2021.01.23
さすらいラビー・ストレッチーズ・ひつじねいり・ママタルトによる漫才&トーク&ピンネタ&大喜利と笑いっぱなしの「風穴ライブ」
2020年12月26日(土)、赤坂・草月ホールにて、さすらいラビー・ストレッチーズ・ひつじねいり・ママタルトによる『「風穴」~M-1決勝おつかれさまライブ~』が開催された。このライブは笑いの仕事をつくるオンラインサロン「WLUCK(ワラック)」が主催しており、約4か月前からLINEの「風穴グループチャット」も実施。グループチャットではM-1の予選からライブ本番に至るまで、4組のやり取りを覗き見ることができた。グループチャットをずっと見守ってきたファンとともに気持ちを高めながらライブ当日を迎えることとなった。
グループチャットを振り返るオープニングトーク
開演時間の18時になり、さすらいラビー(宇野慎太郎、中田和伸)、ストレッチーズ(福島敏貴、高木貫太)、ひつじねいり(細田祥平、松村祥維)、ママタルト(檜原洋平、大鶴肥満)の4組が舞台に登場。MC担当のストレッチーズ・高木がライブのタイトルについて「M-1予選中の8月にこのライブが決まりまして、各々頑張ったんですけど決勝にはいけず……、2021年こそは4組同時優勝を目指そう!!という2020年を締めくくるライブです」と説明。すぐさまママタルト・檜原から「M-1の決勝には4組いけない」とツッコミが入り、笑いが起きた。
そして、グループチャットの話題になると、客席を見渡して「グループチャットを見てるよ!って人たちに初めて会った!」と全員で感動する場面も。そのまま、風穴のマネージャー・さくらいさんが選んだ「グループチャットで起きた事件」を発表し、全員で振り返りながら感想を語った。
【風穴マネージャー・さくらいさんが選んだグループチャットで起きた事件】
事件① ママタルト『キングオブコント2020』準決勝進出
人生で初めて台本を提出することになり、檜原がみんなに「台本の製本はどうしたらいい?」と相談。せっかくの準決勝だから、きらびやかな台本にしたかったとのこと。
事件② ママタルト・大鶴肥満の恋
「今でも連絡を取っていて、まだどっちにも転んでない状況。結果待ち」と話す肥満。「その女性は会場に来てるの?」と聞かれるも、肥満は「視力ゼロで何も見えない」と答え、全員爆笑。
事件③ 30分チキンブーム
“30分で美味しくチキンが食べられる調理方法”が流行り、ひつじねいり・細田が一番食べていたそう。そんな中、ママタルト・肥満は何回教えても強火で5分という“5分チキン”で食べてしまうことが判明。
事件④ ストレッチーズ・福島の「日本酒検定2級」合格
「合格したら何ができるの?」と聞かれ、「日本酒がすごく美味しく感じる」と福島。しかし、お酒のこだわりが強いと居酒屋で先輩に嫌がられることもあると嘆いていた。
事件⑤ 『R-1グランプリ2021』に全員が出場を表明
8人それぞれがピンネタを引っさげて『R-1グランプリ2021』に挑戦することが決定。しかし、ひつじねいりだけエントリーが間に合わなかったことが発覚し、残念ながら6人での参加が決まった。
各コンビネーションを堪能できる漫才タイム
オープニングトークが終わると、いよいよ4組が漫才を披露するネタコーナーへ突入。
トップバッターはさすらいラビー(宇野慎太郎、中田和伸)。出てくるワードをどんどん肯定しながら、テンポのよい掛け合いが続く。後半に向けて勢いが増し、二人でセリフをハモる見せ場やオチが決まる場面では笑い声とともに拍手も起こった。
続いてはひつじねいり(細田祥平、松村祥維)。「見た目でどんな人か分かる」と豪語する細田の話から漫才が始まる。細田の冷静なディスりに、松村の怒りのキレキレツッコミが炸裂。松村の悔しさが徐々にヒートアップする展開に会場は大きな笑いに包まれた。
