流れ星☆の初期衝動を反映した、もっと強くなるためのツアー。「何パターンもある流れ星☆を、ギュッと凝縮」【流れ星☆単独ライブツアー『RED ZONE』インタビュー】

2024年7月27日(土)から、流れ星☆の単独ライブツアー『RED ZONE supported by ナガセスッポン養殖場』がスタートする。東京を皮切りに大阪・岐阜・群馬・埼玉・北海道をまわり、千秋楽は再び東京に戻って『RED ZONE 超(スーパー)』を開催予定だ。

今年の単独ライブツアーのテーマは、「昔尖ってたころの流れ星☆」。なぜ、流れ星☆はここにきて原点回帰的なテーマを掲げることにしたのだろうか。

単独ライブツアーに向けたインタビューが行われたのは、3月末。『THE SECOND』予選「ノックアウトステージ32→16」で、流れ星☆が敗退した数日後だった。敗退の悔しさを引きずりつつも、流れ星☆の情熱は少しもしぼんでいない。むしろ、たきうえ・ちゅうえいの結束力は強化されているように感じた。
無念の敗退を経て、流れ星☆は今なにを想うのか。『THE SECOND』を振り返りつつ、今年の単独ライブツアーに向けた想いを語ってくれた。

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もっと強くなるために、原点回帰

———今年の単独ライブツアーは、「尖ってたころの流れ星☆」がテーマだそうですね。なぜこのテーマにしたのでしょうか?

たきうえ: 何年も単独ライブツアーを続けて来て、いよいよ「後がないぞ」と思うようになったからですね。RED ZONE(危険領域)に突入した今、ここでいっちょいろんなことをやっていかないと、俺らはダメになるんじゃないか。……ということで「初心に戻ってみよう」と思い、このテーマになりました。

単独ライブツアー『RED ZONE supported by ナガセスッポン養殖場』は、7月27日(土)の東京山野ホールを皮切りに全国6か所7公演を開催

———なにか、初心に戻ろうと思ったきっかけがあるのでしょうか?

たきうえ: 昨年のTHE SECONDで三四郎に負けたのがきっかけですね。それまでは、流れ星☆の単独ライブツアーは「老若男女にウケる、ザ・エンターテインメント」だったんです。「テーマパークみたいなライブをやろう」と思ってたんですけど、これをやっているだけではTHE SECONDで勝てないんだとわかって。THE SECONDはお笑いマニアが審査員をするので、そこに刺さるようなネタもやらないといけないんですよね。今回のライブツアーの裏テーマには、率直に「もっと強くならないとダメだ」と意味も込められています。

2023年の『THE SECOND』予選「ノックアウトステージ16→8」にて、流れ星☆は三四郎に敗退した

ちゅうえい: 今でも「あのネタ好きでした」って、けっこう初期のネタを言われることが多いんですよ。初期は俺らがシンプルに「面白い」と思うネタをやっていたので、今よりも“流れ星☆色”が強い。あらためて流れ星☆の面白さを出すために「原点回帰したい」と思ったんですよね。もう40歳を越えてますし、あらためて「自分らってどういう芸人だっけ?」を再確認しようと。

たきうえ: 僕は年齢非公開ですけどね。

ちゅうえい: 高校の同級生ですけどね。

ちゅうえいとたきうえは、高校の同級生として出会ったコンビ

———「尖っていた時期」とは、具体的にいつくらいの時期ですか?

ちゅうえい: 下北沢の路上でネタやってた時期(1998年ころ)じゃない?あのころは俺らに興味ない人にも足を止めてもらわなきゃいけないから、なりふり構わずやってました。あれを平気でやってたって、相当肝が座ってたね。その数年後にまた路上コントやってみたら、恥ずかしくてできなかった。

コンビ結成前、ふたりは下北沢で路上コントを行っていた

たきうえ: 僕は「お前は今でも尖ってる」って言われるんですけど、こいつは当時ハダシで猫の服を着て、オールバックでネタやるくらい尖ってました。なにより、ピアス付けてましたからね。

ちゅうえい: ピアス穴が今でもコリコリしてます。若気の至りですね。当時は人をつかまえてビルとビルの間に連れて行って、俺らが出口にフタをするような態勢でネタをやって、終わったら「面白かった?」と聞いてました。今思えば「面白い」って言わなかったらなにをされるかわかんないし、怖いですよね(笑)。当時は、そのくらいがむしゃらにやってました。

