「芸人が立つところじゃ…」さすらいラビーも感慨 若手芸人が本多劇場で躍動

「WLUCKアンダー10 LIVE」が9月20日に東京・下北沢の本多劇場で開催された。

笑いの仕事を作るオンラインサロン「WLUCK(ワラック)」が主催するWLUCKアンダー10 LIVE。8月に続き開催されたこのライブには、WLUCKのメンバーが推薦する芸歴10年目以下の芸人が出演。第一部ではさすらいラビー、ザ・マミィ、シマウマフック、徳原旅行、なかよし、サーフボードストレッチ、ニモテン、パンプキンポテトフライ、みたらし祭り、吉住、ゴヤがネタを披露した。

オープニングはMCのさすらいラビー(中田和伸・宇野慎太郎)が舞台に。演劇の街として知られる下北沢でも、中心的な劇場である本多劇場。そんな会場でMCを務めることに「本多劇場は芸人が立つところじゃない」と笑った。「芸歴1年目のときに演劇の手伝いで来たことがある」と思い出を語り、芸人として同じ舞台に立てることの感慨深さをかみしめていた。

ツッコミ光ったパンプキンポテトフライ

前半はみたらし祭り(りゅうせい・ゴッチス)のコントから。音響を使ったパフォーマンスに会場はにぎやかな雰囲気に。ニモテン(コマゴメリョウヤ・にしおサバイブ)はにしおの「陰キャ」キャラを主軸にした漫才を展開。サーフボードストレッチ(ハシケン・たかしょー)は音ネタで盛り上げ、なかよし(後藤奈央・コモリギャルソン)は独特の空気感のあるコントで客席をひきつけた。

続く徳原旅行は、絶妙な設定の一人コントで笑いを起こす。前半のトリを飾ったのはパンプキンポテトフライ(谷拓哉・山名大貴)。ツッコミの谷の抜群の言葉選びが観客にハマり、大きな笑い声があがっていた。

トークコーナーには、さすらいラビーとパンプキンポテトフライが登場。山名は開口一番「じゃあエピソードトークしますね」と言い放ち、そのままエピソードトークを披露。相方である谷のツッコミありきの展開に中田が、「パンプキンポテトフライさんは2人そろっていないと生きていけない」と指摘し笑いを誘っていた。

本多劇場に立てる喜びも

後半は、シマウマフック(やかべヒト・シマダネズミ)からスタート。ツッコミを提案するユニークなスタイルの漫才で観客の心をとらえた。次にネタを披露したのはゴヤ(やまじ・Bりょう)。暑苦しいボケとぼそっとしたツッコミの高低差のある漫才で魅せた。

そして、狂気を感じさせる一人コントで観客の目を奪ったのは吉住。続くザ・マミィ(林田洋平・酒井尚)は、夢のある設定に哀愁が織り交ざったコントで笑いを起こした。大トリを務めたのは、さすらいラビー。宇野のキャラクターを中田が改革する漫才を披露し、2人の掛け合いに客席からは終始笑いがあふれていた。

エンディングでは、さすらいラビーが「また本多劇場に立てるのは10年後くらいでしょうから」と笑いながら語り、改めて本多劇場に立てる喜びを口にした。宇野が「今日のお客さんがライブを作る側になりうる」とWLUCKのライブについて説明すると、中田は「笑いの仕事を作るのはあなたたちです!」と爆笑オンエアバトルの名フレーズをもじってWLUCKへの参加を呼び掛けた。最後は2人のきれいにそろったお辞儀でライブは幕を閉じた。

今回のライブは新型コロナウイルス対策として、客席の稼働率を通常の半分にした状態で実施した。客席は2席ずつ、ついたてで仕切られ、感染者が出た場合に追跡ができるよう、観客の連絡先も控えた。また開演中もドアを開放し、終演後には客席の消毒も行われた。

入場にあたっては検温が実施された

写真・文:西田瑞希

WLUCK CREATORS