逆張りするとかもやり方としてはあるんだろうけど、それで負けても嫌だしね。

内田: そうですね。いつか時代と自分がぴったり合うときがくるような気もします。

酒井: だよね。だってマシンガンズさんがそうじゃん。本人たちも言ってたけど、なんの努力もしてなかったんだよ(笑)?

内田: ネタがないなんてありえない(笑)。

酒井: ありえないだろ、15年以上やってて。逆にどうやってたんだよ(笑)。でもマシンガンズさんは、ネタがなくても舞台に出たら全部大爆笑とってた。

内田: そうですよね。

酒井: どんな舞台でも全部爆笑だったから、SECONDとやってることは変わらないんだよね。だからあれは、やっぱ時代とたまたまマッチしたってことだよね。運命的。

マシンガンズの運命的な躍進を語る

内田: いやー、すごいですね。マシンガンズさんのあれがあって、「SECOND良い大会だな」ってなった感じがします。第1回があんなに盛り上がって良かったですよね。

酒井: 立役者だよね、マシンガンズさんって。

内田: すごい輝いた大会になりましたよね。はじまる前は、渋い大会になるんじゃないかと思ってましたけど。

酒井: 言い方悪いけど、16年やってきてウケとるの上手になった人たちの、小手先の大会になるんじゃないかってちょっと思っちゃってた。

内田: たしかに。寄席っぽいというか。

酒井: そうそう。それはそれで素晴らしいんだけどさ。でも第1回見たら、出てる方みんなゴリゴリぶつけ合ってて、それでめちゃくちゃ好きになった。ほんと素晴らしいよね。

内田: 私的に、6分を使いこなしてるのがすごいです。

M-1とSECONDは、ネタ尺が異なる。M-1は一回戦が2分、二回戦・三回戦が3分、準々決勝以降は4分。SECONDは6分

酒井: 人間横丁はさ、どうなの?3~4分を短いと思わない?

内田: いや、短いと思わないです。

酒井: そっか、じゃあその尺に向いてるんだ。

内田: たぶん長くなってもできると思うんですけど、その前に4分を使いこなせていない感じがします。だから、今は4分の使い方を勉強中です。「4分って、最後盛り上げたりするんでしょ~?」って感じです(笑)。

酒井: 勉強中なんだ(笑)。

内田: M-1で準々決勝に初めて行けたのが去年だから、去年から4分ネタが必要になったんですよ。それまでは「ずっと三回戦受からなきゃ」って感じで3分のことを追いかけてたけど、準々決勝に進んで「4分!?」ってなって。

酒井: わかるわ。俺らも準々決勝行って4分ってなったとき、足すの大変だったもんな。

内田: でも、足すのってたぶん良くないですよね。

酒井: 良くない。

内田: 最初から「これは4分でやるべき」っていうネタができてないといけない感じがしてて。

賞レースのネタ尺について討論

酒井: 継ぎ目見えちゃうよね。

内田: 見えちゃうし、ないほうが結局良いんじゃないかとか……。

しょうへい: ないほうがって、なにが?

内田: 3分のままのほうが結局面白いんじゃないか?っていう。後から足した分は延ばすための1分だから、そこを全部抜いたほうが純粋に面白いんじゃないか?って。

しょうへい: あ~。

酒井: 3分で完結するものとして作っちゃってるから、身体も漫才も3分にマッチしてるんだよね。

内田: そうなんですよ。

しょうへい: ふ~ん。

酒井: でも、俺らは6分になったじゃん。それこそ俺らも去年までは4分を勉強してたんだけど、10月くらいにMー1が終わって、12月に「SECOND出る」って決めて、そこから2ヶ月で4分を6分にしたのよ。無理やり足すことのキツさはM-1でわかってたから、逆に「めっちゃ間をとる」とか「ゆっくりやる」とか、丁寧にやってみたら、たまたま6分尺が合ってたんだよね。俺らのネタはお話が段階的に進んでいって展開で面白くなるから、4分だと箇条書き・箇条書き・箇条書き……みたいな感じになるの。でも丁寧にやることで、1個の物語として見えるというか。尺を延ばすためにパーツを足すんじゃなく、1個1個丁寧にやる。それが、しょうへいのこのボーっとした感じのネタに、めちゃくちゃ合ってて。

しょうへい、にっこり

内田: にっこり!「うれしい、わかってくれてる。俺の相方、わかってくれてる。うれしい」!

