ヤーレンズ・出井隼之介さんが物事の良し悪しを綴る連載『可否伝』。出井さんセレクトの「今月のコーヒー」情報とともに、心が揺れた“良し悪し”を語ります。
1月の可否
藤原紀香さんの作るお雑煮は白味噌。どうも、ヤーレンズ出井です。
今年はお餅を全然食べずに正月が過ぎてしまった。僕は正月の余力で春先までお餅を楽しむタイプなので、餅の良いスタートダッシュを切れなかったことは大変悔やまれる。
そういえば、お餅のことを英語でRICE CAKE(ライスケーキ)と言っているあたり、やはり英語圏の方々はお餅という食品の解像度が我々とは違うんだなと思わされる。
我々は餅といえばすぐに餅つきというハードワークが思い浮かぶので、とてもではないがCAKEなんていう表現にはならない。(ケーキ屋さんが重労働であるということはさておきだ)
感覚的にはHARD RISEもしくはPOWER RICEである。
そういえばパワーサラダというものをよく見かける。炭水化物抜きで出るパワーなどたかが知れていると思うがあれは一体なんなんだ。餅食え餅。
「モチモチしている」という表現も疑問で、おそらく餅からきているんだと思うが、餅そのものを擬音として使っているとしたらいかがなものか。
プリプリした食感のものを「エビエビ」と言っている、あるいはツルツルしているものを「ハゲハゲ」と言っているようなものではないのか。モチモチについては今後研究する必要がある。
完全に余談だが、PRIDEなどで活躍した格闘家ジョシュ・バーネットはビシッとしまった体型ではなく、少し緩んだぽちゃりとした体型だった。
その体型が寝技の攻防の際に有利に作用することを、解説席で髙田延彦さんが「ジョシュのお腹はつきたての餅!」とよく言っていた。
餅の話が伸びてしまった(Mochi dakeni!!!)が、M-1グランプリで準優勝させていただいた。
コラム仲間のダンビラムーチョも一緒に大会に出られて嬉しかった。が、それはさておき切り替えて、当面の我々の目標は『ビートたけし杯』である。
昨年も決勝に出させていただいたのだが、惜しくも優勝できなかった。
出番を終えて浅草東洋館を出ると黒山の人だかり。よく見ると東洋館の入り口に真っ白なロールスロイスがビタ付けしてあり、ドアをゾマホンさんが開けて待っている。一目で分かる「たけしの車」に乗り込んで颯爽と帰っていく殿は格好良かった。
そんなビートたけし師匠には総評では褒めていただけたので、今年こそは優勝と燃えている。
褒められるのはいくつになっても嬉しい。M-1以降各所で色々と褒めていただけるので気分が良い。もっと世の中を褒めで溢れさせたい。
例えば鉄道が人身事故で止まってしまったニュースなどでも、「〇〇線は10分の遅れです」の後に「10分くらいの遅れで済むなんて、〇〇線は凄いです!」の様な褒めも入れてはどうだろうか?
スポーツニュースでも「今日の大谷選手は5打数ノーヒットでした」「とはいえ、稀代のスーパープレーヤーであることに疑いの余地はありません!」と添えるなど。褒めでもっと埋め尽くしたい。褒めようニッポン。
~1月の可否~
可→ 褒めること
否→ 餅を取り巻く様々な事象
今月のコーヒー【COFFEE BAR GALLAGE】
COFFEE BAR GALLAGEのGESHA VILLAGE No.2
名門農園品評会2位の豆!M-1の2位にちなんで淹れてくれた。来年は1位をグビグビ飲みたい。
PROFILE
ヤーレンズ・出井隼之介
ケイダッシュステージ所属
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文:ヤーレンズ・出井隼之介
構成:堀越 愛
写真&サムネイル:ヘンミモリ