【YOAKEMAE芸人】~file.5 びんかんマチムスメ~ お笑いサークル最大級!LUDOに入れば「基礎ができて、面白くなる!」

『さらば青春の光 東ブクロの学生芸人YOAKEMAE』(ラジオ関西)、5月16日放送のゲストは「びんかんマチムスメ」。全国最大規模のお笑いサークル・早稲田大学お笑い工房LUDOに所属する現役学生芸人です。収録直後の二人に、お話を聞きました。

びんかんマチムスメ(左:蒲 大輝、右:高崎 蒼人)

「MC東ブクロ」が意外だった

――お疲れ様でした!収録の感想を教えてください。

高崎 蒼人(以下、高崎): すごい楽しかったです!

蒲 大輝(以下、蒲): 僕もすごい楽しかったです。喋ることはあまり得意じゃないんですけど、東ブクロさんがリードしてくれて。話しやすかったです。

高崎: 東ブクロさんを見たときに「あ、本物だ!」って思って、けっこう緊張しました。

蒲: トークはもちろん流れを作るのもうまくて、「プロの芸人さんなんだ」って思いました。このレベルまで到達するのは、難しいんだろうなって。

――「学生芸人」がテーマの番組が始まると知ったときは、どう思いましたか?

高崎: 東ブクロさんMCというのが、意外でした。学生芸人出身で注目されている芸人と言えば、令和ロマンさんとかラランドさんというイメージだったんで。

蒲: そうですね。

高崎: あと、「出れたらいいな」と思ってました。

――収録のために準備していたのに、話せなかったエピソードはありますか?

高崎: (サークルの)先輩のエピソード話したろ!と準備してたんですけど、話すタイミングが無くて。最後のアピールタイムでばーっと喋っちゃって……そりゃウケるわけないか、と(笑)。そこだけ反省です、僕。

蒲: 3つくらいすごい面白いエピソードがあって。喋りたかったよな。

――どんなエピソードなんですか?

高崎: 旅館の部屋って、金庫あるじゃないですか。先輩が旅行先で金庫見たとき「あ、この会社ネットセキュリティもやってるねんな」って言ったんですけど、後々調べたら、もちろん金庫しか作ってなかった。……っていうエピソードがあります。(内輪では)大爆笑です。

蒲: 先輩の人となりを知った上で聞くと、ものすごく面白いんですけど(笑)。

高崎: 200個くらい、先輩のこういうエピソードがあります。

蒲: そんなにないでしょ(笑)。収録でも、(サークルの人数を)意味分かんない盛り方してたよね。

高崎: 246人くらいでしょ?

蒲: 正確に言うと、216人くらいです。

――嘘ではないくらいの、微妙な盛り方ですね(笑)。

高崎: でかいサークルだと思われたくて……(笑)。

プロに行った先輩は、学生時代からすごかった

――びんかんマチムスメは、『ワタナベお笑いNo.1決定戦2021』に出場されていましたね。なぜエントリーしようと思ったんですか?

高崎: LUDOの全体LINEに情報が流れてきて、「一応、応募してみようかな」という感じで。本気で勝ちに行こうというより、何気なく応募しました。

――プロも出場する大会ですよね。東ブクロさんと話してプロのすごさを感じた、というお話がありましたが、このときも感じましたか?

高崎: そうですね。ほんと、動作も技術もすごくて。これまで4年間(お笑いを)やってきたのに、ここにはまだ自分たちは達してないんだなと……。

蒲: そうですね。「これ以上、上にいけないな」、と。

高崎: (上には)いけなさそうだなと思いました。ネタについても。

蒲: 僕たちは、学生が1番笑うようなネタを作ってるんですよ。言っちゃいけないことを言ったり、下ネタをいっぱい入れたり……。

高崎: 学生芸人は“大喜利のネタ”を好む傾向があるんで、そういうのをやったりとか。プロでやっても、多分お客さんは笑ってくれないレベルの。

――“大喜利のネタ”というのは?

蒲: ボケがものすごく面白い漫才です。例えば、真空ジェシカさんみたいな。ツッコミというよりボケで笑わせる方が学生は好きで。かっこよく見えるんですよね。

――そうなんですね。ツッコミのほうが華というイメージがありました。

蒲: 学生芸人って尖ってるんですよ、やっぱり。普通じゃないお笑いを突き詰めることが、学生芸人として結果を出すためには必要なのかなと思います。ワタナベの大会では、同期の二組が準決勝まで進んだんですよ。

高崎: (その二組と自分たちは)やってるお笑いがけっこう違うんです。「あ、こういうのがいくんだ。そういう世界なんだな」って。

蒲: その二組は、老若男女みんなが笑えるネタをやっていて。

高崎: 俺らは“若男”だけ(笑)。学生お笑いはお客さんも“若男”が多いからウケてる、っていうのもあるんですよね。僕らのネタは、プロでは通用しないんです。(『ワタナベお笑いNo.1決定戦2021』のネタ中に)「通用しないよ!」って聞こえてきました。「それ、通用しないから!」ってお客さんに言われた気がしました。

蒲: おじいさんが、僕らの漫才をずっと腕組んで見てたんですよ。微動だにせず。それを見て、「あ、届かねぇや」って……

高崎: “老”には届かないし、もちろん“女”にも届かないし……。

――学生芸人として成功する=プロに直結、というわけではないんですね。

高崎: そうですね。

収録中のびんかんマチムスメ

――LUDO出身だと、ゴヤやゼンモンキーの荻野将太朗さんがプロとして活躍していますよね。そういう先輩たちは、学生時代から“老若男女”にウケるネタをやっていたんですか?

