【9番街レトロ『9番街フェス』直前インタビュー】オールジャンル、ダイナミック、パワーアップ!?2年ぶり開催の主催イベントに向けて

2026年9月28日(月)に、9番街レトロによる公演『帰ってきた9番街フェス』が開催される。

2年ぶりとなる本公演は、過去最大キャパである有楽町・ヒューリックホール東京で3公演開催。会場チケットは完売しており、10月5日(月)まで視聴できる配信チケットが販売中だ。

1日3公演・すべて異なる内容で行われる今回のフェス。公演に対する想いはもちろん、「下位互換になりたくない」とロールモデルを置かないポリシー、そしてネット全盛期における「テレビ」の考え方など、二人が描く戦略を聞いた。

盛りだくさんの『帰ってきた9番街フェス』

———『9番街フェス』はお二人が主催するライブですよね。「単独ライブ」などではなく、「フェス」という名称でイベントを開催するのはなぜですか?

9番街レトロ・京極風斗(以下、京極): 「単独」とは言わないって決めてるんです。将来NGK(なんばグランド花月)でやるときに「初単独」と言うために。単独でのライブ自体は毎月やってるんですけど、「単独ライブ」とは言いません。もう8~9年続けてる、ノリみたいなもんですね。

———NGKに向けて、「初めて」を温存しているんですね。

京極: はい、「初」って言いたいだけのために。

———『帰ってきた9番街フェス』は1日に3公演行うそうですね。公演ごとの内容は異なるのでしょうか?

京極: まるで違う3公演になります。3公演全部観る方もいますしね。

9番街レトロ・なかむらしゅん(以下、なかむら): カロリーも、けっこういかつい。

京極: これまでは日程をわけて開催できていたんですよ。でも、スケジュールがどんどん厳しくなってきて、もう1日でギュッと開催しないといけなくなって。

———公演と公演の間も、バタバタになりそうですね。

なかむら: やったことないんですけど、想定ではだいぶバタバタです。特に、スタッフは苦しいんじゃないですか?

京極: ほんまに大変やと思います。

———スタッフさんも1日通しで稼働するんですね。

京極: そうです。じゃないと、連携が取れないんで。

———では、スタッフさんの苦労も想像しつつ、お客さんには是非通しで観てほしいですね。

京極: 配信は全部観てほしいですね。

なかむら: 全部おもろいと思うんで。

京極: もちろん単品でも楽しめる内容にしてますけど、全部おもろいんで。ほんま、盛りだくさんです。

———今回の『9番街フェス』をひとことで表現すると、どうなりますか?

なかむら: 「オールジャンル」ですね。全部、手出してるよ~みたいな(笑)。あと「ダイナミック」とかもあるんかな?

———想像がつかないですね。

京極: やっぱ「帰ってきた」とか言ってるぐらいなんで、やれることの範疇も広がってるというか……パワーアップして帰ってきてると思うんで、「パワーアップ」ですかね?

ロールモデルはいない

———9番街レトロさんは、フェス開催などほかの芸人さんがやっていない切り口で面白いことを仕掛けているイメージがあります。そんなお二人から見て「あの人の活動、面白いな」と思う芸人さんはいますか?

京極: kento fukayaさんですかね。kentoさんがプロデュースしてるZiDolがそうですけど、芸人をイタくせずにアイドルやるのが上手いと思います。面白く見せつつアイドル売りができるのって、めっちゃ特殊な能力やなと思いますね。

なかむら: 芸人がやるアイドルって、おもしろ前提じゃないとかなりきつい枷になるんで……。

京極: 芸人がアイドルグループつくって活動するって、イタくなりがちなんですよ。それを普通に面白いままお届けできてる。ファンの方は、アイドルを推してるようなテンション感でも楽しめるし。

———たしかに。楽曲もカッコいいですしね。

京極: ミュージックビデオのクオリティも高いし、もちろんメンバーの選び方も良い。なにしてもおもろくなっちゃうメンバー。けどなにより、kentoさんの売り出し方、見せ方が良いなと。

———なかむらさんはいかがですか?

