【ダンビラムーチョ・原田フニャオ インタビュー】新連載!映画コラム『シアターフニャオ』スタート

実は“映画通”の芸人、ダンビラムーチョ・原田フニャオさんによる映画コラム『シアターフニャオ 〜ダンビラムーチョ原田の日常〜』連載が決定!

中学時代に映画の面白さに気付き、そこからたくさんの作品を観てきたというフニャオさん。初めてのひとり暮らしや恋愛、芸人仲間との会話や仕事など……フニャオさんの人生は、いつも映画とともにありました。

シアターフニャオ 〜ダンビラムーチョ原田の日常〜』は、フニャオさんの日常コラム&オススメ映画の紹介で構成予定。ほかの映画コラムとは、ひと味違う視点でお届けします!

現在、たくさんの映像コンテンツが世の中に溢れています。NetflixやAmazonプライムなどの有料サービスはもちろん、新作映画も次々公開。「あまりにもコンテンツがありすぎて、どこから手を付けたら良いか分からない」という人も多いのではないでしょうか?

「なにを観たら良いかわからない、だけど良い作品に出会いたい」という方の救世主となるのが、このコラム。月1回のペースで更新していく予定です。

コラム開始を前に、フニャオさん×映画にまつわるインタビューをしてきました! 連載スタートに先駆け、是非お読みください。

原田フニャオ×映画、8つの質問

① 登録している映像配信サービスは?
NetflixAmazonプライムディズニープラスFOD(フジテレビオンデマンド)です。
FODはレインボーのジャンボに『王様のレストラン』(1995年/フジテレビ)が面白いと薦められて、最近入会しました。

② 視聴環境のこだわりは?
半年前くらいにひとり暮らしを始めて、そのタイミングでプロジェクターを買いました。100インチくらいのでっかいスクリーンで映画を観てます。プロジェクターを置くのが憧れだったんで、どのくらいの距離があれば映るかとか調べまくって部屋選びをしました。その代わり、家にテレビはありません。

ただ、もちろん「映画を観たい」という気持ちもあるんですけど、正直「モテたい」気持ちと半々……いや、7割は「モテたい」です(笑)。女の子が家に来たとき、喜んでくれるかなと……。

自宅視聴環境(提供:原田フニャオ)

③ 映画の視聴頻度は?
配信で、週2~3本は観ています。映画館に行くのは月1~2回です。

④ シネコンと単館系、どちらに行くことが多い?
どちらも同じくらい行きます。
以前、東青梅にある「CINEMA NEKO」という木造の映画館に行ったことがあるんですが、めちゃくちゃ良かったです。ジブリに出てきそうな水色の建物で、ヒノキの良い香りがして……こういうのは、単館ならではの魅力だと思いました。

「CINEMA NEKO」外観(原田フニャオTwitterより)

⑤ 観る映画の選び方は?
Filmarks」で調べて、評価の高いものを観るようにしてます。暇なときにチェックして、次に観るものを選んでおくことが多いですね。僕も、めっちゃ良かった映画だけ5を付けて投稿してます。

⑥ 映画を選ぶ際、参考にする人は?
「山梨住みます芸人」のいしいそうたろうさんです。
僕の何倍も映画に詳しくて、いしいさんに教えてもらう映画は絶対に面白いんです。お会いしたときに喋ったり、LINEでも情報交換をしています。良い映画に出会ったときは、僕からも「これ観ましたか?」と連絡してます。言い過ぎかもしれないけど、「映画の師匠」みたいな存在です。

⑦ 「好きな映画」と聞かれて、とっさに思いつく映画は?
めちゃくちゃベタですけど、『アバウト・タイム』(2014年日本公開)。タイムトラベル系の映画なんですけど、世界を救うとか敵を倒すとかじゃなく、自分の恋愛のためにその力を使うんです。人生って、楽しんだもの勝ちなんだなと思えました。

