2022.06.25

集合写真【シアターフニャオ〜ダンビラムーチョ原田の日常〜 vol.1】

今月から始まりました、シアターフニャオ。

先輩のラジオで僕が映画紹介をするのを聞いてくれたスタッフさんが、コラムを依頼してくれました。今月から、毎月その月のテーマで、僕の日常を交えつつ映画を紹介していきます。

シアターフニャオは、飲食物の持ち込み・喫煙・おしゃべり、全てオッケーです。前の座席を蹴るのは、どこでも迷惑なのでやめましょう。

「集合写真」

半年ほど前から一人暮らしを始め、集合写真を撮る機会がグッと減った。

その前まではずっと芸人とルームシェアをしていて、多い時は一戸建ての家に5人というかなりの大所帯、剣道の団体戦が出来ちゃうくらいだ。ルームシェアをしている時は、たくさん集合写真を撮った。誕生日会や、クリスマスパーティー、節分パーティーや、テラスハウス大好きパーティー（テラスハウスが好きな芸人が集まり、住むなら誰か？とかを話し合う会）など色々なパーティーをやったからだ。

今月のテーマは「集合写真」。
集合写真を見ると様々な事を思い出す。

この写真を撮ったのは、数年前の誕生日会。同じ誕生日の同期・グリフォン國松との合同誕生日会だ。この時、僕はななまがり初瀬さん・キンボシ有宗・ゲラゲラ星人さんと住んでいた。

ゲラゲラ星人さんは、何でも笑ってしまう宇宙人でゲラゲラ星からやってきて、今は宮古島に住んで活動しており、バイトをしながら、、、めちゃくちゃにややこしくめんどくさいので割愛しよう。

この誕生日会には、ゲストで男性ブランコ浦井、オズワルド、ネイチャーバーガー笹本が来てくれた。

オズワルド伊藤が「ケーキを切る時はこうやって包丁を火で炙ってから切るとキレイに切れるんですよ」とケーキを切った時に「ジュ〜」と完全に焦げたり、ゲラゲラ星人さんがその時練習してたウクレレを弾きながら歌ってくれたバースデーソングが、緊張で声が全く出てなかったなど色々あったものの、とても楽しい誕生日会だった。

ただ、めちゃくちゃ申し訳なかった事があった。

やはり誕生日会だと、必然的ににプレゼントを渡す流れになってしまう。嬉し恥ずかし申し訳ない気持ちだ。この日、僕は好きな巨人のスリッパや、スマホリング、ビールサーバーなど実用性があるプレゼントをたくさん頂いた。

そして最後に、男性ブランコ浦井の番がきた。「はい、これ」と渡してくれたものは、何だか見た事ないシールだった。良く見ると「消える！？大きめのタトゥーも目立たない！」と書いてある、『ハダミ』という聞いた事のない肌色のタトゥー消しシールだった。

僕は言えなかった。
「いやタトゥー入ってねぇよ！」というツッコミが。

なぜなら、、、なぜなら何かめっちゃスベってたからだ。スベりに巻き込まれたくなかった。周りの人の「え、、？う、浦井？」という空気。わざわざ家に来て祝ってくれ、プレゼントまでくれて何も言わないのは非情なのはわかる。

ただ何かめっちゃスベってた。

そして浦井は、こんな顔になってしまった。浦井の顔に『ハダミ』を貼り隠してあげたいくらいだ。

せっかく祝ってプレゼントも用意してくれたのに、こんな顔にさせてごめんと謝りたい。今でもこの写真を見るとあの空気を思い出す。何かめっちゃスベってた空気を。

Funyao`s recommendation

今回のテーマは、「集合写真」。
紹介するのは『浅田家！』という映画だ。

家族がなりたかったものを様々なシチュエーションで撮影するという、ユニークな集合写真を撮り続けた写真家・浅田政志さんの実話をもとにした映画だ。

監督は、『湯を沸かすほどの熱い愛』の中野量太さん。

『湯を沸かすほどの熱い愛』は映画館で4回観させて頂き、合計したらヤクルト1000くらいの量泣いたと思う。そんな中野監督の映画『浅田家！』も、様々な人の家族を愛する気持ちがいっぱいに溢れてて、すごく泣ける。

僕のこの映画の好きなところは、実家感がとてもリアルなところだ。でっかい皿で大量の焼きそばを家族それぞれ小皿に持ってきて食べるシーンや、なぜかリビングに置いてある大きなスピーカー。主人公が苦労して出版した家族写真集を本屋で買い占めるお母さん。

そのシーンを観て、実際に僕のお母さんが、昔兄貴がやっていたバンドのCDを大量に買ってた事を思い出した。兄貴も含め家族でTSUTAYAに行った時に、お母さんがコソッとCDを大量にレジで持って行くと、店員さんに「このバンドの人、今日お店に来てるんですよ」とファンだと勘違いされ、凄く照れくさそうにしていた。
そんな事を何だか思い出した。

この映画、色々な感情になるとても素敵な映画なので、是非観てみてください。

『浅田家！』
・Amazon Prime Video
・YouTube

文：原田フニャオ（ダンビラムーチョ）
編集：堀越愛、サムネイルデザイン：つるみ32