面白いの裏側へ。お笑いライブの概念を壊す(!?)男くさいライブに。「マジヤバかったと言わせたい」【スパイシーガーリック×まぐろ兄弟 ツーマンライブ「DDD」直前インタビュー】

2025年2月8日(土)に、西新宿ナルゲキにてスパイシーガーリックとまぐろ兄弟によるツーマンライブ『DDD』が開催される。

スパイシーガーリックとまぐろ兄弟は、プロダクション人力舎に所属する先輩・後輩。師弟関係のような絆で結ばれた2組で、年始に放映された『おもしろ荘』(日本テレビ系)に揃って出演した。人力舎が推す、今年注目の2組である。2組が絆を深めたきっかけや『おもしろ荘』の反響、またツーマンライブに向けた想いについて話を聞いた。

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人力舎で唯一の兄貴分・片山

———スパイシーガーリックさんとまぐろ兄弟さん、2組の関係性を教えてください。

スパイシーガーリック・片山 智勝(以下、片山): 先輩後輩として長い付き合いではあるんですけど、仲良くなったのはここ1年くらいですね。ライブで一緒になる機会が増えて、仲良くなりました。スパイシーガーリックがリーダーとなって開催している『にんにく道場』という新ネタライブがあるんですけど、何組が抜けてしまったタイミングで真っ先にオファーをかけたのがまぐろ兄弟で。

スパイシーガーリック・ジョン(以下、ジョン): 僕が真っ先にオファーしたのは、まぐろ兄弟ではありませんでした。

まぐろ兄弟・佛円 優太(以下、佛円): 片山さんがまぐろ兄弟を推してくれたんですよね。

まぐろ兄弟・アライちゃん(以下、アライ): ジョンさんは?

ジョン: まちょねーず。もうちょっとね、違うジャンルの後輩を呼ぼうとしてたんですけど、今となってはまぐろ兄弟で本当に良かった。

スパイシーガーリック 左:片山 智勝、右:ジョン

———片山さんがまぐろ兄弟さんを真っ先に推したのは、なぜだったのでしょうか?

片山: 事務所ライブなどで後輩のネタを見ていて、「まぐろ兄弟の漫才面白いな」と思ってたんです。声をかけた時点ではそんなに関係性がなかったんですけど、ずっとそう思ってたんですよ。

佛円: まだあんまりしゃべったことないときに、僕らのネタを見て喫煙所かどこかで「面白かった」って言ってくれたんですよね。

片山: で、なにかのライブの終わりに、二人を飲みに連れてったんだよね。人力舎の後輩で、「飲みに連れてってくださいよ」って言ってくる後輩ってそんなに多くないんですよ。

佛円: 人力舎の悪いところですね。

片山: こいつら、コンビで「飲みに行きましょうよ」って言ってきて。「都合がよろしければ来てください」じゃなく「え、行きましょうよ。なんも予定ないでしょ」みたいな感じでグイっと来て。そういうのが、僕は好きなんですよ。人力舎にこんな後輩いたんか!みたいな。しかも二人ともかよ!と。そういう感じもあって、ライブに誘ったのがスタートですね。

まぐろ兄弟 左:佛円 優太、右:アライちゃん

———まぐろ兄弟さんが、二人そろって片山さんを誘ったんですね。コンビで飲みに行くって、あまりないイメージです。

佛円: スパイシーさんはどうっすか?

ジョン: あるのよ。

佛円: 仲良いんすね。

片山: 僕らは組み直しのコンビで、元々ずっと友達だったから。

佛円: 二人でも飲み行きます?

片山: 今はわざわざ二人ではいかないけど、一緒に行けるっちゃ行けるね。

佛円: まったく一緒な感じだね。

アライ: うん。俺らも一緒。2年前くらいに中野で二人で飲んで、女の子ナンパして、それを後輩に見つかるっていう最悪のこともありました。

片山: 僕らが初めて三人で飲みに行ったときも、解散しようとしたら「僕らまだ時間あるんで、二人で『相席屋』行ってきます」って。

アライ: これも最悪な話です。昔の話っすけどね。若かったんです。

片山: 今でもお前ら行くだろ。

佛円: いや、さすがに行かないっすよ(笑)。

ジョン: 衣装のまま行くでしょ。

片山: 時間とお金あったら行くだろ。

佛円: 時間とお金あったら行くかもな。賞レース終わりとかでアドレナリン出てたら、二人でも飲みに行きますね。

———良い関係性ですね。

ジョン: でも僕らも、『キングオブコント』決勝が終わったら一番に電話します。

片山: なんで負けたくないんだよ。

ジョン: 熱い話するもんねっ!

