【サスペンダーズ編】「笑顔で死にます」初登場の万馬券!大喜利力・コンビネーション力・暴走力、全部なし ~AUNインタビュー~

8月28日(土)、第3回『AUN~コンビ大喜利王決定戦~』が開催されます。『AUN』とは、コンビで挑む新境地の大喜利イベント。2020年12月・2021年4月にライブが開催され、その異様な熱気は地上波(8月9日/テレビ朝日)にまで飛び火。お笑いファンが注目する人気イベントに進化しました。
今回は、第3回『AUN』開催に先駆け、出演者にインタビューを実施。それぞれに宿る『AUN』への意気込みを熟読のうえ、本番を楽しみにお待ちください!

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人前で大喜利するのは、今回が初めてです

――サスペンダーズさんは、第3回『AUN』が初出場となりますね。このライブのことはご存じでしたか?

古川 彰悟(以下、古川): もちろん。すごい、めちゃくちゃ盛り上がってるイメージがあります。テレビ版は視聴者として観て楽しかったので、自分たちが出るのはかなり光栄というか。正直想定してなかったですね。

依藤 たかゆき(以下、依藤): そうですね。びっくりしました。

古川: ビビってます。かなりめちゃくちゃなライブというか、大喜利力・コンビネーション力・暴走力、みたいなイメージがあるんですけど……自分たちがそれらに秀でているっていう認識は無いですね。ど、どう?

依藤: そうですね。僕は事前に情報を仕入れたいなと思って、「あうん ライブ」で調べたんですよ。そしたら「あ・うん」っていう事務所のライブが出てきちゃって。諦めました。

古川: いや、お前のスマホがおかしいと思うぞ、それは。

依藤: いや出てくる。出てくるんだよ。

古川: ちょ、『AUN』、テレビもやっててめちゃくちゃ盛り上がってる『AUN』より先に、「プロデューサーハウスあ・うん」が出てくるはずは。

依藤: いや、GoogleのAIが判断して「あ・うん」の事務所ライブが出てくる。

古川: おま、ちょっと、スマホ変えたほうが良いよ。

依藤: いや、スマホのせいじゃない。Google社の検索エンジンの、AI。

古川: いや、そんな、お前。まずはそうですね、『AUN』に出るにあたって、スマホを変えてもらうところから始めたいと思います。ちょっとおかしなスマホを使ってます、相方。

依藤: でも、絶対に勝ちたいと思ってるんで。

古川: いや「プロデューサーハウスあ・うん」が最初に出てくるスマホ持ってるやつは、勝てないよ。多分。

――大喜利は得意ですか?

古川: 好きで得意だったはずなんですけど、大喜利が強い人たちとライブで一緒になって、どんどんボコボコにされて、芸歴を重ねるにつれて自信を失って、今に至ります。依藤に関しては、なんなら大喜利NGくらいの……。

