“相方”を経て、都トムは本当の“友達”に……!!今が一番良い関係性の二人、次はなにをマネるのか《第8回「AUN ~新呼吸~」出演者インタビュー》

2024年8月17日(土)に、『AUN ~新呼吸~』が開催される。これは、日本イチ大喜利が強いコンビを決める『AUN~コンビ大喜利王決定戦~』予選大会のこと。『AUN~コンビ大喜利王決定戦~』は次回で第8回となり、本選が10月26日(土)、予選第一弾が8月17日(土)、予選第二弾が9月20日(金)に開催される。

★第8回『AUN~コンビ大喜利王決定戦~』詳細はコチラ

都トムがAUNに初出場したのは、2023年1月。予選『新呼吸』に出場し、並居る強豪を倒して優勝。本戦に進み、その回で優勝した真空ジェシカに僅差まで迫る戦いを見せた。今ではAUN常連メンバーとなり、都トムはコンビの阿吽の呼吸、そして大喜利力で善戦を続けている。……しかし2024年7月31日、突如「解散」を発表。お笑いファンに激震が走った。‟コンビの関係性”が試されると言って過言ではないAUNに、解散発表をした都トムはどう挑むのか?

都トム(左:可児正、右:高木払い)

AUNのお客さんに響くモノマネを探して

———都トムさんには、前回・前々回の『新呼吸』にもご出場いただきました。前回までの感想を教えてください。

可児正: 僕らは初回『新呼吸』でモノマネをしまして。そこから「毎回やろう」ということになり、前回は元祖いちごちゃんさんのモノマネをしましたね。

高木払い: 前回はね、本人に届いて。

可児正: 公認をいただきました。

高木払い: まさか、本人に届くとは……。

可児正: AUNドリームですね。元祖いちごちゃんさんのモノマネがすごく評判良かったので、今回どうするか悩んでいます。

元祖いちごちゃんのモノマネをする都トム。(参照:第2回『新呼吸~』ライブレポート

高木払い: 前回から今回の間にも、いろんな出来事がありましたからね。

可児正: 今、ひとつモノマネを見せて良いですか?封印しようと思っているモノマネです。

高木払い: 当日は見れません。これで見納めです。

高木払い: これは、今話題の!!

可児正: 今話題の、トルコの無課金おじさんです。『新呼吸』のころには、オリンピックも終わってますからね。これはもうやりません。無課金おじさんくらいじゃ、AUNのお客さんには響かないと思うので。これ以上のものを当日までに見つけます。

高木払い: そこに向けて調整していきたいと思います。

注目は友田オレ&惹女香花

———今回の『新呼吸』、第一弾のトーナメント表はこちらです。印象はいかがですか?

高木払い: なるほど、こういう感じなんですね。……かつやまさんはいない?

可児正: かつやまさん、単品?

高木払い: 前回、僕らはかつやまさんを止めるために頑張っていたので……

前回の『新呼吸』、都トムはかつやまを止めることをスローガンにしていた(AUN公式Xより)

可児正: たしかに、僕らの敵はかつやまさんでした。このなかで言うと、一番かかわりが深いのはユーのカー。エアコンぶんぶんお姉さんもそうですけど、特に栗原さんですね。

可児正: 「ザクセス」(お笑いライブ制作団体)の代表なので。

高木払い: 僕らはお世話になりすぎているので、力を発揮できないかもしれません。

可児正: こんなAUNの舞台で、まさか高木払い・可児正・栗原が揃うとは……ずっとね、杉並区の施設で和室ライブをしていたんですよ。お客さんが8人入ったらパンパンの和室です。

高木払い: お客さんが2人入ったら黒字です。

可児正: そんな人たちが、まさかAUNの舞台で……感慨深いものがあります。

高木払い「続けてきて良かった」

可児正: 友田オレ・惹女香花もライブでよく一緒になります。

高木払い: シモリュウさんは初めてですね。

可児正: 楽しみです。シモリュウさん、絶対に強いんで。

———特に「倒したい」と思うコンビはいますか?

高木払い: Bブロックのナユタ。

可児正: ナユタは遅刻さえしなければ良いので。

高木払い: ほんと。……だから、Bブロックなのかな(笑)?

可児正: 皆さん知ってるかな?ナユタが『#ワイガヤ』というライブに遅刻した話。ナユタは大学生なんでね、負けてられません。大学生だし、期末テストとか頑張ってほしいです。

高木払い: そうそう。ナユタはそっちもやらなきゃいけないからね、ちょっと不利ですよ。あと可児さん的には、友田オレ&惹女香花には負けたくないんじゃないですか?

