2025.01.28

音楽ってすごい！映画『セッション』が教えてくれる“努力”を胸に、曲芸単独へ。【シアターフニャオ〜ダンビラムーチョ原田の日常〜 vol.32】

実は映画通の芸人、ダンビラムーチョ・原田フニャオさん。『シアターフニャオ』（月1回更新）は、フニャオさんが日常で起きたエピソードとともに映画を紹介するコラムです。

3月9日（日）、無限大ホールで「原田フニャオ曲芸単独ライブGOLD」が開催されます。ライブに向けてギターを買ったということで、今回のテーマは「音楽」。兄の岳さんがきっかけで見ることとなった、魂のライブを振り返ります。

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ロッケンロール

異常事態だ。
3月にやる原田フニャオ曲芸単独ライブのチケットが15分で売り切れた。
異常事態だ。
異常事態。
逃げろ〜！！

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そんな曲芸単独ライブでなにかしら使えるかもしれないと思って、ちょっと前にギターを買った。

さっそく、正月の『トニーフランクno寄席』というライブで、大原が歌、俺がギターで演奏させてもらうことになった。楽屋でジャカジャカ練習していると、ギター1本勝負芸人のシマッシュレコード嶋田さんがスッと近付いてくる。

嶋田さんは「ここ、こうやったら簡単に弾けるで〜そこはおさえないでええで〜」と優しくアドバイスをくれ、スッとまたどっかにいった。

そして本番が終わり、嶋田さんに「いや〜Fが難しくて1回も鳴らなかったです〜」と伝えると「見てたけど、、素敵やったわ、健気やわ」と。「いや下手くそでしたよ〜」と言うと
「あのな、あの音はあのときだけしか出せへんねん。上手くなったらあの音は出せへん。だから健気で素敵やねん」と言ってくれた。

嶋田さん、、、

ロッケンロール！

（引いてるのはベース）

右下

さぁ、今回のテーマは音楽。
年末の『ラヴィット！』に、兄の岳ちゃんと一緒にパネラーで出させてもらった。

盛田シンプルイズベスト、みょんふぁさん、俺、岳ちゃん、武内重夫と本当に意味のわからない並びだ。

VTRでサンボマスターが出てくると、岳ちゃんが「俺サンボマスターと対バンしたことあるんだよ」とボソッと驚きの情報を言い出した。CM中にスタジオに一緒にいたなすなかにしさんや東京ホテイソンが「そうだったんですね！すご！！バンドやってたんですね！」と驚いていた。「ちなみにバンド名はなんて言うんですか？」と聞かれると、岳ちゃんが「恥ずかしいんですけど、、『右下』って言います」と言うとみんな同時に「ダサっ！！！！」と総ツッコミ、スタジオが盛り上がった。

そう、岳ちゃんはずっとバンドをやっていた。
20年前の中学生のとき、長野の松本にあるライブハウスで行われた、右下とアイソトープというバンドのツーマンライブを見に行ったことがある。アイソトープは右下と仲の良いバンドだったが、そのライブで解散してしまう最後のライブだった。

マブダチのコウスケくんと住んでいる諏訪から一緒に松本に行き、ドキドキしながら会場へ行った。友達だけで電車でどっか行くのも、外食するのも、ライブに行くのも全部が初めてだ。

そして松本は、諏訪の人からしてみたらニューヨークくらいの都会。ずっと緊張していた。

まずは右下のライブ。もちろん客席の前のほうに行けるわけもなく1番後ろでドキドキしながら聞いていた。右下のライブが終わると、岳ちゃんが「なにしてんだ！いくぞ！！」と俺とコウスケくんを前の方に無理やり連れてった。演奏が始まり、もみくちゃになる。お客さんもノリノリだ。最初はビビってたけど、体が勝手に音楽に乗って動き出す。恥ずかしがっていたコウスケくんも、いつの間にか汗だくになりながら音楽に乗っていた。魂込めた演奏と歌。とんでもなく楽しかった。大人になった今でもボーカルの方の魂を込めて歌うあの表情、ずっと覚えている。

音楽ってすごいなぁという話。