2021.05.31
【YOAKEMAE芸人】~番外編 ダウ90000~ 元学生芸人が、新ジャンルのエンタメを創り出す!「このメンバーで食っていけるようになりたい」
『さらば青春の光 東ブクロの学生芸人YOAKEMAE』(ラジオ関西)、5月30日放送のゲストは「ダウ90000」。日本大学芸術学部出身のメンバーで旗揚げした劇団です。収録直後、主催者であり作・演出を担当する蓮見翔さんにお話を聞きました。
きっかけは「テアトロコント」?
――収録お疲れ様でした。収録を終えてみてどうでしたか?
蓮見 翔(以下、蓮見): すごい楽しかったですね。ただ、他のメンバーが喋っているときは「何を言うのかな?」と心配になって緊張しましたね(笑)。
――東ブクロさんと話してみていかがでしたか?
蓮見: ずっと『キングオブコント』が好きで観ていたので、嬉しかったです。収録が終わった後も今後のことについてなどお話していただけて、すごい優しい方でした。
――この番組のことは知っていましたか?
蓮見: はい!学生芸人のラジオ番組が始まるっていうのは知ってました。でも「出たいけど学生じゃないしなぁ」と思ってましたね。
――ダウ90000はどんな集団ですか?
蓮見: 大学の演劇サークルが元になっている劇団です。卒業後「プロでやろう」となって、メンバーはちょっとだけ変わりました。表に出るのが9人、制作が3人くらいです。コントや演劇を中心にやってます。
――最近では『芸人雑誌』(2021年4月/太田出版)にも「女ミルクボーイ」のネタが載ったりと、注目度が上がっているように思います。なぜ注目度が上がったと思いますか?
蓮見: 『芸人雑誌』には前回(2020年9月)と今回で2回載せていただきました。最近いろんな人に観てもらえるようになったきっかけは「テアトロコント※」に呼んでいただけたことだと思います。そこでたくさんの人の目に触れたのかなと。
※コント師と演劇人が競演する、新たな公演形態のコントライブ
――「テアトロコント」ではザ・ギースさんやAマッソさんと共演なさっていましたね。
蓮見: 今まででダントツで1番緊張したと思います。でも、芸人さん全員優しい方で、楽屋で緊張が解けて本番に行けましたね。本当に芸人さん、みんな優しいんだなって思いました。
――佐久間宣行さん(テレビプロデューサー)が第一回本公演「フローリングならでは」(2021年1月公演)をご覧になっていましたね。観ていただいて、率直にどう思いましたか?
蓮見: Twitter、インスタで感想言って下さって、めちゃくちゃびっくりしましたね。他にも、いとうせいこうさんが「テアトロコント」のときにTwitterで言及してくださったり。(共演時に)ザ・ギースさん、Aマッソさん、今日の東ブクロさんなど、これまで自分が観てた人が自分の作ったものを観てくれてる状態がほんと想像してなかったことなので、あんまりまだわかってないですね。ふわふわしています。
――以前、YouTubeラジオで「ダウ90000は劇団なのか、芸人なのか、舞台に立つ際の位置付けがわからない」とおっしゃっていました。現在、どうお考えですか?
蓮見: そうですね。何を軸にやっていくのか決めないといけないなと思いますね。それに、今から9人全員で入れる事務所とかないと思うんで、自分達でその辺もやっていかなきゃいけないのかなと思っていたり。今が1番、「何したらいいのかな」っていうタイミングですね。
みんなが笑ってくれたのが嬉しかった
――蓮見さんはこれまで、演劇やコントだけでなくコンビでの活動などもされていましたね。今はダウ90000の活動に絞っているんですか?
蓮見: そうですね。今はダウ90000だけでやっていきたいと思っています。
――ダウ90000に重きをおこうと思ったのはどうしてですか?
蓮見: 大学時代、サークルメンバーの時間をかなりもらってしまったので(卒業と同時に)「もうやりません、さよなら」というのはちょっと申し訳ないというのがあったんです。演劇って、稽古だけで1か月かけたりするので……。自分としても、「このまま続けていったら何かあるんじゃないか」と思ったので、ここ1本に絞ることにしました。他のことをやってる余裕がない、というのももちろんあるんですけどね。
――そもそも、蓮見さんがコントをやろうと思ったきっかけってありますか?
