【YOAKEMAE芸人】~file.8 スリーメン~ 学生お笑いを始めたきっかけは、「さらばのネタに憧れて」!

『さらば青春の光 東ブクロの学生芸人YOAKEMAE』(ラジオ関西)、6月13日放送のゲストは「スリーメン」。創価大学落語研究会に所属する、現役学生芸人です。収録直後の二人に、お話を聞きました。

スリーメン(左:坊野 秀幸、右:佐藤 魁)

憧れの人・東ブクロに会えた!

――収録お疲れ様でした!今の感想を教えてください。

佐藤 魁(以下、佐藤): すごい緊張しました。ペラペラ口だけ回っちゃって(笑)。変なこと言ってないか、めっちゃ怖いです。

坊野 秀幸(以下、坊野): 僕は、さらば青春の光さんが一番好きな芸人なんです。今日は東ブクロさんにお会いできるので、舞い上がってる部分がありました。「もっと良い返しができたんじゃないか」って思うところもあります……でも、東ブクロさんが笑ってくれて嬉しかったです!

――憧れの人の前で、ギャグを披露できましたね!

坊野: いやぁ、もう、恥ずかしかったですけど(笑)。愛想かもしれないけど笑ってくださったので、すごい嬉しかったです。

――東ブクロさんと直接お話してみて、感じたことはありますか?

坊野: こっちが面白くないことを言っても笑いにしてくださるし、そこの技術というか……なんでも笑いにする返し方がすごいなぁって思いました。プロと学生の差を感じましたね。

佐藤: 区切り方が上手くて、すごいと思いました。普通に話していると、着地点の無い話が多いじゃないですか。でも東ブクロさんは、全部の話題に着地を決めてるんだろうなって。多分、終わり方を考えながら話しているのかなと思って、すごく「プロだなぁ」と。

――なるほど。話の構成力ですね。

坊野: あと「いじりしろ」を見つけた瞬間に捕まえにいくというか(笑)。そこもすごく早かったです。

東ブクロの前でネタを披露するスリーメン

――収録に向けて準備してきたことは、すべて話せましたか?

坊野: そうですね。でも、もっと東ブクロさんの話を聞いてみたかったです。ネタの作り方とか、森田さんとなんでコンビ組んだのかとか。ちょっと聞いてみたかったんですけど……でも僕らを掘ってくださったんで、すごくありがたかったです。

――ちなみに、この番組のことはご存じでしたか?

佐藤: なんとなく。学生芸人の番組が始まったことは知ってたんですけど、僕はあんま聴いてなくて。坊野は聴いてるんですけど……

坊野: ちゃんと学生芸人の特徴をフィーチャーしてくれますし、毎回必ず下ネタゾーンに入るのが東ブクロさんらしくて(笑)。面白いなと思って聴いてました。

――出演依頼が来たときはどう思いましたか?

坊野: いやーもう、めちゃくちゃ嬉しかったです。憧れの人に会えるっていうのもありますし、僕らは大会でなんのタイトルも獲ってないのでラッキーだなと。

佐藤: 僕は初めて観たお笑いのネタがさらば青春の光さんのコントだったんで、その人と会えるっていうのが嬉しくて。画面の向こう側の人だと思ってたので、本当に嬉しかったです。

――さらばさんの、どういうところが好きなんですか?

坊野: 僕は、ヤンキーを更生させた恩師とそのヤンキーが再会するコントとかが特に好きなんですけど、なんていうんですかね……切り取るところが、良い意味で本当に意地が悪いというか。人がちょっと嫌だなって思うところを広げる力が凄すぎて。簡単に言うと天才だなって。こういうネタがやりたいと思って大学お笑い始めました。

佐藤: 僕、収録中に「好きじゃない」って言っちゃったんですけど、本当は大好きです(笑)!変なこと言っちゃった、慌てて。元々コントが好きで見てたんですけど、中でも“構成で裏切られるかたち”というか……そういうのが面白いなと思うようになったきっかけが、さらばさんのネタだったんです。なんと言うか、赤ちゃんの鳥が初めて見たものを親だと思うような。そんな感じの憧れなんです。

ギャグ漫才で、大学お笑いをやり切ろう

――将来的に、坊野さんはプロに進むのでしょうか?

