ダウ90000寄席『寄席0000』アーカイブチケットはこちらから
1月28日(日)に座・高円寺2にてダウ90000寄席『寄席0000(よせまん)』が行われた。これは、ダウ90000が今一番呼びたい芸人を呼んでネタをするライブ。総勢9組のネタが堪能できる内容となっている。
香盤表
オープニング
レインマンズ
破壊ありがとう
人間横丁
坊屋
ストレッチーズ
ひつじねいり
風穴あけるズ
ミキ
ダウ90000
エンディング
『ミキさんは出られますか…?』
軽快な音楽とともに始まったオープニング。MCを務めるダウ90000蓮見(写真右端)が早速とある騒動の渦中にあるミキの名前を出し「なんでミキさんは出れてるの?」と問いかけ会場の笑いを誘う。この騒動で𠮷原(写真右から3番目)が蓮見に「ミキさんは『寄席0000』出れるんですか?」とLINEを送ったというエピソードが語られメンバー全員で出られて良かったと安堵した。
今回出演するメンバーはダウ90000が呼びたいメンバーと言いつつ、どちらかというと蓮見の要望が強かったそうなのだが、風穴あけるズに関しては吉原のチョイスと言っても過言ではないとのこと。しかも風穴あけるズは丁度ライブのあった1月28日が大阪から上京し東京で活動を始める最初の日だったようで、素敵な偶然に自然とネタへの期待も高まる。
続いて先日結婚したミキ亜生の話題が飛び出し祝福ムードが広がると思いきや、蓮見からの「逆園田状態」(最近園田が彼女と別れたことを受けて)という一言で園田の悲しい出来事が浮き彫りに。会場から拍手が送られるも、「なにもめでたくはない!!!」と園田の悲痛な叫びが会場にこだました。今後ミキとの舞台上での共演があるかを心配しつつ、ライブがスタート!
レインマンズ
1組目はレインマンズ。赤瀬が動物園が大好きだから動物園を再現してほしいと堀越に頼むところから始まった漫才。
動物園をやることに戸惑いつつも要望に応えようと奮闘する堀越の頑張りと、様子のおかしい赤瀬との攻防は見どころのひとつだ。もちろん、動物園を再現するだけでは終わらない。漫才が進むにつれて様々な出来事が巻き起こり翻弄されていくふたりの姿に引き込まれること間違いなし!
破壊ありがとう
2組目の破壊ありがとうは早稲田大学お笑い工房LUDO出身の男女混合トリオ。ダウ90000も今回初めて会うというニュースターだ。合コンに来た女性をそれぞれ演じるのだが、息のあった動きや男性側の受け答えによって生じる心情の移り変わりをテンポよく3人が演じ、分かる!と思わず声に出して同意してしまうほど目の前の世界にのめり込める。
それぞれ気になるところや好みのポイントが異なるため、3人一緒に見て、次は右の人、その次は真ん中と注目する人を変え何度も見たくなってしまうコントだ。早いスピードで展開しつつもすんなりとストーリーを飲み込める破壊ありがとうワールドに是非浸ってほしい。
人間横丁
3組目はふんわりとした情報と朗らかな笑顔から始まった人間横丁。冒頭の有名なゲームのお話で、新しい真空ジェシカのようになってしまった瞬間に会場から笑いが起こる。
ねぇ、と山田に話しかけた内田は突然「飛んでる飛行機を触りたい」と言い出す。戸惑いつつも話を聞く山田に対し楽しそうに話す内田だったのだが、ここでまさかのハプニングが発生。それにより一瞬だが山田の意識がそちらに向いてしまいネタがストップ。ごめんなさいと謝る山田と、そんな山田をフォローする内田なのだがそれすらまるでネタの一部なのではないかと思うくらい人間横丁らしいふわりと可愛らしいフォローですんなりネタが再開。
ネタはもちろん、ハプニングに対する対応の仕方にも彼ららしさがにじみ出ているためそちらも是非配信で見てほしい。
坊屋
4組目の坊屋はフリー1年目のピン芸人でダウ90000も今回初めて一緒に出るという。「歌詞の50音確認バイト」をしている坊屋は、50音が書かれたホワイトボードを使って一体何をするのだろうか。
他のメンバーももちろんそうなのだが、坊屋は特に映像で見てほしい。戸惑いと油断、そして不意を突かれた瞬間など人間味が堪能できるコントと歌詞は必見&必聴だ。
ストレッチーズ
5組目は開口一番、会場のお客さんに前の出番だった坊屋が一体何をしていたのかを問いかけたストレッチーズ。舞台袖にはいたようなのだが彼らがいた場所の角度だとなにをしていたのかが見えず、唯一見えたのは坊屋の顔のみ。
