2024.01.26
キッスエンドランが選ぶ『AUN Z』名回答！「客席で青春を感じられる」学生限定大喜利ライブ
2024年1月8日（月・祝）、『AUN Z ～学生コンビ大喜利王決定戦～』が開催された。
『AUN Z』は日本イチ大喜利が強いコンビを決める大会『AUN ～コンビ大喜利王決定戦～』の学生向け大会。学生限定でエントリーを募り、審査を通過した24組が出場した。
★『AUN Z』ライブレポート：https://qjweb.jp/column/103777/
『AUN Z』の激戦は約4時間にわたり、数々の名回答が飛び出した。会場で『AUN Z』を観覧した元学生芸人（現社会人芸人）の「キッスエンドラン」神田＆かべに、特に印象に残った回答とその理由を教えてもらった。普段から大喜利ライブによく行っている大喜利好きの神田と『AUN ～新呼吸～』出場経験のあるかべは、学生たちの回答をどう講評するのだろうか？
★『AUN Z』配信チケットはコチラから
※販売価格：1,000円
※配信期間：～1月28日（日）23時59分
キッスエンドランのベスト5
神田： これ、1番笑いました！この大会通じてこの回答が1番好きやわ。
かべ： 確かに。俺もめっちゃ好きや。
神田： 休憩時間に「あれ良かったなー」と思い出すくらい良かった。途中までグルメ系の回答が多かったけど、それが終盤になってウケづらくなってきたタイミングで、ほかの誰も触っていなかった彦摩呂の「かわいい」要素を引っ張ってきた。それが素晴らしい！「彦摩呂がヒコマウロスになってしまった」ということで、彦摩呂が悲しそうな表情を浮かべている映像が浮かぶ回答が多かったんです。でもこの回答は、嬉しそうな彦摩呂が浮かんできた。
かべ： 俺的には、この回答は「馬あるある」しかいじってないのがすごいなと思う。確かに、馬ってブラシでなでると喜ぶよな……という細かいあるあるを引っ張ってきているのが嬉しかった。で、馬のあるあるしか言ってないねんけど「顔が彦摩呂やった」っていうのを想像するとめっちゃ面白い。
神田： 馬あるあるを序盤から出すのではなく、終盤に出したのもええよね。計算してやったんかは分からんけど、もし考えてたらすごい。良い回答やな～。味わい深いですね。
かべ： アホ山一家に「入り込めてるな」と思いました。外からアホ山一家を見てバカにしているのではなく、一家に入り込んでる回答なんですよね。自分は一家の一員で、2階を見っけてほんまは真っ先に自分が見に行きたいはずやのに、それを押し殺して「みんなで2階見に行こうよ」っていう。
神田： アホ山一家の階段、そんなみんなで登る幅ないやろ（笑）。
かべ： それもある（笑）。多分やけど、家を外から見たんやと思うんですよね。あれ？なんか高ない？じゃあどっかに階段みたいなもんがあるんかもしれん！ってなって、階段を見つけたんやと思うんですよ。そんで、みんなで見に行くんやろうという想像ができる。あと、アホをバカにする時代から可愛がる時代になっていってるんやな……ということも、この回答を見て思いましたね。
神田： 言い過ぎちゃうん（笑）。まぁ、傷つけない可愛い笑いやったな。
かべ： とにかく可愛い。
神田： これめっちゃおもろかったな～。バカウケしてたしな。
かべ： 俺も、それ選ぼうとしてたわ。
神田： どんだけ性格悪いヤツを心に飼ってたら、こんなセリフ思いつくん？っていう。
かべ： 「口パクもそんな完璧にやってたわけじゃなくて、どのぐらいまで少ないパクパクで歌ってるふうに見せられるかってやってて、アニメ作ってる気分だったヨ～」（笑）。
神田： なにをペラペラと（笑）。これを言ってるはるばく君も、ちょうどすごいムカつく良い表情をしてた。おちょくってるつもりではなく、ただ本当に嫌なヤツというか。そんな顔を上手く作りながら、ペラペラと（笑）。ほんまはもっとキュッと喋れるのに、倍くらいかけて喋っててすごい面白かったですね。
かべ： いや～気持ち良いよな。これ、前半がボケで後半がツッコミになってるんよな。ほんまは前半だけでも相当面白い。だって、こいつ音痴なんやで。そんな余裕ないはずやのに、口パクがバレるかどうかのギリギリを楽しんどる（笑）。しかもバレた瞬間に逆切れするという。
神田： はるばく君、全体的にすごい面白かったですね。
神田： はるばく君は、最後ツッコミで終えるという型があるんかな？
かべ： あるかもしれんな。
神田： めちゃめちゃ上手いよね。
