【「上方漫才協会 十周年記念 特別興行」公演&取材会レポート】全国4会場を巡るツアーがスタート!「この世界を目指す子たちが人気者になれるよう協力したい」

2025年4月20日(日)、ルミネtheよしもとにて『上方漫才協会 十周年記念 特別興行』が開催された。これは、2014年12月1日に発足した「上方漫才協会」の10周年を記念する、4会場ツアーの初日公演である。

「上方漫才協会」は、大阪のお笑い文化継承と発展のために、舞台に立つ若手漫才師たちのサポートを行う協会。若手漫才師に上方漫才の文化・歴史・知識を伝承し、実力のある者がさらに力をつける環境を提供している。漫才師の活動サポートのほか、毎年「上方漫才協会大賞」も開催。会長は中田カウス、副会長はアインシュタイン・河合ゆずるが務める。

『上方漫才協会 十周年記念 特別興行』初日公演には、会長の中田カウスをはじめ、タカアンドトシ、見取り図、アインシュタイン、コットン、ドーナツ・ピーナツ、エバース、バッテリィズ、もりやすバンバンビガロが登場。それぞれが珠玉のネタを披露した。ここでは、大盛り上がりとなった公演と、その直後に行われた取材会の様子をレポートする。

「上方漫才協会 十周年記念 特別興行」公演の様子

「上方漫才協会」会長・中田カウス(写真提供:吉本興業株式会社)
第10回「上方漫才協会大賞」話題賞・バッテリィズ(写真提供:吉本興業株式会社)
第4回「上方漫才協会大賞」大賞・見取り図(写真提供:吉本興業株式会社)
東京漫才を牽引するタカアンドトシ(写真提供:吉本興業株式会社)
第8回「上方漫才協会大賞」文芸部門賞・コットン(写真提供:吉本興業株式会社)
中田カウス&コットンによるスペシャルトーク。西村のアナウンサー時代、きょんがベビーシッターをしていた時代のとんでもない失敗談が披露された(写真提供:吉本興業株式会社)
第10回「上方漫才協会大賞」文芸部門賞・エバース(写真提供:吉本興業株式会社)
第10回「上方漫才協会大賞」大賞・ドーナツ・ピーナツ(写真提供:吉本興業株式会社)
第8回「上方漫才協会大賞」劇場賞・もりやすバンバンビガロ(写真提供:吉本興業株式会社)
第1回「上方漫才協会大賞」大賞・アインシュタイン(写真提供:吉本興業株式会社)
中田カウス&アインシュタインによるスペシャルトーク。コンビ結成の背景、稲田が7~8年話題にしている河合が噛んだ話などが語られた(写真提供:吉本興業株式会社)

取材会の様子

公演終了後、カウス会長、見取り図、アインシュタイン、コットン、ドーナツ・ピーナツ、エバース、バッテリィズ、もりやすバンバンビガロが参加した囲み取材会が行われた。

大盛況だった公演を振り返り、カウスは「お客さんが喜んでいる様子を見て、10年やってこれて良かったなと思う」と語る。「漫才好きな子がこんなに育ってくれるとは思わなかった。最初は“大丈夫ですか?”と言われてましたけど、大満足ですね」と相好を崩した。

さらに、「嬉しいことに、副会長が誕生いたしました!」とアインシュタイン・河合を紹介。すると稲田が「申し遅れました、平の漫才師です!」とアピールし、笑いを誘った。

過去「上方漫才協会大賞」大賞を受賞したことのある芸人たちが“受賞後の変化”を問われると、アインシュタイン・河合は「舞台数を増やしていただきました。受賞前から変わらず大切にしているのは、来てくださったお客さんに“来て良かったな~”と思っていただくこと」と回答。稲田は「まったく同じです!」と、相方に完全同意の姿勢を見せた。

見取り図・盛山も「劇場出番が増え、地方に行く機会が増えました」とコメント。リリーは「僕たちにとって、大賞受賞は初めての賞。なのでお互い本当に感動して……その日、初めて結ばれました」とまさかの告白をした。

今年大賞を受賞したばかりのドーナツ・ピーナツのドーナツも、同様に「全国で漫才をする機会が増えました」と語る。ピーナツも「1個1個の舞台の重みが違います。調子に乗らんようにしないと……」と、何度も「調子に乗らないように」と自身を戒めていた。

吉本興業に所属する若手芸人にとって、上方漫才協会の賞はどのような位置づけなのだろうか。登壇者のなかで最若手のエバースに質問が投げかけられると、町田(1992年4月24日生まれ)は「生まれたときからの目標です」と返答。上方漫才協会が2014年に発足したことを踏まえると、町田は現在10歳ということになる。協会発足の翌年にコンビ結成していることから「“芸人として”生まれてからの目標です」と訂正していた。また、佐々木は自身らを上方漫才協会の「申し子」と表現していた。

上方漫才協会を「今後どんな組織にしたいか」と未来について問われると、カウスは「ほぼかたちが出来上がりましたから、このかたちを崩さず、この世界を目指す子たちが人気者になれるよう協力したい」とこれからを見据えた。さらに副会長の河合は「僕にハマらない芸人は解雇」とまさかの宣言をし、後輩たちを驚かせた。

最後に、カウスは「ものを持たず、しゃべくりだけでやる近代漫才は、横山エンタツ・花菱アチャコ師匠からで、吉本興業で出来上がったもの。“絶対に守っていかないといけない”という思いで作らせていただいた協会」と語り、あらためて上方漫才協会の存在意義を確認。続けて「僕ひとりでは無理です。なので、副会長、そのあとに続く子たちが守っていってくれると思います。みんながネタに磨きをかけて、それを後から若手が追い上げていく……という、非常に良いかたちやなと思いますね」と語り、本協会、そして漫才の未来を見据え、取材会は終了した。

『上方漫才協会 十周年記念 特別興行』は、東京公演を皮切りに5月18日(日)に福岡・よしもと福岡 大和証券劇場、6月14日(土)に大阪・大阪市中央公会堂、8月2日(土)に京都・よしもと祇園花月を巡る予定。

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文, 編集, 撮影:堀越 愛