ヤーレンズ・出井隼之介さんが物事の良し悪しを綴る連載『可否伝』。出井さんセレクトの「今月のコーヒー」情報とともに、心が揺れた“良し悪し”を語ります。

12月の可否
ウエストランドの太はサンダースのミリタリーダービーを履いている。どうも、ヤーレンズ出井です。タクシー蹴ったときも履いてたのかな?
さて、40歳も近くなると、ただ鼻をほじっているだけでも後輩が増えてくる。
ライブに出ると、こんな僕にでも「出井さん、今日僕たちのネタ、見といてもらっていいですか?」と言われる事がたまにある。要するに、「ネタに対するダメ出しがほしい」という事だ。
快諾して袖からネタを見て、自分なりに「もっとここをこうした方がいいかな」などと偉そうに所感を述べる。すると後輩から「いや、でも…」と反論されることがある。
後輩から、「ちょっと悩んでるんでご飯行きたいです!」なんて言われ、しょうがないなと居酒屋で悩みを聞き「ん〜…じゃあこうすれば?」と答えてみる。すると、「いや、それは違うと思うんすよ…」と言われることがある。
うそやん。
別に全て受け入れろとは言わないけど、そんな撥水加工したかの様に弾き返さんでも。ていうか、あんま聞く気ないなら頼むなや。
こういう時、今まで僕は下唇を噛み締めて「自分にもっと実績や説得力があれば…」「俺が若林さんじゃないから…」と思っていたのだが、どうやらそればかりではないのでは?と最近思ってきた。
僕のYouTubeには矢沢永吉の若い頃のインタビューがよく流れてくる。矢沢は「いつの時代も、やる奴はやるしやらない奴はやらない」と言っていた。
別の動画では現千葉ロッテマリーンズの澤村投手が「若手に言ってやってよとか言われるけど、やる奴はやるし、やらない奴はやらない」と言っていた。澤村投手が矢沢の動画を観ていた可能性も大いにあるが、確かにその通りだと思う。
そんなにやらなくても成功できちゃう奴もいるかもしれないが、基本的にはやる奴しか成果は残せない。
そして、やった奴にしか絶望はおとずれない。
例えば「M-1の決勝行きたいっす!」とか言ってるのに全然ライブ出てないやつは、負けても絶望しないと思う。
極端だが、僕が今マラソンに出て完走できなくても別に絶望はしない。やってないから。
努力と絶望はセット。ちゃんと努力してそれが無情にも結実しなかったという経験が、絶望となる。やってもない奴は絶望する資格すらない。
この絶望値がある程度貯まらないと、人の意見を飲み込む事ができない。トム・ブラウンの布川さんはこれをよく「達してない」と表現している。
人のアドバイスに傾聴できるのにはある程度の絶望、つまりやった経験が必要。達してない奴に何言ってもだめ。
だから、自分は誰に言われずともどんどんやって、たくさん絶望して、そして人の話をいっぱい聞こうと、最近強く思う。
~12月の可否~
可→やる奴
否→達してない奴
今月のコーヒー【xBloom】
今回はマシンの紹介。xBloom(エックスブルーム)という全自動コーヒーメーカー。

ハンドドリップの再現度、レシピの設定など、今までのコーヒーメーカーとは一線を画す素晴らしいマシン。
PROFILE

ヤーレンズ・出井隼之介
ケイダッシュステージ所属
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文:ヤーレンズ・出井隼之介
編集:堀越 愛
写真&サムネイル:ヘンミモリ



