2026.05.23
《「吉野原ペアvs地獄の三人衆」直前!1万字超インタビュー》めぞんは期待を下回りたい!それでも好きでいてほしい。♡ご褒美キスあり♡【配信チケット販売中】
2025年、M-1グランプリ決勝に初進出しためぞん。2024年の2回戦敗退から、一気に飛躍を遂げた。

2026年5月24日(日)には、ルミネtheよしもとで単独ライブを開催予定。地獄の三人衆を招いた単独ライブ『吉野原ペアvs地獄の三人衆』はすでに会場チケットは売り切れ、お笑いファンの間で大きな注目を集めている。そんなめぞんにインタビューを決行し、M-1前後の変化や芸人活動への考え方について話を聞いた。

東京はライト層ばっかって感じか
———2025年『M-1グランプリ』で、初めて決勝進出しました。その後、なにか変化は実感していますか?
吉野おいなり君(以下、吉野): 実感しているか言っちゃいなよ。
原一刻(以下、原): 今までは、平日なら早くても夕方のライブ、朝早いのは土日だけだったんですけど、平日でも午前中からやったことない仕事をやらせていただく機会が増えましたね。早起きする習慣が前まではなかったんですけど、最近は朝から晩までお仕事を入れていただいています。
吉野: 変化で言うと、やっぱ「圧倒的な力を手にした」という実感ですね。
原: してないよ。
吉野: まわりの芸人が、全員雑魚に見えます。正直、今はなにを言ってもウケる状態で。ライブでもテレビでも、自分が主人公なんだという気持ちにあふれていますね。
原: 自覚が良くないな。
吉野: 「まじでエグいよ」って感じになりますね。
原: いや、「ガチでエグいぞ」みたいな。
吉野: 僕が先でした。
原: 大嘘やん。

吉野: あとは、『相席食堂』で原の母校・宮崎県立佐土原高等学校に行ったんですけど、放送を観た方がSNSで「県内屈指のオタ校じゃねえか」と書いてくださって。相方がオタ校出身だったんだということを知れたのは自信につながりましたかね。
原: つながんねえわ。
吉野: 自分のことを「一軍」って言っていたんですけど、「オタ校の一軍」だったんだと。
原: オタ校じゃねえって言ってんだろ。
吉野: 今までは明るい人生を送ってきた人だと思って怯えちゃう面もあったんですけど、「なんだ、オタ校出身なんだ」ということで、かなり強く上から行けるようになりました。いじめちゃおうかな。

原: 良くないな。
———原さんは、オタ校出身の自覚はありますか?
原: ありません。オタ校じゃないんで。かなりイケイケの学校で、キラキラした学園生活の王というかそんな感じでした。てかオタ校ってなんですか。
吉野: 佐土原(さどわら)高校の「わら」も「w」だったみたいです。
原: 「原」だよ。
吉野: ほぼ「笑い」みたいなことだよね。
原: 違うよ。
吉野: 原がオタ校の王で、僕が普通に王様っていう状態です。
原: 良くないよ。

———M-1後に博多華丸・大吉さんがラジオで言っていた「女友達がいるタイプに見えなかった」という指摘※にもつながってきますよね。吉野さんのネタづくりも変わってきそうですか?
※『大吉ポッドキャスト いったん、ここにいます!』「#140 M-1グランプリ2025審査員・博多大吉が決勝を振り返る」より
原: 変わりませんよ。
吉野: そうっすね。大吉先生がそうおっしゃってくれて、目が覚めたというか。よく見たら女友達いるタイプじゃないなと。
原: めっちゃいましたけどね。ここに呼んできたっていいんですけど。
吉野: 今後は漫才を変えなきゃいけないということで、原の首からパソコンぶら下げさせて……
原: それは『SKET DANCE』のスイッチや。
吉野: 基本的に、音声入力システムで入力した音声でツッコミさせようかなと思っています。