あと、山田洋次監督の『東京家族』(2013年)は何回も観ました。妻夫木聡さんが舞台の裏方みたいな仕事をしてるんですけど、お父さんに「そんな不安定な仕事やってて大丈夫か」みたいなことを言われるんです。そのときに「どんな仕事だって、絶対不安定でしょう。日本だってどうなるか分かんないじゃないか」みたいなことを言ってて、「確かにそうだな、じゃあ自分も芸人を続けて良いかも」と思えました。

⑧ 映画に限らず、自分に影響を与えた映像コンテンツは?
北の国から』です。家族全員好きで、ビデオが家に全部あったんです。だから当たり前のように観てたんですけど、年齢的に友達は誰も観てなくて。「これが当たり前じゃないんだ!」って思った記憶があります。
ドラマを観て、「純みたいになりたい」と思っていました。純って人としてはダメだけど、可愛げがあってみんなから愛されているんです。「ダメな部分があっても良いんだ、それが人間なんだな」と思いました。

原田フニャオの映画史を振り返る

———映画をよく観るようになったのは、いつ頃からですか?

ちゃんと観るようになったのは中学生くらいですね。家族がすごく映画好きで、TSUTAYAで借りたビデオが常に家にある状態だったんです。ご飯を食べて家族団らんをしたあと、お母さんが寝室でひとり、毎日のように映画を観てたんですよ。それを見て「映画って良いな」と思うようになって、自分も観るようになりました。小学生のときもアニメとかは観てたんですけど、ちゃんと理解してなかったんですよね。

中学生のときに『グリーンマイル』(2000年日本公開)を観て、すごく食らったというか、衝撃を受けたことを覚えています。このとき、ちゃんと映画のストーリーとか、悲しみとかを理解できた気がしたんですよ。今まで観ていた楽しいアニメとは違って、グロテスクで「これ見て良いのかな?」と思うような怖さもあったり……これまで無かった感情が芽生えて、「映画ってすごいな」と思ったんです。

———中高は部活が忙しかったと思うので、観る時間を確保するのは大変ではなかったですか?

中学のときは家族で映画館に行ったりしてましたけど、確かに高校のときは全然観てなかったですね。大学でひとり暮らしを始めてから、また観るようになりました。

———大学時代に観て、特に印象に残っている映画はありますか?

高校時代からずっと好きだった女の子が、僕の家に来てくれたことがあるんですよ。お互い長野から上京してて、家で一緒に『ALWAYS 続・三丁目の夕日』(2007年)を観ようということになって。でも、初めて女の子を家に呼んだってこともあって、全然集中できなくて(笑)。常にチラチラ見て「あ、泣いてる!」みたいな……そんな記憶があります。

———その恋はうまくいったんですか?

いや、ダメでした。三回くらい告白したんですけど、「ずっと友だちでいたいのに、なんで告白してくるの」みたいになっちゃって。最後は「そんな感じなら、もう会わない方が良いね」と言われて、会えなくなっちゃいました。

———切ない思い出ですね。

そうですね……でも、そういえば、初めてできた彼女は家で一緒に映画を観たのがはじまりでした。バイト先で知り合った子なんですけど、一緒に『きみに読む物語』(2005年日本公開)を観たんです。映画が終わったら告白してくれて、「ラッキー!」と……(笑)。
ただ、その子は出会いも映画ですけど、別れるきっかけも映画で……。最低なんですけど、(付き合っているのに)他の女の子と遊んでる時期があったんですよ。彼女と話しているときに「胸ポケットに入ってる紙なに?」って聞かれて、出したら他の子と行った映画のチケットで。「それ私観てないよ、おかしいよね」みたいになって、いろいろ探られて、バレて、結局別れるという……。その子は、最初と最後が映画でしたね。

———初めての彼女は、映画ではじまり映画で終わったんですね……。

大学時代は、めちゃくちゃ映画館デートしてました。板橋のイオンに入ってる映画館によく行ってて、思い出の場所です。

———芸人になってから、印象に残っている映画はありますか?

湯を沸かすほどの熱い愛』(2016年)は、観てない人はいないくらい芸人の中で大ブームになりました。僕は4回くらい映画館に観に行きましたね。ダイノジの大谷さんが企画して、「湯を沸かすほどの熱い愛ツアー」をしたんです。その映画が好きな芸人が集まって映画を観て、銭湯に行って、最後に監督も交えてトークライブをするというイベントで。僕も知らなかったんですけど、最後にサプライズゲストで杉咲花さんが来たんです。死ぬほどビビりました(笑)。

———監督とご一緒する機会があったんですね! 感想は伝えられましたか?