片山: しちゃうね。

ジョン: 決勝終わって、すぐ電話します。

アライ: どっちから電話かけるんですか?

ジョン: 2年前は片山さんからかけてくれて、去年は僕から。やっぱ興奮しちゃって。

———まぐろ兄弟のお二人は、どうして片山さんを飲みに誘ったんですか?

アライ: いや~もう、片山さんは圧倒的に兄貴肌なんですよ。隠してるけど、そうなんすよね。仲良くなったら、全員行っちゃうんじゃないですか?「片山さん、片山さん」って。

佛円: 知られてないけど兄貴なんです。兄貴肌のわりに、まだ知られてないから後輩から飲みに誘われることも少ない。でも兄貴肌の片鱗は感じてて、その日からずっと片山さんと飲みに行ってます。ジョンさんはあまり行ってくれない。

ジョン: 「片山軍団でしょ」って思っちゃって。

片山: ジョンは後輩嫌いだもんね。

ジョン: 嫌いじゃないよ~!嫌いとかじゃなくて、自分と行っても「楽しくないだろうな」って思っちゃって……ネガティブ。

アライ: いやでも、片山さんと行っても「めっちゃおもろい」とかは無いですよ。どっちかと言うとアツい感じじゃないですか。

片山: 面白いのを期待して片山と飲んでるわけじゃないってこと?

アライ: まぁ、そうですね。

一同: (笑)

アライ: M-1決勝行ったとき、ダイタクさんがみんなにうわーっと囲まれてた動画あるじゃないですか。片山さんはあれなんすよ。一緒に『おもしろ荘』出れたじゃないですか。そんであれだけ跳ねたじゃないですか。だから俺、スパイシーさんが3位以内に入ってなくて泣きそうになったんですよ。『おもしろ荘』終わりに、2組で動画撮ったじゃないですか。そのときめっちゃ落ち込んでるの見て、俺グッとなっちゃって。スパイシーさんが決勝とか行ったら、俺、はじけちゃいそうな気がする。

佛円: わかる、決勝行ったら一番嬉しい先輩かもな。

アライ: 片山さん、やっと来たか!みたいな。ジョンさんはこっからです。

ジョン: 僕は『おもしろ荘』3位に入れなくて、悔しいともなんとも思ってなかったってのが本当の話。優勝できなかったけどウケたしなとか思っちゃって。

片山: ウケたのが嬉しかったんだよな。

アライ: 片山さんが決勝行ったら泣いちゃうんだろうな。そう思える人、人力舎でほかにいないっす。人力舎でこんだけ密な人はいないです。

———片山さんはまぐろ兄弟さんのネタを「面白い」と思っていたそうですが、ジョンさんはどう思っていましたか?

アライ: もらえますか?ジョンさん。

ジョン: M-1の準々決勝の動画を観させていただいて、いや~、あのー、感動?

片山: あのー、ジョン君、本当?

ジョン: 本当です!僕、片山さんに言ったよね。「まぐろ兄弟の動画観た?」って。すごくなかった?あの会場で、一番アライちゃんがうろちょろしまくってた。緊張してるのかもしれないけど、こっちには伝わってこない堂々とした立ち姿を見て「まぐろ兄弟、来るとこきたな」って感じですね。

佛円: ……いや、あの、嬉しがりたかったというか……(笑)。いや嬉しいですけど(笑)。僕らって人力舎っぽくないと思います?

ジョン: 思った。だっていないじゃん、めちゃくちゃキャラでやってる人。

片山: でもそのわりに、ネタの構成はしっかりしてる。

佛円: うれし……。

———片山さんの言葉しか響いてないですね。

片山: ネタの筋の通し方とか外し方とか、試行錯誤してるのが良いんですよね。ネタを変えているところも見てるから、「ここにこだわってるんだな」とかもわかるし。あと佛円の好きな話がひとつあって。若手でも最近人気が出たり話題になっている人がいるけど、最終的に必要なのは「刃があるかどうか」っていう話。

———刃?

片山: はい。この話、僕めっちゃ刺さってて。お客さんに刺さるような刃がないと、勝つことはできない。前回のM-1は1万組以上エントリーがあって、上手い人、テンポが良い人がいっぱいいたけど、やっぱ一歩上に行くためには“グサッ”と刺さるなにか刃がないといけない。その刃を研ぐ作業を本当にずーっと考えてやる必要がある。で、アライちゃんはそんな佛円を信じて言うことを聞いてる。でも、ほっといても研がれていくんだよな、アライちゃんって。

佛円: キモイこと言ってるな……

アライ: ほっといても俺は研がれてる?

