2021.09.03

【WEST ANTS ストーリー -vol.4 風穴あけるズ-（前編）】テレビにたくさん出て、国民全員を「勘違い」させる～西の地下で轟く、新たな笑いの息吹～

2021年4月、大阪のライブシーンで活動する9組18人の芸人によるユニット『WEST ANTS』が誕生しました。発起人は、大阪・西心斎橋で「BAR舞台袖」を営む加藤進之介さん。大阪のお笑いを盛り上げるべく、本当に「面白い」と思う芸人を集めました。（加藤さんインタビュー：大阪を「芸人が飯を食える場所」にしたい）

『WEST ANTS』結成にあたり、無くてはならない存在だったと加藤さんが語るのが「風穴あけるズ」。松竹芸能所属のトリオで、ユニットメンバーの中では知名度・実力ともにトップの芸人です。インタビュー前編では、ユニットを名実ともに牽引する彼らに結成の経緯や賞レースへの想い、今後の目標などについてお聞きしました。（インタビュー後編はこちら）

★【WEST ANTS ストーリー -vol.0-】大阪お笑いに、新たな息吹！芸人ユニット『WEST ANTS』とは

松竹に入った理由

――芸人を目指すにあたり、松竹芸能に入ったのはなぜですか？

飛び出せっ！安藤っ！（以下、安藤）：　僕は、NSCより入学金が安かったから松竹を選びました。

ノブヨシ日本代表（以下、ノブヨシ）：　僕もです。

コブラ：　僕が芸人を目指し始めた頃は大阪松竹しかなかったんで、それで松竹に入りました。

安藤：　へー、なるほどな。

コブラ：　……あったやろ、吉本も！「なるほどな」はおかしいやろ。

安藤：　しゃーない、しゃーない。

コブラ：　最初は吉本行こうとしたんですよ、それはほんまっす。23歳のときですね。4月にNSC入ろうとしてたんすけど、お金貯まらんくて。

安藤：　うん。

コブラ：　その年養成所に入れんかったら「芸人になるの辞めよう」と思ってたんですけど、松竹は“10月生”ってのがあったんで。

安藤：　うんうん。

コブラ：　それで松竹に行っただけっす。入学金も安いし。当時はめっちゃ安かったので、それで「じゃあ松竹にしようか」ってことで10月から……。

安藤：　うんうんうんうん。

コブラ：　うるさいな、「うんうん」、お前。

安藤：　なんも言うてへん。

コブラ：　お前の「うんうん」一番うるさい。

安藤：　「あ、そうなんや、そういう過去があったんや」って思ってる。

コブラ：　うるさ。

ノブヨシ：　そういう過去があったんや～。

コブラ：　なんで一緒になって嬉しそやねん、お前は。

ノブヨシ：　感心した（笑）。

2015年、M-1が繋ぎとめた芸人人生

――「風穴あけるズ」さんは、最初はコブラさんとノブヨシさんのコンビでしたが、後から安藤さんが加入してトリオになっていますよね。安藤さんが加入した経緯について教えてください。

安藤：　僕はいろんな人と組んでたんですけど、上手くいかんなって思ってて。後輩に「ソエジマ隊員」っていう、ダルビッシュ有のものまねをして一世風靡した芸人がいるんですよ。ネタのブリッジだけ完成高い人間がいるんす。そいつに相談したら、「いや安藤さん。風穴あけるズがいますよ」って言われて。「確かに、やばい二人おるわ」と思って。それで声かけました。でも、コブラには一瞬断られたんです。

コブラ：　そうですね、嫌でしたね。もう、しんどかったんで。

ノブヨシ：　また先輩面されるんもね、面倒くさかったんだと。

安藤：　先輩面すると思ってたん？俺のこと。

コブラ：　僕からしたら、一年半先輩なんですよ。一年半って松竹的には結構先輩で。「嫌やな、普通に」って。俺はゆっくりやりたかったし、入れんとこうと思ってました。

……でも、ノブヨシが裏切ったから「組む」ってなったんですよ。本当に僕は、入れんとこうと思ってたんです。すごい嫌で。この人（安藤）とユニットで組んでる人に「あんなコンビ入ってどうすんねん。安藤が入ったとしてもおもろならんわ」みたいなこと言われてたってノブヨシさんから聞いて、普通にムカついたんで。「じゃあ、あいつ入れんでおもろなろう」って。「あんな奴、入れんでいい」って思ってたんですけど。