オリジナルの曲でなにかを動かして拍手笑いをとった坊屋に頭を悩ませ、ああでもないこうでもないと考察するストレッチーズがまた面白い。ネタだけでなく、前の出番の人を絡めて会場のお客さんも巻き込み場を作るアドリブ力の高さも注目どころだ。
ひつじねいり
6組目は、松村の元気な挨拶から始まったひつじねいり。
折角東京に上京したにも関わらず、明日なぜか大阪に帰るという風穴あけるズをいじりつつ、ネタがスタート。サブスクが辞められないという内容なのだが、共感する人も多いだろう。双方の主張と葛藤、そして松村扮するサブちゃんなるものを是非堪能してほしい。
風穴あけるズ
7組目は、上京初日且つダウ90000吉原から出演を希望された風穴あけるズ。開口一番「東京サイコー!」と始まり、戸惑うふたりをよそに様々なキャラを繰り出すコブラ。本格的な活動開始は2月1日だそうで、そこに向けてお客さんの反応を探りながら試しているとのこと。
また、前の出番だったひつじねいりが名前を出していじってくれた場面で「あまりウケなかった」、「興味がないやろ俺らに」と憤るコブラ、窘める安藤、拍手を送るノブヨシという三者三様の反応が面白い。3人の織り成す漫才とコブラの咆哮は必聴である。
ミキ
8組目は、ミキが登場。「今話題の吉本興業所属」という自己紹介から始まった彼らに会場からたくさんの拍手が送られた。
「なんとか開国してね」と、X(旧twitter)のトレンドいじりを入れた亜生に対し、昴生が言っていたのはそちらではなくもう一つの騒動についてだったようで兄弟間のすれ違いと攻防が繰り広げられた。
「大事件が2個あったから!変なタイミングで結婚してもうた!」とぽろぽろと際限なく口に出してしまう亜生に苦笑しながらツッコむ昴生のやり取りはさながら漫才のようにテンポが良く、また面白い。ネタ前の掴み、兄弟さながらの息の合ったやり取り、そしてネタ後半に出てくるまるでNGK(なんばグランド花月)のようなやり取りも是非見てほしい。
ダウ90000
トリを飾るのはダウ90000。サークル内で秘かに付き合っているカップルの別れ話から始まったこちらのコント。物語が進むにつれ二転三転と変わっていく様は見応え抜群で、笑いながらも心に刺さる内容が繰り広げられる。まるで世界の縮図を見ているような気分になれるダウ90000ワールドを心ゆくまで堪能してほしい。
『「誰かのせいですごく押している」、犯人は一体だれ?』
出演者全員揃ってのエンディング。「誰かのせいですごく押している」と切り出した蓮見に対し、「坊屋ちゃうか」と一歩前に躍り出た昴生。
そしてストレッチーズも思わず会場のお客さんに話しかけたくらい謎めいている坊屋のネタに対し「楽屋でお前がやってること誰も分からんかったで!君は誰や!!」と触れ、最終的には「ほとんど亜生やんけ!」と言い放ち会場は大爆笑。そこに人間横丁の山田も入りそっくりさんの横並びが完成した。
続いて若手組の紹介へ。
破壊ありがとうは今回呼ばれたメンバー全員と初めましてだったようで舞台上で挨拶を交わす。蓮見曰く、ダウ90000を見出してくれた舞台のプロデューサーが新たに見出した芸人らしく「あんま好きじゃなくて」と言い放っていた。
次に紹介されたのは坊屋。
たった1回しか見たことがないが、とある理由により面白いに違いないと思って蓮見が呼んだそうだ。たくさんのお客さんに見られ慣れてないので緊張したと語る坊屋だが、ネタでは拍手笑いをしっかり獲得していた。
どんなネタをやったのか気になっているとストレッチーズから言われ、ネタを見ていたミキ昴生から掻い摘んだ説明が入るも謎は深まるばかり。その後ひつじねいり松村のキス待ち顔で時間がきてしまい結局謎は解消されなかった。
最後の最後で大問題発生?!
風穴あけるズが2月25日(日)にシアターマーキュリー新宿にて上京記念ライブ『風穴きたるズ』を開催することを告知し最後の挨拶へ。
いよいよライブも終わりということで、蓮見からミキへご挨拶。「二度と劇場では会えないかもしれない」と冗談交じりで告げるなか、ミキの亜生からとんでもない行動と発言が飛び出し会場中が大慌て。
あまりのことに配信を止めさせようと実力行使に出る昴生を慌てて止め、兄弟間でもうひと悶着あったあと蓮見が半ば断ち切る形で終わりの挨拶を行いライブは終了。最初から最後まで笑いとハプニングの絶えない充実した本ライブは是非とも配信アーカイブでご覧になっていただきたい!
文:横山みのり 編集:フクダ