片山: どんどん研がれていく。ネタにおいての刃を大事にしてる。これ、僕の佛円のめっちゃ好きな話です。

佛円: 恥ずかしいです。

———アライさんが「ほっといても研がれていく」というのは、佛円さんが言っていたんですか?

片山: いえ、僕が勝手に。

アライ: 片山さんかい!

片山: 良いだろ、俺が言っても。

アライ: いや、佛円が普段俺に言えないことを代弁してくれたんかなと思ったら。

片山: 違う違う。でも、佛円もそう思うでしょ?

佛円: はい。

アライ: なら良い。

ジョン: どんなタイミングでその話を言うの?

佛円: 本当に急に言います。「刃見えねえからなぁ」って。

片山: 本当の言い方は、「最近あいつら人気あるよな」「いや、でもあいつら刃見えねえからな」って感じ。

佛円: お客さん目線で刺さるかっていうのもそうなんですけど、「この人伸びるな、絶対」っていう怖さ、これが刃。

片山: めっちゃ好き。

佛円: ネタのおもろさとかだけではなく、「こえぇな」と思う。これが刃。

片山: 僕がネタ書くときも、これけっこう意識してます。

ジョン: 僕も意識しよう。

———ジョンさんは、刃の話はご存知でしたか?

ジョン: いえ、まったくです。ただ「研ごう研ごう」とはしてるんですけど、研いでるうちに刃が丸くなってきちゃいました。

アライ: さっき「ネタの構成がしっかりしてる」って言ってくれたじゃないですか。僕ら『おもしろ荘』に出て「キャラ濃い」って言われるかと思いきや、「めっちゃちゃんとした漫才」って言われて。

ジョン: 言われてたね。

佛円: 刃、なかったんですよ。

アライ: 刃がなかったのか、普通に「良い漫才」みたいな感じで。その後に十九人さんとかネコニスズさんとかけっこうキャラクター強い方が出たとき、比較して「まぁ普通の漫才」と言われて「あ、そんな感じなんだ」と。プラスの意味でもあるし、マイナスでもあるというか、「じゃあキャラもっと出したほうが良いのかな」とかすごく思いましたね。

ジョン: でも、あの構成があってのキャラだよね。ぶっ壊れすぎるのも難しいよね。やり過ぎても嫌われるよね。俺だってわかるよ、それくらい。

『おもしろ荘』の反響

———1月1日放送の『おもしろ荘』に2組そろって出演しましたね。放送の反響はいかがでしたか?

ジョン: ありましたね~

片山: めちゃめちゃエゴサーチしたんですけど「スパイシーガーリックが一番面白かった」みたいなポストが何件かあって。トータルで言うと、僕ら関連で2000ポストくらいされてました。

ジョン: その半分くらいには「面白かった」というお言葉がありましたよね。

片山: そういう反響はほかの出演者にもあると思うんです。けど、ネタでラッツ&スターの『め組のひと』の音源を使わせていただいたら、鈴木雅之さんの公式アカウントが「スパイシーガーリックさん、幸運を祈ります」と僕らのセリフを引用したポストをしてくださって。ご本人に届きました!

ジョン: これはもう、大反響です。

———『おもしろ荘』きっかけで『ぐるぐるナインティナイン』にも出演が決まったそうですね。

ジョン: はい。片山さんが、数々の女性に頭を叩かれまくってます。まず『おもしろ荘』であのちゃんさんと上白石萌歌さん、『ぐるナイ』では白石麻衣さんに叩かれてます。

片山: あんまり嬉しい顔をしちゃうと「そのためにやってんのかな」って思われちゃうから、本当はめっちゃ嬉しいけど、笑みがこぼれないように頑張りました。

佛円: 僕らの反響は、トレンドに入ったくらいですね。20秒だけ「まぐろ兄弟」がトレンドになりました。

片山: 良いな。俺たちは「ハッピーニューイヤー」につぶされちゃったから。

アライ: 反響はそれくらいなんですけど、オンエア後に「変わったな」と思うことがあって。ライブに出ると、前よりも「お待たせ」でウケることが増えました。どの会場に行ってもそう感じるんですよ。知ってくださってるのかな、と思える反応がちょっとあります。

ジョン: やっぱ知名度がすごい上がりますね。

———お客さんの受け入れ態勢もできているんですね。

佛円: それはあるかもしれない。やりやすくなりました。

アライ: 前は無名だし、これだけキャラが濃いと、受け入れるまでに時間がかかって嫌われてたんですよ。「なんか受け付けないな」みたいな感じの方が多いんですけど、最近はお客さんに耐性がついてるのを感じてやりやすいですね。

ド根性・DANJIRI・ダイナマイト

———ツーマンライブのタイトル『DDD』にはどんな意味が込められているのでしょうか?