安藤：　俺はなにもしてへん。

コブラ：　んで、（ノブヨシが）「オッケーオッケー、断る断る、もう僕が断るわ」って言ってたのに、「入ってください」って言ったんすよ。梅田のファーストキッチンで。ほんといろんな人に「安藤くんは面白い」って言われてて。

ノブヨシ：　そうそう。

コブラ：　なぁにが「安藤くんは面白いんじゃ」と思ってたんすけど。

ノブヨシ：　（笑）。

コブラ：　実際、面白かったっす……。

安藤：　いらん、いらんいらん。いらん上げ方してる。なんか意図あるやろ。

コブラ：　なんもないっすよ。

安藤：　どっか落とそうとしてるやろ。

コブラ：　いや、してないですよ。普通に、本当にすごかったんでね。

ノブヨシ：　はい、心強かったっす。（安藤は）一番先輩になるんで、すごい心強いっす。

安藤：　当たり前のこと言ってるやん。

コブラ：　良いっすやん、心強かった。一番先輩なんで心強かった。

ノブヨシ：　けど、年は一番下なんですよ。まぁまぁ、弟の面もありながら、お兄さんの面もあるみたいな（笑）。

安藤：　無理矢理せんでええ。

――ノブヨシさんは、コブラさんから「入れないでおこう」と言われたときは、どう思ったんですか？

ノブヨシ：　「いや、絶対入れた方がええ」って思いました（笑）。僕は全然OKでしたよ。

安藤：　意見の相違が……。

コブラ：　でも、それやったらそのとき言ってくれて良かったのにね。「絶対入れたほうがええよ」って。「断ろう」「そうやな！断ろう断ろう」って言ってましたよ。

ノブヨシ：　（爆笑）ほんま？

安藤：　お前、人たらしみたいなことしてんの？やば！

コブラ：　澄ましてるで。

安藤：　この目してるとき一番やばい。

ノブヨシ：　けど、（コブラと）二人で組んでるときは「もう芸人辞めよう」と思ってましたからね。一回『M-1』に出て、もう辞めたろうと思って。

――そこから辞めずに続けることになったきっかけはなんですか？

コブラ：　やっぱり、安藤さんの “檄（げき）”ですかね。僕みたいなやる気のない奴に対して、安藤さんは「一緒に頑張ろう。一緒にやっていこうぜ」って。ずっと手をこうやって（握って）、「一緒にやっていこうぜ！」ってやってくれるんで。なんかそれ見てたら、知らず知らずの間に足が動き始めて、気がついたら2021年7月^※まで来ました。

※取材日は2021年7月15日

――そうなんですね、ありがとうございます。

安藤：　はははは（笑）。なんも信用されてない（笑）。

――本当のことを言うときの話し方ではないなと……。

安藤：　分かりやすいな。

ノブヨシ：　でも、たまたまっすよね。自分は、安藤さんが入っても2015年で辞めるつもりやったんで。

安藤：　僕も別に、最後、ほんまに辞める前に組んで……。

コブラ：　こんなもん詐欺師ですから。こいつ（安藤）の言葉、あんま信用したらあかんすっよ。辞めるって約束で入れてやったんすよ。辞めるって約束で、「わかった」って言ったんすよ。それなのに、アホみたいにライブの量増やしたんすよ。こいつ馬鹿なんかなと思いましたよ。だって、辞めんのにライブの量増やすってなんなん？って思って。「出たくない出たくない」って言っても、「いや、出た方が良い出た方が良い」で。俺は、「辞める辞める、もう辞めさせしてくれ、もう絶対辞めるからな、しんどいし」って言ったら、こいつ『M-1』の前日に「まぁ今年で辞めるっていうのは無しやな」って。

