今年大注目のコンビ3組が集結!所属事務所バラバラな同期が集う「金閣寺」

昨年の『M-1』敗者復活戦で存在感を示したキュウ。ブレイク芸人の登竜門とも言われる『おもしろ荘』で優勝したダイヤモンド。芸人間でもネクストブレイクと名高いカナメストーン。今年の活躍が期待される3組によるネタ&トークライブ「金閣寺」が1月28日、下北沢OFF・OFFシアターで開催された。主催はスラッシュパイル。

「金閣寺」は所属事務所は違うが同期3組によるライブ。緊急事態宣言中の開催のため当初の予定より1時間ほど開演時間が早められたものの、客席チケットは即完売。観客と出演者双方の熱量が非常に高いなか開催された。

オープニングMCを担当したのはキュウ(ぴろ、清水誠)。OFF・OFFシアターの独特なステージ構造に触れながら会場を盛り上げた。また、オープニングの終盤では清水が「お知らせがあります」と一言。「今までやってきた長井秀和さんのモノマネは僕が誇張してたかもしれないです」と発言し、「皆さんが長井秀和のモノマネをするときは同じ“間違い”を犯さないように」と注意を促すシーンもあった。

オープニングMCを担当したキュウ(左:ぴろ、右:清水誠)

どのネタも大爆笑、ハズレのない前半ネタパート

前半のネタコーナーはカナメストーン、ダイヤモンド、キュウの順に3組が2ネタずつ、合計6ネタが続けて行われた。

最初に登場したカナメストーン(山口誠、東峰零士)は、山口が家のベランダに落とし物が引っ掛かっていたという流れから、山口の狂気じみた言動と零士の高音ツッコミが何度も炸裂。段々と加速していく山口の変態性がクセになっていく。

カナメストーン(左:山口誠、右:東峰零士)

続いて登場したのはダイヤモンド(野澤輸出、小野竜輔)。小野がルールの複雑なボードゲームに関して野澤に相談すると、野澤が「いい覚え方知ってんだよ」と提案。空間を全面に利用した動きのある漫才で会場を沸かせた。この2人でしか成立しない間やテンポに何とも言えない中毒性があり、ハマってしまった人も多いのではないか。

ダイヤモンド(左:小野竜輔、右:野澤輸出)

続いてはキュウ(ぴろ、清水誠)。2人が共通して好きな食べ物に関してのネタを披露した。ぴろが畳みかける独特なボケに対し、思わず「そっち!?」と言いたくなってしまう予想外なツッコミでキュウならではの特有な方向にずれていく。観客の置いてきぼり感でさえも愛しいのがキュウの漫才だ。

キュウ(左:ぴろ、右:清水誠)

続いて2本目のカナメストーン。先輩からバーベキューに誘われたときの対処法に関するネタだ。1本目に続いて空気の読めない山口の言動にツッコむ零士。零士が山口の態度を心配するものの、山口はどこ吹く風。全体を通して山口の暴れっぷりが目立っており、見ていて痛快だった。

ダイヤモンドの2本目は、都内の地下鉄のややこしさについて。小野が「いい覚え方知ってるよ」と発言したところから展開が進んでいく。路線名とイメージカラーの矛盾に切り込み大声で怒鳴る野澤に対し、クールで冷静な小野。2人の温度差がとても魅力的だった。

ネタパートのトリはキュウ。ピロが昔から抱く大きな夢を熱弁するものの、どこか現実離れしている。清水が紡ぐツッコミも絶妙に的を射ておらず、そのもどかしさが心地いい。ユニークでファンタジーな時間だった。

同期同士の絆が垣間見えた後半トークコーナー

後半のトークコーナーでは、なぜかぴろがマスクを耳にかけておらず、零士から「下手だなマスクのつけ方!」とツッコまれながら始まった。また、野澤が登壇するギリギリまでチョコレートを食べていたことも暴露されていた。

フリートークでは、やはり仲の良さが随所に感じられる。同期だからこその遠慮のない物言いで、3組が居酒屋で話しているのを盗み見ているような気分だった。

トークの様子

コーナーでは、出演者が年末年始に観て面白かったネタや番組のワンシーンをそれぞれ発表した。話題に挙がったのはやはり『M-1』や、ダイヤモンドが優勝した『おもしろ荘』、3組とも共通で最近出演したネタ番組の裏話などだ。ダイヤモンドの『おもしろ荘』優勝後、小銭をつかみ取りするシーンでの事件(?)について、野澤が全員から追及される一面も。それぞれのコンビの出演をお互いがチェックしているようで端々から同期愛が感じられた。観客もチェックしていた番組が多く、会場一体で盛り上がっていた。

コーナーの様子

エンディングではそれぞれが出演するライブについてお知らせなどを行い、終始和やかな雰囲気で閉幕。約1時間40分、ネタにトークに濃密な時間を過ごすことができた。
今年大注目の3組が織りなす同期ならではの微笑ましい空間に魅了された人も多いのではないだろうか。

それぞれのキャラが確立された完成度の高いネタと、楽屋裏を盗み見しているような感覚になるトークコーナーの両方を味わえる大満足なライブ「金閣寺」。
同メンバーで第2弾が行われた際にはぜひチェックしてみてほしい。

なお、ライブ後には3組を応援したい方に向け、Twitterの「金閣寺」公式鍵付きアカウントが作られた。フォロー申請すれば見られるので、こちらもおすすめだ。

撮影・ライター:渡辺陽

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