2022.09.22
「イエベ春です!土鍋・冬です。」大鶴肥満×ダウ90000が観れるのはこのライブだけ!ドリームライブ『マジマゼネタカーニバル』レポート
9月19日(土)に西新宿ナルゲキにて『マジマゼネタカーニバル』が行われた。これはK-PROの人気ライブ『マジマゼドリームマッチ』と『カバーネタライブK-PROネタカーニバル』をドッキングさせたドリームライブだ。各コンビ1人を残して、相方を別のコンビから迎えて本ネタを披露する。相方はネタ直前までシークレット。もちろんそれぞれの相方をシャッフルする形ではなく、予想外のコンビからシークレット相方がセッティングされるのも本ライブの魅力だ。すでに公表されているメンバーを見てもK-PROの肝入り具合が伺える。
マジですごい仮屋さん、人間横丁の巻き込む力
本ライブMCはストレッチーズ・高木、パンプキンポテトフライ・谷、そしてフランツ・土岐。ナルゲキヒットパレード初日のトリライブにふさわしい豪華な座組みだ。ストレッチーズ・高木がK-PROからパンプキンポテトフライ・山名をレコメンドされて断ったというエピソードで本ライブ最初の爆笑が起こる。
お笑いライブのオープニングらしく「初めてこのライブにきた人?」と観客に呼びかける高木。反応する観客に対し、「びっくりしすぎないように、めっちゃ楽しいから」「混ぜるやつマジで楽しいのよ」と谷も乗っかる。期待値も最高潮のなかライブが始まった。
春とヒコーキ
1組目のコンビは春とヒコーキ。ぐんぴぃ役を務めるのはさすらいラビー・中田。発表と同時に大きな拍手と歓声が起こる。登場するや否や「僕ですか、バキバキ童貞です」とぐんぴぃのパンチラインを一発。巨体を小刻みに揺らすなど、仕草もぐんぴぃを完全にトレースしている。
披露したのは春とヒコーキの漫才の中でもぐんぴぃのぐんぴぃらしさが光るマッチングアプリのネタ。トップバッターとして最高の演技を見せた。
青色1号
次に登場したのは青色1号。榎本を1人残して、上村をまんじゅう大帝国・竹内、仮屋をフランスピアノ・山本が務める。明点直後、竹内・山本2人の立ち位置とセリフからネタ内容を理解した客席からすでに拍手笑いが起こる。チョイスされたのは青色1号のネタでもバイオレンスな「サプライズ」のネタだったのだ。本家さならがに竹内が山本の髪の毛を掴んで引っ張り回す。
パンプキンポテトフライ
3組目はパンプキンポテトフライ。人間横丁・内田が山名役だ。内田の優しい雰囲気がパンプキンポテトフライを包み込み、つられて谷の口調もいつもよりだいぶ柔和になる。漫才冒頭の「セブンイレブンとオリジン弁当の、」から観客はすぐに「ねづっち」のネタと気づいて大盛り上がり。
本家以上の長い助走から繰り出される「ねづっちでっせぅー!」に「かわいいなあ!てめーおい!」と谷。終始内田の空気感に飲み込まれそうになる谷であった。
ダウ90000
ダウ90000は女性4名を残してツッコミ役がシークレットというイレギュラーバージョン。本来蓮見が務めるツッコミ役に抜擢されたのはママタルト・大鶴肥満。ネタ直前、大鶴肥満とダウメンバーの一枚絵がスクリーンに映された瞬間からすでに拍手笑いが起こる。披露されたのは昨年の『M-1』でダウ90000の名前を一躍有名にした漫才。鋭く突っ込む蓮見とはまた違う、女性メンバーの一挙手一投足に本気で感情を動かす大鶴肥満ならではの振る舞いが笑いを誘う。
最後にはその巨体がネタの進行を邪魔するという大鶴肥満にしかできないやり方でネタを締めた。
ストレッチーズ
前半組トリはストレッチーズ。福島役にダウ90000・園田が登場した。2組連続ダウ90000からという素敵な香盤に会場も大盛り上がり。選ばれたネタは「怒ってる?」。『ツギクル芸人グランプリ2022』でも優勝を勝ち取った、まさしくストレッチーズの本ネタだ。
直後の中MCで高木が言うように、テンポも早くセリフ量の多いネタを完璧にこなす園田。ネタ中も元ネタにアレンジを加えて大爆笑を掻っ攫うという地力の強さを見せる。
アドリブ漫才が食ったり食われたりの後半戦
まんじゅう大帝国
後半組トップはまんじゅう大帝国。マジマゼドリームマッチではいつも物議?を醸すスタンダップコーギー・奥村が竹内役。まんじゅう大帝国の軽妙なしゃべくり漫才も、奥村にかかればスタンダップコーギー色の強い漫才に。計100回ほどの奥村のアドリブ(言い間違い?)を重ねた結果漫才は閉じた。
新作のハーモニカ
次の出番は新作のハーモニカ。ヒューマンビートボックスと高速ラップというそれぞれの個人技が光る新作のハーモニカの漫才であるが、そのラップ役・溝上たんぼ役を務めるのは今年のABCお笑いグランプリで準優勝という成績を収めた弁護士芸人・こたけ正義感。
長尺の早口言葉ラップ3本を見事ノーミスで歌い切ったこたけ正義感。相方の藤田、そして観客からも健闘を讃えた大拍手が送られた。
フランツ
ここでフランツの登場。フランツといえば馬場の長尺ツッコミが特徴的だが、その先駆者とも言える檜原が独特なリズム感でそれを再現する。見た目・声・嘆き節とほぼ完全に馬場をトレースするママタルト檜原に堪えきれず土岐が笑みをこぼす瞬間もあった。
大仰天
本ライブの大トリは大仰天。ストレッチーズ福島が木場役を務める。ネタは「反町隆の、『言いたいことも言えないこんな世の中じゃ、ポイズン』のポイズン、プリゾンって言ったらポイズンよりポイズンに聞こえるんじゃないか」というもの。
ポイズンがプリゾンか、言った言わないの水掛論はさながらストレッチーズの漫才のようにも見える。ネタ終盤には田口の身支度を待つという本家のアドリブ?まで再現する徹底ぶり。
エンディングでの一波乱、犯人は誰だ⁉︎
最後は全員集まってのエンディング。本家のネタを徹底的に再現するコンビもあれば、自分のフィールドに無理やり持って行こうとするシークレットゲストもいた。いつもと違うフィールドで戦わなければならない現場ならではの磁場で、コンビやそれぞれの演者の魅力を再確認できるナイスな企画ライブとなった。最後の最後まで大盛り上がりだった本ライブはぜひ配信アーカイブでご覧になっていただきたい。