2020.10.31
今知りたい!芸人さんのInstagram「〇〇シリーズ」3選
コンテンツで溢れ返るこの時代、芸人さんはどんな方法で自らを売り出すべきか頭を悩ませていることだろう。今では、バズって多くの人に認知されることが売れるための一番の近道である。Twitter、Instagram、YouTube、TikTok、noteなど自分を知ってもらうための媒体は様々だが、今回はその中でもInstagramに焦点を当ててみたい。
本来Instagramは画像とコメントを載せて思い出を共有するSNSである。拡散力はTwitterやTikTokには劣るものの、利用者が多い分見てくれる人が多い。また、SNSはもともとフォローしてくれている人が一定数いるので、何か企画を思いついた時にお試しとして始めやすい。その時のリアクション次第ではシリーズ化も可能なので、融通が利きやすいのもInstagramのいいところである。
この記事では、芸人さんがInstagramで行っている「〇〇シリーズ」を厳選し、事例を3つ紹介したい。
●モンスターエンジン・西森洋一 さん 「日記」シリーズ
1つ目はモンスターエンジン・西森洋一 さんの「日記」シリーズ。
秀逸。実に秀逸な日記である。画像と内容が一致している確率は半々といったところだが、この投稿の神髄は本文にある。西森さんは2016年元旦から日記をつけており、過去に書いた日記の抜粋をInstagramに投稿している。
正直どれも声に出して笑ってしまうほど面白いのでピックアップが難しいが、今回はその中でも家族登場回を紹介したい。
・2020年6月28日の投稿
子供を公園に連れて行った時の話。読み手からすると、6歳のムスメちゃんにもそのパパにも笑わされてしまうのだが、当の本人たちにとっては真面目なやり取りなのだから余計に面白い。
・2020年2月5日の投稿
家族の日常のうち、たった3秒を切り取った日記である。微笑ましく、そして誰もがクスッと笑ってしまう内容になっている。
西森さんは月1で日記朗読ライブを行っており、YouTubeでも過去のライブを投稿、noteでは一部有料で日記を載せている。また、書籍化もしており、「声に出して笑っていただきたい本」(2018年11月/ヨシモトブックス)、「超人間観察」(2019年10月/ヨシモトブックス)の2冊が発売中である。
●kento fukayaさん 「さえない似顔絵」シリーズ
2つ目は大阪吉本所属のピン芸人・kento fukayaさんの「さえない似顔絵」シリーズ。
趣味で始めた「芸人のさえない似顔絵」は100人を超え、『ウチのガヤがすみません』や『行列のできる法律相談所』といった全国ネットでも取り上げられた。その作品の数々はすべてInstagramに載っており、投稿欄には異様な光景が広がっているのでまず見てほしい。
さえない似顔絵だが誰か分かってしまう、そんな絵で投稿欄が埋め尽くされている。どれもさえない仕上がりだが、かなり丁寧に描かれており、よく見るとその人を象徴する(?)何かが描き込まれていたりする。各投稿には1つの作品と、描かれた本人との2ショット、本人に見せた時の映像が載っており、受け取った芸人さんたちの反応もまた面白い。
ここでは、さえない似顔絵100作品目の霜降り明星・せいやさんと、筆者が個人的に好きなニッポンの社長・ケツさんの似顔絵を紹介する。
・「さえない似顔絵100 霜降り明星 せいや」
確かに似ているが、かなりさえない。作者曰く、頭の形はM-1のMを意識しているらしい。「さえない似顔絵101霜降り明星 粗品」もあるので、そちらも併せてご覧いただきたい。
・「さえない似顔絵37 ニッポンの社長 ケツ」
他のさえないイラストが誇張や髪型で“さえなさ“を出しているのに対し、ほぼそのままの似顔絵なのがまた面白い。なぜか服装は舞台衣装の蝶ネクタイ残し。「名探偵コナン」の変声機のように手持ちスタイルの状態である。そのうえ極端に深爪で、ツッコミどころを探せばキリがない。
実は、さえない似顔絵シリーズのはじまりは芸人の似顔絵ではなく架空の人物であった。2017年まで投稿を遡ると、さえない似顔絵シリーズの軌跡が見えてくる。このリンクはあえて載せないでおくので、興味のある方は本人の投稿欄から遡ることをおススメする。
2020年3月に「さえない似顔絵個展」が開催される予定だったが、新型コロナの影響により開催が延期となり、規模を縮小して、10月2~4日に「さえない似顔絵個展(こっそり)」を開催した。個展のPVはこちら。
実際に私も足を運んだが、さえない似顔絵がさえているギャラリーに並ぶ不思議な空間であった。いずれ大きな個展を開催できるよう、今後とも応援していきたい。
●ポートワシントン・笠谷翔平さん 「編集動画」シリーズ
3つ目はポートワシントン・笠谷翔平さんの「編集動画」シリーズ。
実は「さえない似顔絵個展(こっそり)」のPVを撮影・編集したのが笠谷さんである。このようにおしゃれな宣伝動画も作れるのだが、それだけに留まることなく多種多様な動画をInstagramに投稿している。一本が短いので、おススメのものをいくつか紹介しようと思う。
・「芸人イラストバトン」
自粛期間中に流行ったバトンの中でも、これだけ真摯に向き合った芸人さんがいただろうかと思ってしまうレベルである。笠谷さんのセンスについてはこの動画1つで十分に分かっていただけるのではないだろうか。
・「突然英語で話しかけてみた」
コロコロチキチキペッパーズ・ナダルさんの知ったかぶり加減がなんとも面白い。何を言われていたか分かった後の反応も含めて最後まで楽しませてくれる動画である。
・「せいやさんの笑い声が好きすぎて、、、」
特徴的すぎる霜降り明星・せいやさんの引き笑いに映像を当てたもので、Twitterでバズった動画でもある。
・「5分後掛け直すと言ったら芸人はボケるのか」
企画自体面白いが、全力で付き合ってくれる先輩芸人さんの優しさも垣間見れる動画となっている。
・「ツッパリ水」
とにかくドッキリに引っかける才能に長けている笠谷さんならではの動画であり、結末が見えていてもやはり笑ってしまう。
他にも、見取り図などの単独ライブでオープニングVTR作成もしており、こちらもInstagramにIGTVとして載せている。笠谷さんのセンスに信頼を置いている芸人さんは多い。時間をかけて一つひとつ丁寧に作られた編集動画の数々を読者の方々にも是非見ていただきたい。
以上が、筆者が選ぶ芸人さんのInstagram3選である。読者の皆さんが、この記事を読んではリンクに飛び、Instagramを見てクスッと笑ってまた記事に戻り…を繰り返してここまで読んでくれていることを願う。もちろん、ここに戻らず飛んだ先のInstagramで面白い投稿を探してくれていたら本望である。
絶対に読み切ることのできない記事として、この文書が機能してくれることを祈っている。