嫌なことを忘れて没頭できる映画『ラストナイト・イン・ソーホー』M-1ファイナリストの悲しみ【シアターフニャオ 〜ダンビラムーチョ原田の日常〜 vol.14】

実は映画通の芸人、ダンビラムーチョ・原田フニャオさん。フニャオさんが日常で起きたエピソードとともに映画を紹介するコラム『シアターフニャオ』（月1回更新）。今月のテーマは「嫌なことを忘れて没頭できる映画」。芸人仲間との飲み会で起きた、悲しい出来事とともに映画を紹介いただきます。

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忘れたい嫌なこと

トレンディエンジェルのたかしさんが飲み会に誘ってくれた。行くと、たかしさんの知り合いの女性もいて一緒に飲むことになった。

すると、女性が、

「あれ！！知ってる！M-1の敗者復活戦見ました！、、ダンビラムーチョさんですよね！」

嬉しい、、嬉しいよ、、女性、、

ありがたいし、なにより「M-1って本当に凄い」と思う。
ただこれで終わりではない。
一緒に飲んでいたのは、なんとダイヤモンドの小野さん。

……そう、M-1の決勝に出たスーパーファイナリストだ。

そんな小野さんを見たら、それはもうさぞビックリするだろう。

小野さんはというと、さすがファイナリスト。ハットを深く被り伊達メガネをかけている。
ただ小野さん、この服装でもオーラ漏れてしまっていますよ。

僕は女性に言った。これから絶叫して驚くであろう女性の未来にワクワクしながら。

「隣見てごらん」

女性はゆっくりと振り向く、そして小野さんをじっと見て言った。

「、、、、、、ん？」

うんうん、なるほどなるほど。
確かに、さすがにこの格好じゃわかるわけない。ほとんど変装してるようなものだ。

そして、小野さんはハットをサッととりメガネをスッと外しまるでダイヤモンドの輝きのような眼差しで女性を見つめる。
ちょっと小野さん、そんな10カラットのきらめき、サービス精神凄すぎますよ！

そして女性が言う。

「、、、、、、ん？」

、、、ほうほう。

「知ってる？テレビって横に広がって映って見えるから、実際芸能人見たらすごい細くて全然違うらしいよー！」

そうだそうだ、小さいときに姉ちゃんが教えてくれたじゃないか。
しかも隣にいるんだぜ。近すぎてテレビで見るのと違うに決まってる。

っていうか待てよ、、そもそも敗者復活戦だけ見て決勝の方を見てない可能性があるじゃないか！仕事とかで！

たかしさん「M-1の決勝は見たよね？」

女性「はい！もちろん！最高でしたね！！」

みんな「、、、、」

小野さん「あの、、出てたんだけど、、」

ちょっと小野さん！！
そんなん言わないで下さいや！
言わなくても、もうちょっと時間たったらわかるに決まってるのに！
ただ言ってしまったらしょうがない、、、確定で驚く姿を見せてもらおう。

すると女性が言った。

「えっ、、、」

さぁ、驚くが良い！
3、2、1！

「嘘だ〜」

嘘だ！？！？

耳を疑った。
そうか、、ファイナリストが横にいる事実を信じられないよな。

たかしさん「ほんとだよ！ほら！よく見て！」

女性「え！？本当に！？、、、えぇ！？」

そんなバカな、何でわからないんだ、、、。

女性「えぇー、、、え、、えぇー、、本当すみません、、、コンビ名教えて下さい！」

嘘だろ女性、、まぁでもわかる。
緊張してるんだよ、なんせ隣にM-1ファイナリスト、さらには前にM-1チャンピオン。
ずっと冷静じゃないに決まってる。

たかしさん「ダから始まるコンビだよ」

女性「ダ、、、ダ、、、、あっ！！！！！！」

よし、そう！
今まで緊張という殻に閉じこもってたんだ、一気に殻から飛び出たね。
さぁ言うが良い！羽を伸ばし空へと飛び立て！

女性「ダストボックス！！！！！」

ズコー！！

ゴミ箱ー！！

輝きなんてまるでないーズコー！

たかしさん「違うよ！じゃあヒント、もっと女性が欲しがるものでダから始まるもの！！」

女性「欲しがるもの、、あっ！！！！」

さぁ次こそ飛び立て！

女性「ダッフルコート！！」

ズコー！！
夏にいらなくないか！！？

たかしさん「違うよ！！もっと欲しいもの」

女性「あっ！、、ダイソン！そういえば私ダイソン2台も持ってるー！なんでって思うじゃん？私昔さー」

ズコー！
関係ないダイソンの話をしだしたー！

そして、コンビ名の話はどこかへといった。まるでダイソンに吸い込まれてしまったかのように。

小野さんの顔を見てみると……
ちょうどM-1で最下位になってしまったときと同じような顔をしていた。
ただ小野さんは「この話を絶対するなよ！」と逆にフッてくれる優しい先輩です。

とにかくたかしさんご馳走様でした！！

Funyao`s recommendation

そんな、小野さんのようなへこんだ人に見てもらいたい映画を紹介する。今日のテーマは、「嫌なことを忘れて没頭できる映画」だ。

紹介するのは『ラストナイト・イン・ソーホー』。

ロンドンで別々の時代を生きるふたりの女性の人生が、シンクロするサイコスリラーだ。主人公エロイーズは、夢の中で歌手を目指すサンディと出会い、肉体的にも感覚的にもシンクロしていく。

夢なの！？現実なの！？
素敵な生活を送っている矢先に、起きる事件。

なんで！私の体はどうなっちゃうの！？そしてサンディはどうなるの！？
はっ！？
えっ！！
そんな！！

驚愕の連発に、ついつい嫌なことなんて忘れてしまうだろう。
この夏、暑さで精神的にもしんどく嫌なことが溜まってる方は、是非とも『ラストナイト・イン・ソーホー』を観て、映画に入り込みヒヤッと冷を感じて欲しい。

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『ラストナイト・イン・ソーホー』
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文：原田フニャオ（ダンビラムーチョ）
編集：堀越 愛、サムネイルデザイン：つるみ32

PROFILE

原田フニャオ（ダンビラムーチョ）

・出身地：長野県諏訪市
・趣味：映画、代々木八幡猫探し、酔っ払う
・特技：けん玉

★Twitter：@danviraHARADA
★Instagram：yoshihiro0519
★公式プロフィール：https://profile.yoshimoto.co.jp/talent/detail?id=4459
★公式YouTube：ダンビラムーチョ