原: めっちゃスイッチじゃん。
吉野: 双子の弟のために頑張るんだよな。
原: めっちゃスイッチ。
———今年からメディアに出る機会も増え、振る舞いの難しさは感じていますか?
吉野: そもそも原は自我がないんですね。それも相まって僕がやりたい放題やってきて、二人の世界では僕が王様気取りでやってきたんですけど、外の世界ではもう通用しないと思います。今後はそれをどうにかしなきゃなと。今のところ僕がしゃべりすぎて、原がオンエアでほぼ使われない状態になってるんで。
原: 『大悟の芸人領収書』の切り抜きを見たんですけど、僕がしゃべってるのに、気づいたら吉野がしゃべってる感じになってて。
吉野: シームレスに取っちゃっていました。ただ、今後は逆に原フィーチャーでもいいかなと思いますね。オタ校という新しい一面が出てきたんで。
原: ちげえっつってんだろ。やりたくねえよ、俺。

吉野: オタ校の王様と、僕が金魚のフンとしてやっていくのもありかなと思いますね。
———ラジオで暴れまわっている吉野さんも魅力的ですけどね。
吉野: あれは……いけないと思います。ひとりでやりたい放題して、原が付き合ってくれるというのを面白がってくれる人もいれば、本当に不快な人もいると思うので。テレビみたいないろんな人に向けた場所では無理ですね。
原: 諦めたんだ。
吉野: でも原は僕以外にも誰からでもいじられるんで、そこが唯一の強みかなと思います。だから、パソコンぶら下げるしかないんだよね。
原: いじれねえよ、そんなヤツ。

———原さんは、今後オタ校の王としてやっていく覚悟はありますか?
原: いやいや、ヤンキーなんで、バッドボーイズさんみたいな出方していきたいですね。ブレイキングダウンとか、迷惑系YouTuberみたいな。
吉野: やりすぎやりすぎ。
原: でもM-1決勝に行ったことで今まで出てなかった番組にも呼ばれるようになったので、引き続きネタを頑張って、テレビに呼んでいただくのも良いかなと思いますね。無理に合わせるのが苦手なんで、自分たちが面白いと思うことをやって、それを面白がってくれるような出方をさせてもらえたら一番良いのかなとは思います。
吉野: 今の僕らのままのキャラクターや関係性はまだ相手にされないと思うんで、テレビではでかい声を出したりするようにしています。体を張って無茶するとか、そういうのですね。
———M-1決勝以降、お客さんの反応に変化は感じましたか?
吉野: そうですね、すべてが手のひら返しというか。
原: そんなことないだろ。
吉野: 漫才しながら「なんか世論だな」と思ってます。
原: えー悲しい。そんなことないよ。

吉野: 本当言うと、あんま変わんないです。ファイナリストと思えないぐらいスベる日もあるんで、わざとでも笑ってほしい感じです。
原: M-1後に大阪に行ったときに東京より拍手があったので、大阪はお笑いの文化が根付いていて、東京の人よりもM-1を見てくれていたのかなと思いましたね。
吉野: 東京は、お笑いを知らない人が多いって感じ?
原: 嫌な言い方に変えんなよ。
吉野: 東京はライト層の人ばっかって感じか。
原: そんなこと言ってないよ。大阪はお笑いすごいんだなと。
———東京以外の場所で舞台に立っていると言えば、M-1ツアーの真っ最中ですよね。
吉野: 最近話題になっているネタ尺※の件もあるんですけど、僕たちは守っている側の芸人で……
※M-1ツアーにて、イチゴや豆鉄砲が著しく持ち時間を超過したことをエバース町田が指摘。それについてエバース佐々木がポストしたことをきっかけに、Xで様々な意見が交わされ、話題になった。

原: 守ってねえよ。一回も守ってねえわ。
吉野: イチゴと豆鉄砲は、M-1ツアーから外してほしいです。
原: なんてこと言うんだよ。俺らも同じくらいの時間やったことあるよ。
吉野: いや、全部7分ぴったり。
原: 短くて9分だから、破りまくり。てか、あんま守ってる人がいないって。厳密には。全員が好き勝手やってるから。

