2020.11.15
個性豊かで見応え十分! 人力舎若手の登竜門ライブ「バカ爆走!」2020.10.6(火)
1994年より現在まで新宿Fu-で開催されている、人力舎主催の若手ネタライブ「バカ爆走!」。出演者は、芸歴5年目以下の若手芸人が中心で、毎月1〜6日に行われている。
会場は新型コロナウイルス感染防止対策として、検温、アルコール消毒が行われ、客席は1席分ほどの間隔を空けて設置されていた。また、アンケートは、ネットにて受け付けているため、終演後は速やかに退館できる。会場に来られない方は有料配信で見ることも可能だ。
期待の若手から、勢いのあるザ・マミィ、リニアが登場!
トップバッターは、WLUCKのサロンメンバーにも人気のオートクチュール(ワタベ光輝、アキラ中島)。途中のトークコーナーでは、先輩芸人のリニアから「スーパールーキー感がすごい!」とコメントが飛び出すほどの、漫才師然とした佇まいが印象的だ。
続く相原帝王(よしの、たむべぇ)は、良い声と格闘技好きを活かした仕事をしたいよしのがリングアナに挑戦! ネギゴリラ(酒井駿、細野祐作)は、動物園のふれあいコーナーでのまさかの事態に! 年配の飼育員役がハマる酒井と、細野のリアルな演技が笑いを誘った。テレビやラジオでも活躍中のザ・マミィ(林田洋平、酒井尚)は、彼女への歪んだ愛情を爆発させる酒井に、たまたまその場に居合わせた林田が振り回されるコントを披露。他のコントには見られないシチュエーションがこのコンビらしい。
先輩ゲスト1組目はリニア(しょうへい、酒井啓太)が登場。しょうへいからの、ある提案に反発するかと思いきや、予想を上回る酒井のツッコミが炸裂!
トークコーナーの間は、劇場の入口を開けて換気タイム。2組の間には、パーテーションが立っており、自粛期間前にはなかった仕様に、まだ慣れずにネタを飛ばしてしまうことがあるという話題で盛り上がった。
ひとりコントも面白い!いかちゃんはじめ、個性派が粒ぞろい!
中盤トップはサービスエリア(さつまあげ、大山礼安)からスタート。見た目から芸人らしさ満載のさつまあげが「はじめてのおつかい」にチャレンジ! 大山のナレーター声もぴったり合う。続く有村は、テレビのインタビューに答える駄菓子屋の一人コント。はたして、この番組が放送されるのは……? げんは、車両事故対応のコールセンターのコントを披露し、乗っていた車種を聞いた途端、対応が変わってしまうという展開に。
先輩ゲスト2組目はいかちゃん。自作のフリップ、自身のキャラクターともに可愛らしいネタで、客席のみんながニコニコ見守ってしまうようなほっこり感に包まれる。
パルテノンモード(宮治慎吾、小野龍一)は、「ゲームのルールを理解しないままやってみよう」という提案から始まる漫才を披露。なかなか先に進まない様子に客席も目が離せない!
企画コーナーのMCには、ターリーターキー(玉遥香、伊藤那美)が登場し、「お題に沿った単語をいくつ書けるか? 脳トレ対決!」が始まった。第1問のお題「自動車メーカーの名前」は、サービスエリアのさつまあげvs有村の戦いとなり、正解数が多かったさつまあげの勝利! 2人目の挑戦者は、げん。第2問「濁点の付く、人力舎芸人」は芸歴の長さもあり(!?)げんが勝利した。そして3人目の挑戦者は、いかちゃん。第3問「寿司の軍艦の名前」では、「軍艦と細巻きを間違えた!」というミスがありつつも、1対2で、いかちゃんの勝利! 最後の挑戦者は、パルテノンモードの小野で、最終問題は「歴代キングオブコント王者」。人力舎からも2組出ているが、意外と思い浮かばず1対3(ターリーターキーの玉から「レベルが低い!」の一言)で小野の勝利!
フレッシュな若手と大トリはターリーターキー
ネタコーナーもいよいよ終盤に差し掛かり、ワンタイトル(大島佑宜、毛利啓太)のネットで見た催眠術を試す兄弟のコントからスタート。催眠術にかかったのは……? くだん(矢部誉志生、深澤豪秀)は、人々のため自己犠牲になる(?)漫才を披露。とてつもなく壮大で、なかなか無謀な計画を明かす! そして、おひるね(小畑春、まいな)は、カップルYouTuberのコントで、「カップルチャンネルの何が人気なのか?」「新しいカップルチャンネルを作りたい!」ともがきながら方向性の違う2人を演じた。
トリは演技力の高いターリーターキー!一見、女性の共感を呼びそうなネタと見せかけて……?
エンディングMCは、初挑戦のおひるねが担当。マイナンバーカードを客席に見せようとするまいなに、慌てる小畑が笑いを誘う。
最後は舞台上が蜜にならないよう、告知があるコンビのみ登壇。最近は、ライブのエンディングに出演者が全員登場することは少なくなり物足りなかったが、告知だけでも登場してくれると嬉しい!
養成所から、所属になることが難しいと言われる人力舎。若手とはいえ、勝ち上がってきた凄腕の芸人がそろっており、見応えは充分! 独特な発想のネタや、高い演技力、強いキャラクターなど、出てくるメンバー全員に、しっかりとした個性があり、応援したい芸人さんを見つける楽しみも!
毎月決まった日付と場所というのも覚えやすく、ふと空いた時間に見に行けるというのも嬉しい。(月初めの開催なので、一般的に時間の融通が効く方も多いのでは?)
今は配信もあるので、まずは配信ライブで劇場の雰囲気を掴んでから、劇場で生ライブを見てみるのもおすすめ!
ライター:せんかわ