5歳の娘に「なんで耳コリコリしてるの?」と問われ、ちゅうえいは「なんだろうね~」と返したそう

たきうえ: 尖ってるとかじゃなく、ヤベぇやつのエピソードですね。

ちゅうえいNISA

———2011年、THE MANZAI初年度で決勝に行けなかったことを機に、老若男女にウケるスタイルにネタを方向転換したそうですね。

たきうえ: そうですね。方向転換をする以前は、M-1で勝てず苦しんでました。でも、僕らがネタに対して一番情熱的だった時期ですね。

ちゅうえい: 前期M-1(2001年~2010年)の時期、たきうえは「いかにほかの人がしない発想をするか」を考えてました。その考え方がもっとも色濃かったのが、そのころですね。

ふたりが正式にコンビを組んだのは2000年。2003年からM-1に挑むも、最高戦績は準決勝。決勝に進めないまま、2009年にラストイヤーを迎えた。(前期M-1の出場資格は結成10年以内)

たきうえ: 前期M-1は「なんとか漫才で評価されたい」ともがいていた時期です。今年の単独ライブツアーでは、当時のネタをまるまるやるというより、あのころの初期衝動というか、熱量というか……良いエッセンスを加えたネタをお届けしたいなと思ってます。

今年の単独ライブツアーは、尖っていた当時の初期衝動が反映された内容になる

———当時とここ数年では、ネタに向き合う気持ちに違いがあったのでしょうか?

ちゅうえい: こいつはたぶん、ここ数年は「無駄にしたくない」って気持ちがあったんじゃないですかね。単独ライブでしかできないようなネタは極力つくらない。大会や営業、テレビでもできるネタにしないと要領が悪いというか、意味がないというか。初期衝動でやってたころは、単独ライブでしかできないようなネタもやってたんです。今年の単独では、そういうネタもやるんじゃないかなって思ってます。俺はネタをつくらないからわからないですけど。

流れ星☆のネタづくりを担当するのはたきうえ

たきうえ: 僕は「コスパが良い」という言葉が好きなんです。コスパが悪いのが、本当に嫌。単独ライブでしかやらないネタって、とにかく「コスパが悪い」。だから僕は、ほかの場所にも持っていけるようなネタしかつくってこなかったんです。コスパに関して言えば、今年も無駄のないネタづくりは続けていきたいですね。どこにも持っていけない、コスパの悪いネタはやりたくない(笑)。

ちゅうえい: 「コスパ悪いネタはつくりたくない」って言ってるけど、今回の単独ライブは「ふたりが面白いと思う」ネタが戻ってくるとは思う。“あのころ”の、まわりは知らんけどふたりが「すげぇ面白い」と思えるネタの感覚は戻ってくると思います。

たきうえ: そうですね。今までは「面白い」と思っても、「ちゅうえいっぽくない」と思ったらバッサリ台詞を切ってたんですよ。

ちゅうえい: 昔は「ちゅうえいっぽい」とかは考えず、面白いと思ったことをどう表現しようかというスタンスだったよね。昔の単独は、そのせいで形になってないネタもやってた(笑)。お客さんが「ふざけんな」という雰囲気になるくらい、自分らが面白いと思うことを追いかけすぎてた。そのくらいの気持ちが戻ってきたら良いなと思います。

昔、単独ライブで「設定戻し玉」というネタを披露した。展開を広げるだけ広げて、戻れなくなっても「えい!」と戻し玉を投げれば戻れるというネタだった。お客さんには「ふざけんな」という雰囲気が漂ったという

———ネタづくりはたきうえさんが担当ですよね。たきうえさんとちゅうえいさんの「面白い」は、どんなふうにすり合わせるのでしょうか?

ちゅうえい: 昔は、俺も「こういうのどう?」ってよく提案してたよね。今回のネタづくりに関してはどうなるのかな。

たきうえ: ちゅうえいのパーソナルな情報は欲しいので、ちゅうえいが今面白がっていることとかやりたいと思うことがあったら、どんどん言ってくれと伝えてます。この前言ってくれたのが、「ちゅうえいNISAってどう?」。

ちゅうえい: ちゅえSAね。ちゅえSAに投資するネタどう?って。

たきうえ: 相方が言ってくれたネタだから大事にしたいなと思ったけど、どう考えても良いネタになりそうじゃなかった(笑)。「ちょっと考えるわ」と濁して終わりました。

ちゅうえいから出た「ちゅうえいNISA」の案は、たきうえに響かなかったらしい

ちゅうえい: 「どんな楽しいネタにしてくれるのかな?」って、ずっと待ってるんですけど?