吉野: M-1ツアーはお祭りみたいで楽しいっすね。最初は「出なくても良いかな」と思っちゃってたんですよ。僕尖ってて「漫才の向上につながんないだろう」と思っていて。でも10か所くらいに出て、楽しすぎて。もっと増やしてほしいです。
原: えーそんな変わる?
吉野: 来てくれるお客さんには普段お笑いを見ない人も多いので、なかば芸能人扱いしてもらうのが気持ち良いですね。
原: なにが「出なくて良い」だよ。
吉野: もっと芸能人扱いされて声かけられたいです。

僕らのネタで音楽を好きにさせたい
———『M-1グランプリ2025』は2番手でネタを披露し、かなりウケていたように思います。しかし結果は最下位でした。点数を見たときはどう思いましたか?
吉野: 原は、たしか60までの数字しか習っていなくて……
原: そんなことねえわ。
吉野: 90とか89とか、数字をあんまわかってなくて笑顔で拍手してました。
原: いや、拍手はしてたけど。
吉野: 僕は目が悪くて、睨んでるみたいになってました。
原: 良くないな。

吉野: 点数は、びっくりって感じでしたね。普通にもっと高いと思っていて、97、98、97、97、96とかだと思ってました。
原: すごいな。そうなん?
———ウケで言うと、それくらいの体感があったということですよね。
吉野: びっくりしましたね。見返したら僕が感じ悪かったんですけど、審査員の方々に「ムカつく」みたいな感情はひとつもなくて、本当に目が悪いだけなんです。「この後なんてしゃべったら惨めに見えないかな」とか考えて、あの顔でした。点数低いヤツがしゃべったら、痛々しいじゃないですか。

———でも、コメントで見事リカバーしましたね。
吉野: そうですね。「まずは見てくれてありがとうございます」という神コメントを挟ませてもらって。
原: 自分で言うなよ。
吉野: 「好青年だ」という意見もあって。
原: なにが?拾うな、そんなん。
吉野: 好感度も上がりました。僕は優しい人間だ、ということは覚えてほしいなと思います。
原: なんのアピール?
———2024年は2回戦敗退で、翌年に決勝に進出とかなりの大躍進でした。お二人がラジオで話していた「決勝に行けるタイプの芸人だと思わなかった」という言葉が印象に残っています。どういった思いでM-1に取り組んでいたのでしょうか。
吉野: 漫才やってる芸人でM-1に出ないヤツは、まずいないじゃないですか。だから出ていたけど、決勝に行くとかはまだ思っていなかったですね。

原: 思ってなかったね。過去にも3回戦までしか行ったことなかったんで、M-1の実態がまだ見えてないというか。去年(2025年)一気に進んだんで、「これがM-1か、決勝こういう感じなんだ」とわかりました。全然実感がなかったですね。「決勝に行きたい」と言う人もいますけど、決勝がまったく見えなかったので、口にも出さないというか。
吉野: M-1に対して苦手意識もあって。M-1という概念が僕らに興味なさそうという肌感があったんで、正直に言うと(M-1が本格始動する)8月で今年が終わったら良いなと思っていました。
原: えー、8月で?
吉野: 8月から1月1日に飛んでくれたら幸せな一年だと思えるな、と。
———ネタづくりに関して、過去とは変えた面もあったんでしょうか。
吉野: そうですね、一昨年に2回戦で落ちるという恥知らずなことが起きたんで。今までは漠然と出なきゃいけないから出るという感覚で、やりたいネタでM-1に挑戦するという感じでした。ただ、2回戦で落ちたことで“芸人おつかれ手形”を押された感覚というか……もう辞めちゃっていいよみたいな。おつかれ切符、片道切符、おつかれ……
原: どれだよ。