かべ： うん。なんか、ママタルトみたいじゃない？「私はみんなを笑顔にしたいのに」！
神田： たしかに、檜原さんのツッコミみたいやな。
かべ： これは、Adoさん繋がりでほかの回答と連作になってるんですよね。でも、単体でめちゃくちゃ強いですね。Adoさんを見えなくするための演出、そんな頑張らなくて良い。影でもARでも、なんでもええのに（笑）。
神田： これは、みんな「すごい」って言うと思う。カラスみずが延々と2Pを取り続けてた連作ですね。同じフォーマットで言ってるのが良い。ストーリーとして美しかった。1番好きやったのは「焦がしたら見せてください」。これだけなにを言ってんのか意味分からんくて（笑）。なんで見せなあかんの？「隠さないでください」やったら分かんねんけど、「見せてください」（笑）。
かべ： それまで同じような過ちを繰り返しているから、毎回アシスタントがブチ切れてんねん。先生はもうブチ切れられんのが嫌やから、見せへんくなっちゃった（笑）。
神田： そんな、テストで悪い点とったみたいになってんねや（笑）。悪くても良いから見せなさいという、そう考えるともっとおもろいな。
かべ： めっちゃストーリーがあんのよね。僕は「サンタの帽子をかぶってください」が1番好き。これ、どう考えてもアシスタントのほうが悪いやん。料理番組でサンタ帽子をかぶせられるのがしょうもないんやけど、言うこと聞かへんだけでブチ切れられることを先生がいっぱいしてんねん（笑）。
神田： 出来の悪い息子みたいな怒られ方してるって関係性が見える。
かべ： そんなに怒り怒られの関係やったアシスタントと先生なのに……
神田： 最後「昨日のことは忘れてください」って、ほんまにドラマ観てるみたい（笑）。裏切りがあって最高でしたね。
かべ： これ、けっこう難しいお題やと思うんですよ。フリーで面白いことを言わないといけないから。
神田： かつての名シーンを思い出しても、正直北島康介くらいしか「あるある」が無い。
かべ： あと高橋尚子とか金メダルを噛むとか？
神田： あるっちゃあるけど、そんなに名シーンが多くないんよな。
かべ： そんななか、「金メダル？ふざけんじゃねえよ！！」（笑）。みんなが頑張ってどれだけ突飛なことを言うかみたいな勝負をしている中、1番手前にある「金メダルもらったら嬉しいよな」の逆を言ってる（笑）。そりゃ「やりにいってる」って言われるで。嘘に決まってんねんから、金メダルもらってキレるって（笑）。そのために4年間頑張ってきてんねんから！
神田： 俺、途中からチャンス君が『オモコロチャンネル』のマンスーンさんにしか見えへんくなって。
かべ： 似てるわぁ～！
神田： 「美味しい？」って聞いてんのヤバいよね。「美味しいな」とかじゃなく、「美味しい？」（笑）。この回答、すごく好きです。っていうか、チャンス君がすごく好き。美しい回答をしているようで、ずっと変な人。チャンス君は、途中からかかっちゃったのか下ネタしか言わんくて全然あかんくなったのも含めて、すごい好き。俺は彼にハマってるから爆笑しちゃったけど、会場からは見事に見放されている回答もあった（笑）。身内への厳しさもあって、良い大会だ（笑）。
かべ： チャンス君は頭おかしいんやろうな。
神田： この回答は、フリのところですごい演技してるんだよね。瞬発力ある回答もできるし、フリで演技する回答もしっかりできる。チャンス君は回答に幅が合って面白かったですね。
神田： 1回戦の結果がこれで決まるっていう、ウィニングアンサーやんな。だから審査もけっこう渋く厳しくなってて、3答くらいノーポイントが続いて。緊迫感ある中で出た回答ね。
かべ： いや～、これすごかったですね。まず「相手の歯1本1本に名前をつけていくんですけど」がまったく意味が分からない（笑）。たしかに「同じ名前をつけたらあかんよな」っていう納得感もありつつやけど、前提がおかしいからいつもお客さんを怒らせてんねん（笑）。
神田： YO竹君がこの回答を出すときの、“勝ち確”の顔も良かった。YO竹君ってすごい華があるし、このときも「よし出すぞ」っていうオーラが見えて、客席もなんとなく「これから大竹がウケて勝つんやろう」っていう雰囲気があったんですよ。それなのに、こんな意味わからん、なんやねんこいつっていう回答で（笑）。悔しいけどめっちゃ笑っちゃった。
