夏【シアターフニャオ 〜ダンビラムーチョ原田の日常〜 vol.2】

実は“映画通”の芸人、ダンビラムーチョ・原田フニャオさん。
映画の面白さに気付いた中学時代から、たくさんの作品を観てきました。『シアターフニャオ 〜ダンビラムーチョ原田の日常〜』は、フニャオさんの日常&おすすめ映画を紹介するコラム。(月1回更新)
夏真っ盛りの7月。第2回となる今回は、どんなお話を聞かせてくれるのでしょうか?

★関連記事:【ダンビラムーチョ・原田フニャオ インタビュー】新連載!映画コラム『シアターフニャオ』スタート

6月30日、東京都心は最高気温36.4℃を記録。今までの6月の最高気温をぬりかえた。

このままだと夏どうなっちゃんだ!? 
えらいことになって、世紀末をむかえてしまうんじゃないか!?

なんてことを思ってたけど、なんだかんだフツ〜に過ごせてる7月の今日この頃、、、っていうか毎年そんなこと思ってるような。

さぁ、夏がやってきた。

夏といえば海!BBQ!!クーラーの温度設定悩み!そして、、高校野球

僕自身ずっと野球をやっており、9年前からコンビで弱小野球部あるあるをYouTubeに投稿したりしてる。

そのYouTubeの動画を観てくれた母校の現役キャプテンからDMが届き喜んでいたら、

「いつも見てます。ただ、僕らのユニフォームを着てると他からなめられるのでやめて下さい」

とクレームだったときは、本当に申し訳ない気持ちでいっぱいだった。

「夏」

高校野球をやっていたときのこと。

打たれすぎて苦しんでる原田

僕らの高校は、文化祭と野球の夏大会の時期がかぶる。

なので、野球部は文化祭に参加出来ない。

高校最後の大会、3年間の集大成を全てぶつけなければいけない野球部に、文化祭を楽しんでる時間なんてあるわけない。

なので、ペンキでかわいく落書きされたツナギを着て、男女で楽しくキラキラと文化祭の準備をしている生徒を横目に、野球部はグラウンドに向かうのだ。

「何が文化祭だよ、しょうもない。俺らは汗水たらして全てをぶつけよう」と逆に闘志を燃やし、チームで結束していた。

ただ、ホントは、、ホントは、、

羨ましすぎる、、

参加したい、、楽しそう、、

髪を派手な色に染め、ファイヤーストームの周りを、水浸しになりながら男女でフォークダンスを踊る。

それで良い感じになり、初めての彼女を作る。

……みたいなの羨ましい、、

青春やん、青春ど真ん中やん、、青春ど真ん中キラキラワールドやん、、良いなぁ、、

と野球部全員が思っていた。

一個上の先輩で、掟を破ってこっそりと文化祭に参加していた先輩のスーザンさんという方がいた。

ただスーザンさんは、フォークダンスで女子と手をつなぎデレデレしながら踊ってる姿を見られ「裏切り者」というレッテルを貼られ、信頼を失うという事件があった。

なので文化祭に参加することなんて出来ない。参加したらスーザンさんみたいになってしまう。

グッと堪えて野球に集中し、最後の夏の大会に全てを出し切った。

でも今考えたら、全然参加してもよかったかも。

だって最後の大会、ずっとエースだったけど色々考えすぎて投げ方がわかんなくなって、どう投げてもストライクが入らなくなって、結局エースを奪われるという未来が待ってたんだぜ?

好きな子に「野球部ってなんか苦手なんだよね、、」って部活全体を悪く言われる未来が待ってたんだぜ?

引退した後頑張って勉強したけど、志望大学5校全部落ちるという未来が待ってたんだぜ?

それだったら、そのとき楽しそうだと思ったことを我慢せずにやった方が良かったんじゃないかな?

そんな風に思う。

でも、、、

最後負けた後のラストミーティングでチーム全員で泣きながら「一緒のチームで野球が出来て良かった」と言い合った時間は人生の宝物で、文化祭に参加していたらちょっと違った風になっていたかもしれない。

負けても勝っても青春。

文化祭に参加してもしなくても青春。

うまくいってもいかなくてもその時間全てが青春。

そんな青春を思い出す曲です、聞いて下さい「なみだのあとに」。

と僕らのデビューシングルの宣伝をはさみつつ、映画紹介。

Funyao`s recommendation

今回紹介する映画は『アルプススタンドのはしの方』という映画だ。

その名の通り、アルプススタンドのはしの観客席で自分の高校の試合を見ている、冴えない4人が繰り広げる青春映画。この映画の素敵ポイントは、登場人物に野球を全く知らない人がいて、実際に野球を知らない人が映画を見ても楽しめるようになってるところだ。

くどくない丁寧な説明で、野球のルールも分かるようにしつつ物語が進んでいく。

一回もグラウンドが映らないのに野球の臨場感や展開を感じられるところもすごい。

登場人物の演技でなにが起きているかわかり、手に汗握る雰囲気も味わえる。

この映画を観ると「まぁしょうがない」と当たり前のように諦めていたことも「まだいける!」と勇気をもらえる。失敗することを恐れてしまっている人に刺さる作品だと思う。

最後のシーンもとても気持ちが良いので、是非見てほしい。

皆さんはどんな夏を過ごしてますか?

この映画をみてキラキラした夏を過ごしてほしいものです。


『アルプススタンドのはしの方』
Netflix
prime video
hulu
YouTube
dTV

文:原田フニャオ(ダンビラムーチョ)
編集:堀越 愛、サムネイルデザイン:つるみ32

PROFILE

原田フニャオ(ダンビラムーチョ)

・出身地:長野県諏訪市
・趣味:映画、代々木八幡猫探し、酔っ払う
・特技:けん玉

★Twitter:@danviraHARADA
★Instagram:yoshihiro0519

★公式プロフィール:https://profile.yoshimoto.co.jp/talent/detail?id=4459
★公式YouTube:ダンビラムーチョ