吉野: だから、さすがに一年頑張るかと。頑張るというか、もうちょっと受け入れられるような漫才をしようと思いました。妹のネタとアニメのタイトルを入れることをやめました。固有名詞はあんまり良くないって聞いたんで。
———そうなんですね。ただ決勝で披露したネタも、過去のネタのフォーマットと重なっているように感じました。
吉野: そうですね、妹ベースです。プロトタイプの妹モデル。妹ネタは年に5~6本つくっていたんですけど、それを1~2本にしました。妹離れできたかなと。

原: 妹はいねえんだよ。
———原さんは、そうした変化は感じていましたか?
原: 2回戦落ちたあとに『マイナビ Laughter Night』の月間チャンピオンに選んでもらって、チャンピオン大会でマイナビ賞をいただいたときにお客さんの反応が良かったんですね。マイナビはお客さんが特殊で、コアな客層で妹ネタがウケて。だから妹ネタはそういうところで戦う芸かと思いました。で、M-1を意識したネタをつくったら決勝に行けて。賞レースに勝てるんだという感覚がなかったので、急に来ましたね。
吉野: やりたいネタやってマイナビで認められたけど、M-1に向けて書いたネタで決勝行けたから、俺が天才ってことだよね?
原: 言ってねえよそんなこと。どう要約したんだよ。
吉野: 才能すごいって言ってくれたんだよね。ありがとう。
原: そうなるのか。
吉野: マイナビのときは妹のネタでめっちゃウケたんですけど、テンパった原が妹のところを「お兄ちゃん」って言うありえない間違いして、自分が妹になるっていう怖い動き方はしてきましたね。「こんな妹が欲しかったのか」っていうセリフを「コンテナ妹が欲しかった」って言って、アドリブでボケてくれて。
原: ちげーよ。噛んだだけだよ。

———今後のネタの方向性は考えていますか?
吉野: そうですね。今年は、僕らの強みである歌ネタで。
原: えーマジかおい。
吉野: 審査員の(ミルクボーイ)駒場さんも「もっと歌ってほしかった。開始10秒から歌ってくれたらもっと点数つけてた」って言ってくれていましたし。
原: 言ってないよ。
吉野: 歌ネタっていうか、今年は歌で戦いたいっすね。
原: 勝てねぇよ。

吉野: 4分歌で。
原: 勝てねぇよ。
吉野: それか、歌ネタやんないかのどっちかですね。
原: そっちだろ。
吉野: そもそも歌ネタはあれ(決勝で披露したネタ)くらいしかないので、歌じゃないネタで行きます。
———歌ネタに対して意見するようなコメントも、SNSでは散見されました。
吉野: そうっすね。「歌わなければ」みたいな人が結構いたので、そういう意味では二人でバンドをはじめてみてもいいかなと思います。歌の活動をして、そういう人を歌の力で改心させてあげたい。
原: そんなに?
吉野: 歌を好きにさせたいですね。
原: それは俺らの仕事じゃないよ。

吉野のマイブームは「原を膝ぐらいの高さから落とす」
———M-1を経て、コンビの関係性に変化はありましたか?
吉野: 僕らはもともと仲良くて。これはあんまり書かないでほしいんですけど……人がいないときは、キスとかしてて。
原: なんで書かないでほしいのにわざわざ言うんだよ。黙っとけよ。あとしてねえよ。
吉野: フレンチキスというか。ディープ、という意味のほうで。
原: キモいな。フレンチって実はディープって意味だよって言う人おるけど。
吉野: キスの回数は増えたかな。
原: 増えた!?忙しくなって増えたん、気持ちわるっ。
吉野: どっかのタイミングでそれも公表して、そういう層も取り入れて。
原: 良いわけねえだろ、〇〇〇〇〇〇だから、そういう層が。〇〇〇〇みたいなヤツ増えたら嫌だよ。(※自主規制 by編集部)
———メディアに出る際は、どんな見せ方を意識していますか?
原: テレビでは、吉野がいっぱいしゃべって僕が振られてツッコむというスタイルをもっと見せていけたらいいですね。関係性は変わってないですけど、僕らの普段の感じがもっとわかるように見せられたら良いかなと思います。
吉野: (チュッ) ※ご褒美キス

