2021.04.20

スーパーニュウニュウ超小道具コラム！！！～段ボールとガムテープとコラムとガムテープと～【大将編】Vol.2

コントの世界観を彩る「小道具」。劇場の備品を使用する芸人もいれば、オリジナルを創作する芸人もいます。小道具単体が注目されることはあまりありませんが、そこには知られざる想いが込められているのでは……

ということで、“小道具完全自作派”のスーパーニュウニュウ（ふるやいなや、大将）に「小道具コラム」の連載を依頼しました。独創的かつ唯一無二の小道具をつくる彼ら。同じ小道具でも、それぞれ異なる思い入れやエピソードがあるのでは？

第2回となる今回は、『街のマジックショー』で使われた小道具をテーマにコラムを書いていただきました。読む前に、ネタを観るのがおすすめ。ここでは、【大将編】をお送りします！

★【ふるやいなや編】はコチラから
★コラムVol.1はコチラから

おはようございます！
小道具作りに使う段ボールは近所のマルエツで調達してるスーパーニュウニュウの大将です。
普通にマルエツに買い物に行っても、店員さんから「またあいつ段ボールもらいにきたよ」と言わんばかりの冷たい視線を浴びせられます。毎回、非常に痛いです。

さて今回紹介する小道具は、今所有する小道具の中でも1、2を争うくらい大きい小道具です。ハッキリ言ってスゴク邪魔です。その小道具がコチラ。

【ジャイアント馬場似の子供セット】です。

出オチも出オチ、出オチ小道具です。

まずこの小道具を作ったきっかけは、同じ事務所の先輩・青木泰寛さんに『プロレス者の集い』というプロレスのお笑いトークライブで使用するコスチュームの作成依頼を受けたところから始まります。

このライブは半年に1回ほどのペースで開催されており、各芸人が最初にレスラーのコスチュームに扮し入場してくるという流れがあるのですが、僕はいつも青木さんのコスチューム作成担当でした。

この時、頼まれたコスチュームは東洋の巨人・ジャイアント馬場でした。青木さんから「とにかくインパクトのある巨大な馬場さんで登場したい」と要望があり、ざっくりではありますが早速作ってみることに。

ジャイアント馬場の身長は209センチ。まず上半身だけを作り、それを被るような構造にし、「出来るだけ上半身を縦に長く作れば巨人というインパクトを出せるのでは」と考えました。作ってみていざ被ってみると想像以上にバカでかく、250センチくらいはありました。

さすがにデカく作りすぎたかと思っていたら、青木さんから「いいね！これでいこう！」とアッサリ承諾を得ました。

ただデカく作ったはいいけどコンパクトにして持ち運ぶ方法を考えておらず、色々考えはしましたが全く思い付かず、途方に暮れました。青木さんはライブ当日、僕の自宅からタクシーにジャイアント馬場をぎゅうぎゅうに押し込んで会場に向かいました。

引いているタクシー運転手。

そもそもこの小道具はでか過ぎるし、このライブで一回お披露目して終わりだと思ってたので「終わったら処分してください」と青木さんに伝えてありました。

しかしライブが終わり、青木さんは何故かジャイアント馬場をタクシーで再度僕の自宅に運んできました。

引いている僕。

「捨てなかったんですか！？」と聞くと、青木さんから「結構これ評判良かったよ！捨てるのもったいないからコントで使ってみたら？」と予想だにしない返答。

ジャイアント馬場をコントで使おうと1ミリも考えてなかったので、「じゃあこの際せっかくだし1本作ってみようか」と色々試行錯誤して出来たのが、このジャイアント馬場似の子供が出てくるコント『街のマジックショー』のネタです。

動画にもありますが、出てきた1発目に客席から「うわぁ…」と少し悲鳴が上がってます。

それほどインパクト強めの小道具で、ジャイアント馬場以外の用途でも後に『そろそろにちようチャップリン』（テレビ東京/2020年3月14日放映）の平場でゾフィーさんのネタに出てくる「ふくちゃん」とコラボしたり、『ワンピースバラエティ海賊王におれはなるTV』（フジテレビ/2020年9月18日放映）でルフィ役のネタをしたりと、だいぶ重宝しました。