依藤: はい。人前で大喜利するのは、今回が初めてです。

古川: だから未知数と言っちゃ未知数ですけど。めちゃくちゃ強い可能性もあるし……。

依藤: 面白いことを言えば良いんですよね?大喜利は、なにか面白いことを言う、という認識があります。

古川: 10年以上一緒にいるんですけど、大喜利をしてる姿を……

依藤: お笑いライブで大喜利をしたことがないです。今まで、嫌がって断ってきたんで。

古川: 大喜利で言ったら僕のほうができるのかな、っていうのはあります。依藤との勝負でもあるのかな。

依藤: うんうんうん。

古川: あの、依藤がめちゃくちゃ大喜利弱かった場合の、対策、っていうのを考えたいですね。

依藤: 不安もあるんで、大喜利のアプリを落としてみたり、「大喜利 練習」とか検索して「画像でひとこと」をやってみたりはしてる。

古川: 学生芸人がやるやつだよ、それ。お笑いサークルに入った1年目の学生芸人とかがやるやつ。

依藤: 答える期間が1週間あって、そっからまた1週間採点期間で。なので、まだ結果が出てなくて。僕の実力は未知数。

古川: ま、間に合わねぇだろお前。もうすぐだぞ。一問しか調整できないよ、そんなの。間に合わねぇだろ。大丈夫か。

依藤: でも、けっこう調べたんで。「大喜利 コツ」とかで。大丈夫です。

古川: ちょ、そんなんじゃないから。

依藤: 「あるあるをひねり出す」とかね。あと「序盤と後半では答え方が違う」とか。

古川: だいぶ違うステージにいるぞ、お前。

依藤: 元芸人のブログとかで学びました。

古川: 大丈夫か、お前。一番下のステージにいる、ということが分かっちゃいました。

依藤: でも大喜利だけの勝負じゃないからね。

古川: いや、俺達はそこの自信が無いんだよ、正直。

依藤: 学生時代からの、長いコンビネーションですから。古川がなにを言うかとか、分かりますし。

古川: お前の今の言動も、俺理解できてないから。見たことない依藤だから。コンビネーションも正直不安ですよ。かなり。

依藤: 面白いことを、言うんすよね?

古川: こんな依藤、見たことないですよ……。

声がよく通る&学力だけあるダメな人間

――学生時代から一緒というサスペンダーズさんですが、お二人の「阿吽の呼吸」を感じるようなエピソードはありますか?

古川: いやぁ~……いや、ちょ、だ、出してくれ、依藤。

依藤: 俺が出す?

古川: 俺、今ぱっと出てこない。出してくれ。

依藤: そうですね……。

古川: じゅ、19歳のときから10年以上一緒にいるんですけど。

依藤: はい。

古川: ……ほんとに、なんか。

依藤: はい。

古川: ちょ、ちょっと俺は無理かもしんない。依藤、どう?

依藤: 昔浅草に遊びに行ったことがあって。夜ご飯みんなで食べようか、ってなったら、古川が「日曜日は家族でご飯食べるから帰る」って言って、帰っちゃったっていう記憶があります。

古川: お前、どうしたお前……。どうした、依藤、阿吽……阿吽……。

依藤: ……。

古川: 阿吽……。

――お二人の仲の良さというか、絆の深さを感じるエピソードというか……。

依藤: 絆、絆……。

古川: ……絆……?

依藤: 絆、ですよね。

古川: 絆……。

依藤: ……。

古川: 僕が、目やにが付いてたりとかしたら、即座に「目やに付いてんぞ」みたいに厳しい言葉で注意してくれたり。

依藤: あぁ、確かに。

古川: 襟が曲がってたとき、即座に気付いてくれるんで、そういうのもある種「阿吽の呼吸」で。

依藤: 確かに。他のコンビはなかなかできていないことかなと思います。

古川: シャツが出てたら、「シャツ」って厳しい言葉で注意してくれまして。だから、僕が目やにを出して、依藤が注意して、襟をねじ曲げて、注意して、シャツを出して、注意して、っていう意味での「阿吽の呼吸」は、長年培ってきたものですね。はい。

依藤: そうかもしれない。

二人の出会いは、早稲田大学「寄席演芸研究会」

――では、お互いに他己紹介をしていただけますか?

古川: ど、どうする。どっちから紹介する?

依藤: どうしようか。

古川: まぁ、俺から。依藤は声がよく通るんで、広い会場とかでも大丈夫だし、えーと、なんでしょうね。声が、良いです。

依藤: 古川は、すごいだらしなくて。学力だけある、ダメな人間。

古川: あぁ、どういうこと、それは。

依藤: だけど、面白い。

古川: おお、あ、ありがとう。

依藤: そういう人間ですね。

狙いは「番狂わせ」

――初戦の相手がママタルトさんです。ママタルトさんにはどんな印象をお持ちですか?

古川: ライブでけっこう一緒になります。漫才はめちゃくちゃ面白いですし、とにかく檜原さんは大喜利すごいし。

依藤: 前回、準優勝。

古川: ちょっと、勝てないんじゃないかなと思います。

依藤: はい。勝てないと思います。

古川: 勝つ絵が想像できないというか。肥満さんもキャラクターが強いし、すごい面白いイメージがあるんで。「どう負けるか」かな。大敗は避けたい。惜敗を目指したい。

依藤: ギブアップはあるんでしたっけ?あ、ギブアップは無い。

古川: あぁ、ギブしちゃうかもしれないです。最悪、これ以上恥を晒すくらいなら……みたいな状況になったら。ギブアップシステムみたいなのは導入してほしいですね。

――とはいえ、戦わなくてはならないので……どう試合するか、作戦はありますか?