なかむら: 僕の仲良しでユビッジャ・ポポポーってヤツがいて、おもろいですね。ユビッジャ、でかい朗読の大会でファイナリストに残ったんですよ。予選は音声で決勝は映像なんですけど、審査員はびっくりしたでしょうね。決勝であんな風貌のヤツが出てくるとは(笑)。あと早食い大会でも決勝に行ってたんですよ。本来はやらんでも良いようなことをやってる。おもろいですよね。

———たしかに、客観的に見ると面白いです。お二人が「自分が先に思いつきたかった!」と思ってしまう方はいますか?

京極: タイさん(やさしいズ)とか、けっこうそうですね。タイさんプレゼンツ系のライブはすごい。あとヨネダ2000。ヨネダの単独はすごいんですよ。ほんま、発想が天才なんやろうなって。しょうもないことをするために派手な準備をするとか、面白いですね。

なかむら: たしかに、ヨネダはおもろいですね。でももし思いついたとて、ヨネダがやるからこそおもろいってこともめっちゃ多いんですよね。

———なかむらさんは、自分が「先に思いつきたかった」と思うことはありますか?

なかむら: 絶対に先に思いつけるわけないんですけど、村上ショージ師匠がやってることですかね。大好きで、ほんまにおもろい。このまえ漫談で「電車のなかで、思い出せないけどおもろいこと言ってたおばさんがおって……」としゃべってて。思い出せへんけどおもろいって話をしてたんですけど、伝え方しだいではほんまにただ思い出せへんくて終わっちゃったヤツにも見えるじゃないですか。でもそうではなくボケとして伝えているのがわかって、寄席のお客さんにもボカンとウケてるのがカッコよすぎて。僕が語れるような技術じゃないんやと思うんですけど……

京極: この前はルミネでギター持ちながら漫談やってたんですけど、「ギター弾けないんですよ~、どうもありがとうございました」って(笑)。オチにつかうんや。やっぱレベルが違いますね。

なかむら: 錚々たる寄席メンバーのなかで、ダントツ一番でウケてました。カッコよすぎました。

京極: 1ミリも緊張感がないんですよね、見てて。笑いやすい空気をつくってくれてるんでしょうね。

———では、お二人がロールモデルにしている芸人さんはいますか?

なかむら: コンビとしてロールモデルにしている芸人はいないんじゃないかな。

京極: なさそうですね。相方に「こうあってほしい」みたいなのはありますけどね。藤崎マーケットのトキさんとか、ノブコブ(平成ノブシコブシ)吉村さんとか……どんな若手と絡むときも、一切手を抜かない感じ。この人何歳まで本気でやんねん、みたいな(笑)。おじさんになると本気なだけでちょっと面白いし、良いなと思いますね。相方が行きつく先は、そうなってくれたら良いなと。なりそうですし。

———想像つきます。

なかむら: たしかに、皆さん抜いてるわけではないと思うんですけど、「この仕事でこんな本気なん?」みたいに思われようと意識してるかもしれないです。

京極: 貪欲なんですよ。まだ一番ウケたいんや(笑)。

———カッコいいですね。

なかむら: そうですね。僕はそれをカッコいいと思ってます(笑)。どんな仕事でも手を抜かない、それこそトキさんや吉村さん、あときょんさん(コットン)、ジャンボさん(レインボー)とかはずっと明るくて、どんなときも「今日暗いな」とかないんですよ。自分のボケ方にロールモデルはないですけど、テンションを高く保っている人は勉強になります。「こうしとかないとな」と。たぶん、僕は暗いとウケにくいと思う。自分がウケやすいテンション感はそこなのかなと。

———コンビとしてロールモデルはないと先ほどおっしゃっていましたが、あえてロールモデルをつくらないようにしている面もあるのでしょうか?

京極: そうですね。「誰々みたいや」とはならんようにしてます。

なかむら: 「誰々みたい」とか「若いころの誰々みたい」とかって、あんま誉め言葉じゃない気するよね。

京極: それ言われてる間は超えてないしな。

なかむら: 下位互換。そう思われないように、自然と避けてるとかはあるかもしれないですね。

テレビへの想い

———9番街レトロとして、今後やりたいことはありますか?