アライ: 「ド根性・DANJIRI・ダイナマイト」から、それぞれの頭文字「D」をとりました。

片山: 少し時間をさかのぼってボケるとしたら、なんて言ってた?

アライ: え~……「誰だ・どいつだ・どんでんだ」。

一同: (笑)

———「ド根性・DANJIRI・ダイナマイト」……これはどういう意味なのでしょうか。

片山: これ、ほぼアライちゃんの案だよね?

アライ: 男くさい感じを出したくて、この2組でやるなら「DANJIRI」を入れましょうと。

ジョン: みんなでライブ案の候補を出したんですよ。たしか片山さんは漢字1文字系で、「鉄」とか。

片山: それぞれ3つずつ案を出すことになって、僕が「滝」「鉄」「情」。漢字1文字って男らしくて良いなと思って。まぐろ兄弟とスパイシーガーリックってちょっと男らしいイメージがあるので、そういうのを出したくて。で、佛円が出したのが「信頼」。

一同: (笑)。

佛円: おもろ、俺おもろ(笑)。

片山: あと、ジョンが「入魂」。カッコで(魂をこのライブに入れる)。「1000%」(みんなが100%で頑張るところ、俺らはその10倍頑張る)。あと「MVP」。アライちゃんは、「プライド ~俺たちの時代~」、「DANJIRI帝国 ~忘れられない夜にしてやんよ~」、「ド根性ストレートダイナマイト」。だからほとんどアライちゃんの案ですね。

佛円: 「信頼」良かったな……。

———どんなライブになる予定ですか?

佛円: 刃見せようぜ、って感じですね。

アライ: 裏テーマね。

佛円: 僕らはほかの事務所の芸人に比べて「大人しい」って思われちゃう類なんで、そこを変えたい。男らしいところを見せたいので、ふんどし姿とかにもなるかもしれないです。見た目から男らしいことしたいですね。

アライ: ライブに来た方には「食らった」って言ってほしい。

佛円: そうですね。「良いネタだったな」だけじゃ物足りない。「ヤバかった」とか言われたいですね。

アライ: 「マジやばかった」、それだけで良いです。

———最後に、読者の皆さんにメッセージをお願いします。

片山: ライブに来るかどうか、ひよって迷うくらいなら来なくて良いよ。

佛円: ええ~!?来てほしいな。ライブ行くか迷ってる人に来てほしいけどな。

片山: 怖いんでしょ?怯えてんでしょ?だったら来なくて良い。

アライ: どこが陰キャなんすか。

片山: ほんと、土下座するんで全員来てほしいです。

佛円: そうです、マジで。絶対。

片山: 満足させるんで。喰らわせるんで、来てほしいですね。

アライ: そのままで帰させないですよね。本当に「このネタ良かったな」とかじゃなくて、なんつうのか……

ジョン: だから、面白いの裏側に行きたいよね。

一同: ……………………

ジョン: え、冷たくない?

アライ: 「こいつらガチだな」っていうのを見せたいです。

佛円: そうですね。

アライ: ライブの時間、預けてもらえれば、2025年はみんな大吉になるよ。

一同: (ざわめく)

片山: 僕、1個決めてることがあって。僕ら仲は良いし後輩なんですけど、「負けねぇぞ」っていう。仲良しこよしのツーマンライブじゃない。全ネタ、まぐろ兄弟食ってやるぞって。鮨にしてやんよ。捌いてシャリに乗っけてやんよ。

———普通のお笑いライブだとは思わないほうが良さそうですね。

佛円: そうですね。ONE OK ROCKのライブに行くのと同じ感覚で来てほしいです。

PROFILE

左:スパイシーガーリック・ジョン
中央左:まぐろ兄弟・佛円 優太
中央右:スパイシーガーリック・片山 智勝
右:まぐろ兄弟・アライちゃん

文, 編集, 撮影:堀越 愛