依藤: うーん。

古川: 作戦、いやほんと、無いんすよね。

依藤: 不快な思いをさせたくないです。

古川: サスペンダーズが出てあんなことになってしまうくらいなら、他の芸人に出てほしかったとか、そんな思いをさせたくない。

依藤: そうですね。

古川: 大喜利力・コンビネーション力・暴走力、すべてに関して秀でてる自覚がまったく無い。なんで『AUN』に呼ばれたかどうか、正直分かってないですね。でも、どうせ出るなら、もう玉砕覚悟というか。窮鼠猫を嚙むみたいな。

依藤: そうですね。

古川: このメンバーの中で、一番優勝しなさそうだもんな。

依藤: サスペンダーズが優勝したら、このライブは良くないライブ。

古川: 僕らが優勝したら、大喜利というものの概念が覆る可能性がありますね。

古川「すごいな、このライブ」 依藤「観に行きたいな」 古川「このライブを袖で観れるのが嬉しい」

依藤: ママタルトは仲良いんで、ちょうどよく勝ってくれると思います。

古川: 確かに、気持ちよく殺してくれる気がするなぁ。

依藤: スパッと、良い殺し方。

古川: 両方にとって得な殺し方をしてくれる気がします。

依藤: 僕らも笑顔で死にます。

古川: まぁ、でも僕らが勝つのが一番、番狂わせな気がするんで。番狂わせをしたいです。

「負けそう」で一番上

――先ほどから『AUN』に向けて弱気な感じですが、大喜利関係なく、今回の出場者にサスペンダーズさんが勝っているところはなんだと思いますか?

古川: それが、そういうこと聞かれるかなと思って、電車の中で考えてたんすけど、思い浮かばなかったんです。

依藤: うーん、無いね。華も無いし。

古川: 何があるんだろう、俺達。

依藤: コントの大会だったら……。あ、ママタルトにまず負けるわ。

ママタルトと戦うと、コントでも負けてしまう……!?

古川: ママタルト、2020年の『キングオブコント』準決勝行ってるからね。

依藤: コントの大会だとしても、ママタルトに負けるわ。コントでも無理だ。

古川: い、いやぁ、なんだろうね。トークスキルも無いし。

依藤: このメンバーだと、なんの大会でも負けますね。

古川: なんだろ、なにで勝てる?学力?

依藤: 檜原さん、神戸大学だから。

古川: 嘘だろ。ちょっと待ってくれマジで。

依藤: 「負けそう」では一番上。

古川: 「負けそう」では一番……。

依藤: 穴馬。一番の大穴。誰も応援してない、という意味で一番勝ってるかもしれないです。

古川: 「負けそう」で一番勝ってます。同じ初出場の野田ちゃんさんと紺野ぶるまさんも、ワクワク感あるし。

依藤: トム・ブラウンさんも初だけど、やっぱりワクワク感がある。

古川: あんま無いんだよな。サスペンダーズでワクワク感。

依藤: ふふ。

古川: でも、清々しいよね。気持ちいい。期待値の無さで、一番勝ってる。賭博は禁止ですけど、仮に僕らに賭けてる人がいたと仮定したら……

依藤: 万馬券。

古川: うん。

依藤: だから、ギャンブル狂みたいな人だけワクワクしてると思う。

古川: 確かに。そういう人喜ばせたいね。

依藤: そういう、目が血走った人だけ。

古川: そういう人を、喜ばせたいです!

――最後に、『AUN』に向けて意気込みをお願いします。

古川: ここで一番勝たなそうな僕たちが勝って、大喜利そのものを見直す機会にしたいと思います。

依藤: 同じ気持ちです。


<サスペンダーズ|プロフィール>
マセキ芸能社 所属

左:古川 彰悟
右:依藤 たかゆき

★公式プロフィール:https://www.maseki.co.jp/talent/suspenders

★ネタ動画(マセキ芸能社公式チャンネル):https://www.youtube.com/playlist?list=PLlxhsVYSJyr3swf4gkTAKkmMM_3EUsnaS

取材 秦 法爾 / 文・編集 堀越 愛

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