メディアへの露出が増えてきている若手注目株のコント師・青色1号。インタビュー後編ではキングオブコントや今後やりたいことなど、“これから”についてお聞きしました。(前・後編の後編/前編へ)
三人の1番の武器はネタではなく……
—青色1号としての1番の強みは何だと思いますか?
上村典弘(以下、上村): ……健康ですね。
榎本淳(以下、榎本): (笑)
上村: 本当に健康なんすよ、僕らって。
—そうなんですね(笑)。
上村: 僕らって他の芸人と比べて、風邪ひかないんですよ。
榎本: 大きい怪我もないですね。骨折とかそういうのも。
上村: とにかく健康。一番の強みは多分……、仕事を休まないこと。健康。っていうのを最近思いました(笑)。
一同: (笑)
上村: でもこれって売れてから1番の武器になるんじゃないかなって思うんすよね……。健康とかでもいいっすか?もっとネタとかの話します?
——大丈夫です(笑)。
仮屋想(以下、仮屋): 本当ですか(笑)
上村: あっ!でもネタで言うと、 ツッコミとか大ボケとか、役割が決まっているトリオが多いと思うんですけど、僕らはあんまりそれがないんです。僕がツッコミをやるネタもあって、仮屋は基本的にボケなんですけど、キャラだけで行くコントとかもあって。意外といろんなネタやってるっていうのはありますね。
榎本: あとこういう日常系のコントをやってる人ってあんまりいないんで。これはこれで強みになるかな……、とは思いますね。
—コント内で女装をするとき、なぜ仮屋さんが女装をすることが多いのでしょうか。お二人が女装をしない理由などはあるのですか?
上村: 僕は単純にできないんですよね。あんまり演技の幅がないんで。僕は普段の自分ぐらいの演技しかできないんですけど、仮屋はおばさんとか上手いんで……
榎本: そうですね、「こういうおばさんいるな」みたいなのが1番ハマると思います。
仮屋: でも単純に消去法というか、かみちゃんができなくて、デカいし(笑)。榎本はたまにやりますけど、ボケじゃないというか……
上村: ボケれない、女性役ではボケれないって感じっすね。
仮屋: 二人ともできないし、僕しか今やる人がいないって感じですね。
—嫌ではないんですか?
仮屋: 全然好きですね。僕は逆に普段の自分でやるのが無理ですね。何かになりきった方がやりやすいです。
コントって広いと楽しいんですよ
—続いてはお仕事に関して、ライブ、テレビ、ラジオなど様々なお仕事があると思いますが、どの仕事をしているときが1番楽しいと感じますか?
上村: テレビはまだそんなに経験が無いんで、楽しむ余裕はないんですけど、僕は大きい会場でネタやるのが好きですね。コントって広いと楽しいんですよ。
—今まで立った舞台の中だと、どの会場が良かったですか?
上村: 北沢タウンホールでやったときは楽しかったですね。演じ甲斐があるというか。東京03さんの単独とか観てても、広い会場でやっているのがカッコイイなってずっと思ってたんで、それができると1番楽しいですね。
—榎本さんはいかがですか?
榎本: 僕もライブやってるときが楽しいですねやっぱり。あとテレビは緊張するんですけど、ミーハーなんでテレビで観てる人いっぱい出てるとテンション上がりますね(笑)。『有吉の壁』に出させてもらったときも緊張したんですけど、パンサーさんとかぺこぱさんとかがいて、みんなキラキラしてて、「すげー‼」って思ってめっちゃテンション上がりました。
—仮屋さんはいかがですか?
仮屋: 僕はラジオも楽しいですね。そういう機会じゃないとしゃべったりしないんで、あんまり(笑)。ラジオのときにちゃんと三人でしゃべれるのは楽しいなと思いますね。
—トリオ内での役割分担は決まっていますか?
