芸人兼漫画家として活動する畠山達也さんが、独自の視点で「芸人」を見つめる連載『ゲイニンマンガ』がリニューアル！ゲストに芸人を招き、「なんらかの理由で実現できなかったネタの種」についてヒアリング。舞台上ではできなかったネタを、“漫画”で実現します！
リニューアル初回のゲストに登場するのは、畠山さんとは長い付き合いのGAG福井俊太郎さん。畠山さんが大阪で活動していた時代からお世話になっている先輩です。次ページには、福井さん×畠山さんによるおまけのトークも！漫画と併せてぜひご確認ください。
漫画「若い」（原案：GAG福井俊太郎）
漫画「若い」 制作会議
畠山達也（以下、畠山）：： 福井さんはコントをつくるときのこだわりってありますか？「これは絶対やりたくない」とか。
GAG福井俊太郎（以下、福井）： 「やりたくない」まではいかないけど、ボケました・ツッコみました……という、いわゆる“ザ・コント”みたいなんはあんまりやらないかな。違和感のあることを言って、「それって僕はこう思うんですけど」みたいに考えを言い合うのが好きだから。
畠山： なるほど。そういうのって、もしかしたら漫画にするのに向いてるかもしれません。漫画は、デカい笑いがなくても良いので。
福井： そうだね。でもさ、ハタケの漫画はだいぶ“お笑い”をやってるイメージあるよ。デカい笑いを狙いに行ってるというか。
畠山： どっちかと言うと、「クスクス」でも良いと思ってます。
福井： ハタケが「クスクスで良い」と思ってるやつが、俺が読んだときには「デカい笑い」になってるかも。
畠山： それは良いことなんですかね（笑）？バトルイベントばっかり出てたので、ネタをしているときは「拍手笑いをとらなきゃいけない」とずっと思ってたんですよ。でも「これは拍手笑いまではとれないだろうな」というアイディアがどんどん溜まっていって。ライブだとクスクスしか起きなかったら「スベッた」と言われるけど、漫画だったらクスクスでも良い。
福井： たしかに。漫画は笑いの大きさを競うものではない。
畠山： ということで、福井さんから「舞台ではできなかったネタ」をいただいて、漫画にしたいと思います！なにか、これまでなんらかの理由で実現できなかったネタってありますか？
福井： 真面目そうな初老の方の家で「飲み物いります？」と言われ「ありがとうございます」と答える。その人が冷蔵庫にとりに行く。すると冷蔵庫にめちゃくちゃステッカー貼ってあって、「ここ本当にあなたの家ですか！？」みたいになる……というのがある。舞台上で冷蔵庫は使われへんから、実現しなかった。
畠山： 「こんな感じでこんなステッカー貼る！？」みたいなツッコミになるんですかね。
福井： そこが最後のオチになるかな。「めっちゃ若者の家の冷蔵庫やな」……って気持ち。
畠山： 冷蔵庫開けて、なかから持ってきたものも若者っぽいとか？
福井： 外国産の瓶ビールとか……？大学生くらいの若い人って、なに飲むん？
畠山： MONSTERとかのイメージです。家に人が来て出すもんじゃないけど（笑）。
福井： MONSTERって大学生飲むんか？
畠山： 長い缶を飲んでるイメージです（笑）。大学生ってなに飲むんすかね。
福井： オシャレな飲み物かなと思った。MONSTERってファッションアイテムではないもんね。
畠山： そうですね。でも水みたいに飲んでるヤツいますよね（笑）。若い人ってなに飲むんだろう。お酒ですかね？
福井： マリブパインみたいな……？
畠山： 冷蔵庫にリキュール入れないですよね（笑）。
福井： ウィルキンソンで割って、つくって……みたいな感じかな。
畠山： 大学生くらいのヤツって、ストゼロとか飲むんじゃないですか？初老で小綺麗な格好してるのにSupremeとかのステッカーを貼ってて、冷蔵庫開けたらストゼロが出てくるとか……？要は“若い”ってことですよね。
福井： そうそう。それで「ほんまにあなたの家なんですか？」とか、それは受け入れたうえで「冷蔵庫若すぎるな」がオチか。もう一個行くなら、「なかから出てきたもん若いな」……みたいな流れかな。
スタッフ： 最近、コンビニのロックアイスにストゼロを入れて、そのままストローで飲んでるのをよく見ます。
福井： その飲み方を勧めてくるの良いね。「飲み方若すぎる！」と。
畠山： ストロー面白いですね（笑）。じゃあ、ツッコみ二発で「冷蔵庫が若すぎる」「飲み物が若すぎる」がオチですかね。
福井： 待って、これ漫画じゃなくコントになっちゃってる？
畠山： でも冷蔵庫用意できないし、飲み物も舞台上では出せない。
福井： なら良いのか（笑）。
★GAG福井×畠山 のトークは次のページへ
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