坊野: 可能性は、半分半分ですね。

――もしプロに進むとしたら、どういう芸人さんになりたいですか?

坊野: 自分が好きなことをして面白いと思ってもらえるのが一番良いんですけど、まぁそんなうまい話はないので(笑)。まずはネタが面白い芸人になれるように頑張っていけたらと思いますね。

――佐藤さんから見て、プロに進むにあたって坊野さんの強みになることはなんだと思いますか?

佐藤: なにより、ネタに対してストイックです。めちゃくちゃ突き詰めて作るし、妥協が一つも無いなと思うくらいすごいんで。ギャグも頑張って作ってて……これバラしちゃいけないか(笑)。

坊野: (笑)。

佐藤: やっぱり、熱量ですかね。どれだけ時間かかっても絶対に完成させる力というか。すごいものがあると思ってるんで、プロになったら彼はネタで売れるんじゃないかって思います。

坊野: すごいハードル上がるし、恥ずかしいし(笑)。

佐藤: いや、でもそうなるんじゃないかな。いきなりバラエティに出る感じではなく、がっつりネタをやって、ジワジワ売れていくんじゃないかな。そういうのが向いてるというか、良いと思いますね。

坊野: 照れちゃいますね。

ネタ中のスリーメン

――坊野さんは、佐藤さんに「一緒にプロに進もう」と誘うことは無かったんですか?

坊野: 1年生の頃は、ギャグ漫才じゃなくコントをやってたんですよ。そのままコントで上手くいってたら、誘ってたかなと思います。仲良いし、話も合いますし、誘わない理由は無かったです。

――ギャグ漫才に転向したことが、転機になったと……。

坊野: そうですね。「大学お笑いをやりきろう」という方向にシフトしたので、それもあって(一緒にプロになる未来が)見えないというか……。ギャグ漫才で、ある程度仕上がった感じがあるんです。一緒に三年間やってきて、ここからプロになるために二人でどうしたら良いかが見えない。

――二人だとギャグ漫才しかできない、と。

坊野: はい、変な脳みそになっちゃって(笑)。大学お笑いだからこそ、ギャグ漫才がウケるのかな、というのもあります。

大学生活をやり直せるなら……

――もう一度大学生をやり直せるとしたら、また学生芸人やりますか?

坊野: 結局やっちゃいますね。落研しか向いてないというか……(笑)。この三年間、楽しかったですし。

――どういうところが楽しかったですか?

坊野: 僕ら月一でライブを開催してるんですけど、お客さんが200人くらい入ることもあるんですよ。そこでお客さんが笑ってくれたときの快感は、やっぱたまんないです(笑)。あと、自分と同じもの(お笑い)を好きな人たちの表現を見れることや、自分の表現を評価してもらえることも楽しいですね。

――佐藤さんは、また学生芸人やると思いますか?

佐藤: そうですね。多分、また落研に入ると思います。僕はどちらかというと、(お笑いはもちろんだけど)めちゃくちゃ「創価落研」が大好きなんで。だから、創価落研をまた4年間できるならやり直したいですね。そういう意味で、学生芸人をまたやると思います。

――なぜそんなに、創価落研が好きなんですか?

佐藤: そうですねぇ、なんというか、本気なんですよ。中高の部活動とかも力入れてはいたんですけど、落研の活動が人生で一番くらい頑張ったことなんです。コロナで1年間活動できなかったのもあるし、(大学生活の)2週目ができるんならやりたい。もっと長くやっていたいなって思いますね。

――二人が在学中に成し遂げたい目標はありますか?創価落研は、4年生になると大会には出れないようですが……。

坊野: 出れないということは無いんですけど、(大会出場は3年生までという)暗黙の了解的なものがありますね。2020年の冬の大会に焦点をあてていたんですけど、コロナで無くなっちゃって。

――それはすごく辛いですね……。

佐藤: そうですね。

坊野: 本当は、冬に出れなかった分、今年の夏の大会に出ようかという話してたんです。でもこのラジオのオファーが来たんで、もう出れなくても良いやって(笑)。

佐藤: そうっすね。お互いが大好きな尊敬する芸人さんのラジオに出させていただけて。ほんならええかぁ、みたいな(笑)。

――じゃあ、今日の収録が二人の集大成だったんですか?