安藤：　いや、それは記憶改編してるよ、お前。

コブラ：　「あともう1年やってみて、あかんかったら辞めようや」って言われた。

安藤：　いや、「どうや？」って。「来年もやってみるのはどうや？」って。

コブラ：　あなた、あの当時そんな大人じゃなかった。

安藤：　いや、提案した。「どうや？」って。

コブラ：　24～5歳でしょ、あのとき。小僧が！

安藤：　24～5やな。

コブラ：　ほんで、ほんまにみんな（M-1予選は）落ちると思ってたんすよ、2015年。インディーズライブも全部スベってたんで。……っていうときに、ほんまに『M-1』の1回戦だけ、ばっと（ウケた）。これが「初めてウケた」くらいっすもんね。

安藤：　そうそうそうそう。

コブラ：　ほんで、ノブヨシがまだ捌けてないのにガッツポーズしててて。「受かった受かった」って。

ノブヨシ：　「おっしゃ！」って。

コブラ：　ほんで、なんか「続けよう」ってなったんすよ。「受かれるんや」って。「2回戦も思い出や」って三人で行ったんですけど、なんか2回戦も知らんけど受かっとって。3回戦になったら、全員記憶飛ぶぐらい緊張して。初めての漫才劇場（よしもと漫才劇場）で……。

安藤：　俺、スベりすぎて、客席吹き飛んだんかと思った。もう誰もおらへんのかと思ったわ。

コブラ：　ずっと無音で……マンゲキ(漫才劇場)も初めてだったんで。めっちゃでかいんすよ、マンゲキ。「でっか！」と思って。「でっかー！」ってなりましたよね。2回言いました。

大阪松竹が「好き」？

――風穴あけるズさんの周りには東京に行く芸人さんも多かったと思うのですが、あえて大阪で活動を続ける理由はなんですか？

安藤：　なんていうんですかね。その、動く理由がない。別に東京に道があるわけじゃないし……別に大阪にも道あるわけじゃないですけど、ただおる。元からいたんで、おるっていうだけなんで。

ノブヨシ：　居心地がいい。……そういうこと？

安藤：　いや俺に聞くなよ。

ノブヨシ：　そうですね。住みやすい街です、大阪は。

安藤：　タウン情報誌ちゃうんやから。

コブラ：　でも、大阪松竹を辞めてない理由って言うんやったら、愛です。愛。

安藤：　喋り方……。お前、（本心と)違うやろ。一番愛が無いやつや、お前は。

コブラ：　でも、東京の大手にとんでもないパイプができたらすぐにそっち行きます（笑）。

安藤：　まぁ、僕らも大阪松竹が好き……そうっすね、ここだけ太字で行けます？

コブラ：　あとは全部めっちゃ細い字で。

安藤：　あと、やっぱみんな東京行くんで。「そんな行くん？」みたいに思ったのは事実ですね。

コブラ：　確かに、ごそっと行ったんで。

安藤：　めちゃくちゃ行ったんで。行き過ぎで逆に身を引いたっていうのも。

コブラ：　東京行くか辞めるかですもんね、ほんまに。

売れたら「ライブで暮らす」という案が出るかも

――風穴あけるズさんにとって、「売れる」とはどういうことだと思いますか？

安藤：　えー。お金持ちになるってことですかね。

コブラ：　そうですね。でも俺は、『M-1』優勝かな。もし獲ったりしたら、「売れる」じゃないですか。

安藤：　そうか、「売れる」……。

コブラ：　俺、もし優勝したらみんなに言うもん。もうね、「チャンピオンやで」って、毎日言おう。Twitterとかで「おはよう。どうもM-1チャンピオンです」。

安藤：　老害なるんちゃう？おまえ（笑）。

コブラ：　別にええやん。

安藤：　「年いって、まだ言うとるやんあのおっさん！」って。

ノブヨシ：　ワンカップ飲みながら、公園で「ワシはチャンピオンや！」（笑）。

コブラ：　ほんまにM-1チャンピオンやもん。

安藤・ノブヨシ：　そらそやな。

ノブヨシ：　なんすかね、町で顔指されるとかそんな感じですかね。しかも横に友達おったらね、なんか誇らしい。良いですね。

――テレビで注目を浴びるということが、“売れる段階に入る”ということでしょうか。お金持ちやM-1優勝もそうですね。

三人：　そうすね。

コブラ：　そうしないと、僕らに人なんか付いてこないっすからね。

安藤：　テレビで、国民全員を勘違いさせるっていう作業を僕らがせな駄目なんで。「もしかしたらすごい奴なんかもしれん」という勘違いをさせる作業を、一回。テレビにいっぱい出て……。