可児正: そうですね。友田オレが「私の彼は左きき」でちょっとバズッたとき、その1週間後くらいに僕がライブでパロディしたんですよ。当時は僕のほうが知名度あったけど、一気に追い抜かされたので……今回のAUNをきっかけに、友田オレを捲ろうと思います。

高木払い: 当時、友田オレのファンにちょっと叩かれたんですよね。

YouTubeチャンネル「多摩地区芸能」より

可児正: 叩かれたというか、僕が「パロディ路線は友田オレにお任せします」みたいなことを言ったら「なにを偉そうに言ってるんだ」とは言われました。まぁね、友田オレは大好きですよ。前回は、友田オレ&惹女香花に負けたんですよね。

高木払い: そのリベンジもしたいですね。

可児正: 二人ともすっごい若いのに、ちゃんと面白いからね。上手。達者。

高木払い: 引き出しも多いし。すごい。

可児正: 華もあるし。

高木払い: 友田オレ&惹女香花は注目です。

都トムは「AUN限定芸人」に

———シモリュウさんのインタビューに行ったとき、都トムさんの解散について少し触れていました。

可児正: そっか。シモリュウさんもね、ちょっと似たような境遇だから……

高木払い: 解散を経て、というね。

———先日解散を発表されたばかりですが、AUNは問題なく出られるのでしょうか?

可児正: 僕らはちょっと特殊なので。少なくとも、これからもAUNは出たい(笑)。

高木払い: うん。そこはかなり、中途半端にやらせていただきたい。

可児正: なにごとも、中途半端にね。だから、10年後の僕らは「AUNだけ」の芸人になっているかもしれない。

高木払い: それ以外は、それぞれ違うことをしてね。

可児正: AUN限定芸人になっているかもしれない。

高木払い: AUNに特化してやっていきたいです。僕らが以前『新呼吸』で優勝したときは、正式にコンビを組んでおらずユニットだったんですよ。だから、ユニットになってからのほうが本当の力が発揮できて、良いほうに転ぶ可能性もあります。

都トムが『新呼吸』で優勝したのは2023年1月。同年4月に、正式にコンビ結成した

可児正: なんかね、知ったこっちゃないでしょうけど、今のほうがすごく良い感じに接することができています(笑)。

高木払い: ちょうど良い距離感というか(笑)。一番良い関係です。

可児正: “友達”に戻った感じがある。

高木払い: 呼吸を合わせていきたい。

可児正: そこは安心して見てほしいです。全然ギスギスしていないので。

お面白い・焼き鳥り

———都トムのコンビの強みを教えてください。

可児正: 強み……ありますか?

高木払い: どっちも柔軟というか、どちらかが「こうやりたい」と言ったことに対してすぐ合わせることができます。AUNって流れやアドリブも大事で、けっこうライブ感が強いので。

可児正: お互いのやりたいことが瞬時にわかる気はしますね。

高木払い: 続けてきて良かったです。

以心伝心の都トム

可児正: この前「リクロジーさんとぎょねこのオジマアローさんって似てますよね」って言ったら、そのまま「そうですよね」って話が進んで。ほかの人なら「え?」ってなりそうなところを。

高木払い: 瞬時に察知できます。

可児正: 話が早いですね。

高木払い: 感覚を共有できるのは強みですね。

可児正: AUNって0コンマ何秒の戦いなので、意思疎通の速さは必要になってくると思います。

高木払い: ただ、ちょっと僕が漢字に弱いので……そこだけは可児さんにサポートしてもらいたいですね。

可児正: いや、弱すぎるんです。「面白い」って書くとき、最初にひらがなの「お」を書いてから「お面白い」って書いたり。

高木払い: 咄嗟にわからなくて。

可児正: 「焼き鳥」も、「焼き鳥り」って書いてた。漢字が弱いとも違う。

高木払い「……フォローし合いながら、頑張りたいです」

藤子不二雄を越えるモノマネを

———『新呼吸』に向けて、なにか作戦はありますか?

可児正: 今まで3回出て思ったのは、身構えすぎると空回ってしまうということですね。

高木払い: たしかに。ある程度リラックスした状態で挑めると良いですね。競技と同じです。

可児正: オリンピックと一緒ですね。

高木払い: どれだけ普段の自分たちを出せるか。

可児正: 大喜利なんで、事前に身構えすぎても良くないので。

高木払い: あと、僕らはモノマネを一回やって肩の荷を下ろします。

可児正: いまだに言ってくれる人がいますからね。最初に『新呼吸』に出たときはそのまま本戦に進んで、そこで藤子不二雄のモノマネをしたんですよ。解散発表したときにも「藤子不二雄のモノマネ面白かったのにな」って言っている人がいました。

藤子不二雄のモノマネをする都トム(第5回『AUN~コンビ大喜利王決定戦~』ライブレポートより)

高木払い: そのくらい、インパクトが残りますからね。

可児正: やっぱ、僕らの代表作ってAUNの藤子不二雄なんですよね。感謝しています。今回もそれに匹敵するようなことをやりたい。

高木払い: けっこう写真が拡散されますからね。

可児正: バズりたいです、今回も。

———最後に、意気込みを教えてください。

可児正: 今回も、二人の力を合わせてポストカードをね……

二人: 買うぞ!!

都トムは、力を合わせてAUNグッズのポストカード(判じ絵)を買っていた(可児正Xより)

可児正: 都トムは解散しますが、AUNには出続けます。

高木払い: よろしくお願いします。

可児正: ナメんなよ?

PROFILE

都トム

左:可児正
右:高木払い

文・写真・構成:堀越 愛
取材:武山
協力:宮下胡桃子