たきうえ: 頭のごみ箱にすぐ入れちゃった。

ちゅうえい: でもまだ「完全に削除」してないでしょ?30日以内は復元できるから。

たきうえ

THE SECOND後に見た夢

———3月に行われたTHE SECONDのノックアウトステージ32→16では、パーソナルな情報を盛り込んだネタをしていましたね。

ちゅうえい: 最近たきうえがパーソナルな部分を出すネタをつくってて、それはそれで「すげぇ」と思うんです。けど、やっぱり「ほかの芸人はこの設定やらないだろう」とか「この展開は考えつかないだろう」ってネタが流れ星☆の原点だと思うんですよね。だからSECONDでやったようなパーソナルなネタは、原点回帰とは別の毛色。要は、流れ星☆の幅を見せる上でパーソナルなネタもあって良いけど、俺は昔みたいな設定や発想のネタをすごく楽しみに待ってます。待ってる!

たきうえのネタを楽しみに待っているちゅうえい

たきうえ: 「待ってる」ってただの読者じゃねぇか(笑)。

ちゅうえい: そうそう。

たきうえ以上にネタに熱くなっているちゅうえい

たきうえ: なんで読者が一番熱く語ってんだ(笑)。

ちゅうえい: ちゅうえいNISAというパスだけ渡します。

「ちゅうえいNISA」だけたきうえに渡し、期待して待つちゅうえい

たきうえ: いらないです(笑)。そのパスだけもらっても困る(笑)。SECONDの話に戻りますけど、去年三四郎に負けてすっごい悔しくて。流れ星☆のエンタメ漫才じゃ戦えない大会がはじまったんだなと痛感したんで、一年かけてSECOND対策をしたんです。でも、かもめんたるがその上を行ったんですよ。う大に聞いたら、俺らとの対戦が決まってから流れ星☆用にネタ3本つくったんですって。

———対戦が決まってからということは、1か月で3本?

たきうえ: 1か月で新ネタ3本。これって、とんでもないことなんですよ。でも逆に、俺は「新ネタで来るなら楽勝で勝てる」って思ってたんです。それがフタを開けたら、俺らが万人ウケするネタだとしたらそれを逆手にとった内容で……俺らのネタ中も、かもめんたるの空気になってましたね。

流れ星☆がTHE SECOND対策をした一方、かもめんたるは徹底的に流れ星☆対策をして挑んだ

ちゅうえい: ずっとかもめんたるの空気でしたね。今思い出したんですけど、あの戦いが相当ショックだったのか、その夜SECONDの夢を見ました。かもめんたるの後「このネタじゃウケねぇ。俺、今から『かもめんたる、なんであんな面白いネタやるんだ!』」ってことだけ5分間言うわ」って言って出て、むっちゃウケて、300点満点取ったんです。そんな夢を見るくらい、マジで悔しかった。

たきうえ: その夢、DVDに刷ってちょうだい(笑)。

ちゅうえい: 「THE SECONDはこういう大会なんだ」と体現した夢でしたね。俺らがマジでかもめんたるに勝てるとしたら、あれが唯一の方法だったのかもしれない。「なんでそんなに面白いネタやるんだよ!」って、ステージを降りちゃうくらいのことをやったほうが勝てたのかもしんない。……ってことをお前に言っとくわ。俺の夢のお告げ。

突如「夢のお告げ」を思い出したちゅうえい

たきうえ: たしかに、かもめんたるに勝てるとしたらそういうやり方だったのかも(笑)。かもめんたるのネタ、本当にすごくて見事だったんですよ。セリフ一言一言で、会場がうねってました。本当にすごかった。去年は三四郎にやられて、今年はかもめんたるにやられて。どっちも、相手が覚醒して負けてるんです。共通しているのは、2組とも流れ星☆を想定して戦っていること。

ちゅうえい: 流れ星☆には普通にやったら勝てない、から始まってる。

たきうえ: そうそう。それで2年連続負けてさ、噛ませ犬になったっていうのは、本当に悔しいですね。

ちゅうえい: ほかの芸人にこれだけは言いたいんですけど、「覚醒したいんなら俺らんとこ来い」。

流れ星☆と戦う芸人は覚醒する

たきうえ: やかましいわ(笑)。今だから言いますけど、本当に優勝する気だったので、決勝のためにネタ3本つくってたんですよ。優勝までのペース配分も考えながら戦ってました。でもかもめんたるは、流れ星☆戦のためにネタを準備してた。勝つための熱意が違うなと思いましたね。俺らは1年間でネタを3本仕上げたけど、かもめんたるは流れ星☆戦のためにネタを3本つくった。考えれば考えるほど、SECONDはめちゃくちゃヤバイ大会ですね。

ちゅうえい: 俺ら、ぶっ壊しパターンのネタを1個つくっておいても良いのかも。俺が客席でぐちゃぐちゃするネタをつくっても良いのかもよ。

たきうえ: そうね。

ちゅうえい: 今、ちゅうえいNISAより良いこと言ったよ?