ママタルト(檜原洋平、大鶴肥満)は交番の警察官をテーマに漫才を披露。肥満の歌ボケや大きな体を活かしたアクションと、檜原のセンスが光る長文ツッコミで客席を楽しませた。話が進むにつれ独特の展開を見せ、何度も爆発的な笑いを起こしていた。
最後はスーパー「サミット」の出囃子で登場したストレッチーズ(福島敏貴、高木貫太)。「デートでどこに行けばいいか」に悩みつつも天然ボケ風な福島に、高木のリズミカルなツッコミが気持ちよくハマる。後半に向けて白熱していくやり取りで会場を沸かせた。
ネタが終わると風穴メンバーが登場し、トークコーナーへ。「2021年の抱負」をテーマにそれぞれの決意表明を発表するのかと思いきや、宇野が「俺は冷奴だったり、お鍋に入れるのもいいかな……」とボケ始める。松村が「いや、おい!それ、豆絞って、にがりで固めて……」とツッコもうとすると、周囲から「考えすぎ!抱負やなくて豆腐やないかい!でしょ」と指摘が。松村が「そうゆうお笑いは終わったと聞いてます……」と漏らすと、客席も大爆笑。さらに細田、中田、福島も「抱負」にかけたボケ合戦を開始。松村の必死なツッコミが続いた。
そして、この後にピンネタを披露するコーナーがあるとのことで、『R-1グランプリ』の話題に。みんなで同時優勝を目指しているらしく、決勝ステージの優勝者発表のシーンを想像して盛り上がった。
らしさ全開!『R-1』に向けた個性が光るピンネタ披露!
トップバッターはストレッチーズ・福島。事故に遭い記憶喪失になってしまった男としてフリップ芸を披露。“あるある”に新しい風を吹き込むような、斬新なネタで会場を沸かせた。
次はひつじねいり・細田。国民的バンドの解散話というコントで、次々とパンチラインが繰り出される。「分かる!」と思わず共感してしまう内容にどんどん痛快さが増し、客席の心を掴んだ。
続いてはママタルト・檜原、改め「やさしいひわら」が登場。「ええで〜」と優しいセリフが繰り返されるたび、客席からは笑い声が。独特な語り口調がクセになるネタで観客を惹きつけた。
前半のラストはひつじねいり・松村。コテコテな大阪のおばちゃん姿で登場するやいなや、爆笑をかっさらった。とある番組のオーディションを受けるという設定のコントで、キャラクターの強さを存分に発揮した。
前半4人のピンネタが終わり、一旦トークコーナーへ。松村に向かって「(その見た目は)ずるい!!」と声が挙がったが、松村は「何が?たまに、こういう人おるやろ?」と強気で返した。福島はこのネタで『R-1ぐらんぷり』の予選に4年連続で出場したことがあるそうで、「(ネタを)何も変えずにまんま4年。4年目にもなると、現場のスタッフさんに『いつもの感じでいいですよね?』って言われるようになる」と自慢げに語った。檜原は「今年は配信があるから替え歌ネタができない」と今回の新作披露に至った理由を話し、『R-1ぐらんぷり2019』の三回戦まで進んだという替え歌ギャグを再現して笑いを誘った。
ピンネタ後半のトップバッターはママタルト・大鶴肥満。とあるアイテムを使って自分の体の大きさを証明すると、最近起きたエピソード漫談と一発ギャグで笑いを取った。
ストレッチーズ・高木はスマホを拾ったところからストーリが展開するコント。電話相手とのやり取りが進んでいくに連れ、可笑しさが増していく。最後のオチがきれいに決まると客席からは拍手が起こった。
三番手はさすらいラビー・中田。女子高生に翻弄されて浮かれる家庭教師を演じ、絶妙なリアクションと演技力の高さで笑いを誘った。行く末が注目される中、衝撃のオチで客席を驚かせた。
トリはさすらいラビー・宇野。昔好きだった女性に助言すると見せかけて、淡々と毒舌を吐いていくコントを披露。着眼点が光る“ツイッターあるある”では客席の共感を呼び、笑いと拍手が絶えなかった。
3週間も猶予のある斬新な大喜利企画に挑戦!