いや、うまいこと喋れなくてすごい後悔しました。良いことを言おうとし過ぎて、変なこと言っちゃってる……みたいな(笑)。

———映画のことをよく話す芸人仲間はいますか?

やさしいズの佐伯が、めちゃくちゃインド映画に詳しいんですよ。僕もインド映画がけっこう好きなので、よく情報交換してますね。あと、ダイタクさんは昔の映画にすごく詳しいです。小さい頃お父さんと毎日映画を観ていたそうで、過去の名作を教えてもらったりします。
それから、空気階段のかたまりに映画を教える“ノリ”みたいなものがあります。「原田さんの教えてくれる映画は100%面白い」みたいな……ただ、僕が教えるのはそもそも高評価の映画なので、周りには「おもろいに決まってるだろ」って言われます(笑)。

———以前『月刊芸人』の記事で、もし芸人になっていなかったら「映画監督」になっていたと回答されていました。やっぱり、映画監督は憧れますか?

ヨシモト∞ホール看板芸人に聞く”20の質問”~ダンビラムーチョ編~(2021年4月27日)

憧れはありますね。単純にカッコいいと思うし、やってみたいです。小学生のとき、授業で動画制作みたいなことをしたんです。学校のいろんな場所で映像を撮って作品にするんですけど、その授業で監督をやらせてもらったことがあって。それがめちゃくちゃ楽しかったし、友達からも「原田が監督やってるの楽しかった」と言ってもらえて、すごく嬉しかった記憶があって。

———もし映画監督になれたら、どんな映画を作りたいですか?

具体的に考えたことは無いですけど……癒されるような、ほのぼの系の映画を撮ってみたいですね。

———映画監督をする芸人さんもいるので、まったく無い道ではないですよね。

そうですね、めちゃくちゃ売れまくったら……(笑)。

———今後、映画に関する仕事でやってみたいことはありますか?

映画の応援芸人をやってみたいですね。『ヒックとドラゴン』(2010年日本公開)という映画に出てくるドラゴンの名前が、“トゥース”なんですよ。それでオードリーさんが宣伝を担当してて。そういうことをやってみたいですね。あと、いつかは(俳優として)出演もしてみたいです。

———ちなみに、これまであまり映画のことを発信してこなかったのはなぜなんでしょう? たくさん映画を観ているので、SNSで感想を発信しても良いのにと思うのですが……。

もっと映画を好きな人もいるし、僕がねじ曲がってるのかもしれないですけど……「こいつ、知らないくせに映画のことばっかりつぶやくな」みたいに思われるのが嫌で。芸人が映画や漫画のことをつぶやいてるのを見ると、「なんか薄っぺらいな」と思っちゃうんです(笑)。自分がそういう変な目線で見てるからかもしれないんですけど、「こうなりたくないな」と……(笑)。自分自身がそう思われるのが嫌で、本当に面白くてオススメしたいときだけつぶやいてますね。
だから、コラムとして発信ができるのはすごくありがたいです。ガッツリ自分のオススメや気持ちをアピールしていきたいですね。

———最後に、コラム連載の意気込みをお願いします

読んでくれた方が良い気持ちになる文章を書けたらなと思います。大爆笑させるのは難しいと思うんですけど「なんか良いな」と気軽に読んでもらえるようなことを書いていきたい。そして、一人でも多くの方にオススメの映画を観ていただきたいです!

取材・編集:堀越 愛


< PROFILE >

原田フニャオ(ダンビラムーチョ)

・出身地:長野県諏訪市
・趣味:映画、代々木八幡猫探し、酔っ払う
・特技:けん玉

★Twitter:@danviraHARADA
★Instagram:yoshihiro0519

★公式プロフィール:https://profile.yoshimoto.co.jp/talent/detail?id=4459
★公式YouTube:ダンビラムーチョ