高崎: はい。すごかったです。

蒲: みんなが笑える、ものすごい面白いネタをやってました。

高崎: なんかもう、怖かったです。ゴヤのやまじさんとか、ほんとに怖くて。

蒲: オーラが半端なかったです。

高崎: 僕が1年生のときの4年生なんですけど、新歓ライブに行ったとき、喋る前に「あ、あの人が前の幹事長だ」って思いました。

蒲: 威厳がすごい。

高崎: 振る舞いとかね。一緒に旅行に行かせてもらったときも、「面白くない」と思われないように行動しました。

大学芸会で優勝したい

――蒲さんは、迷いなく就職を目指しているんですよね。高崎さんはまだ就活をしていないそうですが、芸人になるか迷っているということではないんですか?

高崎: ……「やばいな」とは思ってます。

蒲: 就活していないという現状が(笑)。

高崎: 「まじでやべー」って(笑)。就職すると、向こう数十年は会社に勤めるわけじゃないですか。人付き合いしたり、資料作成したり〆切に追われたり……みたいなことを数十年やらないといけないと思うと、嫌だなって。考えすぎだと思うんですけど、やりたいことが見つかるまでゲームとかしてたほうが良いなって(笑)。

――やりたいことがまだ見つかってないんですね。

高崎: うーん、好きなことしてお金稼ぎたいなと思って……

蒲: 僕は、高崎は芸人になったほうが良いんじゃないかって思います。ほんとに独特なんですよ。ツッコミとかキャラクターが。セルフプロデュースも上手いし。LUDOの中でも、1・2を争うくらい面白いんじゃないかな。ゴヤのやまじさんみたいな威厳こそないですけど……(笑)。そこもまた、強みなんですよ。

高崎: (笑)。ひょろくて、どうしようもないです。

蒲: 後輩からも親しみやすいというか。バカにしやすくて、面白い。元々持っているキャラで、プロになったら売れるんじゃないかと思うんですけどね。「高崎はプロになれば良いのに」って、LUDOの同期とも話してます。

高崎: それ聞いて、僕は「ありがとう」って思ってます(笑)。

東ブクロの前でネタを披露するびんかんマチムスメ

――今4年生ということで、学生芸人として活動するのもあと少しですね。学生芸人として成し遂げたい目標はありますか?

蒲: 僕は大会で優勝したいですね。

高崎: 『大学芸会』っていう個人戦の大会があって。僕は優勝とまでは言わないけど、決勝には行きたいです。

蒲: 僕は、優勝です。無尽蔵(東大落研)がめちゃくちゃ面白くて、優勝も“ほぼ確”みたいなもんなんですよ。

高崎: なんとか食らいつきたいですね。

蒲: 一緒のライブに出ることもあるんですけど、1回しか勝ったことなくて。

――ほかに、面白いと思う学生芸人さんはいますか?

高崎: 現代仏具(法政大学 お笑いサークルHOS)っていう漫才コンビ。俺らの上位互換みたいな感じじゃない?元気あるし。

蒲: 俺らも元気あるけどね。

高崎: 裸眼なんですよ、二人とも。しかも背も高くて。

蒲: お前が低いだけだけどね(笑)。

高崎: そう……とも言えるね。

蒲: 僕は、同期のアバンチュール(専修大学 落語研究会)ですね。同期で1番面白いと思っていて。ボケがわけの分からないことを叫んで、それをめちゃくちゃ強い大喜利でツッコむ、っていう。今年の大会では決勝確実かなと思います。

LUDOには、受け継がれた基礎がある!

――LUDOは全国でも最大級のお笑いサークルですよね。LUDOの強みってなんだと思いますか?

高崎: 人が多いんで、いろんなお笑いがあるんですよ。毎年100人単位で新入生が入ってくるんで。いろんなお笑いを見て感化されて、真似たりして、自分のオリジナルのスタイルになっていく……みたいなことが中では起きてます。みんな違うお笑いやってる。他のサークルでは無いと思います。

蒲: 伝統みたいなものがあるよね。「こういうふうにネタ作るんだよ」っていうのが、先輩からどんどん引き継がれてる感じ。

高崎: 教科書とか言葉で伝わってるわけじゃないんですけど、なんとなく脈々と受け継がれているものがあって。

蒲: だから、LUDOはずっと強いのかなと思います。

――大学でいきなり「お笑いをやろう」と思って入っても、安心ということですね。

高崎・蒲: そうです。

蒲: LUDOの人って、基礎がしっかりしてるんですよ。他大は自分でやってみながらスタイルを作っていくので、特徴的なネタをする人が多いんです。でもLUDOには受け継がれている形があるので、基礎ができてしっかり面白くなる。

高崎: だから、変なネタやるやつは淘汰されていきます。まぁ、弱みでもあるんですけどね。

蒲: “イロモノ”は、ネタ見せでも誰も笑わないです。他大ではめちゃくちゃウケるようなネタでも、イロモノってだけでLUDOではウケないです。

――最後に、読者の皆さんにアピールをお願いします!

高崎: ライブに来て、いっぱい笑ってほしいです!で、俺らを見て学生芸人を目指してほしいし、早く俺らのところまで来てほしい。

蒲: すごい上からだな(笑)。僕ら以外にも面白い人がたくさんいるので、是非LUDOのライブに足を運んでみてください!

取材 文/編集:堀越 愛、写真:くきまりこ

PROFILE

<びんかんマチムスメ>
早稲田大学「お笑い工房LUDO」所属。

左:蒲 大輝、右:高崎 蒼人

びんかんマチムスメ ネタ

『YOAKEMAE』びんかんマチムスメ 出演回

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