蓮見: 高二の文化祭で撮った映画を、友達や先生がけっこう褒めてくれて。高三で劇をやったら、それもみんなが笑ってくれたんですよ。そういうのが続いて、「楽しいな」と思ったのがはじまりですね。
――蓮見さんが作品を作るにあたり、影響を受けたものはありますか?個人的に、作品の中にニヒルな要素を含ませるのが特色なのかな、と感じました。
蓮見: 僕が映画を撮った高二の頃は、Twitter流行のピークだったんです。Instagramもまだ流行ってなくて、みんなTwitterを使ってて。それで、「Twitterやってるイタい奴の悪口をずっと言う」っていう映画を撮ったんです。そしたら、(モデルになった)本人が映画を観て「あぁいう奴っているよね」って言ってきて。意外と本人は気付かないんだなと思いました。人が傷付くようなことは極力言いたくないんですけど、大丈夫なら良いのかなと(笑)。この経験があって、味をしめたのかなとは思います(笑)。
常に「次」を考える
――今注目している学生芸人はいますか?
蓮見: マンヒューマン(一橋大学お笑いサークルIOK)、すみだ水族館(千葉大学お笑いサークルP-RITTS)、無尽蔵(東京大学落語研究会)が面白いと思います。あと、サイハテ(明治大学お笑いサークル木曜会Z)とか。
――今1番好きな芸人さんはいますか?
蓮見: 1番はロングコートダディさんですね、やっぱり。コント、めちゃくちゃ面白いですね。漫才も面白いですし。
――共演したい方はいらっしゃいますか?
蓮見: やっぱりコントやってる方と一緒にできたら嬉しいなっていうのがありますね。ラブレターズさんとかは大学の先輩なので。あと、コントはあまりやられないと思うんですけど爆笑問題の田中さんが高校と大学が同じなので会ってみたいです。
――この1年はコロナの影響もあり、思うように活動できなかったと思います。どうやって乗り越えましたか?
蓮見: 「しょうがない」と思うしかなかったですね。自分の中で、なんとなく「3年やってダメだったら辞めよう」いう思いがあるんです。常に次のことを考えてないとすぐ3年経っちゃうので、ずっと「次」を考えてました。そうすれば、あまり凹まずに進めるので。
後輩が安心できるよう、早く「食える」ようになりたい
――ダウ90000として、今後はどういうことをやっていく予定ですか?
蓮見: 年に2回、演劇の本公演を続けていきたいと思ってます。できる限り毎月コントライブもやりたいですね。それと、1曲作りたいと思ってるんです。みんなで楽器練習して、音楽を作ってみようかなと。(音楽に)詳しいわけではないんですけど、新しい一手としてはこういうことを考えてます。1年後に1曲できてたらいいな。
――みんなで楽器ですか。面白いですね!
蓮見: いとうせいこうさんって、(作家・役者・ラップなど)いろんなことやってるじゃないですか。僕たちは、10人でいとうせいこうさんみたいになれたら良いなと思ってるんです。10人束になって、いろんなことができる団体になれたら面白いなと思って。
――今は就職しているメンバーもいるそうですね。いずれは劇団一本で活動できるようになるのが目標ですか?
蓮見: 裏方として残ってくれてるメンバーが、一人就職してますね。表に出てるメンバーは誰も就職してません。今は学生の子たちもいるので、早めに(劇団で)食べれるようになりたいです。そしたら、就活しなくていいので。なんとか、後輩たちを食べさせてあげたいと思ってます。
――YouTubeを見ると、ネタの本数がとても多いですよね。「早く食えるように」という思いもあって、たくさん書くようにしてるんでしょうか?
蓮見: とにかく数、書くようにしてますね。YouTubeきっかけで「テアトロコント」も出れたので、1番宣伝になってるのかなと思います。とにかくいっぱい書いて宣伝をいっぱいするっていう感覚ですね。最近は、「面白いけど売れない」という人はいなくなってると思うんです。発信さえすれば誰かが見てくれるので。僕らでさえ見つけてもらえたので、ありがたい世の中だなと思います。
――今後の目標はありますか?
蓮見: テレビにめちゃくちゃ出たいですね。知名度を上げて、全国をツアーでまわる、みたいなことをやりたいので。やっぱり、テレビに出てたくさんの人に知ってもらいたいです。
PROFILE
<ダウ90000>
日本大学芸術学部出身メンバーで旗揚げした劇団。
メンバーは、役者が9人・制作が3人。
蓮見 翔(主催/作・演出)
ダウ90000 ネタ
『YOAKEMAE』ダウ90000 出演回
「ダウ90000」情報
★Twitter:@daw90000 /YouTube用Twitterアカウント:@pandandconte
★Instagram:daw90000
★公式YouTube:いつかパンダとコントを
★問い合わせ先:90000daw@gmail.com