【ジェラードン×ネルソンズ『ジェネレーソンズ全国ツアー2025』直前 インタビュー】夢は映画化!?高め合う2組が描くこれから

ジェラードンとネルソンズによるユニットライブ『ジェネレーソンズ全国ツアー2025』が、4月11日(金)の東京公演を皮切りにスタートする。ツアーでは、メンバーの故郷である愛知・北海道・福岡・山口・宮崎・大阪・島根の全8都市も凱旋。コロナ禍で中止となったツアーを経て、今回は史上最大動員となる延べ6700人を動員予定だ。

ジェネレーソンズの本拠地である東京、そしてそれぞれの故郷をめぐる本ツアー。過去最大規模ということもあり、ツアーに挑むメンバーの気合も十分だ。初回の東京公演を数日後に控えた4月某日、彼らにインタビューを決行。コント師として比較されることの多い彼らが、お互いに抱く印象とは?また、芸人としてキャリアを重ねた現在の心境は……?

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地元の宣伝をしながらツアーに挑む

———いよいよ全国ツアーがはじまりますね。仕上がりはいかがでしょうか?

ネルソンズ和田まんじゅう(以下、和田): 東京では新ネタをやるんです。だから、ちょっと緊張しているというか……東京以外が楽しみです!

ネルソンズ岸健之助(以下、岸): 東京公演に向けて、絶賛追い込んでるって感じです。

ネルソンズ青山フォール勝ち(以下、青山): 東京が1番ワクワクしているとも言えますけどね。

ジェラードン・かみちぃ(以下、かみちぃ): たしかに。ライブ感がありそうです。

———千秋楽は、青山さんの地元・島根で開催されるそうですね。会場のキャパも1番広いとのこと。そこに関して、青山さんいかがですか?

青山: 本当はNGK(なんばグランド花月)のつもりだったけど、会場を押さられなかったんでしょうね(笑)。去年、鳥取でやったときはチケットが完売したんですけど、今回はチケットがまだ余っている状況で……この間、島根に帰ったときに聞いてみたら、まず「ライブをやる」ってことが伝わりきっていないみたいなんですよ。だから、全国ツアーを重ねるなかで、島根の宣伝もできたら良いなと思います。観光地にある会場なので、合わせて島根も楽しんでほしいですからね。

2組が考える、お互いの強み

———ジェラードンさんとネルソンズさんは比較されることの多い印象があります。お互いに「ここがすごい!」と思うところを教えてください。

かみちぃ: ネルソンズさんは、平場が良いんですよね。3人のパワーバランスが絶妙だし、先輩から好かれる感じもあって。

岸: いやいや、あんたらも強いよ!ジェラさんは、西本さんがしゃべればしゃべるほど、おもろいなと感じています。かみちぃさんは「ふざけてください」と言われても「真面目にしてください」と言われてもどちらもできるタイプなんですが、西本さんは「真面目にしてください」はできないタイプ。ただ、そのできなさや、急に言葉が出てこなくなる感じがおもしろくて。ジェラードンこそ先輩からかわいがられるんじゃないかなという印象です。

かみちぃ: 好印象なんですよね。

和田: ジェラさんは、キャラがしっかりしていてすごいなって思います。僕も「キャラがある」と言われますけど、日常の延長線上にいるキャラが登場するくらいなので。でも、ジェラードンは個々のキャラがアニメみたいなんですよね。

アタック西本(以下、西本): 今、いろんなトリオから人が抜けたりしてますよね。だから「トリオを続けるのって本当に難しいな」と思っています。そのなかで、ネルソンズさんには「崩れないだろう」という安心感があるんですよね。仲が良い。

青山: いやいや、俺らもいつ解散するかわからないでしょ!

西本: これを言えるのが強いんですよ!本当に解散する選択肢があったら、言えないですもん!

青山: ジェラードンは僕らがやりたい仕事だとか、良いなって思っていることのほとんどをできちゃっているイメージがあるので、適わないなと思います。

西本・かみちぃ: いやいや、俺らはネルソンズになりたいですよ!

青山・和田・岸: 俺らもかみちぃさんになりたいよ?

西本: ちょっと!3人でかみちぃひとりになることを目指すって、おかしいでしょ!

———逆に「ここは負けていない!」と考えるところはありますか?

青山: おもしろさは負けてない自信あります。

西本: これも青山の良さ!言い切っちゃうんだもん。俺らが負けてないのは……うーん、かみちぃの女性人気、かな?特にここ2〜3年は、かみちぃのことが好きで、ついでに僕のことも応援しようっていう方が多い印象ですから。ぜひ今後とも頑張ってほしいです。

青山: たしかに。ジェラードンさんのポップ加減って、かみちぃさんが出しているんですよね。西本さんだけだったら、もう、泥臭いというか、男すぎるというか……清潔感も……ね。

西本: あ、今のところ、書かなくていいですからね!別に清潔感ありますから!印象操作ですから!

変わりゆく環境の中で思うこと

———2組とも、芸歴的に『THE SECOND』(芸歴16年以上)の世代ですよね。同世代がM-1を卒業してから、心境の変化はありますか?