しょうへい: わはははは(笑)!

酒井: バケモンじゃねーかよ(笑)。「わかってくれてる。うれしい。叩かない」(笑)。

しょうへい: あはははは(笑)!

しょうへい、急にバケモノに

酒井: 「相方、叩かない」。

内田: 「食べちゃダメ」。

酒井: 「これは食べちゃダメ」。

しょうへい: ははははは(笑)!

閑話休題

酒井: ……そう、たまたま合ってて。だから良かったってのもありそう。

しょうへい: 「急がなくて良い」って言われる。セリフとか。

内田: しょうへいさん的にも6分で急がないほうが良いですか?

しょうへい: あー、そうだね。「次のセリフなんだっけ」って考えられるから。

酒井: そんなギリギリの状態でやってんの?

酒井「もっとセリフってしみついてるものじゃないの?」

内田: たぶんそれ、顔に出てますよ(笑)。

しょうへい: あはははは(笑)!

酒井: でもマジでさ、うまくなったっていわれるよね。

しょうへい: 言われる。褒めてくれる。

酒井: Xとかでも、しょうへいがとにかくうまくなったみたいなの見る。成長したというより、フィットしてたんだと思う。ゆっくりやるのが。

6分尺になってから、しょうへいは「上手くなった」と言われるようになった

内田: 流れに合ってるんだ、6分が。

しょうへい: なるほど。

酒井: だから人間横丁も、3分→4分はむずいじゃん。でも6分になったら逆にめっちゃ合うってことあるかもよ。

内田: なるほど。たしかに、私たちも説明が必要なネタだから。

酒井: だよね。わりと不思議な感じだから、理解させるまでけっこう大変じゃん。まぁ人間横丁には、SECONDの年代になるまでに絶対M-1で結果出してほしいけど。

内田: そうですね、私たちはまだSECONDを想像できないです(笑)。

しょうへい: 全然まだまだだよね。

酒井: あと11年くらい?

内田: そうですね。今4年目だから。

しょうへい「全然いけるよ」、酒井「いってほしい」

内田: みんな準々決勝と準決勝の壁が分厚いって言うじゃないですか。

酒井: 狭き門だもんね~

内田: 私たち去年、出番がくらげさんの前だったんですよ。いつも通りネタできて「ダメだった」とは思わなかったんですけど、私たちが終わったあとに「ボカン!」って聞こえました。お客さんたちが、「せーの、ボカン!」って言ってたと思う(笑)。それを聞いて、「うわ、これが違いなんだ!」って思いました。あれを聞けて良かったと思います。「こんだけウケたらいけるんだな」って思えました。

酒井: わかる。俺らも初めて準々決勝行ったとき、前にぺこぱが出てた。今でこそめっちゃ出てるけど当時は無名で、それがあんな明確なウケをとってる。その世界を知れるのは良いよね。

内田: はい。「なんで落ちたんだろう」じゃなく、明確に落ちてるんで。

酒井: こういうウケ方すれば良いんだと思えるしね。

内田: はい。ひたすら努力です。なんか、戦い方の違いがわかって楽しいので、データを交換したいですね。

酒井: 今やってるこれとは違うの(笑)?

内田: 今のこれです(笑)。この交換をたまにやりたいです。

M-1とSECONDのデータ交換をたまにやりたい

しょうへい: たまに?あはは~(笑)。

酒井: 俺らさ、M-1出られなくなって初の夏なわけ。今、ヒリヒリしてるでしょ?

内田: そうですね。楽屋の人たちが「2分ネタが……」「早く終わらせたい」とか話してて。

酒井: 「今年戦えるネタできてるかな」「できてない感じするな」とか、そんな気持ちでしょ?みんな。

内田: 香盤表の名前の横にネタ尺が「2分」って書いてあると、「あ~!」とかなったり(笑)。

酒井: なんか、もちろんM-1頑張るけど、嫌じゃん?気持ちとしては怖いじゃん?

内田: はい、たいへんですね。

酒井: でも結局M-1の外に出ると、羨ましいんだよ。

内田: そうなんですか!

