竹内ズのコントは観たことのない斬新な設定が多く、手作りの小道具も見どころのひとつです。前編~後編の3部作でお届けするこのインタビュー。中編では、ネタ作りの発想からお二人が大事にしているライブ、キングオブコントへの想いなどをお話しいただきました。
コント作りは「無駄な時間」と「小道具からのインスピレーション」
—ネタはがまの助さんが作っているそうですが、コントの設定など、どのように考えているのでしょうか?
がまの助:僕は小学生の頃から文字を読んだり書いたりするのが本当に苦手で。その分、想像とか目に入ったものを記憶するのが得意でした。だからネタを作るときも、台本は作りません。例えば、街を歩いているときに、「整形外科」っていう看板があったら、その「整形」って文字と、他に目に入ったリンゴとかを組み合わせたりして、それをメモ帳に書きます。で、何か面白い単語があったら繋げてネタに使うみたいな。あと、「無駄な時間」が一番面白いんじゃないかと思っていて、「何でこれ入れた?」という時間をコントの中に作るように心掛けています。
—コントでは手作りの小道具もたくさん使われていますよね。ネタが先で必要な小道具を作るのか、それとも小道具が先であとからネタを考えるのでしょうか?
がまの助:半々ですけど、切羽詰まってるときは小道具から入ります。「明日までに新ネタを作らなきゃいけないのに何もない!」みたいなときは「とりあえず小道具を作ろう」って(笑)
竹内:そうだね。
がまの助:小道具さえできれば、それを使って二人で遊んでたら何か生まれたり……。余裕があるときはネタから作って、次に小道具を作っていきます。
ライブを軸に、肩の力を抜いてキングオブコントに挑戦し続けたい
—最近はライブやラジオ、YouTubeなど活躍の場が様々ありますが、お二人は今後どの分野をメインで活動していきたいと考えていますか?
がまの助:今は、「ライブで一番面白いと思われる芸人になる」を目標に置いていますね。ライブで一番ウケてたら、今日のインタビューもそうだと思うんですけど、別の仕事に繋がったりするんで。「ライブで一番面白い」っていう称号じゃないですけど、そういうものがあれば、そこからオーディションや賞レースでも良い結果が出ると思うんで、まずはライブを頑張りたいなって思います。
竹内:やっぱり、お客さんの前で生で披露できるのが一番気持ちいいですしね。
—お二人にとって賞レースはどのような位置づけですか?
がまの助:今、芸歴3年目で、養成所の頃から4年連続でキングオブコントは受け続けているんですけど、去年までは全部1回戦落ちだったんです。それでよく考えてみたら、めちゃめちゃ力が入ってたというか、「絶対にキングオブコントで結果を残さないといけない」っていうメンタルになってて、それが裏目に出てましたね。でも、今年はコロナの影響で、例年あった「再エントリー」という2回受けられる制度が無くなって、1発勝負になったんです。なので、僕らも吹っ切れて「受かったらいいな」ぐらいの気持ちで、あまり結果を気にせずに挑んだら、今年は準々決勝までいけたんですよ! 僕ら的に、力が入らない方がいいのかなって思いました。
竹内:もちろん慣れたからっていうのもあると思うんですけど、本当に1・2回戦はめちゃくちゃリラックスしてできましたね。ある意味、普段通りというか。それで準々決勝にいけてすごいうれしかったんですけど、お客さんが増えて、しかも出てくる芸人のほとんどが僕らより面白い人達しかいないっていう状況じゃないですか。そこで初めて緊張して……(笑)
がまの助:緊張してたね(笑)。最近はライブの数も多くなってきて、ライブが楽しいって思えてきた時期でもあったので、キングオブコントもライブのひとつだと思って、「とりあえずお客さんに楽しんでもらえたらいいな」って挑んだら意外といい方に転びました。あまり格好つけない方がいいのかなって思いましたね。今年は初めて楽しかったと思えたので、今後もそんなイメージでいきたいです。
まずは竹内君が売れる方法を考えて、仕事の幅を広げたい
—お二人にとって憧れの芸人さんはいますか?
がまの助:僕はバカリズムさんがやっぱり格好いいなと思いますね。あれだけメディアに出てるのに単独ライブを毎年仕上げて、誰が見ても天才だと思う立ち位置にいる方なので。あとは、笑い飯さんもめちゃくちゃ好きで、劇場でとにかくネタをやっているのも格好いいなと思いますね。
竹内:僕はお笑いはもちろん続けていきたいんですけど、色々やりたいというか、それこそ食レポだったりドラマだったり。なので、理想で言うとアンジャッシュの児嶋さんです。自分の冠番組は持ちつつ、役者もやってバラエティ番組も出ているので、そんな芸人になりたいですね。
—今後、活動していくうえで、譲れない部分やここだけは変えたくないと思っている部分はありますか?
竹内:ないですね。僕に関してはですけど(笑)
がまの助:僕がひとつ軸に置いているのは、相方の竹内君が売れてくれたらいいなっていうことです。僕はネタを書くので、竹内君はどんどんバラエティ番組に出てくれたらなって。それで、ライブのときは、一緒に出られたらいいなと。
竹内:まあ確かに、僕も自分が売れたいですね(笑)。もちろんコンビで売れるのが一番いいんですけど、ひとりしか売れないんだったら、それが僕でも全然構わない(笑)
がまの助:僕はどちらかというと作家の方が向いてるかなと思ってて、いかに竹内君を売れさせるかっていうのを考えたいです。なので、ネタも竹内君がウケるように作ったり、面白い役をやってもらったり。あとはもう竹内君が辞めないように……。
竹内:すごい気を遣ってくれてる(笑)
がまの助:やっぱりすべり続けると、辞める可能性があるんでね……
竹内:いや全然(笑)。すべるくらいだったら辞めないな。
★続き(後編)はこちら:解散しないでずっと続けていきたい
PERFORMERS
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がまの助(がまのすけ)/竹内ズ
プロダクション人力舎所属
Twitter:@Gama7727、Instagram:@gama.nosuke
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竹内 大規(たけうち だいき)/竹内ズ