とことん良い人・頑張るかつやま【シアターフニャオ 〜ダンビラムーチョ原田の日常〜 vol.4】

実は“映画通”の芸人、ダンビラムーチョ・原田フニャオさん。
映画の面白さに気付いた中学時代から、たくさんの作品を観てきました。『シアターフニャオ 〜ダンビラムーチョ原田の日常〜』は、フニャオさんの日常＆おすすめ映画を紹介するコラム。（月1回更新）
9月頭『キングオブコント』決勝進出者が発表されました。ダンビラムーチョは惜しくも準決勝敗退でしたが、これまでにない手ごたえを感じることができた様子。奮闘の裏には、とある後輩芸人の存在がありました。

★関連記事：これまでのコラムやフニャオさんインタビューはこちらから

9月頭、キングオブコントのファイナリストが発表された。

我々ダンビラムーチョは準決勝で負けてしまいオーマイガーだったが、今までで一番最高のコントで戦えた気がする。

さて、キングオブコントはネタで音を出すとき、誰かにオペレーターをやってもらって音出しをしてもらうのは知ってるけ？

おっと、山梨にいるので方言が出てしまった。

オペレーターは、賞レース独特のピリついた空気の中CDや iPhoneを使って音を出すので、めちゃくちゃ緊張する。僕も数年前、マイチェルシーさんという現シンレンサイの三戸さん、ウキウキゆうきっ！さん、立石さんの3人のトリオのオペレーターをやったことがある。

刑事の殉職がテーマで、銃声の音を使うコントだったが、緊張のあまり全く関係ないところで銃声を鳴らしてしまい、焦った三戸さんが「ゔわぁ〜」と倒れ出し、三戸さんの命を奪ってしまったことがある。

なので、オペレーターがいかに緊張するかは知っている。

そんな中、今回２日間完璧に僕らのオペレーターを務め上げてくれた「頑張るかつやま」という後輩を紹介したい。

「良い人」

いきなりだが、これを読んでてかつやまのことを知らない人に、今から「えっ！？嘘でしょ！？」と言わせたいと思う。

かつやまというのは本名なのだが、実は下の名前で、名字は「すぎもと」なのだ。

・

・

・

ほら、世界中から「えっ！？嘘」という言葉が聞こえてくるね。

そんな稀有な名前の「すぎもとかつやま」は、ちょっと天然でもある。昔、先輩の家に遊びに行ったとき、かつやまの先輩でもあるトニーフランクと3人で喋っていた。

かつやまは、その先輩が飼っている犬に向かって「こっちおいで！トニー！トニー！」と犬と先輩を間違えたことがあるらしい。

そんな天然由来成分100%のかつやまだが、キングオブコントのときの全力サポートは本当にすごかった。

練習のとき、毎回笑ってくれたり、家でモニターに僕らのネタを流して、音を出す自主練をしてくれたり、かつやまの家に練習をしに行ったら、こんな応援メッセージ、、

からのケータリングまで用意してくれていた。

さらには、前日リハーサルのときに、音を出すタイミングを間違えまくり、ずっと緊張でピリついていたスタッフさんを笑わせ、和やかな空気にしてくれた。

ついには、ネコが出てくるネタをする前日、こんなLINEを送ってきた。

ちょっと流石に無理やりすぎるんじゃないかと思ったが、応援してくれてる気持ちは伝わる。

そして本番の日、楽屋に入りみんな緊張しながら着替えてると、かつやまも急にズボンを脱ぎ出し「あっオレは着替えなくて良いんだ、、」と、楽屋にいた芸人の緊張も解いていた。

とことんだぜかつやま。

そんな「良いやつ」かつやまのおかげで、２日間、精一杯戦えました。ありがとう！かつやま！！

2日間終わり、飲みに行ったときかつやまが本当に申し訳なさそうに言ってきた。

「ホント原田さんすみません、、送ったネコの写真、あれ良く見たらネコじゃなくて、、ハクビシンでした」

なんだこいつ！

Funyao`s recommendation

さて、今回のテーマは「良い人」。
僕は、基本的に良い人しか出てこないピースフル映画がすごい好きだ。
中でも、優しくて見ていてニヤニヤしてしまう映画を今日は紹介したいと思う。

「南極料理人」という映画。

これは、沖田修一監督が2009年に撮った映画だ。今上映中の「さかなのこ」というさかなクンさんの半生を描いた映画を撮ったのも、沖田監督。

南極観測隊員の料理人として南極に派遣された、堺雅人演じる西村が、氷と雪に閉ざされた環境の中で、家族や恋人から離れて究極の単身赴任に奮闘する個性溢れる隊員8人を、美味しい食事で温めていく話。

この映画は、出てくる料理がもう美味しそうで美味しそうで堪らない「ハラペコ系ムービー」なので、ダイエット中の方はなるべく深夜に見ない方が良いかも。

むさ苦しい男8人の「おじかわいい」感じも、なんだか笑ってしまう。アホで愉快なおじさん達がご飯をかっ食らう気持ちよさは、見ていてなんだか元気になる。

そんなハートフル映画「南極料理人」は、仕事や私生活で疲れた人にふんわりとした癒しをくれると思うので、是非見てみてください。

疲れが溜まって「嫌な人」になりかけている人も、これを見たら「良い人」になれるかも。

---

『南極料理人』
・Netflix
・Amazon prime video
・YouTube
・Hulu
・Google Playムービー
・Apple TV
・TELASA

文：原田フニャオ（ダンビラムーチョ）
編集：堀越 愛、サムネイルデザイン：つるみ32

PROFILE

原田フニャオ（ダンビラムーチョ）

・出身地：長野県諏訪市
・趣味：映画、代々木八幡猫探し、酔っ払う
・特技：けん玉

★Twitter：@danviraHARADA
★Instagram：yoshihiro0519
★公式プロフィール：https://profile.yoshimoto.co.jp/talent/detail?id=4459
★公式YouTube：ダンビラムーチョ