酒井: 意外とね……しょうへいがどう思ってるかわかんないけど、俺は「みんな今目の前にチャンスが転がってるんだ、良いなぁ」って思う。

内田: キラキラ宝石が転がってる。

酒井: うん。俺らは次のSECONDが来年だから、まだすっごい先じゃん。だから「なんか良いな」って思う。M-1やってるときってさ、センシティブじゃん。勝ち負けで人生変わるから。

内田: ですね、あんま結果とか聞けないし。

酒井: なんだけど、今は外に出ちゃったせいで、デリカシーなく「どんなネタやんの!?」「今年できてんの!?」って言っちゃうね。

M-1を卒業し、デリカシーなく「どんなネタやんの?」等と言うようになった酒井

しょうへい: ははは(笑)。

内田: 噂になりますよ、「酒井さんが聞いてくる!」って(笑)。

酒井: 「今日のネタMー1でやんの!?」とか(笑)。おさえようとは思うけどね。でも嫌な気持ちで聞いてるんじゃなくて、本当にワクワクすんだよ。羨ましいのもありつつ。

内田: 私も、キングオブコントは出てないから「どんなネタするの~?」とか「できてる~?」とか聞いちゃう(笑)。あれよくないのかな。

酒井: 俺今自分が言っててあれだけど、人が言ってるの聞いたら「こいつデリカシーねぇな~」って思う(笑)。

内田: 「どんなのやんの~?できた~(笑)?」

酒井: 「できた~?」なんて絶対聞かれたくない(笑)。「できた」って言えるわけないしね(笑)。でも聞いちゃうよね。

内田: 聞いちゃいます。

酒井: そう、だからSECONDは逆にそれも良いんだよ。

内田: そっか、「できた」とかじゃないですもんね。

酒井: それもあるし、賞レースが少ない時期でもある。だからまわりの芸人たちが、関係なく食いつけるんだよ。

内田: あの時期、みんなSECONDに夢中ですもんね。

酒井: 芸人にとっては先輩が出てるし、言っちゃえば‟天下一武道会”じゃん。タイマンで対決が見れて、それを自分のことは手放しで楽しめる。そういう意味でも、SECONDって盛り上がりやすいんだよね。だから、良い大会だなって思う。

Q2.【しょうへいさんへ】ほっぺを叩かなくなったのはなぜですか?

内田: 1個すごく気になってることがあって……しょうへいさん、前にXでほっぺ叩くやつやってましたよね?

しょうへい: うん、やってた。

しょうへいのXより。しょうへいは以前、Xでほっぺを叩いてクイズを出していた

内田: あれ急に終わりましたよね。

酒井: え、終わったの!?

しょうへい: そうそう、最近やってない。

内田: なんでですか?

しょうへい: 首がね、痛くなっちゃったんだ。

しょうへいがほっぺを叩かなくなったのは、首が痛くなったから

一同: (爆笑)

酒井: 首こわしちゃったの!?