かべ： 「同じ名前をつけちゃう」みたいなボケってけっこうあるというか、こすられてると思うんですよ。でも、この回答は歯が多いからこそ面白い（笑）。こすられたボケも、使いどころがハマればめっちゃ面白いよなって思った。
神田： どうやって考えてるんやろ。まぁYO竹は、ピンネタもそんな感じか（笑）。
かべ： これかっこよかったな～
神田： そもそも、トイレギャンブルのお題も面白かった。途中から“ギャンブル漫画ノリ”みたいなのが起きて、いろんな回答が続く中、森もりは熱さだけ保って「近くて遠い」っていう謎のフレーズをポーズ付きでやってて（笑）。
かべ： 面白かったけど、正直意味分からんかった（笑）。このお題だけでも、マジでお金払って観る価値あるな。
神田： すごい激戦で、良い回答が多かったなぁ。こいつも、回答出すとき“勝ち確”の顔してるんですよね（笑）。
かべ： 意味分からん！
神田： なんでこれで確信できんねん（笑）。なにからなにが近くて遠いのか全然わからん。でもポーズからすると、お尻からうんちが近くて遠いだと思うけど、……はぁ～（笑）？
かべ： 大が遠くに行っちゃったとか、どうでもええねん（笑）。SASUKEのファイナルステージでギリギリ時間終了になって、ボタンまで近くて遠いやったらわかるけど、うんこがお尻から近くて遠いはマジでなにも理にかなってないからな（笑）。
神田： これは、今俺らが理解しているおもしろの外にある。でも面白いねんな。すごい高みにいることを感じたな。
かべ： うん、分らんな。ほんま、はぁ～？やんなぁ（笑）。
神田： ムカつく人の解像度がすごい高い。きれいな回答やね。
かべ： まず、なにも回収しないマジックショーやってるヤツはムカつくんですよ。で、「なにもありませんでした～！」ってムカつくことを言ってきてるんですよね。めっちゃムカつくんすけど、「好きな数字ゼロ」ってマジでやめたほうが良いよなっていう（笑）。そんだけムカつくヤツが言ってても、「好きな数字ゼロ」って言ったほうが悪いよなって思わされたというか。たぶん想定してないからマジックにも迷惑になりそうやし、好きな数字がゼロのヤツめっちゃダサい（笑）。なんでもいいけど、ゼロだけダメですもんね。
神田： 1より上言わなな。
かべ： 「好きな数字ゼロ」、中二病のダサさみたいなのがすごい気持ちかったですね。
神田： お題が難しいよな。この回答が正解過ぎて、お互い点数が伸び悩む展開になって、途中からお題を飛び出るくだりも生まれた。ここも見どころやな。
かべ： お題を終わらせた（笑）。
神田： これ以上の回答、なかなか出ないよ。
番外編
キッスエンドランそれぞれのベスト5を出してもらったが、まだまだ言及したい回答があるということで番外編へ。
神田： 惹女、めっちゃプロみたいな大喜利してたな。正解をすごい早く出すっていうな。
かべ： うん、正解を早く出してた。
神田： 普段あんな意味わからんネタやってるけど、実はすごいしっかりした大喜利力があるからあんだけ面白いことができてるんやなと実感した。優勝するかと思ったもんね、相方の子もすごかった。
かべ： めっちゃ面白かった。「しげるでお願いします」ね。
かべ： 号外の見出しの、前半だけでええんやっていうな。
神田： 「野草がほにゃららでほにゃららです」って言われても、確かに「まぁそうだよね」って理解が追いついちゃうというか。「野草が！！！！！」って出されるのが……
かべ： うまいなぁ。
神田： このお題がすごい得意やったんやと思うねんけど、破門君は別の回答でもバカウケしてたな。固有名詞のワードチョイスが爆裂に光ってた。すごいおもろかったですね。
かべ： 「マイケルジャクソンがいっぱい食べた岩」は面白いな～（笑）。
神田： マイケルジャクソンが割と早くに亡くなっていることも加味してこのワードを選んでいるのか、もしくはマイケルジャクソンというフレーズが面白いから言っているのか？
かべ： 分からん。
神田： 分からんけど、確かに「マイケルジャクソン」が面白いねんな。
かべ： 「いっぱい岩を食べて白くなろうとしてたんか？」とかも思うな。マイケルジャクソンは、白くなる努力を惜しまないからな。
かべ： これ、ポイント入ってないんですよね。
神田： めっちゃ意味不明。
かべ： 1番バカでした。なんの論理も無くて（笑）。
神田： めっちゃ声出して笑ってしまった（笑）。
かべ： 死体の「見つけ方」とか「隠し方」でもないんよな。
神田： そうやな。「から」っていうのが（笑）。