コブラ：　そしたら、ライブ打ってもお客さん入るんで。そこからはライブで暮らすっていう案も出てくるかもしれないすね。

来年の夏にはバイトを辞めてたい

――これからの目標を教えてください。

安藤：　1年後に、バイトやってなかったらベストです。5年後・10年後はどうなってるか分からんすけど、1年後にバイト辞められたらいいなっていう。

コブラ：　確かに、いいっすね

安藤：　その先は、バイト辞めてから考えたい。

――バイトを辞めるためには、たくさんテレビに出て稼げるようになるということでしょうか？

安藤：　そうですね。だから、勘違いして俺らに単価の高い額払ってくれる人を見つけるしかないっすよね。いっぱいテレビ出て、勘違いさせて、お金を稼ぐという。

――「勘違い」と卑下しなくても、「面白いから好きになってもらえる」ということでいいと思います（笑）。

コブラ：　そうですよ、気になってましたよ、さっきから。「勘違い」は全部カットします。

安藤：　いや、お前に権限はない。だからその、いっぱい出て、バイトはとりあえず辞めたいですよね。

コブラ：　確かに。

安藤：　バイトはな。もう、お前も辞めたいやろ。

コブラ：　バイトは辞めたいっすよ。それか、もうバイトだけにするかどっちかですよ。

安藤：　いや、辞めてるやん。社員になっちゃうよお前。

コブラ：　もうしんどいんすよ。（芸人とバイト）両方やるのしんどいから、どっちか辞める。

安藤：　1年後？

コブラ：　5年後くらい？どっちかですね。

安藤：　お前のとこのバイトでのし上がっても、天井見えてるって。

コブラ：　そうやな。で、10年後には田舎に引っ越す。そう、ね、だからそうしますわ。…………え？

安藤：　誰が喋ったん。

コブラ：　誰ですか？

安藤：　いやまあ、とりあえず1年後っすね。来年の夏までにバイト辞めてたら良いですね。

ノブヨシ：　あと一人暮らししたいですね。お金ないんで、ルームシェアやってるんです、今。けどやっぱね、3年後には一人暮らししてたい。

安藤：　できんねん、お前別に、できるって。

コブラ：　1年後に一人暮らしですか。

ノブヨシ：　1年に一人暮らしや。

安藤：　お前、今家賃なんぼや。

ノブヨシ：　えー、今2万6000円。

安藤：　そこに2万足したらできる。

ノブヨシ：　ほんま？そうなん？

安藤：　2万ちょい足したらできる、大阪なら。お前がやる気ないだけ。

ノブヨシ：　探せばあるんだ。

安藤：　あるやろ、そら。

ノブヨシ：　とりあえず一人暮らし出来るように、頑張ります。

コブラ：　応援してます。

月35万

――皆さんが「こうなりたい」と思う芸人像を教えてください。

安藤：　僕は最後、所さんとかヒロミさんのように、基地みたいなのを作りたいです。趣味で生きるみたいな。最終的にはそこに向かって行きたいっすね。若手の芸人が、「これ良いっすね！」って言ったら、「やるよお前、それ！」みたいな。

コブラ：　なんやろ、ノリさん（木梨憲武）みたいな人良いっすよね。僕はなにも作れないですけど、自由な感じがあるんで。ああいう感じは憧れますけど。あとは誰やろ。……爆笑問題の太田さんかもしれない。やっぱり、あの歳なっても「まだ笑かすぞ」っていうバイタリティがある人間にはなりたいですね。

