高木軍団奮闘記!一筋縄ではいかない、大声魔法使いのお誕生日🎂【ストレッチーズ 高木貫太『大声魔法使いかんちゃん』 第13声】

『大声魔法使いかんちゃん』は、ストレッチーズ・高木貫太さんの大声コラム連載。

『大声魔法使いかんちゃん』は、文字媒体にもかかわらずイヤホン必須の新感覚コラム。どんな局面も大声の技術を用いてなんとかしてくれる“大声魔法使い”かんちゃん(ストレッチーズ高木貫太)が、日常で見つけた様々な違和感にツッコミまくります!

高木軍団の成長

喫茶店に1人で座っている。
今月はこのコラムに何書こうかな〜と考えていたら、左隣の女性2人が、「金魚番長の出囃子マジでいい!」と話しているのが聞こえてきた。
緊張感が走る。気づかれるか…?もう集中できない。
そうこうしてる内に右隣、先ほどとは別卓の女性が、「でか美ちゃんの旦那さんの芸人、面白いんだよ!」とサツマカワRPGのプレゼンを始めた。
これはどうだ?気づかれるか?ストレッチーズ高木、どうだ…?

全く気づかれなかった。
なぜ気づかれなかったとわかるかというと、どちらの卓もお笑いの話をやめなかったからだ。
おかげで、左隣の女性2人が今年推しているゼロカランのネタを知ることができたし、右隣の女性がどんぐりたけしのファッションが好きということが知れた。
早くステルスできないくらい売れないと、と思った夏の夜。

そんなまだまだ駆け出しの俺だが、生意気にも慕ってくれる後輩芸人を集めて、「高木軍団」という軍団を作っている。

メンバーは、センチネルの大誠。

ラグビー経験者で、身長180センチ体重120キロの大男。法律上は「軽車両」の扱いになるらしい。

そして群青団地の横。

コント師の傍ら、ベビーフェイスを活かして、女装して踊ったりしているらしい。しかし今年で30歳。法律で裁かれる日も近い。

メンバーは以上2名だ。

俺を含めて3人と、「ギリギリ軍団として申請できる最小人数」でやっている。
メンバーを増やさないのか?と聞かれることがたまにあるが、「この3人が居心地いいんだよね〜」と誤魔化している。
実際は軍団長の圧倒的資金力不足。これ以上メンバー増えたら奢れません。

先月のコラムでも書いたのだが、7月24日に誕生日を迎えた。ありがたいことに軍団員達が祝ってくれ、楽しい日を過ごせた。

大声魔法使いかんちゃんXより

大誠と横がルームシェアしている家に行ったら、シェフとウェイターとSPがいた。
元料理人という肩書を持つ大誠シェフの繰り出すフルコースは絶品で、最高のサプライズだった。本当にありがとう。

お酒を飲みながら、みんな成長したな、と思った。
毎年軍団員達は祝ってくれているが、最初の誕生日会が思い出される。

今から3年前、2023年の誕生日。
昼過ぎに大誠から、「19時にここにきてください」というラインが来た。
URLを見ると、キッチン付のレンタルルーム。
前述の通り、大誠は料理が得意なので、作ってくれるんだろうと思った。
了解、と返信したその1時間後、大誠から電話がかかってきた。

大誠「すみません。さっき送ったレンタルルーム、予約にクレジットカード必要で、俺も横もカード持ってなくて無理でした。高木さん、予約してもらっていいですか?」

なんでだよ。

あんま聞いたことないだろ。自分の誕生日会の会場、自分で抑えるの。
そんでカード持ってないんかい。

大誠「予約なんですけど、18時からとってもらっていいですか?高木さんが19時に来る時にはスムーズに始められるようにしたいんで(何故かカッコいい声で)」

ありがたいけど。

こういうのってあんま祝う対象者に全部明らかにしないほうがいいよ。
なんでカッコいい声で言えるんだよ。

仕方なく俺はレンタルルームを予約し、19時に向かった。すぐ始められるようにしてくれてるって言ってたな…入室と同時にクラッカーとか鳴らしてくれるのかな…期待しながらレンタルルームのドアを開けた。

開けた瞬間、違和感があった。
部屋の中から、むわっとした熱気が押し寄せてきた。
その日は夏真っ盛りの猛暑で、一刻も早く冷房の効いた室内に入りたかった。
18時から大誠がいるはずだから、冷房は効いてるはずなのに、なぜ?!

慌ててレンタルルームに入ると、想像だにしない光景が広がっていた。
まず、汗だくの大誠が床にへたりこんで泣いていた。その大誠の肩を抱くように、汗だくの横。2人のいる側の床には、山盛りのティッシュが積まれていた。

ドスケベ修羅場??????

話を聞くと、18時に大誠がレンタルルームに入室。冷房をつけようとリモコンを探していたところ、Gが発生。大誠はデカい図体の割に虫が大の苦手で、泣きながら横に電話。横はお酒の買い出しに行っていたので、慌てて走ってレンタルルームに駆けつける。2人で協力してやっとの思いでGを退治。そしてそこに俺が到着、ということだったらしい。

大誠•横「…高木さぁん!!誕生日、おめでとうございます!!!」

何がだよ。

汗と涙で顔がぐちゃぐちゃの後輩2人から祝われた。隣にはGの死骸を覆うように山盛りのティッシュ。うだるように暑い室内。
カッコいい声で「スムーズに始めたいんで」と言っていたが、料理の下準備はおろか、まだエアコンのリモコンも見つかっていなかった。

…あの頃から比べると、軍団員達は立派になった。比べているあの頃が、酷すぎるかもしれないが。俺なんかのために、立派にサプライズしてくれて。ファミマの白ワインを傾ける。

…ファミマの白ワイン????

そう、料理に合わせて、横が高級ワインを買ってきてくれたが、ワインオープナーを買っておらず、観賞用になってしまったのだ。
慌てて近所のファミマで460円の白ワインを購入。それを飲んでいる。

まだまだ全然立派ではないかもしれない。

文・声:ストレッチーズ 高木貫太
編集:堀越 愛
サムネイルデザイン:TSURUMI32

PROFILE

ストレッチーズ・高木貫太

・公式プロフィール:https://www.ohtapro.co.jp/talent/stretchees.html
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