『脇田 in WONDERLAND』~第10話~ 怪奇現象(作:シシガシラ 浜中 英昌)

シシガシラ・浜中英昌さんによる連載『脇田 in WONDERLAND』。この話、どこからどこまでが現実で、どこからどこまでが虚構?

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呪いのDVD

ある日を境に怪奇現象が起きるようになった脇田さんの家。

毎日夜中の2時になると電源も入っていないDVDプレーヤーが急にウィーン、ガシャと音をあげ、DVDを入れる場所(人間の口で言うところのベロ)が出てくるらしい。

今までそんなこと一切なかったのにここ最近毎日。

これは一体なんなのか……

ある日、いつも通り朝起きてDVDプレーヤーを見るとまたベロを出していた。
もう!と小さく言い、ベロをしまい劇場に向かった。漫才をして、この日は何の予定もなく劇場を後にした。

いつもの帰り道。

この日はキムチ鍋をしようと思っていた脇田さん。スーパーに寄り食材を買い、家の方に歩いていた。ふとトイレットペーパーが残り少ないことを思い出し、来た道を少し戻りドラッグストアに立ち寄った。

トイレットペーパーを買い店を出たその時だった。

入る時には気づかなかったが、店を出てすぐのところの足下に一枚のDVDが落ちていた。
真っ白でなにも書かれていないDVD。
なんなんだろうと思いながらも拾わず家に帰り、鍋を作り、YouTubeを観ていたらDVDのことはすっかり忘れていた。

その日の夜……

家でゆっくり過ごしているといつの間にか深い時間になっていた。

ウィーン、ガシャ。ベロが出てきた。

2時だ。

脇田さんは何も考えずにベロをしまった。

次の日、朝起きてDVDプレーヤーを見るとベロを出していた。
あれ?昨日しまったはずなのにな。と考えながらもベロをしまい劇場に向かった。
この日は仕事が遅かったため、外食をして終電で最寄駅に着き、家まで歩いて帰ってきた。

家の前に着いた時だった。

ん?DVD?真っ白なDVD?

なんと昨日ドラッグストアーで見たDVDが脇田さん家の前まできていた。

違和感を覚えたが、仕方なくDVDを拾って家に入り、とりあえずDVDを机の上に置き、追い焚きして風呂に入りゆっくりしていた。

風呂から出て携帯をいじってたら、

ウィーン、ガシャ。

2時だ。

チッ!と舌打ちをしベロをしまおうとした瞬間、あ、DVD。。。

これ入れてみるか……

ん?いや、ちょっと待てよ。
昔こんな映画あったな……

「見ると1週間後に死ぬ」呪いのビデオ……

怖くなる脇田さん。
DVDを欲しそうにベロを出すDVDプレーヤー。

1時間迷ったが脇田さんは震える手を抑えながらDVDをベロの上に置いた。
嬉しそうにDVDを飲み込むプレーヤー。

今にも爆発しそうな心臓の音。

ドックン、ドックン、ドックン。

次の瞬間、、、

テレビを観ると、髪の長い白い服を来た女性が遠くに立っている。

なんだこれ?

すると、その女性は少しづつカメラに近づいてくる。次の瞬間……

ヌチャッ。

なんとテレビから女性が出てきた。

女性の頭を抑え、出れないように必死に押す脇田さん。
出てこようとする女性。

すると女性が言った。

「見たな、このDVDを見たということは1週間後お前は髪が伸びる」

最悪だ……

全ての力を使いどうにか女性をテレビの中に戻しDVDを抜いたが、解決したかはわからない。

もし、今後脇田さんの髪が伸びたとしたら温かく見守ってあげて欲しい。
もし、今後脇田さんにDVDを渡されたら温かく受け取ってあげて欲しい。

作者プロフィール

シシガシラ・浜中英昌

吉本興業 所属

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