ヤーレンズ・出井隼之介さんが物事の良し悪しを綴る連載『可否伝』。出井さんセレクトの「今月のコーヒー」情報とともに、心が揺れた“良し悪し”を語ります。

2月の可否
少し時期は過ぎてしまったが、成人式というのは世の中の変化と無関係に、廃れるどころかしぶとく続いている。
成人式の時期というのは、SNS等で新成人へのお祝いの面をしたおっさんおばさん衆が自分の新成人の写真を載せて「僕が成人の時は……」的な自分語りを許される『自分語り無敵期間』でもある。これは別件だが、ハリセンボンの春菜さんの成人式の写真はいつ見たって最高だ。
そんなおじおばの“昔の自分”と同時に語られがちなのが『成人式に行ったか行ってないか』だ。行ってた人を行ってなかった人が揶揄したり、「行っておけばよかった」という人がいたり、行ってなかったことを声高にいうやつなんなんだという人も出てきて、まあクソどうでもいいですのごった煮なのだが、僕はもちろん行ってない。それどころか、漫才のかたわら成人式廃止論者としても活動している。
成人式など廃止すべきだ。先述の通り大人のノスタルジー消費の場と化していて見ていられない点もあげられるが、何よりもまず、めでたくないという点である。なんの努力もせずダラダらしていても訪れる成人の年齢の何を祝う必要があろうか。
「何事もなく無事に成長できて人生を進めていることは当たり前じゃないのになんてことを……」
「難病を抱えて必死に成人を迎えた人もいるのに……」
「成人式を楽しみにしている人もいるのに……」
と思った人は、何でもかんでもナイーブに捉え過ぎてしまうきらいがあるので猛省してほしい。繊細さん気取ってないで、もっといっぱい飯食った方がいい。
書かずもがな大多数にとってという注釈付きの意見だし、びっくりしないでほしいが、僕はこの意見をそもそも正しいと思って書いてない。話半分で読んでくれ。
「当たり前じゃない」なんてことは加藤浩次さんに言われるまでもなく分かっている。しかし、それは各々が日々感謝すべきことで、わざわざ着飾って集まってすべきことではない。じゃあ首の周りにもこもこを付けたりして祝う理由と、そもそも式典で騒ぐような人間の何を祝う必要があるのか教えてくれ。
ここからは式典全般の話になるが、入学式や卒業式も同様で、無くなれば良いと思っている。集められてその日のために覚えさせられた歌をなぜか歌う。
僕は人生で入学式・卒業式で心が動いたことは一度もない。この世には意味のないものはあまりないが、「卒業式の練習」ほど無意味なものはない。意味のない事の完成度を上げる作業だからだ。
他にも、結婚式も廃止していいと思っている。ちなみに、葬式は必要だ。あれがないと悲しみに区切りがつかない。
何でもかんでもそんな事ばかり言ってもいられないので、これからはマイルールを設けようかと思っている。
ルールは『始まってから100年以上経っているものは参加する』である。100年も続くものには基本的に何かしらの意味がある、或いは続けてきたことで意味が宿っているはずだ。
初詣、節分、お盆などがそうだ。節分とかマジで意味不明だけど起源を遡れば平安時代までと言われているので“なんかある”んだろう。
結婚式は昔からあるだろうと思われるかもしれないが、今一般的に執り行われている披露宴スタイルが日本で確立されたのは近代に入ってからで、100年は経っていない。
さあ、この思いつきで立ち上げた『100年ルール』だが、同志がいれば手を挙げてほしい。無視するので。
~2月の可否~
可→意味が宿っている伝統
否→惰性で続いている式典
今月のコーヒー【そこにある珈琲(盛岡)】
盛岡でのライブ前に寄った珈琲店。

読み通り素敵なお店だった。浅煎りから深煎りまで幅広く。

今年も色々なところの珈琲を飲もう。
PROFILE

ヤーレンズ・出井隼之介
ケイダッシュステージ所属
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文:ヤーレンズ・出井隼之介
編集:堀越 愛
写真&サムネイル:ヘンミモリ