あくまでも「ちゅうえいNISA」にこだわりたいちゅうえい

たきうえ: 「ちゅうえいNISAより」っていうか、ちゅうえいNISAが最低なんで(笑)。ていうか、いつも営業でやるような「ザ・流れ星☆」の王道パターンをあの舞台でやる発想は無かった。

ちゅうえい: ないわな。

たきうえ: でも今年のSECONDは、そっちが正解だったんだよな。

ちゅうえい: けど、かもめんたるは王道のネタで勝ったわけじゃない。ちゃんと面白いネタで勝ってた。腹立つわぁ。

腹が立つほど、かもめんたるが面白かったという

たきうえ: ただただ、見事でしたね。

ちゅうえい: お客さんが、「次なに言うの?」って顔でかもめんたるを見てたからね。俺も「う大、次なに言うの?」って、お客さんと同じ顔してました(笑)。

たきうえ: 去年、僕悔しくてね、三四郎のネタをニッチなフランス映画に喩えてちょっと炎上したんですよ。今年も炎上をみんな期待してたみたいだけど、俺があまりにもサッパリしてるから「ちゃんと仕事しろ」って言われました。早く炎上しろよと(笑)。

2023年のTHE SECONDで話題になったたきうえのポスト(参照
2024年のTHE SECOND敗退直後のポスト(参照

———たしかに、今年はすごくスッキリしたポストをされてるなと思いました。

ちゅうえい: いやいや、その感覚がおかしいんですよ(笑)。あれが普通で、今までが炎上しすぎ。

たきうえ: もっと炎上したいです。

ちゅうえい: 今年「は?」って思ったのが、俺らが負けたあとにスマホを見たら三四郎の相田から「やりましたね!」って連絡が来てて。「てめぇ、ふざけんじゃねぇぞ」って送ったら「笑笑」って返ってきました(笑)。だから、あいつらの気持ちも引き継いで今後も出ていきたいと思います。

三四郎の気持ちを引き継いで、今後もTHE SECONDに挑む?

たきうえ: いや引き継がない。三四郎の気持ちは1ミリも引き継がない(笑)。

ちゅうえい: 三四郎とかもめんたるの覚醒を引き継ぐ。次は、誰が覚醒するのか!?

たきうえ: いやいやいや(笑)。

———相手が覚醒するほどの強敵ということですね。

たきうえ: そう思われるのは光栄ですけど、噛ませ犬になることを納得はしてないですよ(笑)。

ちゅうえい: でも、みんなすげー噛んでくるんだもん。

「みんなすげー噛んでくる」とちゅうえい

たきうえ: 負けましたけど、かもめんたるは元々仲が良いんですよ。う大にいたっては流れ星☆初期の単独ライブで作家をやってもらって、一緒にネタをつくってましたから。そういう流れがあるので、SECONDのときあいつらの楽屋に行って、思い切ってう大に「また作家やってよ」って言ったんです。そしたらOKが出ました。

———舞台上で「今年の単独の作家にう大さんが入る」とお話していたのは、本当だったんですね。

たきうえ: 本当です。今年はう大が一緒にネタをつくってくれるので、それこそ初期の流れ星☆ですね。

ちゅうえい: かもめんたるとは、20年ぐらいの付き合いなんですよ。単独とは全然関係ない話ですけど、昔う大と一緒の現場があったら、仕事終わりにうなぎを食べに行ってたんです。だからあいつが芸名を「う大」にしたのは「うなぎ大好き」の意味だと思ってたんですけど、全然違うみたいです。

たきうえ: そりゃそうだろ(笑)。

「うなぎ大好き」で「う大」??

———う大さんが流れ星☆さんの作家についていた当時(2008年ころ)、まだかもめんたるさんはコンビを組んだばかりですよね。後輩でもありますし、なぜう大さんに作家を依頼したのでしょうか?