ピンネタが終わるとさすらいラビーの二人以外が集合し、「ピンネタが終わって、全員お弁当食べたね」とほっとした様子を語り合った。高木が「『R-1ぐらんぷり』は何年か出てるけど、毎回、なんで出るなんて言ったんだろうって後悔する」と話していると、さすらいラビーが肩車で登場し、みんなを驚かせた。
ここからは大喜利のコーナーへ突入。これはグループチャットで決まった企画で、約3週間前に1問のお題が決定。4組は3週間そのお題について考え続け、珠玉の1答を発表するという企画だ。「3週間の間、このことしか考えてない」「大喜利合宿したよな」「ノートに向かってこれだ!っていうのを考えてきた」とみんな自信満々の様子。ドラムロールの音に合わせて、渾身の回答を叫んだ。
お題「無人島で船が来たぞー!以上に、体がビクッとなる一言とは?」
全力で舞台に挑む2回目の漫才タイム
ライブも終盤に差し掛かり、残すは漫才のネタコーナーだけとなった。前半と同じ順番でネタがスタート。
トップバッターはさすらいラビー。「学生時代の恋愛に戻れない」と嘆くところから漫才が始まる。二人で高校生の男女を演じるが、中田扮する“必死になればなるほどキモさを発揮する男子高校生”はピカイチ。女子高校生役の宇野との温度差でさらに面白味が増していき、会場は笑いに包まれた。
2番手はひつじねいり。「流行りについていけない」という松村に、細田が最近のスマホ、アイドル、サブスク、アニメについて教えてあげるという漫才を披露した。最初は優しかった細田がしびれを切らしブチギレたところから空気が一変。白熱したラリーが続き、客席のボルテージも上がるほどの盛り上がりを見せた。
次はママタルト。「全日本発毛コンテスト」をテーマに漫才を繰り広げた。大鶴肥満は1人で何役もボケをこなし、檜原の怒涛のツッコミも止まらない。オリジナリティあふれる独創的な展開に引き込まれながら、檜原のツッコミワードが出るたびに客席からは大きな笑い声が。
トリはストレッチーズ。つかみで『M-1グランプリ』にちなんだ笑いを取ると、福島が「謝らなきゃいけないことがある」と切り出して漫才がスタート。リズムのよい「怒ってる?」「怒ってない!」の畳みかけるような掛け合いで観客を楽しませた。いつまでたっても分かってくれない福島に対し、高木の魂のツッコミが決まると会場は爆笑の渦に包まれた。
“感謝の作文”や“名刺”のうれしいプレゼントも!
エンディングトークでは、高木が「終わってしまいましたね〜。改めまして、長い時間お付き合いいただき、ありがとうございました!!」とコメント。感想を求められると、中田は「来月のライブでは、もうちょっとウケたいな」とボケ、さっそく「来月はねーよ!」とツッコミが入った。また、肥満の「私がこの舞台に立てたのは、実力だとは思っていません。運も実力のうちと割り切ってライブを閉めたいと思います」に対し、檜原が「『幽☆遊☆白書』の魔界トーナメント編の煙鬼(エンキ)のマネすなよ!」とツッコみ、見事なコンビネーションを見せた。
最後は高木の「また機会があれば風穴ライブをやっていきたいですね!来年は『M-1』でも『R-1』でも結果を残して、芸人として素晴らしい1年になるように頑張りましょう」という言葉で「風穴ライブ」は幕を閉じた。
なお、エンディングではスクリーンにQRコードが映し出され、4組全員の「感謝の作文」が受け取れるというサプライズが。風穴メンバーから観客へ感謝の気持ちが伝わる手書きのメッセージがプレゼントされた。
さらに、グループチャットからチケットを購入した方に向けて、「オリジナル名刺の手渡し会」も行われた。
ライター、撮影:なきごろう