【『THE EMPTY STAGE』in 新宿カブキhall レポート】“日本最高の即興ショー”1年間の無料公演が開幕!夢は常設小屋、2.5次元やスポーツ界にも進出!?

2025年4月11日(金)、新宿カブキhall(東急歌舞伎町タワー)にて「『THE EMPTY STAGE』in 新宿カブキhall」が開催された。これは『THE EMPTY STAGE』10周年を記念したステージで、今後1年間、毎月第2・第4金曜日の20時~20時30分に、同会場で『THE EMPTY STAGE』の無料公演が行われる。

『THE EMPTY STAGE』とは、新ジャンルの即興コントショーを届ける新型エンタメショーのこと。“台本なし。道具なし。そこにあるのは芸人の腕とパフォーマンスのみ。”をテーマに、このステージでしか観ることのできないワンマンステージや即興クロストーク、即興コントを繰り広げる。

10周年を迎えた『THE EMPTY STAGE』は、今秋に記念公演を開催予定。また千原兄弟・千原ジュニアが総支配人に、そして即興の本場・シカゴのコメディ集団『The Second City』のノウハウを学んだバッファロー吾郎・竹若元博が支配人に就任することが決まった。

「『THE EMPTY STAGE』in 新宿カブキhall」初回公演には、バッファロー吾郎・竹若元博、なだぎ武、ダンビラムーチョ・原田フニャオ、トニーフランク、Everybodyが出演。また、その後に行われた取材会にはバッファロー吾郎・竹若元博、なだぎ武、Everybodyが登場し、『THE EMPTY STAGE』への想いを語った。本記事では、公演を写真で振り返りながら、取材会の様子を紹介する。

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即興討論・コント・ソング……台本なしのステージ

会場となる新宿カブキhallは、東急歌舞伎町タワー内にある「祭り」がテーマのエンタメフードホール。北海道から沖縄まで各地のソウルフードが集結しており、センターステージでは毎日様々なイベントが開催されている。

歌舞伎町という場所柄外国人客も多く、独特の熱気ときらびやかな雰囲気に包まれながら、公演がスタートした。

『THE EMPTY STAGE』がはじまると、手拍子に合わせて出演者たちが登場!
左:バッファロー吾郎・竹若元博、右:なだぎ武
Everybody(左:タクトOK!!、右:かわなみchoy?)
左:ダンビラムーチョ・原田フニャオ、右:トニーフランク

『THE EMPTY STAGE』は台本がないため、お客さんからのお題をもとに公演が進行する。バッファロー吾郎・竹若が「我々をいじめる気持ちで良いです!」と前置きし、最初の演目「ブーイェイゲーム」がスタート。

「ブーイェイゲーム」は、ブーチーム・イェイチームの2つに分かれて行う討論ゲーム。ブーチームはお題の悪いところ、イェイチームはお題の良いところを言い合い、MCが勝敗を判定する。お客さんの反応も判定基準に
お客さんに手を挙げてもらい、お題が決まる。この日は「イカ」「パチンコ」といったお題に対し、即興で討論!

続いての演目は「ハーフライフ」。職業にまつわるお題をもとに1分間の即興コントを披露し、それを30秒、15秒……とどんどん短縮していく。

お題は「エレベーターガール」。竹若元博・原田フニャオ・かわなみchoy?が即興コントを演じ、無駄を省きながらどんどんコントの時間を短くする

続いての演目は「コンダクター(指揮者)」。お客さんが指定したお題とタイトルをもとに、即興&リレーで物語を語る。

タイトルは「ひしゃげるアメリカ大統領」に決定
竹若が指定した人が即興で物語を語り、次に指定された人がそれに続けて物語を語り……
即興&リレー形式で物語を紡ぐ

最後の演目は、お題をもとに即興でラブソングを歌いつなぐ「一言のラブソング」。

お題は「外国人観光客」。出演者たちは皆ロマンチストなので、どんなお題でもラブソングにできる!
トニーフランクは、演奏しながらラブソングを歌う

通りかかった人も足を止めるほどの盛り上がりで、あっという間に30分のステージが終了。秋には『THE EMPTY STAGE』本公演を開催予定。この日のような短い演目はもちろん、45分の即興ロングコントなども予定しているという。

竹若の「これからのEMPTY STAGEをよろしくお願いします!」の言葉で終演

公演直後囲み取材

囲み取材には、(左から)Everybody・タクトOK!!、バッファロー吾郎・竹若元博、なだぎ武、Everybody・かわなみchoy?が参加

———初日公演を終えて、今の率直な感想をお願いします。

なだぎ武(以下、なだぎ): 場所が場所だけに外国人の方が多くて、はじまる前は変な緊張感がありました。でも、皆さん楽しんでくれたかなと。私自身も久しぶりのEMPTYだったんですが、楽しくやらせていただきました。

バッファロー吾郎・竹若元博(以下、竹若): EMPTY STAGEは、出演者がしっかり共通した精神を持っていれば、急に「こんな演目をしよう」と言っても実現できるのが強み。今日は初日の不安を強みに変えて、楽しくできましたね。

Everybody・タクトOK!!(以下、タクト): めっっっちゃ最高でした!僕らはEMPTY STAGEをやりはじめて2年くらいで、今回初めて外でやったんですよ。先輩のパフォーマンスを生で観れるのもめちゃくちゃ良いし、本当にとにかく最高でした。

Everybody・かわなみchoy?(以下、choy): 海外のお客さんも多かったですが、EMPTY STAGEって言葉が通じなくても表情とかノリで伝わるんですよね。そういうところもEMPTYの素晴らしいところだと思うので……外国人の観光客にひとこと。ultimate thank you!!