———吉野さんから見ても、原さんに「オタ校の王」という新しい武器が見つかったのは大きいですよね。
吉野: (爆笑)
原: 違うって言ってんでしょ!
吉野: その武器を使っていきたいし、オタ校の王に頼りすぎない自分たちでもいたいっすよね。
原: 頼ってねえだろ。別にオタ校の王じゃないから。

吉野: 『ダンス・ダンス・レボリューション』の案件とか来てほしいですね。
原: 〇〇〇〇〇〇〇〇〇。(※自主規制 by編集部)
吉野: 大丈夫なのそれ。
原: うれしい!やってみたいです。
———相方の良いと思うところを教えてください。
原: 吉野はこういうインタビューやラジオでもすごい自分からしゃべって、起こったことを面白く伝えられるし、面白い視点で見るのがうまいので、それは助かるなと思いますね。
吉野: 僕も原がしゃべってるの見て、唇がプルプルで……
原: キモいって!路線変更すんな。
吉野: きれいだなと思うし、写真映えもするし、うれしいですね。唇を見るだけで今日も仕事頑張ろうと思えます。

———ラジオを聴いていると、吉野さんが原さんのツッコミで笑うことが多いのも魅力的だなと思います。
吉野: そうですか。まぁ、面白い・面白くないとかじゃなくて、彼女がしゃべったら笑うじゃないですか?
原: こえーな!
吉野: 僕がゲラなのもありますけど、原で笑っちゃうっていうのがありますね。顔とか面白いし。
原: ふざけんな。最低じゃねえか。
吉野: 原が不憫な目に遭うのが面白すぎて。原に「死んじゃえよ」とかひどいこと言っているのに、原がひどいこと言われている状況が面白すぎて。そういう猟奇的な瞬間がありますね。
———コンビじゃなかったら、どんな関係性だったと思いますか?
吉野: コンビじゃなかったら、徐々に原が僕と縁切ってたと思います。
原: コンビだと逃げられないからってのはありますね。
吉野: 原は線引きが強いタイプなんで。
原: 嫌な言い方すんな!

吉野: 自分のなかで仲良くする人、仲良くしない人っていうのをちゃんと分けるタイプなんで、仲良くしない人の箱に入れられていたかもしれないですね。
原: そんなことはないよ。
吉野: 絡みがうざくて切られていた可能性あります。
原: エバースの町田さんとか、きしたかのの高野さんとか、傍から見てると面白いじゃないですか。けど、自分の身に降りかかるとすごい嫌で。
吉野: (爆笑)
原: 吉野が僕じゃないヤツと組んで、今僕がされているようなことをされていたら「吉野面白いな。相方にそういうのするのうまいな」って思って仲良くすると思うんですけど、その対象が僕なんで。毎日会うヤツに嫌なことされたり言われたりする。コンビじゃないほうが仲良かったかもしれないです。今も別に仲は良いんですけどね。
吉野: プライドがせめぎ合ってる可能性はありますよね。

原: いじられるのを喜んでいたら良くないじゃないですか。笑ってもらってるから良いって感覚は、マジでないですね。最近は後輩芸人二人と吉野で、僕を膝ぐらいの高さから落とすっていうのにハマってて……。めっちゃ痛いんですよ。朝、髪をセットするときに鏡の前に立つじゃないですか。そこで気付いたんですけど、右肘に黒いあざができてて、すごい嫌でした。男の子で良かったなって。
吉野: 最近、ハマっちゃっています。原をギリギリ痛くない高さから落とすっていうの。
原: 全然痛いから。
吉野: 正直、ここ一年でいちばん笑いましたね。
———原さんは、いじられるタイプの芸人になると思っていましたか?
原: まったくですね。地元にいたときは、友達をいじったり「あれやってよ」みたいに言ったりするタイプだったんで、吉野側の人間でした。だから、なんで自分よりちっちゃいキノコ頭に人前でビンタされたり、高いところから落とされたりしなきゃいけないんだって我に返る瞬間はあります。これが芸人を続けている間は何十年も続くのかなと思うと恐ろしいです。50歳になってもやってくると思うので、身体がもつかどうか……
吉野: 長い旅になりますね。