しょうへい: 首がね、ポキポキなるようになっちゃったから。ちょっと怖いなと思って。

叩きすぎて、首がポキポキ鳴るようになってしまった

内田: ずっと、ほっぺ叩いて音を出してましたよね。

しょうへい: これね、強く叩くと振動が来るんだよね。

酒井: 首を固定して叩くから、キテしまうんだ。

しょうへい: そう。

内田: 固定してた柱が危なくなっちゃったんだ。

しょうへい: そうそう。首が座ってなかったらヤバイじゃん。

酒井: それめちゃくちゃヤバイよ。

ほっぺを叩く振動が負荷となり、大事な首を痛めてしまった

内田: けっこう支障出そうですね、生活に。私あれはじめたとき見てて、「これ、怖くない?」って思ってました(笑)。

しょうへい: はっは(笑)。

酒井: 怖いよな(笑)。

しょうへい: 見てくれてたならさ、答え送ってほしいよ。

酒井: 怖いんだよ。

内田: 怖いし、まったくわかんないです。わかってる人意味わかんない(笑)。

しょうへい: はっははははは(笑)。

酒井: 「なんの曲でしょう」ってやってたんだよね。

内田: 毎回、次の日に答えが出るんですよね。でまた次の日に、もう1回問題が出て。当ててる人いますもんね(笑)。

酒井: 俺マジで謎なのがさ、しょうへい自分から「当ててください」ってやってるじゃん。それなのにさ、ひとつも楽しそうじゃないんだよ。

しょうへい: あっはははははは(笑)。

内田: ずっと必死にやってる(笑)。

しょうへい: 必死すぎたのか。

内田: ほんとにマジの目(笑)。怖くて……(笑)。

しょうへい: マジで答えてほしい目をしてた。

酒井: いや、それすらもわかんないよ。答えてほしいのかもわかんないよね。生理現象としてやってる感じというか。ハートが入ってない。

酒井による再現

内田: 「芸人はこういうのやるんでしょう?」という。

しょうへい: なるほど~。なるほどなるほど。

酒井: 人に言われてやってるっぽい。

内田: スクロールしてるとサムネイルが画像みたいに出てくるじゃないですか。あれが怖い(笑)。動いたらなにしてるかわかるんですけど……

内田: 止まったままの状態だと本当に怖い(笑)。あれなんだろ~と思ってたら、5月の最初くらいで終わってて。しかも「終わります」とかもないんですよ。

しょうへい: ひっひひひははぁ~~~(笑)。

めちゃくちゃ笑っていたしょうへい

酒井: 「バズらなかったからやめます」とかさ、「仕事につながらなかったからやめます」はわかるけど、まさか「故障により」だとは(笑)。「やめた」って言わなくて良いんじゃない?「すみません、首を故障してしまったのでお休みします」(笑)。

しょうへい: 「いつかやります」みたいな?

酒井: 「待っててくれている方、申し訳ございません」って。

内田: けっこういましたよね、答えてくれてる人。

しょうへい: いたいた。毎日答えてくれてる人。

内田: その人たちはきっと、「もう8月になっちゃうけど……」って思ってますよ。

酒井: 「やりたい、クイズ」ってね。

内田: 「まだぁ~??」って。

しょうへい: 待ってるかなぁ~。

酒井: アナウンスしないと。「申し訳ない」と。

内田: 安心させないと。「どうしたのかな~」「芸人やめちゃうのかな~」とか思ってるかも(笑)。

しょうへいが投稿をやめたことで、心配している人もいるかも……

酒井: あれこそが“しょうへいのアイデンティティ”だったのか(笑)。

しょうへい: あぁぁっははは(笑)。

酒井: ちゃんと言ったほうが良いよ。

しょうへい: 気を付けます。

内田: 良かったです、言えて。

酒井: 良かったよ。俺も知らなかったもん。

内田: 今遡ったら、5月9日が最後でした。

しょうへいのXより。最後の投稿

酒井: やりたい気持ちはあんの?

しょうへい: やりたいよ。やってて楽しいもん。「今日なんの曲にしようかな~」とか。

内田: どうやって決めてるんですか?

しょうへい: 「今日は〇〇の日だから」……みたいな感じ。たとえば「すいかの日」だったら、……すいかの曲がないか。

酒井: 『すいかの名産地』とか?

しょうへい: そうそうそう。

酒井: その楽しさは伝わってこないんだよな、動画から。もっと楽しそうにやれば?

楽しそうにほっぺを叩く

内田: 笑顔のままできます?

楽しそうに……
笑顔で……

内田: あ、『おもちゃのチャチャチャ』?

しょうへい: せいか~い。

せいか~い!!

内田: わーい。初めてわかった~!

酒井: 首痛かった?

内田: やらせてごめんなさい(笑)。でも動画のときより楽しそうでした。なんかね、動画のときは上におもりが乗ってるみたいでした(笑)。

しょうへい: ひっひひひはははは(笑)。

笑うしょうへい

酒井: とりあえずアナウンスはして(笑)。

しょうへい: はい。

内田: 首のことみんな知りたいと思うので。

しょうへい: はい、わかりました(笑)。

Q3.『夏ネーター』で気になる出演者はいますか?

内田: 『夏ネーター』っていろんな人が出るじゃないですか。気になる人っていますか?

2024年8月21日(水)に、人力舎のネタライブ『夏ネーター』を開催予定(チケットはコチラから)

酒井: 俺はもう、ゆってぃ兄さんですね。若手のころめちゃくちゃお世話になった。

内田: えー!今も仲良いんですか?

