『VIP ROOM HARUHIKO』は、春とヒコーキがバーのVIP ROOM で本音を語るような、そんな場所。

‟語りつくされた、でも正解はなく、各々で考え方が異なる”普遍的なテーマについて、ぐんぴぃと土岡がそれぞれの視点で綴ります。
今月のテーマは、「副業をするなら?」。
★春とヒコーキが読者のお悩みに答える連載「VIP ROOM HARUHIKO ~秘め問い~」はコチラから
theme.副業をするなら?
ver.ぐんぴぃ

昔、NON STYLEの井上さんが「副業はやりたくない。お笑いで稼いだお金で家族を養いたい」と涙ながらに熱く語っている番組を見たことがあります。まったくもってその通りだと思い「副業にだけは手を出さない」と決めて芸歴をスタートしました。
しかし今年の4月で10年目になって、悟りました。俺やっちゃうかもです、副業。バキ童オンリーなんて大副業ですし。もともと古本屋の店長をやっていたこともあり、商売っぽいことに抵抗がありません。
さて。もし副業をやるとなったら、を挙げさせてもらいます。
・カレー屋
スパイスカレーが好きなんです。スパイスカレーを作る男性は地雷だ、と言う風潮がありますけど。しょうがないんです。スパイスカレーは“料理すぎる”んですよ。料理はしばしば錬金術に例えられますが。クミンやらシナモンやらパイナップルやら、一見合わなそうな食材が皿の上で混ざりあって美味しくなる。料理としての手応えが分かりやす過ぎます。
スパイスは消費期限がべらぼうに長いのでロスが少ない、なんてメリットもありますわね。芸人の皆さんがやっているカリガリマキオカリー、本当に美味しいと思います。
・レンタルぶさいく
全てを失ったら、レンタルぶさいくをやって糊口を凌ぐつもりです。
村上龍さんが『13歳のハローワーク』で最後の職業は作家である(どんな人でもできるから)と自虐的に語っていましたが、真に最後の職業はレンタルぶさいくだと思っています。見劣りする面構えがあればいいのですから。
ただ僕は陰気で、あまり初対面の人と盛り上がることができないので。そんなに向いてはいないかもしれません。篠原さんは実はすごい。現代のお座敷芸です。
・コスプレイヤー
副業になるかはさておき、コスプレやってみたいです。
今考えているのは『ハンターハンター』のモラウです。黒い金属バットに植木鉢をくっつけて、巨大パイプは作りました。あまりにも重すぎて担げないところで心が折れています。
また欲しいバックパックがあり、いざお店で担がせてもらったらトルネコにしか見えなかったので、トルネコもやってみたいです。あんなおじさんになりたい。
・グミ作家
俺なりのグミ、作れます。
・屁負比丘尼(へおいびくに)の現代版
江戸時代、身分の高い女性が屁をしたら、代わりに「私がこきました」と名乗り出る尼僧。
屁がかなり得意なので、俺、やれますけどね。どの音程も出せるんですよ。絶対音感肛門。
・猟師
合法的に猟銃を撃ちたい。『アイアムアヒーロー』に憧れているので。本当は街中で撃ちたい人の発想。
・バスガイド
旅と情報を言うのが好きなので。窓から見える情報を全部言います。
運転免許は持っておりませんので。もしバスツアーをやるなら、僕はバスガイドをやります。そういえばバコバコバスツアーのVR版のリリースを見た時、「とうとう出たね」と声に出してしまいました。
・小説家
大変難しいでしょうが、文章を書くのは好きですので。芸人で小説を書く人、かなり増えましたよね。
その昔、全裸でネタをやるイリーガルな芸人と共演しました。同じネタを2回、服を着た状態と全裸バージョンで演じて、なぜか全裸の方が笑いの量が少ない稀有な男でした。客席に向かって両手でお尻をかっ開き「アナルキ⚪︎ガイ拳」と叫んでいました。
最近そんな彼が自費出版で小説を発表しました。気になって読んだ知人に感想を聞いたら「そんなことより誤字脱字が多すぎて読めない」だったので、それよりはマシなものを書けるだろうと信じています。
ver.土岡

副業をするなら、美術館の管理人をやってみたい。管理人なのかオーナーなのか分からないけど、美術館にずっといる立場の仕事。
美術が好きだから、ではない。美術のことは全然知らない。知識もないし、作品をどう見て、何を感じることが美術鑑賞なのか分かってない。だから、美術館に来るお客さんが何をどう見ているのかを観察したい。
自分から美術館に行ったことは何度かある。たしなみとして何か芸術を体に入れたくて。それで綺麗な絵を見て「さすがにすごい!」と感じる時間はあるけど、それでも大半の時間はどういう気持ちで館内を歩けばいいのか分からない。美術館に行くっていうのはどれがしっくり来る楽しみ方なんだ。一人の画家に絞った展示だったら、どういう家庭で育った、この年代は作風がこうなっていた、などの解説が書いてある。でも、それを読むのがなんだか異常に体力を削られる。絵を楽しむのに役立つ情報を自分がちゃんと受け取れている気がしなくて、迷いながら読んじゃうから。そして、たくさんある展示の一個一個をじっくり見ようと思って順路を回っていくと、後半は疲れてるし集中力も落ちて、じっくり見る元気がなくなっている。美術鑑賞を満喫できている人って、どういう風に見てるんだ。それを見るために、副業で美術館をやる。
美術館に来るお客さんは、どんな様子なのか。コンセプトのある〇〇展みたいな展示なら、最初に文章がでかでかと出る。プーさんのハニーハントくらい文字の壁。そこをみんな見るけど、来たからにはまっさきに作品を見るぜ、背景抜きで作品そのものに触れたときの自分の心を味わうんだ、という人もいるかも知れない。芸術って、作品を見るんじゃなく、作品を見たときの自分の心を観察するのか?
みんな、どれをどのくらいじっと見るんだろう。展示の目玉作品はみんな立ち止まるだろうけど、全部を均等に見る人もいるのかな。大学生のときに「モネ展」に行ってみた。モネの描いた油絵がたくさんあり、自分なりにこれは迫力があるなと思った絵を立ち止まってじーっと見てみた。隣のおばちゃんもその絵にじーっと見入って「すっごい……」と言った。やっぱりこの絵はみんなすごいと感じるのか、と思ったら「すっごい……油」と言って次に進んでいった。油絵から油を感じ取るのは、おつ過ぎる。
出口の直前にはギフトショップがある。ぼくは美術館に行って最後、みんながここで商品を物色していることに安心する。みんな、今見た絵の感動だけ持ち帰るのではなく、何か物的証拠も欲しいかな、って思うんだ。たった今本物の絵を見て、それがプリントされたグッズに変換できる俗っぽさは持っていることに、自分とそう違うわけじゃないのかもとホッとする。
雰囲気ぶち壊しだけど、出口の外でみんなにインタビューしてもいいかも知れない。次に活かす満足度調査ではなく、興味本位の感想集め。「あの絵で立ち止まったとき、何を思ったんですか?」「解説文にある作家の生い立ちって、絵を見る上でどうスパイスにしました?」「今日このあと何するんですか?え、自分でエアコン分解して掃除するんですか?どう切り替えるんですか?」と、みんなが何をどう受け取ったのか聞けたら、芸術を見る楽しみ方がもっと分かるかも。
PROFILE

タイタン 所属
左:ぐんぴぃ
右:土岡 哲朗
★公式プロフィール:https://www.titan-net.co.jp/talent/haruhiko/
★公式YouTube:春とヒコーキ / バキ童チャンネル【ぐんぴぃ】
INFORMATION

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