青山: いや〜漫才とコントはまったく別物というか、『キングオブコント』はいつでも出れるので、そこまで影響はされないですかね。

かみちぃ: 漫才の大会は、完全視聴者ですね。

和田: ただ、今までは賞レースをメインにネタを作っていたんですけど、今は目の前のお客様に笑ってほしいネタをやっているって感じが強いかな、と。

青山: あ、そう?俺は、バチバチ賞レースに向けてるけどね。

和田: あぁぁぁ!!だそうです!

※ネルソンズが所属していたヨシモト∞ホールは、2025年3月末に閉館。それに伴い、ネルソンズは劇場所属から卒業した

青山: ただ、シンプルに「もうそんな芸歴か!」と思うことはありますよ。それこそ、無限大を卒業したときもそうですけど。どんどん若手が入ってくるな、芸歴が長くなったなという印象は所属していてもありましたけど、卒業となると「いよいよだな」と。

かみちぃ: あと『キングオブコント』の予選に出ると、出順がラストのほうなんで「え、今回トリなんだ?」って思うことはあります。そういうところで、キャリアを重ねたなと思いますね。

———先日、ヨシモト∞ホールが閉館しました。ある意味で、また新たな時代が幕を開けたわけですが、これに対してはどんな気持ちでしょう?

和田: 実家がなくなっちゃったような感覚はありますね。今までは、仕事の合間に2時間あったら、無限大に立ち寄って、みんなとしゃべってから次の現場に行くということもあったんです。でも、さすがにそれはやりづらくなったなと。

岸: まだ切り替えられてないかもしれないですね。この間、後輩と飲んだとき「今日、仕事なんだったの?」って聞いたら、後輩たちは「マンゲキでした」って言っていて。でも僕は「あー無限大な」って言い換えちゃうみたいな……。後輩たちは「もう切り替えているんだ」と、ちょっとした寂しさもありましたし。

かみちぃ: 僕らはだいぶ卒業してから経つんですけど、ランキングシステムに苦戦したなというのは覚えていますね。

※ジェラードンは、2018年3月にヨシモト∞ホールを卒業した    

西本: チケットを買取で捌かなきゃいけなくて、手売りをしていたことがあったんですけど、そのときに芸人を辞めて新しい仕事で成功している同期がたまたま通りかかったことがあって。そいつに「チケット買ってやるよ!」って言われて渡そうとしたら、僕の近くにツバを吐かれて……。

岸: えっ!?

西本: でも、結局お金は欲しいからチケットは買ってもらったんですよね。

青山: 最悪すぎる思い出。観に来てくれたの?

西本: いや、来ない来ない。特に仲が良いわけじゃなかったし、まぁ、今は俺のほうが金あると思いますけどね!

2組が描く、理想のこれから

———お笑い芸人としての活躍の場はテレビや劇場だけでなく、賞レースやYouTube、SNSなどたくさんあります。現在、皆さんはどのような理想を描いていますか?

和田: コント番組をやりたいですよね。この2組で。

かみちぃ: あとは、毎年、ジェネレーソンズでツアーをして……。

和田: ゆくゆくはCDとか出して。

かみちぃ: ベストアルバムとかね。

和田: 一人ひとりのキャラのグッズとか、メンバーカラーもあったりして……。

———和田さんとかみちぃさんだけで盛り上がっていますね。

青山: 2人からあまりにもポンポン出てくるので、邪魔できない(笑)。僕個人としては、YouTubeをもう少し頑張りたいです。だって、ジェラードンは100万人超えていますから。とんでもない差をつけられていますよ。それによる影響力も大きいでしょうし。

かみちぃ: たしかに、YouTubeと全然関係のない仕事でも「YouTubeめちゃくちゃ見てます!」と言われることがあるので、影響力がすごいなというのは感じていますね。ただ、100万人を超えたときに「あ、超えたけど、明日も動画出さなきゃなのか。なにがゴールなんだ!?」と思ったこともあります。

岸: やっぱかみちぃさんは、YouTubeのこともちゃんと考えているんだな。

西本: いやいや、語れば良いってもんじゃないからさ!取材を受けている場で、こんなこというもんじゃないかもだけど(笑)。

青山: 西本もなにか語りなよ!

西本: まあ、でも、あえて今後やりたいことを語るなら……映画とか撮りたいですね。僕、とあるネット配信の番組で総額100万円以上をゲットしまして、その賞金でカメラを買ったんです。だから……

———この2組で映画を撮りたいということですか?もしくは、コンビで?

西本: え、あ、まぁ…そうですね……

青山: これ、個人でやりたいやつじゃん(笑)。もう、大丈夫です!

PROFILE

ジェネレーソンズ

後列左:ジェラードン・アタック西本
後列中:ネルソンズ・青山フォール勝ち
後列右:ネルソンズ・岸健之助
前列左:ジェラードン・かみちぃ
前列右:ジェラードン・和田まんじゅう

文:於ありさ

編集, 撮影:堀越 愛