坊野: なんというか……大会に出て振るわず、っていうのが一番嫌というか(笑)。

佐藤: もし大会でウケなかったら、4年生として1番恥ずかしいです(笑)。

――しかも、もし出るとしたら「創価落研の暗黙の了解」を破って。

佐藤: そのリスクがすごい(笑)。

坊野: しかもサークルの後輩に面白い子がいっぱいいるんで、別に僕らが出る必要も無いのかなと(笑)。後輩が頑張ってくれれば。なので、ライブとかに呼んでいただけたら出て、お客さんを頑張って笑わせたいと思います。

収録中の様子

創価落研に残る、ナイツ・塙さんの伝説

――他大のお笑いサークルや部活に比べて、創価落研がアピールできることはありますか?

佐藤: ライブ制作に命懸けてるというか、裏方さんやスタッフさん含めて一丸でやってる空気感ですかね。毎月ライブをやってるんですけど、本番2週間前から毎日部会をやります。コロナ禍なんで今はできないんですけど、それまでは毎日部会後に誰かの家に集まって、制作物とか映像を作ったりしてました。1ヶ月かけてライブを作る、というのを毎月やってるので、結束感が他大よりもあるかもしれないです。全員でやろうという雰囲気があるので、ついてこれない子も「一緒に頑張ろう」とすくい上げるあったかさもあります。

坊野: 他の団体と違うのは、お笑いが好きというより「落研が好き」っていう人がいっぱいいることですかね。僕はお笑いが好きで続けられた部分もあるんですけど、「落研が好き」だけでやってる人も多いと思います。ライブに来てくれたお客さんの満足度ももちろん大事にしつつ、ライブを作っている僕たちも含めてみんなが笑顔になれるようにと真剣にやってるので、結束力はやっぱり強いですね。アットホームで良いなって思います。

――創価落研は、ナイツさんなど有名な卒業生もいらっしゃいますよね。在籍当時のエピソードで語り継がれているようなことはありますか?

佐藤: 塙さんは在学当時から面白過ぎて、伝説になってます。大学内に、学生ホールっていうでっかい劇場があるんです。塙さんがいた当時は、落研がそこでライブやるって言ったら客席も2階席も全部埋まるくらいの大人気で。客席が280人くらい、2階席は立ち見だったら100人くらいは入ると思うので、400人近く埋めてたんですよ。

※現在、2階席は封鎖されている

――落研で、400人近く埋めるんですか!すごいですね。

佐藤: そうなんです。あと、塙さんの思い付きでやったらしいんですけど、ライブの裏で24時間かけて、千葉から創価大学のある八王子まで走って戻ってくるっていう企画をやったらしくて……

――走ってですか!?

佐藤: 走ってるんですよ(笑)。途中で休んだり、夜中に「吉野家行こう」って飯食ったりしてる映像が今も残ってますね。

――ライブ中に……。24時間テレビのマラソンみたいなイメージですか?

佐藤: 本当にそんな感じですね(笑)。人がたくさん集まってる映像があって、そこに向かって塙さんが「戻ってきたぞー!」みたく走ってくる映像が残ってるんで。ライブ終わりに間に合ったんじゃないですかね。

――すごいエピソードですね(笑)。最後に、『YOAKEMAE』のリスナーや読者に向けてメッセージをお願いします。

坊野: 以前、オズワルドの伊藤さんが『NOROSHI』の予選MCをしてくださったことがあるんです。その後ご自身のnote(有料)で、大学お笑いや大会で感じたことを書いてくださって。すごく大学お笑いを褒めてくださって、プロ顔負けの熱量でお笑いやって大会に向き合ってた、みたいなことを言ってくれてたんですよ。やっぱり大学お笑いって年々熱量が高まってきてるし、プロでは見れないものがいっぱいあるんで、お笑いファンの方はきっと好きなんじゃないかなって思います。

――ライブは学外の人でも観に行けるんですか?

佐藤: はい、観れます!それから、創価落研は同じ大学の方しか入部できないんですが、大学お笑いは結構インカレサークルも多いです。違う大学でも入れたりするので、お笑い好きだったら入ってみたら良いと思います!

取材 文・写真:堀越 愛

PROFILE

<スリーメン>
創価大学落語研究会 所属

左:坊野 秀幸、右:佐藤 魁

『YOAKEMAE』スリーメン 出演回

創価大学落語研究会 情報

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