痛いヤツがいたら叩いちゃうよ
———吉野さんはYouTubeチャンネル『板橋ハウス』の一員でもあります。M-1前後で視聴者層の変化はありましたか?
吉野: 板橋ハウスでは一切お笑い芸人の話はしないっていう怖い動きしてるんで、変化はあんまりないですね。まったく別の場所みたいです。まるで、天使のお茶会みたいっすね。
原: なにが?
———吉野さんはTwitter(現X)好きとしても知られています。認知が広がった今、なにか変化はありますか?
吉野: “公人”じゃないですけど、言動に多少気をつけないといけなくなりました。ただ、Twitterをはじめたての僕から見て、今の僕が“公人の振る舞い”をしていたら反吐が出ると思うんですよ。だから、逆に過激なことを言うようにしています。
原: ダメだよ。

吉野: より全力で逆に行ってますね。Twitterはじめたときの僕に恥じないツイートをしたくて。
原: それTwitterであるんや。芸人になったときの初心を忘れない、とかは聞いたことあるけど。
吉野: Twitterはじめたときの僕が笑うようなツイートがしたいですね。
原: それをめぞんと名乗ってやるの怖くない?
吉野: 僕は幸い、本アカとサブサカがあるんで、それで混乱させるようにしています。一般層の人を取り込めていない動きなんで、フォロワーも増えなかったです。ライト層の人は置いていくしかない。
原: えーっ!?
———原さんは、隣にSNSに強い相方がいることで良い影響はありましたか?
原: そうですね。板橋ハウスのおかげで、それを見たお客さんが劇場に足を運んでくれるし、ライブに出させてもらう機会も増えて。それで場数を踏めて、賞レースで結果が出る流れもあったので感謝もしています。SNSが強い芸人がこれまで多くないというか、最近できたジャンルなんで頼もしいですよね。今までいなかった芸人なので、どうなるのか楽しみです。

———吉野さんはファンとの向き合い方も特徴的だと思います。SNSやラジオでもしっかりと意見を発信して、ある意味で教育しているようにも感じます。それはどのような発想から来ているのでしょうか。
吉野: 教育しているつもりはもちろんないんですけど。昔『2ちゃんねる』が流行していたころ、痛いヤツを袋叩きにする文化があって。僕も小学生のときに、間違って掲示板に自撮りを上げて袋叩きにあったことがあるんですよ。
原: なにしてんの。
吉野: その人たちの背中を追っている感覚はあります。痛いヤツがいたら叩いちゃうよ、みたいな。
原: えー。やめろよ。
吉野: 今は薄れてきたんですけど、ネットって暗黙の空気を楽しむ面白さがあるじゃないですか。暗黙の空気に気付けないと“痛い”とされるし、僕らを応援している人がそうだったらきついというか、恥ずかしいんですよ。あとお笑いはお客さんが近いこともあって、お客さんもお笑いをしたくなるじゃないですか。だからこそ、まわりの人がつまんなかったら嫌だなっていう感覚です。だから……教育というか攻撃です。

———それで言うと、原さんも吉野さん側ですよね?
吉野: そうなんすよ、実は。
原: 「やめろよ」とか言いながらわかる部分もあります。痛い思いや恥ずかしい思いをして笑ってほしいだけなのに、感想が「かわいかった」とか「かわいそう」だと、そういう人に向けてはやりたくないなって思うんです。もちろん「かっこいい」とか言われるのが嬉しくないわけではないんですけど、こちらが意図していない感想を押し付けてくるのが嫌っていう感じです。
吉野: うん。
原: 別に「かっこいい」って思ってもいいですけど、「言わないでほしい」って伝えているのに言ってくるのは、それは本当に応援しているのかな?って思っちゃうので。そういう人には合わせないよって感じです
吉野: (ちゅぱっ)※ご褒美キス
原: 吸うなよ!
吉野: この感覚が近いのはありがたいですね。