たきうえ: 『ゼペック・オンライン』(2003~2005年)って番組があって、俺らとWAGEが毎週一緒に出てたんですよ。

「WAGE」とは、早稲田大学で生まれたコント集団。う大・槇尾を含む5人で活動していた。メディアにも多数出演していたが、2006年3月に活動休止。(2007年10月にかもめんたる結成)

ちゅうえい: 俺がう大とうなぎ食いに行ってた時期ね。

たきうえ: 黙ってて(笑)。WAGEを見て、「う大がつくるネタ、すげぇセンスあるな」とずっと思ってたんです。WAGEを解散してぶらぶらしてるって聞いたとき「チャンスだ」と思い、すぐに誘いました。当時はもちろんなんの実績もないし、なんなら、う大のネタはライブでもよくスベってたんですよ。お客さんもキョトンとしてたし、ほかのメンバーのほうが万人ウケするネタをつくってました。

ちゅうえい: でも、う大は流れ星☆にない大喜利力とか発想力を持ってましたね。だからこいつが「う大を作家で入れる」って言ったときは「うわ、良いな」と思いました。ただ、俺、う大にめっちゃ演技怒られましたよ。30分以上同じ演技を繰り返しやらされて、ちょっとう大を嫌いになりかけましたね(笑)。今年、当時のような練習が戻ってくる可能性はありますね。

かつて死神役をやることになったが、う大に「死神っぽく見えない」とダメ出しされ、延々と稽古をした

———その歴史を聞くと、SECONDのかもめんたるVS流れ星☆がドラマチックに感じますね。

たきうえ: 本当に流れ星☆のことをよく見てるなって思いましたよ。完全に封じられた。あれを先行でやられたら、俺らがもがけばもがくほど滑稽に見える(笑)。

ちゅうえい: なにも気にせず俺らのネタをやるのが、一番の対策だったな。ただ、SECONDはどんなネタをやるのが正解か、本番にならないとわかんない。だから来年どうしたら良いのか、こいつは行ったり来たり考えることになって本当にかわいそうですよね。

たきうえ: なんで他人事なの(笑)。

ちゅうえい

全員が楽しめる、ジブリのような単独ライブツアー

———今年の単独ライブツアーは、来年のSECONDを見据えた内容になるのでしょうか?

たきうえ: そうですね。でも、かといってSECONDだけを考えているわけではないです。流れ星☆の単独ライブツアーは、あくまでも「最高のエンタメ」として届けたいと思ってます。

ちゅうえい: 原点回帰って言葉に縛られがちですけど、もちろん昔みたいなネタもあるし、人柄を活かすネタもあるし、必ずお客さんを笑わせる、営業でやるようなネタもある。何パターンもある流れ星☆を、ギュッと凝縮するのが俺らの今までの「原点回帰」だと思うんです。だから、それをやることが次のSECONDに向けたなによりもの対策になると思います。……ってことを、こいつは言いたいんだと思います。

たきうえ: ……今のは、珍しく当たってましたね(笑)。

珍しく(?)通じ合っていた流れ星☆

———東京を皮切りに全国をまわり、千秋楽の東京公演は「RED ZONE 超(スーパー)」としてレベルアップするそうですね。どんな内容になる予定ですか?

たきうえ: 千秋楽は、ツアーでやらなかったネタもやろうと思ってます。ツアーを経てパワーアップしてもっと面白くなりますし、千秋楽だけのオリジナルグッズもあるかもしれません!

———最後に、今年の単独ライブツアーはどんな方に見てほしいですか?

たきうえ: 「すべての方」ですね。今までも、お笑い知らない人もふくめて老若男女にオススメできるライブにしてきました。でも今年は作家にう大が入ることによって、“お笑いスケベ”な人でも満足できるつくりになります。お笑いを知らない人でもお笑いを好きな人でも、すべての方に楽しんでいただける、ジブリのようなライブになると思いますよ。

ちゅうえい: 『たきのうえのちゅうえい』?

たきうえ: いやいやいや、つまんなそう(笑)。「ジブリ」から『たきのうえのちゅうえい』を出すスピードは褒めてあげてください(笑)。

ジブリ新作『たきのうえのちゅうえい』?

ちゅうえい: 俺は、今まで流れ星☆を少しでも「好き」と思ったことがある人全員に来てほしいかな、マジで。「最近の流れ星☆は、あのころとは違うからな……」とガッカリさせることはないと思うので。誰にとっても「あのころの好きだった流れ星☆」を見せるので、全員に来てもらいたいです。俺らのことを知らない人……は無理だと思うので、1回でも「面白い」と思ったことがある人は全員来てもらいたい。

たきうえ: ……いや、流れ星☆を知らない人にも来てほしいです!

PROFILE

左:ちゅうえい
右:たきうえ

★公式プロフィール:http://asaikikaku.co.jp/talent/profile/nagareboshi
★ファンクラブ:流れ星☆ オフィシャルファンクラブ「STAR CLUB」
★YouTube:流れ星TV【公式】

文, 編集:堀越 愛

撮影:ヘンミモリ