『VIP ROOM HARUHIKO』は、春とヒコーキがバーのVIP ROOM で本音を語るような、そんな場所。

‟語りつくされた、でも正解はなく、各々で考え方が異なる”普遍的なテーマについて、ぐんぴぃと土岡がそれぞれの視点で綴ります。
今月のテーマは、春といえば出会いの季節。出会いは得意?
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theme.春といえば出会いの季節。出会いは得意?
ver.ぐんぴぃ

大の苦手。自分から話しかけるのも不得意です。
芸人相手だとまだ楽です。初対面でも先方が「オモシロ」を志向していることだけは分かるので。いきなりボケてもツッコんでくれる、その逆もある。
整理してみたのですが、僕の会話の手札って「冗談」か「知識ひけらかし」しかないのです。ずっと冗談を言ってて、思い付かなくなったら知ってる情報を話す、の二通り。
知識をダラダラとひけらかすのも悪い癖です。内容のない雑談が不得手で、それならせめて相手のためになることをと思い、延々と雑学を話してしまいます。雑学王世代なので。
最初のうちは相手も反応してくれるのですが、あまりに滔々と喋っているうちに聞き手につらそうな顔をさせている時があります。この悪癖は「ハカセ喋り」と呼ばれています(命名きっかけはガクヅケ木田さん)。
今日は仕事で沖縄に来ているのですが、先ほどもハイサイおじさんの歌の由来が結構エゲツないという雑学を披露して、同行者たちを辟易とさせています(ハイサイおじさんの由来、調べるのはオススメしません!)。
話は逸れるのですが、芸人には人間不信な人が多いと聞いたことがあります。
たとえば歌手や舞台俳優が良いパフォーマンスをしたら、客席は沸きます。拍手や喝采もあるかもしれません。
疑り深い人間はその熱狂が嘘かもしれない、とよぎってしまうわけです。終演後に「すごく良かったよ!」と言われたっておべんちゃらに聞こえる。
一方、笑い声は反射なので嘘がつけません。愛想笑いもあるけど、上手い人って極めて少ない。だから少なくとも相手が笑っている瞬間は「聞き手は不快ではない」ということが確信できます。
笑い声しか信用できない寂しい人が、笑い声の快感に最も酔いしれる。芸人を目指す、という論理です。
僕も笑い声しか信用できないのかもしれません。もっと心を開ければ、たわいもない会話でも盛り上がって、距離を縮められるのかもしれないですが。
最後に、出会いといえば連絡先交換です。LINEです。
LINE交換ってよくわからない手順でQRコードを開いたり、かと思いきや相手もQRコードを開いてたりして、急いで読み取り機能に切り替えたり。なかなか面倒ですよね。
これ、いいテクニックを教えてもらいました。
LINEのアイコンを長押しすると「QRコードを表示する」みたいなが画面が出ます。これですぐにQRを出すことができるんです。
LINE交換のタイミングで「アイコンを長押しすると、QRコードすぐ出ますよ」と会話すれば、気まずい時間も埋まります。一石二鳥。
出会いの季節におすすめのテクニックです。ちなみにこれを教えてくれたのは令和ロマンの髙比良くるまです。彼は色々なことを教えてくれる。復帰を心待ちにしています。
ver.土岡

大前提、出会いは下手だと思っている。「出会いが得意」って、二通りの意味があると思う。一つは、出会った人とすぐ仲良くなれるか。もう一つは、「出会いを作るのが得意」か。人の輪を広げるとか、「ちょっとすれ違った」で終わる相手とちゃんとしゃべって知り合いになる社交性の話。で、どちらも苦手だ。
幼稚園から中学校まで同じ学院内で進学したので、常に「最大勢力」側にいた。幼稚園の最初の数か月の記憶はなく、気づいたら幼稚園児だったから、幼稚園での友達は記憶ゼロで仲良くなっている。小学校と中学校は、友達が仲良くなった子と自分もしゃべるようになって仲良くなる、で行けた。
高校で外部進学し、その心細さから徹底して当たり障りのない返答をしていたら、誰とも仲良くならず。1年の2学期からほぼ無言の高校生活になった。大学では、落語研究会以外では一人も友達はできなかった。ニート時代はもちろん。
大学のとき、学部でクラスが一緒になった男子は皆やさしくて、一緒の授業がなくなってもキャンパスで会うと声をかけてくれた。でも、緊張して全然心を開けず、申し訳なかった。3年生のときに久々に会ったクラスメイトとしゃべりながらキャンパスをちょっとだけ一緒に歩く時間が発生したけど、そんなことに慣れてなさ過ぎて、しゃべっている相手にぶつかったことがある。
でも、芸人になってからは、芸人同士やお仕事で会う人と楽しくしゃべる機会が増えた。そういう環境だからというのが理由のほとんどだが、自分の中でも変化したところが少しある。
初対面の人に「変なヤツと思われても、どうでもいいや。こっちの楽なようにさせてくれ」というマインドになってきた節がある。そうなった一個の原因は、芸人になる前にまんじゅう大帝国・えいまから言われた言葉。OBになってから落研の打ち上げに参加したときだったか、落研としては後輩のえいまから「後輩たちみんな土岡さんに気を遣うんだから、土岡さんは後輩に気を遣わずに自分がしたいようにしてください。その方がみんな楽です」と言われた。そう言わせるほど、こっちが後輩に遠慮して固い空気にして迷惑だったのだろう。
昨年、初めてライブで一緒になったある後輩芸人がいた。その芸人のネタは配信で何度か見たことがあって、初対面なのか挨拶ぐらいしたことあるのか、自分の中で分からなかった。それが絶妙にモヤモヤしたので、思い切って「おれって初対面でしたっけ?」と声をかけた。見る人が見れば気持ち悪い声のかけ方だったと思う。後輩だろうとなんか失礼だし。結果、「初対面です」と言われた。「そっか。映像で何回か見てるから分かんなかった」と理由は説明した。そこから数分ごちゃごちゃしゃべった。それがきっかけでその後輩と仲良くなれた、という話ではなく、別にその後輩とはそんなに現場はかぶらないし、別に仲良くなってはいない。でも、その瞬間はそれでしゃべれたから良かったと思う。
ただ、今でも初対面の人が多い場所だと、せいぜい挨拶しかできないことがしょっちゅうだ。ただ、幸いぼくが芸人なので頑張っていればいずれ、こちらのやっていることがあちらの目に入る。会話が発生しなくても、それで十分ありがたい。出会い自体は得意じゃないので、こっちの出現を勝手にばらまいていけたら。
PROFILE

タイタン 所属
左:ぐんぴぃ
右:土岡 哲朗
★公式プロフィール:https://www.titan-net.co.jp/talent/haruhiko/
★公式YouTube:春とヒコーキ / バキ童チャンネル【ぐんぴぃ】
INFORMATION

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