原: 本来、僕ももっと言いたいんですけど、さすがにどっちも言うとヤバいので。そういうのを察してくれるような人に応援してほしいなと思いますね。
吉野: 最近の風潮で言うと、ブロマンスみたいなコンビ仲も萌えポイントのひとつじゃないですか。ただ、それも行き過ぎたら暴走して、僕らが求めているものじゃなくなると思うんです。だから、最近はキスとかメロいとかのノリを二人でやって、そういう人をあぶり出そうとしています。
原: で、寄ってきた人をブロックするという……。雑誌の『anan』で「美ジュ-1グランプリ」というのをやったんですけど、そこまでやって「かっこいい」って言ってきた人をブロックするのは違うんじゃないかなとは思いましたね。
吉野: たしかに、権力が暴走していました。
原: 「かっこいいって言わないでください」と言うことまで、セットで面白がってくれるファンであってほしいなと思いますね。
吉野: たしかにね。ブロックするのも抑止力というか、暴走する初期段階で止めてるんですけど「初期段階すぎるだろ」っていうボケなんで。そういうのを楽しんでくれる人だけ、楽しんでもらえれば。
原: これで怒る人には、僕らは応えられないので。早めに見切ってくれたらいいなと。

ルミネ単独で「期待を下回りたい」
———『吉野原ペアvs地獄の三人衆』は、お二人にとって初めてのルミネでの単独ライブですね。
吉野: 芸人としてルミネに立つのは目標のひとつで、原もお笑いをはじめる前からルミネに通ってたほど思い入れのある場所。すごくうれしくて楽しみにしていたんですけど、地獄の三人衆が来ちゃったので……
原: 来ちゃったってなんだよ。
吉野: 来ちゃったのが誤算というか、許せないですね。
原: 許せないってなんだよ!
吉野: マジでむかつきますね。
原: お前が考えた集団だろ。
吉野: 地獄の三人衆が、吉本の各劇場に怒り以外の感情を消すF4爆弾を仕掛けたんです。「我々と戦わなければこの爆弾を作動する」って脅してきて。
原: 仕掛けてねえよ。
吉野: 吉本の社員や観に来るお客さん全員を人質に取られてしまったので、普通に単独ライブはできなくなって、地獄の三人衆との3番勝負をすることになります。僕らはネタ3本で、地獄の三人衆側も1本ずつネタやって戦うことになりました。絶対に倒します!
原: 知らんよ。

———単独ライブに向けて、原さんはいかがですか?
原: 僕はルミネtheよしもとには特別な思いがあります。うち、両親が離婚しているので母とは月1回しか会えなくて。そんな母が、パートで貯めたお金で年に1回東京旅行に連れて行ってくれたんです。僕らはお笑いが好きな3兄弟だったんで、東京旅行のときは絶対ルミネtheよしもとでお笑いを見せてくれました。「いつか僕も立ってみたい」という思いでいたので、単独ライブが実現して夢が叶うと思ったら、吉野が急に「地獄の三人衆と戦いたい」と言い出して……お母さんごめんって感じですね。
吉野: 本当に許せないですよね。
原: なんなんそれ。
吉野: 人の想いとか、気持ちを踏みにじるなんて。
原: おめえじゃねえか。
吉野: 地獄の三人衆のひとりが、僕にお笑いのすべてを教えてくれた師匠なんです。“ワライガワカワラ”という尊敬していた人で、そんな人ががこんなことするんだっていう失望ですね。
原: 知らんヤツの知らん感情。