酒井: 全然会わない。

しょうへい: 昔、引っ越しの手伝いとかしてたもんね。

酒井: そうそう。昔ほんとに仲良くて、今も連絡はちょこちょこ取ってるよ。ゆってぃさんと営業一緒に行ったことある?

内田: ないですね。

酒井: 普段のライブももちろんウケてるけど、でっかいハコでのゆってぃさん、ウケ方とんでもないよ。なんかさ、真空ジェシカ、ラバーガールさん、ザ・マミィとかと並ぶと、ゆってぃさんってネタ弱そうじゃん。

内田: すごいはっきり言いますね(笑)。

酒井: でも断言するけど、ゆってぃさんが一番ウケると思う。この人、すごいチャラチャラしてそうじゃん。

内田: はい。

先輩・ゆってぃの魅力を語る酒井

酒井: でも、ライブはいまだに毎回新ネタやってるから。

内田: えー!すごい!

酒井: めちゃくちゃストイックなの。しかも「ワカチコ」をちょっと変えるとかじゃなく、まったくの新ネタ。そんくらい、ちゃんとネタをやる人。

内田: そうだったんですね!

酒井: 今回もたぶん「ワカチコ」はやると思うけどね。俺は、今のゆってぃさんが一番面白いと思うな。昔『レッドカーペット』出てたときってさ、キラキラじゃん?でも、自虐してたじゃん。今って、俺から見たらゆってぃさん落ちぶれてないけど、世間から見たらちょっと一発屋的に見られてる。だから、自虐に超体重が乗ってるの。

内田: はぁ~、なるほど。

酒井: そんな状態のゆってぃさん、おもろすぎる。

内田: えー、楽しみ!あとゆってぃさんって、平場で誰よりも前に出ますよね。若手みたいに出ていくの見て、素敵な人だと思いました。

酒井: なにやるにしてもバイタリティがすごくあって、「これをやったら恥ずかしい」とかそういうプライドもないし、とにかく「お笑いをやるんだ!」「俺が一番ウケるんだ!」という気持ちがすごい。

内田: じゃあ大注目ですね!しょうへいさんは気になる人いますか?

しょうへい: 松丸さんにお会いできるってのがね、楽しみ。

松丸友紀アナウンサー。大玉すいか編のMCを担当

内田: あんまりお会いできないですもんね。松丸さんが出るっていうのが、今回一番変わった点ですよね。

酒井: どんな感じなんだろうね、楽しみだね。

内田: お話したら、どんなこと話したか聞かせてください。話しかけたりできますか?

しょうへい「いやぁ~、できないんだよねぇ」

酒井: ほんと、怖いんだよなぁ。距離感ミスって変な風になりそうな気がする。

内田: 急にこれ(ほっぺ叩く)やっちゃったり(笑)?

酒井: 「なんの曲でしょう!」って?イカれてんだろ(笑)。

内田: ほっぺ音楽(笑)!

酒井: ほっぺ音楽じゃないんだよね?

しょうへい: ミューチーク。ミュージックと、「ほっぺ」の「チーク」をかけてるんです。

内田: ミューチック?かわいい~(笑)。

しょうへい: ミューチーク。

内田: ミューチック?

しょうへい: ミューチーク。

酒井: うるせぇよ(笑)。

ミューチックではなく、ミューチーク(Music+Cheek=Mucheek)

一同: (笑)。

しょうへい: いきなりやらないように気を付けます。

エンディング

内田: インタビューは以上です!いかがでしたか~?

酒井: 新幹線でしゃべってたときと一緒。楽しかった。あのときもお笑いの話とかしたしね。

しょうへい: ドラゴン見つかったかな?

内田: どうなんでしょう。連絡来たら報告しますね。

酒井: 連絡入れるぐらいの常識はあるんだな。

内田: 「ドラゴン見つかったよ~」って(笑)。見つかったらみんなにもご報告します。

酒井: お願いします。見てみたいし(笑)。

PROFILE

左:しょうへい(リニア)
中:内田 紅多(人間横丁)
右:酒井 啓太(リニア)

構成・写真・編集:堀越 愛
サムネイルデザイン:ヘンミモリ