京極: YouTubeでやってることが、そのままテレビとかに移植されたら良いなと思うことはありますね。誠(ヨネダ2000)と散歩するとか、くるま(令和ロマン)とメシ食うとか……。こんな簡単なことでこんなに伸びてますよ、って示すためにやってる部分もあります。それを見て誰かが企画書出してくれるんちゃうかなと思って。そういうのが評価されて、いつか僕が「やりたい」と言ったことが実現する立場になったら最高です。どこまでもワガママ言って良いんやったら、ゆる~くずっと有名でありたいですね(笑)。普段はめっちゃゆるい、散歩みたいなテンションの番組をやって。定期的に身体を張って「そんなんもするんや」って褒められて(笑)。またゆる~いのやって……ってのが理想かもしれないですね。「楽してるだけやんけ」ってみんなが思いはじめたころにまた身体を張って……。

———フェスを「オールジャンル」と表現していましたが、9番街レトロの活動指針でもあるのかもしれませんね。

京極: あ~、どうですかね。僕らは一個の筋を大切にして突き詰めてしゃべる、みたいな会話ができないんですよ。寄り道・寄り道・寄り道。めっちゃ瞬発の脳みそなんで、こうなったら面白いかもというより、面白いの思いついたからこっちしゃべる、また思いついたらこっちしゃべる、みたいな。なかむらのYouTubeとかもまさにそうなんですけど、めっちゃ短いんですよ。ポンポン出した寄り道をギュギュっとできたら良いなというニュアンスです。

———なるほど。自動的にいろんな活動につながっている感じですか。

京極: そうなるかもしれないですね。

———なかむらさんは、今後やりたいことありますか?

なかむら: やっぱテレビ番組に出たいですね。レギュラーの番組が終わっちゃったんで、定期的にテレビ局に行くことがなくなったんですよ。このルーティンは持ってたいなと思うので、レギュラー番組がほしいですね。単発でお呼ばれしているだけでは、ちょっと物足りない。見合う実力があるとは思ってないですけど、レギュラー番組を経験しちゃってるだけにそう思います。このルーティンはベースとして持っておきたいなと思いました。

———お二人とも、テレビは大事にしたいタイプなんですね。

京極: テレビを観てお笑いをやりはじめたので、そうですね。時代的にはもしかしたら、執着は必要ないかもしれないですけど。でも出れてないのと、出れるけど出ないほうを選ぶのは全然違うんで。

なかむら: 出れるようにはなりたいんですよね。テレビのオファーが来たら、「おお、嬉しい」ってなるんで。

京極: あと、どんだけYouTubeが再生されようが、結局知名度が上がるのはまだまだダントツでテレビですね。『ナイトスクープ』とか出たときのほうが、知名度が広がった感じするし。

なかむら: 関西ローカルでもそうなんでね。テレビの影響力はまだまだ強いと思います。出たいですね。やっぱり。

———主催イベントやライブもやりつつ、やはりテレビへの想いはあると。

なかむら: そうですね。それこそ「出れるけど出てない」やったら良いんですけど、出れてないだけなんで。固執してるわけではないですけど、出れる状態になってからテレビどうこう言えるんかなって思います。

京極: 地方でやるお笑いライブで「僕らのこと知ってる人~」とか聞かないようになったらゴールじゃないですかね。千鳥さんとか、そんなことやらないじゃないですか(笑)。みんなが自分たちを知っている前提で、地方でライブをやりたいです。それができるようになったら吉本の芸人として最強じゃないですか。

マジで観てほしいフェス

———最後に、読者の皆さんへメッセージをお願いします。

京極: 9番街フェス、ここからまた毎年やると思います。最近新しく僕らを知った方も、今回のフェスを是非観てほしいです。来年以降も楽しみになるような行事になってると思いますので、是非観てください。

なかむら: 今回、打ち合わせ段階でだいぶ楽しみで笑ったんです。「絶対めっちゃおもろいやん」みたいな。なんで今回はほんま楽しみにしといてくださいって感じですね。今年の9番街フェス、お楽しみに。全部観てください。

京極: こういうとき、いつもは僕がバーッと言って、なかむらは四文字熟語「一日一善」とかだけで終わるんですよ(笑)。

なかむら: 今回ガチ。

京極: 今回これだけ言ったってことは、ガチです(笑)。

なかむら: マジで観てほしい。お願いします。

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