Road to NiboNiboCino【シアターフニャオ 〜ダンビラムーチョ原田の日常〜 vol.12】

実は“映画通”の芸人、ダンビラムーチョ・原田フニャオさん。映画の面白さに気付いた中学時代から、たくさんの作品を観てきたそうです。『シアターフニャオ 〜ダンビラムーチョ原田の日常〜』は、フニャオさんの日常&おすすめ映画を紹介するコラム。(月1回更新)
今月のテーマは「」。美味しすぎるラーメンを作っている、元同期・竜ちゃんのお話です。

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シアターフニャオvol.12、、
そう、ついにシアターフニャオを1年もやらせて頂いた。1年もやっていると、周りの芸人から色々なお声を頂く。

「どこが映画のコラムなんですか!?」
「シアターフニャオ!?」
「そもそもWLUCK PARKってなんですか?」

感銘を受けている感想ばっかりだ。

シューさん

さぁ、今回のテーマは「道」。

芸人の道を進んで13年、たくさんの芸人仲間がこの世界を辞めていく姿を見てきた。ただ、辞めることは悪いことではない。別の道に進み、輝く人もたくさんいる。

今日は、同期で仲良かった「竜ちゃん」の話をしよう。

昔の竜ちゃん

竜ちゃんとは、吉本の養成所を卒業してから2~3年の、全然ライブや仕事もなく、お金もない時代によく一緒にいた。アルバイトでギリギリ稼いだお金を握りしめて渋谷に行き、安いお酒を飲んで酔っ払ったのも良い思い出だ。

今でも連絡をとりあったり、映画を観に行ったり、ち〇こ占いをしてもらったり、仲良くしてる。竜ちゃんは若手のとき……

いやち〇こ占い、説明なしでいけるかー!!

ち〇こ占いとは、「賞レースの前に竜ちゃんが僕のち〇この写真を見て、賞レースの結果を占ってくれる」という占いだ。例えばち〇この裏の方が……

いや詳しい説明もいるかー!!

全然意味わからないと思うが、まぁ仲が良いということです。

竜ちゃんと鶴亀舟生

竜ちゃんは、昔コンビを組んで漫才をやっていた。しかし、結果が出ずにお笑いを辞めた。シアターモリエールでやっていた『THE MANZAI』一回戦で、シャレにならないくらいすべったことや、そのときの彼女(今の奥さん)が愛おしすぎて、お笑いで売れるより結婚するほうが新しい夢に変わったことがきっかけだ。
それから竜ちゃんは、ラーメンの道に進み情熱をそそいだ。

竜ちゃんの情熱は、お笑いのときから凄い。

NSC時代、前田さんという先生による、選抜を決めるトークの授業があった。NSCの選抜はみんなが憧れるトップクラスで、入ったら周りからスターのように見られる。

全芸人のトークを聞き終わった前田さんが、「我こそは1番ウケた、選抜にふさわしいと思う芸人は手を挙げろ」という質問をし、手を挙げた芸人の中から選抜を決めた。竜ちゃんはというと……その日女の子とデートの予定があったらしく、早く帰りたかったので挙げなかった。

ただ前田さんは、竜ちゃんが1番ウケてたと思っていた。それなのに手を挙げなかった竜ちゃんに、相当怒っていた。

それを、後日聞いた竜ちゃん。
……どうしたのか?

すぐにお金をかき集め、新幹線に乗り大阪に向かった。そして、大阪で仕事終わりの前田さんを出待ちし、出てきた前田さんの前でピッと手を挙げ「手を挙げる姿を見せたかったので、東京から会いに来ました」と伝えた。

そして前田さんは「その手を挙げるために、何万新幹線代かけて来とんねん!そのボケめちゃめちゃおもろいから……前田選抜決定!!」

竜ちゃんは見事、情熱で選抜を勝ち取ったのだ。
熱いぜ竜ちゃん。

そしてその情熱は、ラーメンの道に行っても変わらない。

藤修行時代の竜ちゃん

ミシュランガイドにも載ったことがある『伊藤』というラーメン屋で数年修行を積み、『煮干しNoodles NiboNiboCino』というラーメン屋を開いた。

ニボニボチーノ

こんなラーメン、見たことない。

竜ちゃんは、お笑いを辞めた後も芸人が新ネタを考えるように、新しいラーメンをずっと考えていたんだろう。

カッコ良いぜ竜ちゃん。

16期

今は、自由ヶ丘に2店舗目『Dad’s Ramen夢にでてきた中華そば』も出店し連日行列。『出没!アド街ック天国』、『ラヴィット!』……芸人をやってるときはなかなか出られなかった、たくさんのメディアに出れていると竜ちゃんはテンションが上がっていた。

『THE MANZAI』一回戦でのクソスベリから10年、竜ちゃんのラーメンを食べたお客さんはみんな笑顔、家族を守り幸せにする最高のラーメンとして認定されている。

カッコ良いぜ★

旗の台『煮干しNoodles NiboNiboCino
自由ヶ丘『Dad’s Ramen夢にでてきた中華そば

是非行ってみて下さい!

最高のラーメン

Funyao`s recommendation

さぁ、今日の映画は『サバカン SABAKAN』。ついに、大好きなこの作品がNetflixにきた!!

舞台は1986年の長崎。夫婦喧嘩は多いが愛情深い両親と弟と暮らす小学5年生の久保は、家が貧しく同級生から避けられている竹本と、ひょんなことからイルカを見るためにブーメラン島を目指すことに。少年二人の、忘れられない夏が始まった。

この作品は、田舎の懐かしさを感じる日本版『スタンド・バイ・ミー』のような作品だ。

なにより僕が好きなのは、竹原ピストル演じる父親の広重と、尾野真千子演じる母親の良子の夫婦喧嘩のしばき合いだ。このしばき合いが、昔を思い出す。もちろん人を叩いたりするのはダメなことだが、この夫婦のしばき合いはなんとも愛があり、なんだかほっこりするのだ。見れば見るほど絆を感じる。

そしてもうひとつ好きなシーンが、父親が息子の久保を後ろに乗せ『酒と泪と男と女』を歌うシーン。なんだか、とても泣ける。

子ども時代の友達が、二人ともそれぞれの道に進み、大人になる。その道は正解も不正解もなく、ずっと続いていくんだなと思う作品。

是非とも、夏がくるワクワクを感じながら、観て頂きたい。


『サバカン SABAKAN』
Netflix

文:原田フニャオ(ダンビラムーチョ)
編集:堀越 愛、サムネイルデザイン:つるみ32

PROFILE

原田フニャオ(ダンビラムーチョ)

・出身地:長野県諏訪市
・趣味:映画、代々木八幡猫探し、酔っ払う
・特技:けん玉

★Twitter:@danviraHARADA
★Instagram:yoshihiro0519

★公式プロフィール:https://profile.yoshimoto.co.jp/talent/detail?id=4459
★公式YouTube:ダンビラムーチョ