ノブヨシ：　僕は、うーん……まぁ健康でね、なんて言うんですかね。美味しいご飯食べて、少しのお金を持って、ちょっと裕福な暮らしして、まぁなんかね。

安藤：　なんやその、軽めの宮沢賢治みたいなもん。ちょっと裕福な暮らしって。

ノブヨシ：　ほんのちょっとだけ裕福な暮らしをしたい。ちょっとだけ。なんでもちょっとだけ余裕があるっていう。

安藤：　それが一番贅沢なんよ。

ノブヨシ：　貰いすぎてもあれやし。

安藤：　誰が言うてんねん。お前みたいなやつが一番頑張れよ。

ノブヨシ：　ちょっとだけ、ちょっとだけ。

安藤：　ちょっとだけ金持ちって、金持ちではあんねんな。

ノブヨシ：　そんな贅沢は言うてない。

安藤：　言うてんねん、金持ちの視点で。

ノブヨシ：　ちょっとだけだよ、ほんま。ちょっとだけやで。まぁ月30万くらい、いや35万で。

コブラ：　まだ言うてるで。

ノブヨシ：　35万あったらいけます。大丈夫です。

やれることをやって、待っている

――『M-1』や、『ytv漫才新人賞』、『上方漫才大賞新人賞』といった関西の賞レースに対する想いを教えていただきたいです。

安藤：　『M-1』については、欲かいてますよね。「もうちょっと行けんちゃうか」って、欲かいてしまう。良いんか悪いんか…。

(沈黙)

安藤：　なんでだんまりなんねん。

コブラ：　いや「M-1か……」と思ってね。もう、あれしかないんで。僕らみたいな芸人が世間の人に知ってもらえて、売れるチャンスがあるっていうのは『M-1』なんで。やっぱり、なんかその……頭おかしなっちゃいますよね、『M-1』が始まったら。年に一回しかないんでやっぱり、ちょっとしんどいっすよね。

安藤：　しんどいんや。あとytv（漫才新人賞）もね、だいぶ出してもらってるんで……。

コブラ：　なんとかして最後決勝メンバーに入れたらいいですけど。

ノブヨシ：　巨人師匠を笑わせたいっすね。大爆笑させたいっていうか。

コブラ：　もう6年出てますし、これはすごい早い時期から出してもらってるんで、どっちかですね。ytvで決勝に行くか、「選考会最多出場」を叩き出すかどっちか。13～14回出てるんで。

安藤：　イチローみたいになるってことやろ？

コブラ：　でも、不名誉なんですけどね。回数だけ増えていってるから。

――選考会に一番多く出ているのは、どの芸人さんなんでしょうか？

コブラ：　多分、僕らっすね。みんなやっぱり決勝行くんで。どっかで。

安藤：　みんな決勝行って売れてくんで。俺らだけずっと残ってる。

ノブヨシ：　そうっすね。

――関西の賞レースに関しては、優勝を狙っていきたいということですね。

安藤：　そうっすね、賞は欲しいっすね。

コブラ：　優勝を狙っていきたいっていうより、決勝を狙ってあわよくば優勝したいところですよね。

安藤：　すぐ欲かくんで。一個上がったら欲かく。なにか奇跡起きひんかなって思ったりする。決勝は……行ってまえば、あとは奇跡待つだけ。僕ら、できることはMAXでやってるんです。キャパがないだけで……、僕らでやれることはやったから、早くなんかこいって思ってるだけなんすよ。やれることはやって、準備だけして、待つ。

コブラ：　でも、そうやって考えると「WEST ANTS」ってなにか新しいきっかけになるのかなと思いますね。

安藤：　そうっすね。

コブラ：　このまま松竹にずっとおってなにもないよりは、「WEST ANTS」っていう、加藤くんが新しい風を起こそうとしとる中に入れてもらって、もちろん東京とかも行って。これまでは東京のライブ自体出たことなかったんで、はい。出てみて「こんな空気なんや」っていうのも知れたんで、そういう意味では「WEST ANTS」っていうグループは良いですよね。

【後編を読む】人の力を使って前に進み、最後にまくる

取材　ライター：藤田うな、写真：サトミメイ
編集　堀越愛