2020.12.28
グループチャットを通じて仲が深まる?!「WLUCKアンダー10 LIVE」
笑いの仕事をつくるオンラインサロン「WLUCK(ワラック)」主催の「WLUCKアンダー10 LIVE」が11月23日、下北沢のOFF・OFFシアターで開催された。このライブは総合MCにカナメストーンを迎え、今後が期待される芸歴10年目以下の芸人が出演。12:00/14:15/16:30開演の3公演に、18:30開演のグランドフィナーレを加えた計4公演が行われた。出演者は、ネタ終了後にカナメストーンと二組でトークを実施。ネタ・トークともに充実のライブとなった。なお、チケット購入者には、ライブの一週間前から当日まで、出演する芸人同士で交流するLINEのグループチャットが見られる特典付き。今回は「WLUCKアンダー10 LIVE②」をレポートする。
グループチャットの関係性が舞台でも
出演は、総合MCのカナメストーンをはじめ、ジョウダンアオナナテンパイ、徳原旅行、ぎょねこ、9番街レトロ、ファイヤーサンダー、パンプキンポテトフライの7組。
開演が少し遅れる中、MCのカナメストーン(山口誠・東峰零士)が登場。山口はいきなり舞台のセンターで仁王立ちし、「場所取り間違えてない!?」とツッコまれ、会場を温めた。「1回目の公演も観た人いる?」と客席へ零士が質問すると、数名手を挙げているお客さんも。「全員で楽しんでいきましょう!」と元気よくスタートした。
トップバッターはジョウダンアオナナテンパイ(冨山麗璃・勝呂祐介)。「モテたい」をテーマに二人の個性がにじみ出る漫才を繰り広げ、会場を盛り上げた。
カナメストーンの二人も客席からネタを観ることになり、ネタ終わりにステージへ。2組のトークでは、事前企画のグループチャットでのやり取りを振り返った。また、かつて2組が共演したライブで零士が目撃した勝呂の奇妙な行動についてのエピソードを話し、場内は大きな笑いに包まれた。
続いて、今回唯一のピン芸人、徳原旅行。コント「オーディション」を展開し、独特な世界観に客席の目を奪った。
カナメストーンと徳原旅行は同じ事務所(マセキ芸能社)に所属しており、ネタにちなんで番組オーディションのトークに。他事務所はライブ映像をエントリー動画として使用するが、マセキ芸能社が使うのは事務所で撮影した映像。オーディションの通過率が低いのは、殺風景な会議室で撮影するからではないか……と、嘆き交じりの事務所トークに花を咲かせた。
3組目はぎょねこ(オジマアロー・青木大作戦・佐々木勝男)。緊迫感のあるBGMとともに、めまぐるしく起こる展開が見逃せないコントを披露。客席の心をとらえた。
会うのは今日が初めてだったという5人。グループチャット内では青木が送信取り消しを何度も繰り返すという不思議な行動を起こしたことについて指摘され、そのときの真相を語った。
4組目は9番街レトロ(京極風斗・なかむらしゅん)。「プレゼントを渡したい」という京極の提案に、なかむらのコミカルなツッコミがマッチした漫才で会場を高揚させた。
カナメストーンから「先輩が観てると(ネタを)やりづらくなかった?」と質問されると、京極は「やりづらかったですよ!」と素直に嘆きながら回答。「気を遣うんだ!」と怒る零士を、なかむらがなだめるシーンも。9番街レトロからカナメストーンへの愛が感じられた。
5組目はファイヤーサンダー(こてつ・﨑山祐)。「漫才師」のコントを繰り広げ、客席の心を揺さぶった。オチでは、笑い声とともに、コント内の漫才師を本当に応援するかのような温かい拍手が沸き起こった。
トーク開始早々、不服そうな﨑山。本番中、この公演の開場時間を遅らせてまで練習したというネタ中の段取りがうまくいかなかったハプニングが。「某制作会社のライブはもっとすぐできたもん!」とブラックな発言に会場から大きな笑い声が生まれた。その後も﨑山から出る毒が止まらず、こてつはすかさず持ちギャグを披露し、その場の空気を和ませた。
6組目はパンプキンポテトフライ(谷拓哉・山名大貴)。「山名が気付いた真理」を発表する漫才に、ツッコミである谷の一刺しが光る漫才で会場を沸かせた。
今日が初対面だった2組。グループチャットの感想を求められると、谷は、初対面かつ先輩のいる空間でのチャット内の振る舞いに自信がなかったという本心を暴露。「明るい人はもれなく怖いから……」と零士に対する独特な偏見を交え、笑いを起こした。
大トリはカナメストーン。「おもちゃ屋さんで働きたい」をテーマに漫才を展開。ここまでのMCもフルスロットルのテンションで回していた二人だが、もっとパワフルな掛け合いを見せ、会場は大盛り上がりに。そして、エンディングへ。
カナメストーン曰く、グループチャットを通じてコミュニケーションをとった結果、2公演目が一番可愛がりがいのあるメンバーが多かったとのこと。芸人同士の舞台上以外でのコミュニケーションが見られる機会はあまりないので、お笑いファンからもグループチャットで新たな一面を垣間見ることができ、楽しかったとリアクションがあった。二人とも最後まで全力疾走のMCを全うし、この日のライブは幕を閉じた。