かべ： しかも大声で自信満々に出してんのよ（笑）。こいつバカすぎる。1番バカ（笑）。MCともめっちゃ絡んで堂々としてたし、多分漫才めっちゃおもろいやろ。竹野内豊っていう人選も全然良くないし（笑）。
神田： 「お前が竹野内豊をおもろいと思ってるだけやろ」っていう感じ（笑）。社会人になったら、こういう手癖で仕事したらいっちゃん怒られるな。「君が良いと思うのは分かるんだけど、伝わらないかな」って上司に言われちゃう。でもなにかの才能はあるんだと思います（笑）。
かべ： いやーすごい面白かった。バカバカしかったですね。
かべ： チャンスの相方の回答や。これってなにが面白いんや（笑）？この投げやりさが良いんかな？
神田： 回答の出し方も良かったんかな。スパンって答えてた気がすんねんな。「爆おもろ試合」っていう面白くなさそうなワード選びを、多分わざとやってんねんな。あえておもんなそうなことを言っている。“面白い人が言いそうな面白くないこと”になってんのかっこよかったですね。
キッスエンドランと大喜利
———かべさんは以前、雷獣として『AUN』予選の『新呼吸』に出場いただいたことがありますよね。（『新呼吸』ライブレポート）
かべ： あのときは、完全に空気に飲まれてました。
神田： 飲まれてたね。配信で観たよ。観んのちょっとしんどかった（笑）。
かべ： 僕らだけYouTuberでほかはみんな芸人なので、アウェー感というか……（笑）。僕はめっちゃお笑いが好きなので、ファンの視点になると「なんなんだ、こいつらは」となるんですよね。こいつらがいなければ「もう1組芸人が見れたかもしれないのに」と。のこのこ出てきやがって、何様なんだと思われるのではと……。
神田： 「笑わんといたろ」と思われてたかも。
かべ： そうそうそう。それをどう打ち破ったら良いのかと思いながらやってたら、終わってました。圧倒的に面白ければ受け入れてもらえたと思うんで、難しかったですね。
神田： 環境のせいにしてるね（笑）。
———おふたりは学生芸人出身で、今は社会人としてお笑いを続けていますよね。主に漫才をしていると思うのですが、大喜利はやりますか？
神田： 学生芸人のころは、大喜利ライブに呼ばれたときにちょいちょいやってました。ただ、大学を卒業してからは無いですね。
かべ： たまに、雷獣として『大喜る人たち』に呼んでもらってます。
神田： そういえば『大喜る人たち』の黎明期に、キッスエンドランとして呼んでもらったことがあるな。楽屋に入るなりサツマカワRPGさんが「来たか、大学お笑い。よろしくな、俺サツマカワっつうんだ」って、めっちゃ先輩として正解の挨拶してくれた（笑）。
———大喜利ライブに行くことはありますか？
神田： 『大喜利千景』とか『大喜る人たち』とかめっちゃ好きで、たまに行きます。忙しくてライブに行けなくても、『大喜る人たち』の動画はだいたい観てると思います。
かべ： 僕は、観るよりやることのほうが多いですね。
———『AUN Z』は会場にお越しいただき、本番を観ていただきました。率直に、感想はいかがですか？
神田： 面白かったです。プロ芸人の大喜利ライブと違って、出ているのも観に来ているのも大学お笑いの子が多いんですよね。休憩時間に客席で出演者とお客さんが喋ってるのを見て、「昔そんなんやってたっけな～！」と懐かしく思いました。あと、1回戦が終わったあとに客席で男の子がちょっとうつむいてたんですよ。そしたら「お前面白かったよ！」って仲間がやってきて。ハモネプとか鳥人間コンテストみたいな盛り上がり方してて、「かわいらしい」って思いました。
かべ： 俺も、女の子ふたり組のチームが休憩時間に「勝てなくてごめん」とか言ってるの見たなぁ。
神田： 客席で青春を感じられるのが、『AUN Z』とほかの大喜利ライブとの違いでしたね。
かべ： 審査員が学生っていうのも良かったな。お題から逸れまくってふざけて盛り上がっている回答って、大人が審査してたら0点になると思うんですよ。でも学生が審査しているからこそ点が入ったりしていて、それが逆に良かったですね。みんなでライブを作っているみたいな雰囲気がありました。
キッスエンドランも絶賛の『AUN Z』、配信は1月28日（日）まで！チケットを購入すれば、期間中何度でも見返せる。数々の名回答を、お見逃しなく。
★『AUN Z』配信チケットはコチラから
※販売価格：1,000円
※配信期間：～1月28日（日）23時59分