———竹若さんは、10年前からずっと『THE EMPTY STAGE』に関わっていますよね。10周年を迎え、今どう思いますか?

竹若: あっという間だなぁと思いますし、もっといろんな人に体験していただきたいとも思います。10周年は良い機会だと思いますので、いろんなアプローチでキャンペーンを行って参りたいですね。『THE EMPTY STAGE』はアメリカから導入したものなんですが、「日本の方々に楽しんでもらえるように」と思ってずっと努力してきました。その結果、かなり独自なものになって、本場とはまた違う“日本最高の即興ショー”みたいな自負があります。だから10周年を機に広めていきたいですね。

———これから1年間、新宿カブキhallでの公演が続くそうですね。今後たくさんの芸人さんが出演すると思うので、一足先に経験した皆さんからアドバイスをお願いします。

なだぎ: 場所が場所だけに、思い切ってやってほしいですね。改善していきながら、1年後には観てるお客さんが「フォー!!!」と総立ちになるくらいのものに仕上げていきたい。

竹若: でも今日の活躍を見ると、次からもこのメンバーで……

タクト: もうほかの人に出てほしくないです!ずっと出たいです!

竹若: 今日限りで終わる可能性もありますよ。

タクト: えっ!?あるんですか!?

竹若: それは会社の判断で……(笑)。でも普段からEMPTYに出てるメンバーはこういう場所が本当に好きだと思いますし、皆さん「出たい」という気持ちがあるので、奪い合いだと思います。我々はね、1回実績を残した強みがありますので、共演者ですけどライバルみたいな気持ちで1年間頑張っていきましょう。

———今日の公演を振り返って、印象に残っていることを教えてください。

タクト: これだけ外国人の方がたくさんいるなかでEMPTY STAGEをやったのが初めてだったので、もっと笑わしたいと思いましたね。英語を使うなりなんなり、グローバル化したいです。それが吉本興業だと思ってるんで……

なだぎ: おぉ~

タクト: ……違いました(笑)?でも外国の方をもっと笑わしたいですね。

choy: EMPTYってお客様からお題をもらってやるので、お客様がいないと成り立たないんですよね。だから「Do you like food?」とか、聞いちゃって良かったのかなと反省もあります。

竹若: 「Do you like food?」って聞いたら、「Yes!」って言われて終わる感じもしますよね(笑)。

choy: えっ、What!!??……今後は、海外の方とのディスカッションもできたら良いなと思います。あとEMPTYって、メンバーが同じだったとしても毎回同じものはつくれないという素晴らしさがあるので、お客さんにも毎回見に来てほしいですね!今日のステージは今日のものでしかないので、今日来れなかった人はstraight sorry……

タクト: ultimate thank youの逆です!

竹若: EMPTY STAGEって、お客さんが緊張して全然お題をくれないみたいなこともあるんですよ。でも今回は積極的にいっぱいお答えいただいたのでありがたいなと思いました。外国人の方も、ルールがわからなくても「Boo!」とか「Yeah!」とか反応してくれてる人もいましたね。こうやってお客さんとともにつくることができたので、良かったと思います。

———『THE EMPTY STAGE』として目指していることはありますか?

竹若: 昔から、EMPTYの常設小屋をつくることは目指しています。シカゴのThe Second City(即興コメディ集団)で我々も学んだんですけど、そこは毎日、毎時間、劇場のどこに行っても即興ショーを観られるみたいな状況で、それってすごい素晴らしいことだなと思うんですよね。「ここに行けば毎日なにかやってる」というところを目指していきたいです。

———ほかに、『THE EMPTY STAGE』の15周年、20周年に向けて描いている夢があったら教えてください。

竹若: 僕やなだぎは、ほかのお芝居に出演させていただくことも多いんです。そこで役者さんとご一緒すると、皆さんすごいスキルを持っていることを感じるんですよね。そんな役者さんたちにEMPTYをやっていただけたら映えるだろうなぁと思うので、ほかのジャンルの方とも即興ショーをやってみたいですね。それで、演劇界の人からも認められるようなものにしていきたいなと。

なだぎ: 今の演劇は2.5次元がブームですよね。2.5次元系でEMPTYっていうのも面白いね(笑)。マンガのくくりでEMPTYをやるとかね。

タクト: それは、JAPANESE EMPTYになりそうですね!

なだぎ: 日本のマンガの2.5次元でEMPTY、夢がありますね。

タクト: 10年前は、先輩方がシカゴに行って学んできたんですよね?僕もそれを経験したいです。本場でエンターテインメントを学んで、できればそのままアメリカにいたいですね。で、アメリカン吉本をつくって……

choy: タクトが!?

タクト: アメリカ住みます芸人になってEMPTYをやって、アメリカNSCをつくって、アメリカン吉本の経営まで行こうかと……。

choy: 良いね!choyは、EMPTY STAGEをお笑いだけじゃなくスポーツにも入れちゃおうかなと思ってます!サッカーのハーフタイムで、ONE EMPTY!野球も、グランド整備のときにONE EMPTY!ONE SPORTS,ONE EMPTYで!絶対にやるんで、お願いします!!!

なだぎ: 「絶対にやる」って言ったとき、吉本の社員さんがゆっくり汗ふいてるの見えました(笑)。

文, 編集, 撮影:堀越 愛