上村: 役割分担というか……、業務的なことは全部榎本がやってくれてますね。
榎本: マネージャーみたいな仕事してますね。明日の連絡とか、事務所の連絡とか……
上村: 結構ちゃんと分かれてます。僕はほんとネタを書いてるだけです。他は何もやってないです。
榎本: 小道具とか衣装とかも全部僕が持っていきますね。僕が「小道具担当」と「連絡担当」です。
上村: 仮屋は何もしない担当です。
一同: (笑)
上村: もう1個して欲しいですけどね、何か。遊びまくってるとかでもいいんで。
仮屋: でも微調整ですね僕は。かみちゃんはお笑いを知らないことが多い、榎本はあんまり意見が無いってときに僕がちょっと言うみたいなことですね。例えばすごく大事なライブで変なネタしようとしてたら止めたりはします。
上村: ライブのコンセプトとか僕が全然分かってないんで。
仮屋: 「このライブはありネタの強いやつやった方がいいと思う」とかですね……。決定権はかみちゃんが持ってるんですけど。
—仮屋さんはギャンブルがお好きとお聞きしましたが。
仮屋: そうですね。私生活は1番ダメだと思います。僕は昔の芸人さんの方が好きだなって思ってるんで。いわゆる酒、たばこ、女、ギャンブル……。みたいな(笑)。僕はたばこだけしてないんですけど、あとは全部してます。
上村: いや、女はできてないです。
一同: (笑)
榎本: ギャンブルしかできてない……(笑)。
上村: もっとギャンブルとお酒やって欲しいですけどね、それだったら。
決勝は行くと思ってる。「優勝できるかどうかが勝負」
—ここからは将来のことについてお伺いいたします。『キングオブコント』などの賞レースについては、重要視されていますか?
上村: 僕は『キングオブコント』の決勝は行くと思ってるんで、優勝できるかどうかが勝負というか。まあ決勝は頑張れば行けるんじゃないかなとは正直思ってます。
—「絶対に行きたい!」と。
上村: 絶対に行きたいって感じですね。僕の中では重要です。
—榎本さんはいかがですか?
榎本: そうですね。僕も賞レースは行きたいというか、「獲りたい」ですね。これを獲ることによって箔が付くというか、青色1号としてのランクが1個上がると思うんで。ようやくテレビとかでいろんな人に知ってもらえるようになってきたんで、賞レースを獲ってさらに強くなりたいなって思いますね。
仮屋: 僕もそうですね。
—最近の芸人さんはテレビだけでなく、ライブシーンやラジオ、YouTubeなど様々な舞台で活躍されている方が多いと思います。三人の中で今後はどこをメインに活動していきたいと考えていますか?
上村: 僕の好きな芸人さんはYouTubeとかやってないんですよ。おぎやはぎさん、バナナマンさんとか。そんな芸人になりたいんでYouTubeはそんなに力入れなくていいかなって。もちろんネタは観て欲しいんで、上げますけど。僕はテレビで活躍したいですね、とにかく。
—テレビはネタ番組にどんどん出たいということですか?
上村: バラエティにも出るけどネタ番組には必ず呼ばれるみたいな芸人さんはすごく憧れますね。バラエティに出つつもネタは作り続けるみたいなのが理想ですよね。
—お二人はいかがですか?
榎本: コント番組とか、ああいうみんなでやるユニットコントみたいなのが、自分が芸人始めるきっかけにもなったんで、それをやれるようにはなりたいですね。
仮屋: 僕もテレビに出て、ネタも評価されてっていうのが理想ですけど……。でも僕は何でも大丈夫です。YouTubeもラジオも特に「ここだけでやりたい」っていうのは無いですね。幅広くマルチにやれたらと思います。
—三人ともテレビをメインに出ていきたいという形なんですね。
仮屋: そうですね。
上村: テレビの出方として、「ネタを認められて」っていうのが理想ですね。
—この番組に出てみたいとかはありますか?
上村: 出たい番組ですか……。僕、意外と旅番組とか好きなんですよ(笑)。
一同: (笑)
上村: なので、旅番組とか出たいっすね。
仮屋: 『ENGEIグランドスラム』とかじゃなくて?(笑)
上村: 『ENGEIグランドスラム』も確かに出たいですけど……、やっぱ旅番組やりたいですね。出川さんの充電旅(『出川哲朗の充電させてもらえませんか?』)みたいな。
榎本: いろいろ経てのやつね(笑)。最終的なやつ(笑)。いいけどね旅も。
—榎本さんはいかがですか?
榎本: この前やってた『ENGEIグランドスラム』(2021年2月20日放送)も、観てたら出たいって思いましたね。割と近しい人たちが出てたんで、もうちょい頑張れば出れるんじゃないかって。
—仮屋さんはいかがですか?
仮屋: 僕は『全力!脱力タイムズ』とか出てみたいですね。あれで評価されたらすごいなって思うんで。ああいうゴリゴリお笑い系の番組とか出てみたいですね。出ても結果残せる自信はないですけど、もしオファーが来たら嬉しいです。
いつか「太田6期」で番組を
—次が最後の質問になるのですが、三人にとって芸人として「売れる」とはどのような状態だと考えていますか?
上村: 「売れる」ですか……。本当に三人がお笑いで食えるようになったらですかね。
—バイトを辞めたときという意味ですか?