吉野: 同時に「そんなわけもないんじゃないか」と思っていて、なぜ師匠が地獄の三人衆側に行ってしまったのか、その理由も気になりますね。僕はもともとリトルスモールハイスクール漫才出身なんですけど、そこで一緒にコンビを組んでいた“町田和”が闇落ちしてしまって……
原: これが一番ヤバいんですよ。“町田和”って、もう町田和樹(エバース)やん。
吉野: そいつが闇落ちして悪魔になって、“ノベルコア”という名前で活動しています。あとのひとりが、“マスターラフ”という高性能お笑いAI。この地獄の三人衆がなんでそうなったのかも気になりますし、原の大切な感情を踏みにじったのも許せない。お客さんも人質に取られているので、理由はどうあれぶちのめすしかないですね。でも師匠だけは、昔の記憶でトラウマがあるので、怖さはありますね……

———原さんは、単独ライブのどこを見てもらいたいですか?
原: 僕としては、4人格と漫才することになるので……
吉野: 師匠と原で漫才して、めぞんで漫才して、町田和と原で漫才して、めぞんで漫才して、ロボット(お笑いAI)と原で漫才して、めぞんで漫才。原が大変な単独ではありますね。
原: 大変なのはおめえだよ。地獄のヤツはピンネタしろよ。
吉野: 原が4人と漫才するので、大変ですね。
原: M-1で決勝に行くという、芸人誰しもが目指す場所に立たせてもらったヤツとは思えない単独にはなると思います。自分たちの色が出せたらいいなと。
———なぜこういった形式の単独ライブにすることに?
吉野: 「地獄の三人衆が来た」以外の理由はないというか、僕もネタを7本やるような普通の単独がしたかったです。けど関係性のあるヤツが地獄の三人衆として来ちゃったので、戦わざるを得ない……
原: 聞いてねえよ、そんなこと。

吉野: まあM-1直後に単独をやるとなったら、お客さんもおしゃれな単独が見たいと思うんですよ。だから、そういう人の気持ちを裏切りたいなと思って。
原: えー!本当の理由こわっ。
吉野: 期待を下回りたい。それでも好きでいてほしいって感じですね。
原: わがままやな。
———すでに会場のチケットは売り切れています。配信チケットを買うか迷っている方に向けてメッセージをお願いします。
吉野: 僕の意見としては、全劇場に爆弾が仕掛けられていて危ないので、できれば当日は来ないでほしいです。
原: ありえねえだろ。
吉野: 安全を考えて、配信で観てほしいです。でも、そんなん言っても、俺らのことを応援しに来ちゃう馬鹿ばっかりなんだろうなって……
原: 熱くねえよ。完売しているのが怖いというか。M-1や『相席食堂』で知ってくださった方がこれを観て、僕らがどういうお笑いをしていくか見極めるポイントになると思います。これが好きなら応援していただけるかなと思う。見定めるターニングポイントとして、ぜひ観ていただきたいです。
PROFILE

めぞん(吉本興業)
左:吉野おいなり君
右:原一刻
★公式プロフィール:https://profile.yoshimoto.co.jp/talent/detail?id=8835
★公式YouTubeチャンネル:めぞん情報局
★stand.fm:めぞんの「ねこ日記」
【吉野おいなり君】
・X:@mezonmezonme
・X(サブアカウント):@oshiyoshi22
・Instagram:yoshino7356
・YouTubeチャンネル:板橋ハウス
【原一刻】
・X:@dejimontarou
・Instagram:mezonhara
・note
文:まっつ
編集, 撮影:堀越愛
INFORMATION

めぞん単独ライブ「吉野原ペアvs地獄の三人衆」配信情報
オンライン配信チケットはこちらから:https://online-ticket.yoshimoto.co.jp/products/lumine-26052419
【配信スケジュール】
5/24(日)配信開始19:00 配信終了予定20:15
※販売は5/31(日)12:00まで
※見逃し配信期間は5/31(日)23:59まで
※会場チケットは売り切れ