上村: バイトを三人が辞められたら、「芸人」って言っていいのかなって思います。「僕らお笑い芸人やってます」ってやっと言えるかなって感じですかね。それまではまだ下積みって感じですよね、バイトしてたら……(笑)。あと僕、売れたら猫飼いたいんですよ、早く。
—猫ですか。
上村: まず猫飼いたいんで、猫飼えたら売れたなってなりますね(笑)。
—榎本さんはいかがですか?
榎本: 全員バイト辞めるのもそうですけど。めっちゃテレビに出るっていうのが証というか……。先月(2021年1月)ぐらいに、たまたまその週だけで3回くらいテレビに出させていただく週があって。そのときにいろんな人から「え?売れてんの?」みたいなのがすごく来て、「いや全然売れてないよ」とは言うんですけど。やっぱりテレビに出たら一般の方から「売れた」って認められる気がするんで、そういうとこかなとは思います。
—仮屋さんはいかがですか?
仮屋: 『FRIDAY』とかの週刊誌に撮られたら売れたなって思いますね。賀屋君(かが屋)がこの前撮られてて、いい話ではあったんですけど、「うわーっ」って思いましたね。「『FRIDAY』出てるじゃん」って。
上村: 別に賀屋君撮んなよって思いません?(笑)
仮屋: でも僕らからしたらそうですけど、『FRIDAY』がそれで良しとしたんだと思って。売れてるわって思いましたね。
上村: そうですね、確かに。
—メディアに出ることが基準になってくると言いますか……。
榎本: そうですね。誰かに推されたいですね、売れてる人とかに。それがきっかけでテレビ出てる人とか最近よく観るんで。
仮屋: 逆じゃない?推す側になったら売れたんじゃない?
榎本: あー確かに。ハナコさんとかもう推す側に回ってたんで。あれはでも思いましたね、「もうそこいるんだ」って(笑)。
仮屋: あとは同期とかと一緒に仕事できたら嬉しいですね。
—同期は誰に当たるんですか?
上村: 同期はシェイクヒロシっていう……
榎本: いや分かるか!
上村: 分かります?
榎本: いや分かるかもしれないけど1発目じゃないわ!
—(笑)
上村: あと『アメトーーク!』の「今こそジャイアンツ芸人」(2021年2月25日)でロングアイランドの松原ってやつが出てるんすよ、弟が巨人の選手なんで。あいつも同期ですね。でもそれぐらいですかねメディアの露出があるのは。それ以外は本当に分からないと思います(笑)。
榎本: 他事務所だとティモンディとか、東京ホテイソンとか、吉住さんとかそうですね。
仮屋: それこそかが屋もそうなんですけど……。養成所の同期とかで何かできたらいいですね、ジョウダンアオナナテンパイとか……(笑)。
上村: 同期がすごい仲いいんですよ、養成所の。太田プロの6期生なんですけど……、辞めてないやつが多すぎて(笑)。仲がいいからなんですかね、みんな頑張ってるんで。今、「大宮セブン」って括られてるじゃないですか。あんな風にテレビ出れたらいいですね。
—いいですね。太田6期……
仮屋: 太田6期……
榎本: (笑)
上村: 今のとこまじで1組も何も起こしてないですけど(笑)。
榎本: いつかはそういうのもできるように頑張りたいですね。
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<青色1号|プロフィール>
2017年結成。太田プロダクション所属。太田プロエンタテイメント学院卒業。
上:上村 典弘(かみむら のりひろ)
1990年6月7日生まれ。185cm/78kg。B型。東京都足立区出身。趣味・特技は野球(13年間)、レトロビン収集(ボトルディギング)、キックボクシング、野良猫探し。日本大学文理学部体育学科卒業。
中:仮屋 想(かりや そう)
1991年7月17日生まれ。O型。175cm/65kg。福岡県出身。趣味・特技は映画鑑賞、ギャンブル(パチンコ・パチスロ・ボートレース)ティンホイッスル、アルトサックス。
下:榎本 淳(えのもと じゅん)
1992年5月29日生まれ。162cm/52kg。B型。神奈川県相模原市出身。趣味・特技はテニス(10年間)、ディズニー、お笑い番組観賞。和光大学表現学部総合文化学科卒業。
★公式プロフィール:https://www.ohtapro.co.jp/talent/aoiroichigo.html
★青色1号公式YouTube:https://www.youtube.com/channel/UCsEJngH2ucAeevZgMKe30Iw
INFORMATION
PERFORMERS
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上村 典弘(かみむら のりひろ)/青色1号
太田プロダクション所属
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榎本 淳(えのもと じゅん)/青色1号
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仮屋 想(かりや そう)/青色1号